四半期報告書-第12期第3四半期(令和1年7月1日-令和1年9月30日)

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2019/11/13 16:14
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文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
当社グループは、第1四半期連結会計期間よりIFRS第16号「リース」(以下「IFRS第16号」)を適用しております。IFRS第16号の適用による影響については、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度より、「営業利益」から「減損損失」及び「その他の収益・費用」を除いた経常的な収益力を示す指標として「事業利益」を採用しております。
また、前第2四半期連結会計期間において行われたリコーメディカル Inc.の企業結合に係る暫定的な会計処理、及び前第3四半期連結会計期間において行われたビステラ Inc.の企業結合に係る暫定的な会計処理が前連結会計年度末に確定しており、前第3四半期連結累計期間について、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の遡及修正後の数値を用いて比較を行っております。
(単位:百万円)
前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
増減額増減率
売上収益948,0741,028,75880,6838.5%
研究開発費投資前事業利益237,117310,26573,14830.8%
事業利益100,825156,32655,50055.0%
営業利益96,984155,83058,84560.7%
税引前四半期利益98,945151,57452,62853.2%
四半期利益80,577114,89234,31542.6%
親会社の所有者に帰属する四半期利益78,104111,51933,41542.8%

研究開発費136,291153,93917,64712.9%
減損損失25,288400△24,887△98.4%

当第3四半期連結累計期間における売上収益は、医療関連事業におけるグローバル4製品(「エビリファイメンテナ」、「レキサルティ」、「サムスカ/ジンアーク」、「ロンサーフ」)等の売上収益の増加が貢献し1,028,758百万円(前年同四半期比8.5%増)となり、研究開発費投資前事業利益は310,265百万円(同30.8%増)となりました。また、AVP-786、超音波腎デナベーション治療デバイス、センタナファジン、「レキサルティ」、TAS-120、ビステラ社開発品による開発費が増加したことから研究開発費は153,939百万円(同12.9%増)となり、その結果、事業利益は156,326百万円(同55.0%増)となりました。
営業利益につきましては155,830百万円(同60.7%増)、四半期利益は114,892百万円(同42.6%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は111,519百万円(同42.8%増)となりました。
なお、当第3四半期連結累計期間における減損損失は、400百万円(同98.4%減)でした。
セグメントの業績は次のとおりです。
(単位:百万円)
医療関連
事業
ニュートラシューティカルズ
関連事業
消費者
関連事業
その他
の事業
調整額連結
売上収益672,679253,23325,763106,523△29,4411,028,758
事業利益132,58936,8808,0268,386△29,556156,326

(参考-前年同一期間)
(単位:百万円)
医療関連
事業
ニュートラシューティカルズ
関連事業
消費者
関連事業
その他
の事業
調整額連結
売上収益590,292256,64226,197104,866△29,923948,074
事業利益76,31136,3578,6577,985△28,486100,825

(医療関連事業)
当第3四半期連結累計期間における売上収益672,679百万円(前年同四半期比14.0%増)、事業利益は132,589百万円(同73.7%増)となりました。
<主要製品の状況>●グローバル4製品
当社がグローバル4製品と位置付ける持続性抗精神病薬「エビリファイメンテナ」(「Abilify Maintena/エビリファイ持続性水懸筋注用」)、抗精神病薬「レキサルティ」、V2-受容体拮抗剤「サムスカ/ジンアーク」、抗悪性腫瘍剤「ロンサーフ」の売上収益の合計は、前年同四半期比37.5%増の271,046百万円となりました。
・持続性抗精神病薬「Abilify Maintena/エビリファイ持続性水懸筋注用」
グローバルでの統合失調症治療薬としての有効性の訴求と製剤の利便性に対する認知向上に加え、2017年に米国において効能追加となった双極性障害治療薬としての処方拡大が引き続き貢献し、売上収益は前年同四半期比18.0%増の74,849百万円となりました。
・抗精神病薬「レキサルティ」
大うつ病補助療法及び統合失調症治療薬として販売する米国では、両疾患における新たな治療選択肢として有効性と安全性に対する高い評価を受け、売上収益は順調に増加しています。統合失調症治療薬として販売する日本では、2019年5月より処方日数制限が解除され、処方数が大きく伸長しています。欧州においても、2019年4月から順次販売を開始しました。これらの結果、売上収益は前年同四半期比31.6%増の64,174百万円と大幅な増収となりました。
・V2-受容体拮抗剤「サムスカ」
日本において、各種ガイドラインにおける高い推奨を受け心性浮腫・肝性浮腫治療薬としての処方拡大に貢献しました。また、腎臓の難病である常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)治療薬としても、診療ガイドラインに基づいた適正使用の推進や疾患啓発活動を通して、処方数は伸長しました。これらの結果、全体の売上収益は前年同四半期比23.3%増の67,201百万円となりました。
・V2-受容体拮抗剤「ジンアーク」
ADPKDの治療薬として2018年5月に発売した米国では、疾患啓発や臨床データの情報提供活動等により、疾患と製品に対する認知が広まり、処方が順調に拡大しています。欧州の販売国においても治療患者数が増加し、売上収益は前年同四半期比427.4%増の40,255百万円と大幅な増収となりました。
・抗悪性腫瘍剤「ロンサーフ」
米国では、切除不能進行・再発の結腸・直腸がん治療薬としての情報提供活動を強化したことに加え、2019年2月に効能追加の承認を取得した切除不能進行・再発胃がん治療薬としての処方が開始され、増収となりました。欧州では、導出先のセルヴィエ社に対する製品出荷時期の期ずれの影響を受け、減収となりましたが、順調に販売国は増加し、現地での処方は拡大しています。日本においても、堅調に処方数が伸長しています。これらの結果、全体の売上収益は前年同四半期比8.0%増の24,565百万円となりました。
●その他主力製品
抗てんかん剤「イーケプラ」(売上収益34,489百万円、前年同四半期比19.7%増)は、高い有効性と安全性、使いやすさが専門医の評価を得て、処方数が順調に伸長しています。抗悪性腫瘍剤「アブラキサン」(売上収益21,447百万円、前年同四半期比17.6%増)は、胃がん・肺がんにおいて併用療法での処方が増え増収となりました。アレルギー性疾患治療剤「ビラノア」(売上収益8,652百万円、前年同四半期比95.8%増)は、花粉症治療に対する選択肢として専門医や患者さんより高い評価を受け、大幅な増収となりました。
(ニュートラシューティカルズ関連事業)
当第3四半期連結累計期間における売上収益は253,233百万円(前年同四半期比1.3%減)、事業利益は36,880百万円(同1.4%増)となりました。
<主要製品の状況>当社が主要3ブランドと位置付ける「ポカリスエット」、「ネイチャーメイド」、ニュートリション エ サンテ社ブランドの売上収益の合計は、前年同四半期比5.4%減の153,092百万円となりました。育成3ブランドと位置付けるデイヤフーズ社ブランド、「エクエル」、「ボディメンテ」の売上収益の合計は、前年同四半期比28.5%増の15,806百万円となりました。
●主要3ブランド
日本では今夏、飲料最需要期である7月に天候不順な日が続き、猛暑であった昨年と比べ1-9月の飲料市場全体は昨年比で減少、中でもスポーツドリンクカテゴリーは大きく減少しました*1。水分・電解質補給飲料「ポカリスエット」においてもこれらの影響等から、日本の売上収益は対前年同四半期比で減少となりました。一方、アジアを中心に展開する海外では、各地域の特性やニーズに基づいた啓発活動によりインドネシアやベトナムを中心に販売数量が伸長したものの、日本での減収をカバーできず、ブランド全体の売上収益は前年同四半期比で減少しました。
ファーマバイト社のサプリメント「ネイチャーメイド」は、米国のサプリメント市場における競争激化等の影響で、売上収益は対前年同四半期比で減少しました。
欧州を中心に40カ国以上で栄養・健康食品を展開するニュートリション エ サンテ社は、シュガーフリー製品は伸長しましたが、栄養食品市場における競合激化や為替の影響を受け、前年同四半期比で減収となりました。
●育成3ブランド
プラントベース(植物由来)食品であるデイヤフーズ社ブランドは、北米においてチーズ代替品や新製品の成長により、前年同四半期比で増収となりました。
女性の健康と美をサポートするエクオール含有食品「エクエル」は、女性の健康に関するセミナーや、幅広い情報提供活動により、製品の認知が進み、売上収益は前年同四半期比で大幅に増加しました。
植物由来の乳酸菌B240*2を含有する「ボディメンテ」は、コンディショニング栄養食「ボディメンテ ゼリー」に加えて、2018年10月よりコンディショニング飲料「ボディメンテ ドリンク」を全国発売し、「ボディメンテ」ブランド全体は前年同四半期比で大幅な増収となりました。
*1 インテージSRI 2019年1月1日~9月30日
*2 Lactobacillus pentosus ONRICb0240:東京農業大学が単離、大塚製薬が有効性を確認した乳酸菌
(消費者関連事業)
ミネラルウォーターは、主力製品「クリスタルガイザー」の若者を中心としたユーザー層拡大に向けた積極的なコミュニケーション・マーケティング活動により、パーソナルサイズとしては最大サイズの700mlボトルや通販チャネルを中心に販売数量が伸長しました。ビタミン炭酸飲料「マッチ」は、前年にリニューアル発売した「ベリーマッチ」の初期出荷および昨年の猛暑による販売数量増加の影響等により、前年同四半期比で販売数量は減少しましたが、新たなラインアップとして2019年4月にゼリータイプの「マッチゼリー」を発売し、市場導入が順調に進んでいます。これらの結果、当第3四半期連結累計期間における売上収益は25,763百万円(前年同四半期比1.7%減)となりました。また、持分法投資利益の減少等が影響し、事業利益は8,026百万円(同7.3%減)となりました。
(その他の事業)
機能化学品分野は、ブレーキ用摩擦材の出荷数量の減少や発泡体の欧州市場の落ち込みにより、前年同四半期比で微減となりました。ファインケミカル分野は、2019年6月に譲受したセフィキシムの海外ライセンシーに対する原薬供給事業に係る売上収益等により、増収となりました。
運輸・倉庫分野は、グループ製品の取扱数量増加と、外部顧客との共同物流『共通プラットフォーム戦略』による新規顧客の拡大等により、前年同四半期比で増収となりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間のその他の事業の売上収益は106,523百万円(前年同四半期比1.6%増)、事業利益は8,386百万円(同5.0%増)となりました。
※その他、製品別の売上収益等につきましては、決算補足資料(ファクトブック)をご参照ください。
https://www.otsuka.com/jp/ir/library/earnings.php
② 財政状態の状況
(単位:百万円)
前連結会計年度
(2018年12月31日)
当第3四半期連結会計期間
(2019年9月30日)
増減額
流動資産933,1021,034,147101,045
非流動資産1,543,5321,578,14934,616
資産合計2,476,6342,612,297135,662
流動負債427,502443,65416,152
非流動負債316,865411,60994,743
負債合計744,368855,263110,895
資本合計1,732,2661,757,03324,766

a. 資産
当第3四半期連結会計期間末における総資産は2,612,297百万円(前連結会計年度末は2,476,634百万円)となり、135,662百万円増加しました。その内訳は、流動資産が101,045百万円の増加、非流動資産が34,616百万円の増加であります。
(流動資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は1,034,147百万円(前連結会計年度末は933,102百万円)となり、101,045百万円増加しました。その主たる内訳は、売上債権及びその他の債権が23,599百万円減少したものの、現金及び現金同等物が108,118百万円、棚卸資産が10,105百万円増加したこと等によるものであります。当第3四半期連結累計期間においては、業績が堅調に推移したことに加え、2019年3月に借入金返済資金及び運転資金に充当するために国内無担保普通社債80,000百万円を発行したこと等により、現金及び現金同等物が増加しました。
(非流動資産)
当第3四半期連結会計期間末における非流動資産1,578,149百万円(前連結会計年度末は1,543,532百万円)となり、34,616百万円増加しました。その主たる内訳は、のれんが9,623百万円、無形資産が18,499百万円減少したものの、有形固定資産が58,077百万円増加したことによるものであります。のれんの減少は、為替相場の変動による影響、無形資産の減少は、償却及び為替相場の変動による影響であります。有形固定資産の増加は、IFRS第16号の適用による影響及び医療関連事業の徳島美馬工場、松茂工場の生産設備への投資等によるものであります。
b. 負債
(流動負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は443,654百万円(前連結会計年度末は427,502百万円)となり、16,152百万円増加しました。その主たる内訳は、仕入債務及びその他の債務が9,099百万円減少したものの、リース負債が12,881百万円、未払法人所得税が12,558百万円増加したことによるものであります。リース負債の増加は、IFRS第16号の適用による影響等によるものであります。
(非流動負債)
当第3四半期連結会計期間末における非流動負債は411,609百万円(前連結会計年度末は316,865百万円)となり、94,743百万円増加しました。その主たる内訳は、社債及び借入金が58,618百万円、リース負債が45,511百万円増加したことによるものであります。社債及び借入金の増加は、アバニア買収資金の借入返済等により減少した一方で、社債80,000百万円を発行したことによるものであります。リース負債の増加は、IFRS第16号の適用による影響等によるものであります。
c. 資本
当第3四半期連結会計期間末における資本は1,757,033百万円(前連結会計年度末は1,732,266百万円)となり、24,766百万円増加しました。その主たる内訳は、株式相場及び為替相場の変動等の影響によりその他の資本の構成要素が33,368百万円減少し、配当金の支払により利益剰余金が54,205百万円減少したものの、親会社の所有者に帰属する四半期利益111,519百万円の計上等により利益剰余金が57,418百万円増加したこと等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は393,141百万円となり、前連結会計年度末より108,118百万円増加しました。当第3四半期連結累計期間は営業活動によるキャッシュ・フローにより181,966百万円の資金を獲得しました。一方で、将来の持続的成長に向けて、医療関連事業において徳島美馬工場、松茂工場の生産設備への投資等を行ったことにより、投資活動により使用したキャッシュ・フローは△58,676百万円となりました。社債の発行により80,000百万円を調達した一方で、株主に対し1株当たり100円の配当を支払い(支払合計額△54,205百万円)、長期借入金を△24,057百万円返済したため、財務活動により使用したキャッシュ・フローは△9,685百万円となりました。
これらの結果、営業活動によるキャッシュ・イン・フローは、投資活動及び財務活動を合わせたキャッシュ・アウト・フローを上回り、現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より108,118百万円増加しました。
なお、2019年9月末現在の社債及び借入金の合計額は261,143百万円であり、現金及び現金同等物が社債及び借入金の合計額を上回っていることから、財政的に健全性を維持していると考えております。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、181,966百万円(対前年同四半期比86,307百万円増)となりました。当第3四半期連結累計期間の主な内容は、税引前四半期利益151,574百万円、減価償却費及び償却費55,085百万円、売上債権及びその他の債権の増減額18,326百万円、棚卸資産の増減額△12,940百万円、仕入債務及びその他の債務の増減額△2,179百万円、法人所得税等の支払額△23,082百万円となっております。当第3四半期連結累計期間における対前年同四半期連結累計期間比86,307百万円の増加の主な要因は、当第3四半期連結累計期間において、業績が堅調に推移し、前第3四半期連結累計期間におけるセンタナファジン及びグアデシタビン等の減損損失やリコーメディカル Inc.の買収に係る評価益などの要因を除いたベースでキャッシュ・フローが43,355百万円増加したこと、売上債権及びその他の債権、棚卸資産、仕入債務及びその他の債務の増減額の影響により46,500百万円増加したこと、並びに法人所得税等の支払額が12,216百万円増加したことによるものです。また、IFRS第16号を適用することになったことに伴い、従来のオペレーティング・リース契約に係る使用権資産の減価償却費及び償却費が増加しております。一方で、従来のオペレーティング・リース契約に係るリース負債の返済による支出は、財務活動によるキャッシュ・フローに減額項目として計上されております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、△58,676百万円(対前年同四半期比37,422百万円増)となりました。当第3四半期連結累計期間の主な内容は、有形固定資産の取得による支出△35,535百万円、無形資産の取得による支出△9,670百万円、投資の売却及び償還による収入39,189百万円、投資の取得による支出△44,443百万円、定期預金の増減額△5,105百万円等であります。当第3四半期連結累計期間における対前年同四半期連結累計期間比37,422百万円の増加の主な要因は、前第3四半期連結累計期間におけるリコーメディカル Inc.及びビステラ Inc.の買収の影響がなくなったこと、定期預金について、前第3四半期連結累計期間のキャッシュ・イン・フロー24,106百万円から当第3四半期連結累計期間キャッシュ・アウト・フロー△5,105百万円となった影響等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、△9,685百万円(前年同四半期比19,685百万円増)となりました。当第3四半期連結累計期間の主な内容は、社債の発行による収入80,000百万円、長期借入金の返済による支出△24,057百万円、リース負債の返済による支出△11,965百万円、配当金の支払額△55,559百万円であります。当第3四半期連結累計期間における対前年同四半期連結累計期間比19,685百万円の増加の主な要因は、2019年3月の国内無担保普通社債の発行による収入の計上80,000百万円、IFRS第16号を適用することになったことに伴うリース負債の返済による支出の増加△10,351百万円、及び前第3四半期連結累計期間に行ったコマーシャル・ペーパーの増加額40,000百万円及び一時的な短期借入による短期借入金の増加額が当第3四半期連結累計期間ではなかったことによる影響△7,254百万円であります。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発費は153,939百万円です。
主な研究開発分野及び新製品の開発のセグメント別の状況は次のとおりです。
(医療関連事業)
当社グループは、精神・神経領域、がん・がんサポーティブケア領域および循環器・腎領域を重点領域とし、未充足疾患に焦点を当てた研究開発を進めています。
医療関連事業における研究開発費は146,316百万円です。
当第3四半期連結累計期間の医療関連事業における研究開発の主な進捗状況は以下のとおりです。
領域「製品名」
(一般名)
又は開発コード
状況
精神・神経領域「レキサルティ」
(ブレクスピプラゾール)
OPC-34712
<中国>・統合失調症を対象としたフェーズⅢ試験を2019年5月に開始しました。
「エビリファイ持続性水懸筋注用」
(アリピプラゾール持続性注射剤)
<日本>・双極性障害の効能で、2019年9月に承認申請しました。
(重水素化デキストロメトルファン・キニジン)
AVP-786
<米国>・統合失調症陰性症状を対象としたフェーズⅡ/Ⅲ試験を2019年3月に開始しました。
(センタナファジン)
EB-1020
<米国>・注意欠陥・多動性障害を対象としたフェーズⅢ試験を2019年2月に開始しました。
「セリンクロ」
(ナルメフェン)
Lu AA36143
<日本>・アルコール依存症患者における飲酒量を低減する治療薬として2019年1月に承認を取得しました。
Lu AF20513<欧州>・開発戦略上、当社における開発を中止しました。
がん・がんサポーティブケア領域「ロンサーフ」
(トリフルリジン・
チピラシル)
TAS-102
<日本・米国・欧州>・胃がんの効能追加について、2019年2月に米国、2019年8月に日本、2019年9月に欧州で承認を取得しました。
<中国>・結腸・直腸がん治療薬として2019年8月に承認を取得しました。
ASTX727<日本>・骨髄異形成症候群を対象としたフェーズⅠ試験を2019年3月に開始しました。
ASTX295<米国>・固形がんを対象としたフェーズⅠ/Ⅱ試験を2019年7月に開始しました。
TAS0313<日本>・尿路上皮がんを対象としたフェーズⅡ試験を2019年1月に開始しました。
(canerpaturev)
TBI-1401
<日本>・タカラバイオ社は悪性黒色腫の効能に関する承認申請を2019年9月に取り下げました。
(ホスネツピタント)
Pro-NETU
<日本>・抗悪性腫瘍剤投与に伴う悪心・嘔吐を対象としたフェーズⅢ試験を2019年2月に開始しました。

領域「製品名」
(一般名)
又は開発コード
状況
循環器・腎領域OPC-61815<日本>・心性浮腫を対象としたフェーズⅢ試験を2019年1月に開始しました。
その他領域(ジファミラスト)
OPA-15406
<日本>・アトピー性皮膚炎を対象としたフェーズⅢ試験を2019年4月に開始しました。
「WT1 mRNA測定キットⅡ「オーツカ」」
ODK-1003-CN
<中国>・骨髄異形成症候群/体外診断薬の診断薬として2019年3月に承認を取得しました。
OPF-105<日本>・末梢静脈栄養輸液として2019年9月に承認申請しました。

(ニュートラシューティカルズ関連事業)
当事業においては、医療関連事業で培ったノウハウを活かし、日々の健康の維持・増進をサポートする機能性食品・飲料を中心に世界に通用する製品の研究開発に取り組んでいます。ミドルエイジ男性向けトータルスキンケアブランド「ウル・オス」から、保湿成分AMP*1はそのままに、肌質や使用感の好みに合わせて選べるように保湿ラインの処方を進化させ、2019年8月にスキンローション、スキンミルクおよびスキンジェルクリームの保湿3製品をリニューアル発売しました。
*1:保湿成分AMP:アデノシン一リン酸
ニュートラシューティカルズ関連事業における研究開発費は4,216百万円です。
(消費者関連事業)
当事業においては、生活に身近な食品や飲料の分野でオリジナルかつユニークな製品の研究開発に取り組んでいます。
消費者関連事業における研究開発費は、433百万円です。
(その他の事業)
当事業においては、機能化学品やファインケミカルの分野で研究開発に取り組んでいます。
その他の事業における研究開発費は2,972百万円です。