有価証券報告書-第23期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
[表1]前年同期比 (単位:百万円)
( )内は商品取扱高(その他商品取扱高除く)に対する割合です。
当社グループは、「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。」という企業理念のもと、日本最大級のファッションECサイト「ZOZOTOWN」の運営、及びファッションメディア「WEAR」の運営を中心に事業活動を行っております。
当連結会計年度においては、期初より新型コロナウイルス感染拡大が継続し、新しい生活様式が徐々に定着してきた一方で、アパレル業界にとって厳しい市況となりました。この状況下で当社グループは、ZOZOTOWNにおいてはユニークユーザー数拡大及びコンバージョンレート(ユニークユーザーの購買率)向上を目指し、ユーザーとブランド双方にとって魅力的なサイト作りに一層注力してまいりました。具体的には、2020年5月・9月・11月にセールイベント「ZOZOWEEK」の実施(2020年5月15日~24日の10日間、同年9月9日~13日及び18日~22日の10日間、同年11月6日~15日及び19日~25日の17日間)や、同年11月及び2021年1月には、セールイベント実施と同タイミングでTVCMを放送し集客を強化する等、ZOZOTOWNにおける販売力の最大化に取り組みました。加えて、引き続き多様化するユーザーニーズに対応できるよう積極的に幅広いジャンルの新規ブランドの出店も進めてまいりました。
商材拡張の一環としては、D2C事業やカテゴリー強化を積極的に進めております。当連結会計年度より、才能やセンス溢れる“個人”とともにファッションブランドをつくるD2C事業「YOUR BRAND PROJECT Powered by ZOZO」を始動し、2020年10月22日より当社がインフルエンサーと立ち上げたブランドを順次販売開始いたしました。2021年3月には新たな著名インフルエンサーも加わり、春夏アイテムの販売も開始しております。なお、D2C事業における商品取扱高は主に買取ショップに計上しております。カテゴリー強化第1弾としては、「ZOZOMAT」を用いてZOZOTOWNでの靴カテゴリーの商品取扱高拡大を進めてまいりました。2020年2月27日より足型の3Dデータ化を行い靴選びに必要な複数部位の計測を可能とする「ZOZOMAT」の配布を開始し、既に多くのユーザーに活用いただいております。現在までにZOZOTOWNで販売している靴のうち、ZOZOMAT対応型数は2,500型超まで拡大しており、靴カテゴリーは順調に売上を伸ばしております。加えて、2021年3月18日より、ZOZOTOWNのリニューアルを実施し、同時にコスメカテゴリー強化を図る「ZOZOCOSME」及び国内外のラグジュアリーブランドを取り揃えた「ZOZOVILLA」を開始いたしました。ZOZOCOSMEはローンチ時より国内外の500以上のコスメブランドを取り扱い、女性アクティブ会員比率が7割を占め、コスメとの親和性の高いユーザーを既に抱えているZOZOTOWNにおいて、コスメカテゴリーの商品取扱高拡大を目指しています。また、高精度で肌の色を計測できるツール「ZOZOGLASS」を用いて、計測した肌の色に最も近いファンデーションの色を提案する購入アシスト機能を実装しており、ユーザーに新しい購入体験を提供いたします。ZOZOVILLAは国内外の90以上のラグジュアリーブランドを集めたZOZOTOWN内のラグジュアリー&デザイナーズゾーンで、創業以来ファッションと共に成長してきた当社が、改めて「服好き」の方へファッションを楽しむ場を提供し続けたいという想いを込め開始いたしました。ZOZOTOWNのブランドイメージ向上に期待しております。
また、ZOZOTOWNの新たな決済方法として、PayPay㈱が提供するキャッシュレス決済サービス「PayPay」を2020年8月20日より導入いたしました。PayPayはオフラインを中心に3,500万人以上のユーザーに利用されている決済手段であり、導入により既存ユーザーの利便性向上や新規ユーザー獲得を期待しております。随時PayPay㈱が主催するPayPayのオンラインキャンペーンにも参加し、ユーザー周知を積極的に行ってまいりました。
2019年12月17日よりヤフー㈱が運営するオンラインショッピングモール「PayPayモール」へZOZOTOWNを出店しております。ZOZOTOWNに出店している約9割のショップがPayPayモールでも販売し、徐々に売上を拡大しております。出店以来、PayPayモールの大幅なポイント還元による価格優位性を強みに、従来のZOZOTOWNユーザーとは属性の異なる幅広いユーザーとの接点を増やすことで、新たな顧客層の拡大を進めてまいりました。当連結会計年度においては、大規模セールやボーナス還元などを展開する「超PayPay祭」の実施(2020年10月17日~11月15日及び2021月3月1日~28日)等、ヤフー㈱によるPayPayモールへの販促費用投下を積極的に取り組んでいただきました。親会社グループとの連携深化を促進し、シナジー効果を最大化できるよう、最大限の取り組みを推進しております。
その他の事業といたしましては、PB事業で培ったノウハウを活かして2019年秋より開始したMSP(マルチサイズプラットフォーム)事業については、参加ブランド及びアイテム数を拡大し販売を継続してまいりました。BtoB事業については、2019年10月より、ZOZOTOWNの出店ブランドを対象にZOZOTOWNと自社ECの在庫一元化を図ることで両者における機会損失の最小化を目指す、フルフィルメント支援に特化したサービス「Fulfillment by ZOZO」を開始し、引き続き注力しております。当連結会計年度はコロナ渦でデジタルシフトが進んだことで、ブランド各社が自社ECの活用をより積極化する等、事業環境への追い風が吹いている状況です。
これらの結果、当連結会計年度における商品取扱高は419,438百万円(前年同期比21.5%増)、その他商品取扱高を除いた商品取扱高は407,774百万円(同18.2%増)となりました。売上高は147,402百万円(同17.4%増)、差引売上総利益は140,033百万円(同23.1%増)となりました。差引売上総利益の商品取扱高(その他商品取扱高除く)に対する割合(粗利率)は34.3%となり、前年同期と比較して1.3ポイント改善いたしました。
商品取扱高については、新型コロナウイルス感染拡大を契機としたデジタルシフトによるプラス影響が、期初より継続し、当連結会計年度においては、期初計画及び修正後計画を上回って好調に推移しました。第4四半期連結会計期間においては、前年同期の暖冬によるマイナス影響の反動もあり、デジタルシフトによるプラス影響が大きく、コロナ禍での消費活動の減速によるマイナス影響を大幅に跳ね返して着地いたしました。PayPayモールの好調も全体の商品取扱高成長に大きく寄与しました。
売上高については、前年同期において有料会員サービス「ZOZOARIGATO」(~2019年5月末)の実施や、会員向けパーソナライズド値引の積極投下等、当社が原資負担をする値引施策を行っていたことが影響し、主に受託ショップにおいて前年同期比で商品取扱高の成長率を上回りましたが、ZOZOUSEDやPB事業の事業規模縮小等がマイナスに影響し、全体では前年同期比で商品取扱高成長率を下回る伸び率となりました。なお、商品取扱高は商品販売価格から同有料会員サービス及びその他値引施策に起因する値引額を控除する前の金額を以て表示しております。一方で、売上高については、いずれの場合も当該値引控除後の金額となっております。
粗利率改善の主な要因は、前述のとおり、当連結会計年度において当社原資負担値引施策の投下量が前年同期比で減少したことにより、受託販売手数料率(対商品取扱高)が改善したことや広告事業及びその他売上の増加等です。
販売費及び一般管理費は95,889百万円(前年同期比11.7%増)、商品取扱高(その他商品取扱高除く)に対する割合は23.5%と前年同期と比較して1.4ポイント低下しております。前年同期比で販管費率が低下している主な理由は以下のとおりです。なお、以下の対商品取扱高比は、各販管費項目を商品取扱高(その他商品取扱高除く)で除した結果となります。
・上昇(悪化)要因
平均出荷単価下落に伴い、荷造運賃(対商品取扱高比)が0.4ポイント上昇。
・低下(改善)要因
① ZOZOTOWN本店において、2020年4月1日より会員に向けた商品代金1%分のZOZOポイント付与を終了したこと及びポイント施策の減少により、ポイント関連費(対商品取扱高)が0.8ポイント低下。
② 物流拠点内の作業効率の向上により、物流関連費(対商品取扱高)が0.3ポイント低下。
③ 商品取扱高成長及び物流拠点集約に向けた一部拠点満了に伴い、賃借料(対商品取扱高)が0.2ポイント低下。
④ 前年同期に発生したスポット費用の減少等により、その他費用(対商品取扱高)が0.5ポイント低下。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は44,144百万円(前年同期比58.3%増)、営業利益率は対商品取扱高(その他商品取扱高除く)比10.8%と前年同期と比較して2.7ポイント上昇しております。また、経常利益は44,386百万円(同60.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は30,932百万円(同64.5%増)となりました。
[表2]2021年1月29日開示 通期連結修正業績予想比 (単位:百万円)
( )内は商品取扱高(その他商品取扱高除く)に対する割合です。
2021年1月29日に開示いたしました修正業績予想に対しては、商品取扱高が2.6%、商品取扱高(その他商品取扱高除く)が1.4%、売上高が1.7%、営業利益が6.4%、経常利益が6.7%、親会社株主に帰属する当期純利益が8.5%、それぞれ上回って着地いたしました。計画値達成の主な要因は、新型コロナウイルス感染拡大を契機としたユーザー及びブランドのデジタルシフトの追い風が、第4四半期連結会計期間も継続し、商品取扱高及び営業利益が好調に推移したためです。
なお、当社グループはEC事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しておりますが、単一セグメント内の各事業区分の業績を以下のとおり示しております。
各事業別の業績は、以下のとおりです。
[表3]事業別前年同期比
① ZOZOTOWN事業
ZOZOTOWN事業は、「受託ショップ」「買取ショップ」「ZOZOUSED」の3つの事業形態で構成されております。「受託ショップ」は各ブランドの商品を受託在庫として預かり、受託販売を行っております。「買取ショップ」は各ブランドからファッション商材を仕入れ、自社在庫を持ちながら販売を行っております。「ZOZOUSED」は主に個人ユーザー等から中古ファッション商材を買取り、販売を行っております。新品商品購入促進のための付加価値サービスと位置付けております。
当社では、ZOZOTOWN事業を持続的に成長させていくためには「購入者数の拡大」及び「ファッション消費におけるZOZOTOWN利用率上昇」が重要なファクターであると認識しております。そのために、ユーザーとブランド双方にとって魅力的なサイト作りに取り組んでおります。
なお、ZOZOTOWN事業に係る主なKPIの推移は以下のとおりです。
(ショップ数等)
[表4]ショップ数、ブランド数の推移
(注) 1 四半期会計期間末日時点の数値を使用しております。
2 プライベートブランド「ZOZO」及び「マルチサイズ」は含んでおりません。
当連結会計年度に新規出店したショップ数は225ショップ(純増131ショップ)となり、期初計画に対して順調に推移しました。なお、第4四半期連結会計期間に新規出店したショップ数は79ショップ(純増35ショップ)となりました。主な新規出店ショップは、「POLA」、「Estee Lauder」、「JO MALONE LONDON」等のコスメブランドや、「Chloe」、「MAISON MARGIELA」、「JIL SANDER」等のラグジュアリーブランド、双子のインフルエンサーがディレクションを務める「jumelle」等です。
(年間購入者数)
[表5]年間購入者数の推移
(注) 1 集計期間は会計期間末日以前の直近1年間としております。
2 年間購入者数は過去1年以内に1回以上購入したアクティブ会員数とゲスト購入者数の合計です。
3 アクティブ会員数は過去1年以内に1回以上購入した会員数になります。
4 「PayPayモール」の購入者は含んでおりません。
第4四半期連結会計期間において、アクティブ会員数が前年同期比及び前四半期比でそれぞれ増加したことにより、年間購入者数も増加いたしました。アクティブ会員数の順調な増加は、新型コロナウイルス感染拡大に伴うデジタルシフトにより新規アクティブ会員の獲得が好調であることに加え、2021年1月の年始本セール期間のTVCM放映や、2021年3月の「ZOZOCOSME」及び「ZOZOVILLA」開始に伴うZOZOTOWNリニューアル時のTVCM放映を含む各種プロモーション施策により、集客を強化したことが要因です。ゲスト会員数は、前年同期比及び前四半期比でそれぞれ減少しておりますが、これは直近数年に渡って会員向けサービスを強化していることが影響しており、今後も減少トレンドが続く見込みです。
(年間購入金額及び年間購入点数)
[表6]年間購入金額、年間購入点数の推移
(注) 1 集計期間は会計期間末日以前の直近1年間としております。
2 アクティブ会員1人当たりの指標となっております。
3「PayPayモール」の購入者は含んでおりません。
4 円単位となっております。
第4四半期連結会計期間において、全体の年間購入金額が前年同期比及び前四半期比で減少しておりますが、新型コロナウイルス感染拡大に伴うデジタルシフトにより新規会員の獲得が好調であったため、会員全体に占める新規会員の構成比が上昇したことが要因です。また、既存会員の年間購入金額が前年同期比及び前四半期比で減少している要因は、会員歴の浅い既存アクティブ会員の構成割合が上昇したことによるもの(会員歴の長さに応じて年間購入金額が高くなる傾向)です。全体の年間購入点数は前年同期比及び前四半期比で減少しておりますが、その要因は年間購入金額の減少要因と同様です。一方で、既存会員の年間購入点数は、平均商品単価下落の影響を受け、前年同期比で増加いたしました。
(平均商品単価等)
[表7]平均商品単価、平均出荷単価、出荷件数の推移
(注) 1 四半期会計期間の数値を使用しております。
2 円単位となっております。
3「PayPayモール」は含んでおりません。
第4四半期連結会計期間の平均商品単価につきましては、前年同期比で減少いたしました。比較的価格帯の安い商品の売れ行きが好調であったことが主な要因です。第4四半期連結会計期間における1注文当たりの購入点数は前年同期比で増加しておりますが、平均商品単価下落の影響を受け、平均出荷単価は前年同期比で減少しております。
ZOZOTOWN事業(受託ショップ、買取ショップ及びZOZOUSED)の実績は以下のとおりです。
a. 受託ショップ
当連結会計年度の商品取扱高は343,828百万円(前年同期比11.3%増)、商品取扱高に占める割合は82.0%(前年同期実績89.4%)となりました。売上高は100,970百万円(前年同期比15.6%増)となりました。2021年3月末現在、受託ショップは1,450ショップ(2020年12月末1,427ショップ)を運営しております。
b. 買取ショップ
当連結会計年度の商品取扱高は308百万円(前年同期比51.4%増)、商品取扱高に占める割合は0.1%(前年同期実績0.1%)となりました。売上高は308百万円(前年同期比54.4%増)となりました。2021年3月末現在、買取ショップは18ショップ(2020年12月末6ショップ)を運営しております。
c. ZOZOUSED
当連結会計年度の商品取扱高は11,625百万円(前年同期比26.2%減)、商品取扱高に占める割合は2.8%(前年同期実績4.6%)となりました。売上高は11,564百万円(前年同期比22.9%減)となりました。
② PayPayモール
ヤフー㈱が運営するオンラインショッピングモール「PayPayモール」へZOZOTOWNを出店しております。当連結会計年度の商品取扱高は28,199百万円(前年同期比354.8%増)、商品取扱高に占める割合は6.7%(前年同期実績1.8%)となりました。売上高は8,218百万円(前年同期比363.2%増)となりました。
③ PB事業
PB事業では、ユーザー個人の体型に合わせた当社の自社企画アパレル商品を販売する事業を行っております。当連結会計年度の商品取扱高は188百万円(前年同期比85.0%減)、商品取扱高に占める割合は0.0%(前年同期実績0.4%)となりました。売上高は188百万円(前年同期比84.8%減)となりました。
④ MSP事業
MSP事業では、当社がPB事業で培った多サイズ展開のノウハウ・販売力、及びZOZOTOWN出店ショップの企画力を融合させることで、ユーザーが求める当該ショップ商品の一部についてマルチサイズ展開を行い、ZOZOTOWN上で販売する事業を行っております。ユーザーからは身長・体重情報を入力いただくことで、推奨サイズの商品提供が可能となります。当連結会計年度の商品取扱高は1,260百万円(前年同期比67.6%増)、商品取扱高に占める割合は0.3%(前年同期実績0.2%)となりました。売上高は1,260百万円(前年同期比68.0%増)となりました。
⑤ BtoB事業
BtoB事業では、ブランドの自社ECサイトの構築及び運営を受託しております。当連結会計年度の商品取扱高は22,362百万円(前年同期比85.9%増)、商品取扱高に占める割合は5.3%(前年同期実績3.5%)となりました。売上高(受託販売手数料)は4,264百万円(前年同期比80.3%増)となりました。2021年3月末現在、受託サイト数は53サイト(2020年12月末55サイト)となっております。
⑥ 広告事業
広告事業は、ZOZOTOWN及びWEARのユーザーリーチ基盤を活用し、取引先ブランドや当社グループも属するソフトバンクグループ各社等に広告枠を提供し、広告収入を得る事業形態となります。当連結会計年度の売上高は4,121百万円(前年同期比51.7%増)となりました。
WEARについては、引き続きユーザーの拡大及びコンテンツの拡充に注力しており、2021年3月末時点のアプリダウンロード数は1,500万件を超え、月間利用者数ともに堅調に推移しております。
⑦ その他
その他商品取扱高には、PayPayモールにおけるZOZOTOWN店を除いたファッションカテゴリーストアのうち、ZOZOオプション(当社提案をもとにPayPayモール内で実施する特集企画への参加等の営業支援の恩恵を受ける事が出来るサービス)の契約を結んだストアの流通総額(第3四半期連結会計期間より計上)及び当社連結子会社の自社ECサイトにおける流通総額(第2四半期連結会計期間より計上)を計上しております。当連結会計年度のその他商品取扱高は11,664百万円、商品取扱高に占める割合は2.8%となりました。その他売上高には、ZOZOTOWN事業に付随した事業の売上(送料収入、決済手数料収入、有料会員収入等)及び前述のその他商品取扱高に関連した売上等が計上されており、当連結会計年度のその他売上高は16,506百万円(前年同期比16.7%増)となりました。
(2) 財政状態の分析
(単位:百万円)
(総資産)
総資産については、前連結会計年度末に比べ31,470百万円増加(前連結会計年度末比33.4%増)し、125,656百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べ29,366百万円増加(同41.7%増)し、99,796百万円となりました。主な増減要因としては、現金及び預金の増加28,045百万円、売掛金の増加1,234百万円などによるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ2,103百万円増加(同8.9%増)し、25,860百万円となりました。主な増減要因としては、建物の増加4,825百万円、建設仮勘定の減少2,908百万円、投資有価証券の増加165百万円、繰延税金資産の増加304百万円などによるものであります。
(負債)
負債については、前連結会計年度末に比べ10,497百万円増加(前連結会計年度末比17.6%増)し、70,149百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べ9,054百万円増加(同16.1%増)し、65,180百万円となりました。主な増減要因としては、受託販売預り金の増加2,536百万円、未払金の増加1,661百万円、未払法人税等の増加6,167百万円などによるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ1,442百万円増加(同40.9%増)し、4,968百万円となりました。主な増減要因としては、退職給付に係る負債の増加679百万円、資産除去債務の増加739百万円などによるものであります。
(純資産)
純資産については、前連結会計年度末に比べ20,973百万円増加(前連結会計年度末比60.7%増)し、55,507百万円となりました。主な増減要因としては、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加30,932百万円、剰余金の配当による減少10,075百万円などによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末から28,045百万円増加し、61,648百万円となりました。
当社グループは、自己資金及び金融機関からの借入等を資本の財源としております。また、当社グループの資金の流動性については、事業規模に応じた資金の適正額を維持することとしており、当社は運転資金の機動的かつ安定的な調達を可能とするため、取引銀行1行と貸越極度額20,000百万円の当座貸越契約を締結しております。
また、取引銀行3行と総額12,500百万円のシンジケートローン契約を締結しております。
当連結会計年度末における借入実行残高は、20,000百万円となっております。
各キャッシュ・フローの状況とその要因は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は44,790百万円となりました。主な増加要因としては、税金等調整前当期純利益43,665百万円の計上などによるものであります。一方、主な減少要因としては賞与引当金の増加額1,161百万円、売上債権の増加額1,223百万円、法人税等の支払額6,986百万円などがあったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は4,648百万円となりました。これは有形固定資産の取得による支出3,224百万円、敷金及び保証金の差入による支出648百万円などがあったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は12,117百万円となりました。これは配当金の支払額10,073百万円などがあったことなどによるものであります。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
① 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。
将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積に影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、親会社株主に帰属する当期純損益額が変動する可能性があります。
② 退職給付債務及び退職給付費用
退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率等に基づいて計算しています。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い長期債利回りを参考に設定しています。割引率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウィルス感染症の拡大に伴う影響は、収束時期を見通すことが依然困難な状況にあるものの、当社グループの事業活動及び業績への影響は限定的であることから、本連結財務諸表における重要な会計上の判断及び見積りの変更は見込んでおりません。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
[表1]前年同期比 (単位:百万円)
| 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比 | ||||
| 商品取扱高 | 345,085 | (100.0%) | 419,438 | (102.9%) | 21.5 | % |
| 商品取扱高(その他商品取扱高除く) | 345,085 | (100.0%) | 407,774 | (100.0%) | 18.2 | % |
| 売上高 | 125,517 | (36.4%) | 147,402 | (36.1%) | 17.4 | % |
| 差引売上総利益 | 113,721 | (33.0%) | 140,033 | (34.3%) | 23.1 | % |
| 営業利益 | 27,888 | (8.1%) | 44,144 | (10.8%) | 58.3 | % |
| 経常利益 | 27,644 | (8.0%) | 44,386 | (10.9%) | 60.6 | % |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 18,804 | (5.4%) | 30,932 | (7.6%) | 64.5 | % |
( )内は商品取扱高(その他商品取扱高除く)に対する割合です。
当社グループは、「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。」という企業理念のもと、日本最大級のファッションECサイト「ZOZOTOWN」の運営、及びファッションメディア「WEAR」の運営を中心に事業活動を行っております。
当連結会計年度においては、期初より新型コロナウイルス感染拡大が継続し、新しい生活様式が徐々に定着してきた一方で、アパレル業界にとって厳しい市況となりました。この状況下で当社グループは、ZOZOTOWNにおいてはユニークユーザー数拡大及びコンバージョンレート(ユニークユーザーの購買率)向上を目指し、ユーザーとブランド双方にとって魅力的なサイト作りに一層注力してまいりました。具体的には、2020年5月・9月・11月にセールイベント「ZOZOWEEK」の実施(2020年5月15日~24日の10日間、同年9月9日~13日及び18日~22日の10日間、同年11月6日~15日及び19日~25日の17日間)や、同年11月及び2021年1月には、セールイベント実施と同タイミングでTVCMを放送し集客を強化する等、ZOZOTOWNにおける販売力の最大化に取り組みました。加えて、引き続き多様化するユーザーニーズに対応できるよう積極的に幅広いジャンルの新規ブランドの出店も進めてまいりました。
商材拡張の一環としては、D2C事業やカテゴリー強化を積極的に進めております。当連結会計年度より、才能やセンス溢れる“個人”とともにファッションブランドをつくるD2C事業「YOUR BRAND PROJECT Powered by ZOZO」を始動し、2020年10月22日より当社がインフルエンサーと立ち上げたブランドを順次販売開始いたしました。2021年3月には新たな著名インフルエンサーも加わり、春夏アイテムの販売も開始しております。なお、D2C事業における商品取扱高は主に買取ショップに計上しております。カテゴリー強化第1弾としては、「ZOZOMAT」を用いてZOZOTOWNでの靴カテゴリーの商品取扱高拡大を進めてまいりました。2020年2月27日より足型の3Dデータ化を行い靴選びに必要な複数部位の計測を可能とする「ZOZOMAT」の配布を開始し、既に多くのユーザーに活用いただいております。現在までにZOZOTOWNで販売している靴のうち、ZOZOMAT対応型数は2,500型超まで拡大しており、靴カテゴリーは順調に売上を伸ばしております。加えて、2021年3月18日より、ZOZOTOWNのリニューアルを実施し、同時にコスメカテゴリー強化を図る「ZOZOCOSME」及び国内外のラグジュアリーブランドを取り揃えた「ZOZOVILLA」を開始いたしました。ZOZOCOSMEはローンチ時より国内外の500以上のコスメブランドを取り扱い、女性アクティブ会員比率が7割を占め、コスメとの親和性の高いユーザーを既に抱えているZOZOTOWNにおいて、コスメカテゴリーの商品取扱高拡大を目指しています。また、高精度で肌の色を計測できるツール「ZOZOGLASS」を用いて、計測した肌の色に最も近いファンデーションの色を提案する購入アシスト機能を実装しており、ユーザーに新しい購入体験を提供いたします。ZOZOVILLAは国内外の90以上のラグジュアリーブランドを集めたZOZOTOWN内のラグジュアリー&デザイナーズゾーンで、創業以来ファッションと共に成長してきた当社が、改めて「服好き」の方へファッションを楽しむ場を提供し続けたいという想いを込め開始いたしました。ZOZOTOWNのブランドイメージ向上に期待しております。
また、ZOZOTOWNの新たな決済方法として、PayPay㈱が提供するキャッシュレス決済サービス「PayPay」を2020年8月20日より導入いたしました。PayPayはオフラインを中心に3,500万人以上のユーザーに利用されている決済手段であり、導入により既存ユーザーの利便性向上や新規ユーザー獲得を期待しております。随時PayPay㈱が主催するPayPayのオンラインキャンペーンにも参加し、ユーザー周知を積極的に行ってまいりました。
2019年12月17日よりヤフー㈱が運営するオンラインショッピングモール「PayPayモール」へZOZOTOWNを出店しております。ZOZOTOWNに出店している約9割のショップがPayPayモールでも販売し、徐々に売上を拡大しております。出店以来、PayPayモールの大幅なポイント還元による価格優位性を強みに、従来のZOZOTOWNユーザーとは属性の異なる幅広いユーザーとの接点を増やすことで、新たな顧客層の拡大を進めてまいりました。当連結会計年度においては、大規模セールやボーナス還元などを展開する「超PayPay祭」の実施(2020年10月17日~11月15日及び2021月3月1日~28日)等、ヤフー㈱によるPayPayモールへの販促費用投下を積極的に取り組んでいただきました。親会社グループとの連携深化を促進し、シナジー効果を最大化できるよう、最大限の取り組みを推進しております。
その他の事業といたしましては、PB事業で培ったノウハウを活かして2019年秋より開始したMSP(マルチサイズプラットフォーム)事業については、参加ブランド及びアイテム数を拡大し販売を継続してまいりました。BtoB事業については、2019年10月より、ZOZOTOWNの出店ブランドを対象にZOZOTOWNと自社ECの在庫一元化を図ることで両者における機会損失の最小化を目指す、フルフィルメント支援に特化したサービス「Fulfillment by ZOZO」を開始し、引き続き注力しております。当連結会計年度はコロナ渦でデジタルシフトが進んだことで、ブランド各社が自社ECの活用をより積極化する等、事業環境への追い風が吹いている状況です。
これらの結果、当連結会計年度における商品取扱高は419,438百万円(前年同期比21.5%増)、その他商品取扱高を除いた商品取扱高は407,774百万円(同18.2%増)となりました。売上高は147,402百万円(同17.4%増)、差引売上総利益は140,033百万円(同23.1%増)となりました。差引売上総利益の商品取扱高(その他商品取扱高除く)に対する割合(粗利率)は34.3%となり、前年同期と比較して1.3ポイント改善いたしました。
商品取扱高については、新型コロナウイルス感染拡大を契機としたデジタルシフトによるプラス影響が、期初より継続し、当連結会計年度においては、期初計画及び修正後計画を上回って好調に推移しました。第4四半期連結会計期間においては、前年同期の暖冬によるマイナス影響の反動もあり、デジタルシフトによるプラス影響が大きく、コロナ禍での消費活動の減速によるマイナス影響を大幅に跳ね返して着地いたしました。PayPayモールの好調も全体の商品取扱高成長に大きく寄与しました。
売上高については、前年同期において有料会員サービス「ZOZOARIGATO」(~2019年5月末)の実施や、会員向けパーソナライズド値引の積極投下等、当社が原資負担をする値引施策を行っていたことが影響し、主に受託ショップにおいて前年同期比で商品取扱高の成長率を上回りましたが、ZOZOUSEDやPB事業の事業規模縮小等がマイナスに影響し、全体では前年同期比で商品取扱高成長率を下回る伸び率となりました。なお、商品取扱高は商品販売価格から同有料会員サービス及びその他値引施策に起因する値引額を控除する前の金額を以て表示しております。一方で、売上高については、いずれの場合も当該値引控除後の金額となっております。
粗利率改善の主な要因は、前述のとおり、当連結会計年度において当社原資負担値引施策の投下量が前年同期比で減少したことにより、受託販売手数料率(対商品取扱高)が改善したことや広告事業及びその他売上の増加等です。
販売費及び一般管理費は95,889百万円(前年同期比11.7%増)、商品取扱高(その他商品取扱高除く)に対する割合は23.5%と前年同期と比較して1.4ポイント低下しております。前年同期比で販管費率が低下している主な理由は以下のとおりです。なお、以下の対商品取扱高比は、各販管費項目を商品取扱高(その他商品取扱高除く)で除した結果となります。
・上昇(悪化)要因
平均出荷単価下落に伴い、荷造運賃(対商品取扱高比)が0.4ポイント上昇。
・低下(改善)要因
① ZOZOTOWN本店において、2020年4月1日より会員に向けた商品代金1%分のZOZOポイント付与を終了したこと及びポイント施策の減少により、ポイント関連費(対商品取扱高)が0.8ポイント低下。
② 物流拠点内の作業効率の向上により、物流関連費(対商品取扱高)が0.3ポイント低下。
③ 商品取扱高成長及び物流拠点集約に向けた一部拠点満了に伴い、賃借料(対商品取扱高)が0.2ポイント低下。
④ 前年同期に発生したスポット費用の減少等により、その他費用(対商品取扱高)が0.5ポイント低下。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は44,144百万円(前年同期比58.3%増)、営業利益率は対商品取扱高(その他商品取扱高除く)比10.8%と前年同期と比較して2.7ポイント上昇しております。また、経常利益は44,386百万円(同60.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は30,932百万円(同64.5%増)となりました。
[表2]2021年1月29日開示 通期連結修正業績予想比 (単位:百万円)
| 当連結会計年度(修正業績予想) | 当連結会計年度 (実績) | 修正業績 予想比 | ||||
| 商品取扱高 | 409,000 | (101.7%) | 419,438 | (102.9%) | 2.6 | % |
| 商品取扱高(その他商品取扱高除く) | 402,000 | (100.0%) | 407,774 | (100.0%) | 1.4 | % |
| 売上高 | 145,000 | (36.1%) | 147,402 | (36.1%) | 1.7 | % |
| 営業利益 | 41,500 | (10.3%) | 44,144 | (10.8%) | 6.4 | % |
| 経常利益 | 41,600 | (10.3%) | 44,386 | (10.9%) | 6.7 | % |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 28,500 | (7.1%) | 30,932 | (7.6%) | 8.5 | % |
( )内は商品取扱高(その他商品取扱高除く)に対する割合です。
2021年1月29日に開示いたしました修正業績予想に対しては、商品取扱高が2.6%、商品取扱高(その他商品取扱高除く)が1.4%、売上高が1.7%、営業利益が6.4%、経常利益が6.7%、親会社株主に帰属する当期純利益が8.5%、それぞれ上回って着地いたしました。計画値達成の主な要因は、新型コロナウイルス感染拡大を契機としたユーザー及びブランドのデジタルシフトの追い風が、第4四半期連結会計期間も継続し、商品取扱高及び営業利益が好調に推移したためです。
なお、当社グループはEC事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しておりますが、単一セグメント内の各事業区分の業績を以下のとおり示しております。
各事業別の業績は、以下のとおりです。
[表3]事業別前年同期比
| 事業別 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 取扱高 前年同期比 (%) | 売上高 前年同期比 (%) | ||||
| 取扱高 (百万円) | 構成比 (%) | 売上高 (百万円) | 取扱高 (百万円) | 構成比 (%) | 売上高 (百万円) | |||
| ZOZOTOWN事業 | ||||||||
| (受託ショップ) | 308,888 | 89.4 | 87,312 | 343,828 | 82.0 | 100,970 | 11.3 | 15.6 |
| (買取ショップ) | 204 | 0.1 | 200 | 308 | 0.1 | 308 | 51.4 | 54.4 |
| (ZOZOUSED) | 15,753 | 4.6 | 15,004 | 11,625 | 2.8 | 11,564 | △26.2 | △22.9 |
| 小計 | 324,846 | 94.1 | 102,517 | 355,761 | 84.9 | 112,843 | 9.5 | 10.1 |
| PayPayモール | 6,199 | 1.8 | 1,774 | 28,199 | 6.7 | 8,218 | 354.8 | 363.2 |
| PB事業 | 1,255 | 0.4 | 1,245 | 188 | 0.0 | 188 | △85.0 | △84.8 |
| MSP事業 | 752 | 0.2 | 749 | 1,260 | 0.3 | 1,260 | 67.6 | 68.0 |
| BtoB事業 | 12,032 | 3.5 | 2,365 | 22,362 | 5.3 | 4,264 | 85.9 | 80.3 |
| 広告事業 | - | - | 2,716 | - | - | 4,121 | - | 51.7 |
| その他除く 小計 | 345,085 | 100.0 | 111,368 | 407,774 | 97.2 | 130,896 | 18.2 | 17.5 |
| その他 | - | - | 14,148 | 11,664 | 2.8 | 16,506 | - | 16.7 |
| 合計 | 345,085 | 100.0 | 125,517 | 419,438 | 100.0 | 147,402 | 21.5 | 17.4 |
① ZOZOTOWN事業
ZOZOTOWN事業は、「受託ショップ」「買取ショップ」「ZOZOUSED」の3つの事業形態で構成されております。「受託ショップ」は各ブランドの商品を受託在庫として預かり、受託販売を行っております。「買取ショップ」は各ブランドからファッション商材を仕入れ、自社在庫を持ちながら販売を行っております。「ZOZOUSED」は主に個人ユーザー等から中古ファッション商材を買取り、販売を行っております。新品商品購入促進のための付加価値サービスと位置付けております。
当社では、ZOZOTOWN事業を持続的に成長させていくためには「購入者数の拡大」及び「ファッション消費におけるZOZOTOWN利用率上昇」が重要なファクターであると認識しております。そのために、ユーザーとブランド双方にとって魅力的なサイト作りに取り組んでおります。
なお、ZOZOTOWN事業に係る主なKPIの推移は以下のとおりです。
(ショップ数等)
[表4]ショップ数、ブランド数の推移
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |||||||
| 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | |
| ZOZOTOWN出店ショップ数(注)1 | 1,297 | 1,312 | 1,345 | 1,337 | 1,348 | 1,404 | 1,433 | 1,468 |
| 内)買取ショップ(注)2 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | 6 | 18 |
| 受託ショップ | 1,292 | 1,307 | 1,340 | 1,332 | 1,343 | 1,399 | 1,427 | 1,450 |
| ブランド数(注)1、2 | 7,349 | 7,305 | 7,462 | 7,643 | 7,989 | 7,953 | 8,109 | 8,227 |
(注) 1 四半期会計期間末日時点の数値を使用しております。
2 プライベートブランド「ZOZO」及び「マルチサイズ」は含んでおりません。
当連結会計年度に新規出店したショップ数は225ショップ(純増131ショップ)となり、期初計画に対して順調に推移しました。なお、第4四半期連結会計期間に新規出店したショップ数は79ショップ(純増35ショップ)となりました。主な新規出店ショップは、「POLA」、「Estee Lauder」、「JO MALONE LONDON」等のコスメブランドや、「Chloe」、「MAISON MARGIELA」、「JIL SANDER」等のラグジュアリーブランド、双子のインフルエンサーがディレクションを務める「jumelle」等です。
(年間購入者数)
[表5]年間購入者数の推移
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |||||||
| 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | |
| 年間購入者数(注)2 | 8,121,663 | 8,226,388 | 8,156,256 | 8,273,603 | 8,662,560 | 8,805,155 | 9,139,796 | 9,485,669 |
| (前年同期比) | 729,537 | 456,842 | 82,584 | 147,079 | 540,897 | 578,767 | 983,540 | 1,212,066 |
| (前四半期比) | △4,861 | 104,725 | △70,132 | 117,347 | 388,957 | 142,595 | 334,641 | 345,873 |
| アクティブ会員数(注)3 | 6,557,144 | 6,749,012 | 6,800,435 | 6,839,666 | 7,223,753 | 7,434,529 | 7,773,940 | 8,137,729 |
| (前年同期比) | 1,098,501 | 966,785 | 643,598 | 388,980 | 666,609 | 685,517 | 973,505 | 1,298,063 |
| (前四半期比) | 106,458 | 191,868 | 51,423 | 39,231 | 384,087 | 210,776 | 339,411 | 363,789 |
| ゲスト会員数 | 1,564,519 | 1,477,376 | 1,355,821 | 1,433,937 | 1,438,807 | 1,370,626 | 1,365,856 | 1,347,940 |
| (前年同期比) | △368,964 | △509,943 | △561,014 | △241,901 | △125,712 | △106,750 | 10,035 | △85,997 |
| (前四半期比) | △111,319 | △87,143 | △121,555 | 78,116 | 4,870 | △68,181 | △4,770 | △17,916 |
(注) 1 集計期間は会計期間末日以前の直近1年間としております。
2 年間購入者数は過去1年以内に1回以上購入したアクティブ会員数とゲスト購入者数の合計です。
3 アクティブ会員数は過去1年以内に1回以上購入した会員数になります。
4 「PayPayモール」の購入者は含んでおりません。
第4四半期連結会計期間において、アクティブ会員数が前年同期比及び前四半期比でそれぞれ増加したことにより、年間購入者数も増加いたしました。アクティブ会員数の順調な増加は、新型コロナウイルス感染拡大に伴うデジタルシフトにより新規アクティブ会員の獲得が好調であることに加え、2021年1月の年始本セール期間のTVCM放映や、2021年3月の「ZOZOCOSME」及び「ZOZOVILLA」開始に伴うZOZOTOWNリニューアル時のTVCM放映を含む各種プロモーション施策により、集客を強化したことが要因です。ゲスト会員数は、前年同期比及び前四半期比でそれぞれ減少しておりますが、これは直近数年に渡って会員向けサービスを強化していることが影響しており、今後も減少トレンドが続く見込みです。
(年間購入金額及び年間購入点数)
[表6]年間購入金額、年間購入点数の推移
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |||||||
| 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | |
| 年間購入金額(全体)(注)1、2、3、4 | 46,934 | 47,506 | 47,593 | 46,519 | 45,128 | 44,341 | 43,809 | 42,845 |
| (前年同期比) | 0.1% | 3.0% | 3.4% | 0.4% | △3.8% | △6.7% | △8.0% | △7.9% |
| (前四半期比) | 1.3% | 1.2% | 0.2% | △2.3% | △3.0% | △1.7% | △1.2% | △2.2% |
| 年間購入点数(注)1、2、3 | 11.3 | 11.6 | 11.7 | 11.8 | 11.8 | 11.8 | 11.7 | 11.6 |
| (前年同期比) | △0.4% | 3.5% | 5.1% | 6.5% | 4.9% | 1.4% | 0.1% | △1.8% |
| (前四半期比) | 2.0% | 2.9% | 0.8% | 0.7% | 0.4% | △0.6% | △0.5% | △1.2% |
| 年間購入金額(既存会員)(注)1、2、3、4 | 55,048 | 54,750 | 54,092 | 53,027 | 52,175 | 51,523 | 51,066 | 50,139 |
| (前年同期比) | △7.6% | △4.9% | △3.9% | △5.0% | △5.2% | △5.9% | △5.6% | △5.4% |
| (前四半期比) | △1.3% | △0.5% | △1.2% | △2.0% | △1.6% | △1.2% | △0.9% | △1.8% |
| 年間購入点数(注)1、2、3 | 13.3 | 13.4 | 13.4 | 13.4 | 13.6 | 13.6 | 13.6 | 13.5 |
| (前年同期比) | △6.2% | △2.7% | △1.6% | △0.1% | 2.4% | 1.5% | 2.1% | 1.0% |
| (前四半期比) | △0.8% | 0.6% | △0.3% | 0.4% | 1.6% | △0.3% | 0.3% | △0.7% |
(注) 1 集計期間は会計期間末日以前の直近1年間としております。
2 アクティブ会員1人当たりの指標となっております。
3「PayPayモール」の購入者は含んでおりません。
4 円単位となっております。
第4四半期連結会計期間において、全体の年間購入金額が前年同期比及び前四半期比で減少しておりますが、新型コロナウイルス感染拡大に伴うデジタルシフトにより新規会員の獲得が好調であったため、会員全体に占める新規会員の構成比が上昇したことが要因です。また、既存会員の年間購入金額が前年同期比及び前四半期比で減少している要因は、会員歴の浅い既存アクティブ会員の構成割合が上昇したことによるもの(会員歴の長さに応じて年間購入金額が高くなる傾向)です。全体の年間購入点数は前年同期比及び前四半期比で減少しておりますが、その要因は年間購入金額の減少要因と同様です。一方で、既存会員の年間購入点数は、平均商品単価下落の影響を受け、前年同期比で増加いたしました。
(平均商品単価等)
[表7]平均商品単価、平均出荷単価、出荷件数の推移
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |||||||
| 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | |
| 平均商品単価(注)1、2、3 | 3,903 | 3,516 | 4,501 | 3,909 | 3,443 | 3,381 | 4,301 | 3,748 |
| (前年同期比) | △1.4% | △3.9% | △5.6% | △10.7% | △11.8% | △3.8% | △4.5% | △4.1% |
| 平均出荷単価(注)1、2、3 | 8,390 | 7,529 | 8,973 | 8,304 | 7,409 | 7,370 | 8,516 | 7,991 |
| (前年同期比) | 3.2% | △3.3% | △6.3% | △12.5% | △11.7% | △2.1% | △5.1% | △3.8% |
| 1注文あたり購入点数(注)1、3 | 2.15 | 2.14 | 1.99 | 2.12 | 2.15 | 2.18 | 1.98 | 2.13 |
| (前年同期比) | 4.6% | 0.6% | △0.8% | △1.9% | 0.1% | 1.8% | △0.7% | 0.4% |
| 出荷件数(注)1、3 | 9,209,344 | 10,347,938 | 10,101,875 | 9,757,344 | 11,472,548 | 11,011,990 | 11,960,223 | 11,162,186 |
| (前年同期比) | 9.3% | 16.7% | 6.2% | 7.6% | 24.6% | 6.4% | 18.4% | 14.4% |
(注) 1 四半期会計期間の数値を使用しております。
2 円単位となっております。
3「PayPayモール」は含んでおりません。
第4四半期連結会計期間の平均商品単価につきましては、前年同期比で減少いたしました。比較的価格帯の安い商品の売れ行きが好調であったことが主な要因です。第4四半期連結会計期間における1注文当たりの購入点数は前年同期比で増加しておりますが、平均商品単価下落の影響を受け、平均出荷単価は前年同期比で減少しております。
ZOZOTOWN事業(受託ショップ、買取ショップ及びZOZOUSED)の実績は以下のとおりです。
a. 受託ショップ
当連結会計年度の商品取扱高は343,828百万円(前年同期比11.3%増)、商品取扱高に占める割合は82.0%(前年同期実績89.4%)となりました。売上高は100,970百万円(前年同期比15.6%増)となりました。2021年3月末現在、受託ショップは1,450ショップ(2020年12月末1,427ショップ)を運営しております。
b. 買取ショップ
当連結会計年度の商品取扱高は308百万円(前年同期比51.4%増)、商品取扱高に占める割合は0.1%(前年同期実績0.1%)となりました。売上高は308百万円(前年同期比54.4%増)となりました。2021年3月末現在、買取ショップは18ショップ(2020年12月末6ショップ)を運営しております。
c. ZOZOUSED
当連結会計年度の商品取扱高は11,625百万円(前年同期比26.2%減)、商品取扱高に占める割合は2.8%(前年同期実績4.6%)となりました。売上高は11,564百万円(前年同期比22.9%減)となりました。
② PayPayモール
ヤフー㈱が運営するオンラインショッピングモール「PayPayモール」へZOZOTOWNを出店しております。当連結会計年度の商品取扱高は28,199百万円(前年同期比354.8%増)、商品取扱高に占める割合は6.7%(前年同期実績1.8%)となりました。売上高は8,218百万円(前年同期比363.2%増)となりました。
③ PB事業
PB事業では、ユーザー個人の体型に合わせた当社の自社企画アパレル商品を販売する事業を行っております。当連結会計年度の商品取扱高は188百万円(前年同期比85.0%減)、商品取扱高に占める割合は0.0%(前年同期実績0.4%)となりました。売上高は188百万円(前年同期比84.8%減)となりました。
④ MSP事業
MSP事業では、当社がPB事業で培った多サイズ展開のノウハウ・販売力、及びZOZOTOWN出店ショップの企画力を融合させることで、ユーザーが求める当該ショップ商品の一部についてマルチサイズ展開を行い、ZOZOTOWN上で販売する事業を行っております。ユーザーからは身長・体重情報を入力いただくことで、推奨サイズの商品提供が可能となります。当連結会計年度の商品取扱高は1,260百万円(前年同期比67.6%増)、商品取扱高に占める割合は0.3%(前年同期実績0.2%)となりました。売上高は1,260百万円(前年同期比68.0%増)となりました。
⑤ BtoB事業
BtoB事業では、ブランドの自社ECサイトの構築及び運営を受託しております。当連結会計年度の商品取扱高は22,362百万円(前年同期比85.9%増)、商品取扱高に占める割合は5.3%(前年同期実績3.5%)となりました。売上高(受託販売手数料)は4,264百万円(前年同期比80.3%増)となりました。2021年3月末現在、受託サイト数は53サイト(2020年12月末55サイト)となっております。
⑥ 広告事業
広告事業は、ZOZOTOWN及びWEARのユーザーリーチ基盤を活用し、取引先ブランドや当社グループも属するソフトバンクグループ各社等に広告枠を提供し、広告収入を得る事業形態となります。当連結会計年度の売上高は4,121百万円(前年同期比51.7%増)となりました。
WEARについては、引き続きユーザーの拡大及びコンテンツの拡充に注力しており、2021年3月末時点のアプリダウンロード数は1,500万件を超え、月間利用者数ともに堅調に推移しております。
⑦ その他
その他商品取扱高には、PayPayモールにおけるZOZOTOWN店を除いたファッションカテゴリーストアのうち、ZOZOオプション(当社提案をもとにPayPayモール内で実施する特集企画への参加等の営業支援の恩恵を受ける事が出来るサービス)の契約を結んだストアの流通総額(第3四半期連結会計期間より計上)及び当社連結子会社の自社ECサイトにおける流通総額(第2四半期連結会計期間より計上)を計上しております。当連結会計年度のその他商品取扱高は11,664百万円、商品取扱高に占める割合は2.8%となりました。その他売上高には、ZOZOTOWN事業に付随した事業の売上(送料収入、決済手数料収入、有料会員収入等)及び前述のその他商品取扱高に関連した売上等が計上されており、当連結会計年度のその他売上高は16,506百万円(前年同期比16.7%増)となりました。
(2) 財政状態の分析
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減率 | ||
| 総資産 | 94,186 | 125,656 | 33.4 | % |
| 負債 | 59,651 | 70,149 | 17.6 | % |
| 純資産 | 34,534 | 55,507 | 60.7 | % |
(総資産)
総資産については、前連結会計年度末に比べ31,470百万円増加(前連結会計年度末比33.4%増)し、125,656百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べ29,366百万円増加(同41.7%増)し、99,796百万円となりました。主な増減要因としては、現金及び預金の増加28,045百万円、売掛金の増加1,234百万円などによるものであります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ2,103百万円増加(同8.9%増)し、25,860百万円となりました。主な増減要因としては、建物の増加4,825百万円、建設仮勘定の減少2,908百万円、投資有価証券の増加165百万円、繰延税金資産の増加304百万円などによるものであります。
(負債)
負債については、前連結会計年度末に比べ10,497百万円増加(前連結会計年度末比17.6%増)し、70,149百万円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べ9,054百万円増加(同16.1%増)し、65,180百万円となりました。主な増減要因としては、受託販売預り金の増加2,536百万円、未払金の増加1,661百万円、未払法人税等の増加6,167百万円などによるものであります。固定負債は、前連結会計年度末に比べ1,442百万円増加(同40.9%増)し、4,968百万円となりました。主な増減要因としては、退職給付に係る負債の増加679百万円、資産除去債務の増加739百万円などによるものであります。
(純資産)
純資産については、前連結会計年度末に比べ20,973百万円増加(前連結会計年度末比60.7%増)し、55,507百万円となりました。主な増減要因としては、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加30,932百万円、剰余金の配当による減少10,075百万円などによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末から28,045百万円増加し、61,648百万円となりました。
当社グループは、自己資金及び金融機関からの借入等を資本の財源としております。また、当社グループの資金の流動性については、事業規模に応じた資金の適正額を維持することとしており、当社は運転資金の機動的かつ安定的な調達を可能とするため、取引銀行1行と貸越極度額20,000百万円の当座貸越契約を締結しております。
また、取引銀行3行と総額12,500百万円のシンジケートローン契約を締結しております。
当連結会計年度末における借入実行残高は、20,000百万円となっております。
各キャッシュ・フローの状況とその要因は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減率 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 24,789 | 44,790 | 80.7% |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △5,987 | △4,648 | △22.4% |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △6,771 | △12,117 | 79.0% |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は44,790百万円となりました。主な増加要因としては、税金等調整前当期純利益43,665百万円の計上などによるものであります。一方、主な減少要因としては賞与引当金の増加額1,161百万円、売上債権の増加額1,223百万円、法人税等の支払額6,986百万円などがあったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は4,648百万円となりました。これは有形固定資産の取得による支出3,224百万円、敷金及び保証金の差入による支出648百万円などがあったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は12,117百万円となりました。これは配当金の支払額10,073百万円などがあったことなどによるものであります。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
① 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。
将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積に影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、親会社株主に帰属する当期純損益額が変動する可能性があります。
② 退職給付債務及び退職給付費用
退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率等に基づいて計算しています。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い長期債利回りを参考に設定しています。割引率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウィルス感染症の拡大に伴う影響は、収束時期を見通すことが依然困難な状況にあるものの、当社グループの事業活動及び業績への影響は限定的であることから、本連結財務諸表における重要な会計上の判断及び見積りの変更は見込んでおりません。