有価証券報告書-第12期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/30 16:18
【資料】
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【項目】
87項目
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当社グループは、当連結会計年度よりIFRS第16号「リース」(以下「IFRS第16号」)を適用しております。IFRS第16号の適用による影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 2.作成の基礎(4) 会計方針の変更」に記載しております。
当連結会計年度より、「営業利益」から「減損損失」及び「その他の収益・費用」を除いた経常的な収益力を示す指標として「事業利益」を採用しております。
(単位:百万円)
前連結会計年度
(2018年12月期)
当連結会計年度
(2019年12月期)
増減額増減率
売上収益1,291,9811,396,240104,2598.1%
研究開発費投資前事業利益313,824402,95789,13328.4%
事業利益120,892187,16866,27554.8%
営業利益108,304176,58568,28063.0%
税引前当期利益109,497173,51564,01758.5%
当期利益85,395131,18745,79153.6%
親会社の所有者に帰属する
当期利益
82,492127,15144,65954.1%
研究開発費192,931215,78922,85811.8%
減損損失34,74213,476△21,266△61.2%

当連結会計年度における売上収益は、医療関連事業におけるグローバル4製品(「エビリファイ メンテナ」、「レキサルティ」、「サムスカ/ジンアーク」、「ロンサーフ」)等の売上収益の増加が貢献し、1,396,240百万円(前期比8.1%増)となり、研究開発費投資前事業利益は402,957百万円(同28.4%増)となりました。また、AVP-786、超音波腎デナベーション治療デバイス、センタナファジン、「レキサルティ」、TAS-120及びビステラ社開発品による開発費が増加したことから研究開発費は215,789百万円(同11.8%増)となり、その結果、事業利益は187,168百万円(同54.8%増)となりました。
営業利益につきましては176,585百万円(同63.0%増)、当期利益は131,187百万円(同53.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は127,151百万円(同54.1%増)となりました。
なお、当連結会計年度における減損損失は、13,476百万円(同61.2%減)でした。
セグメントの業績は次のとおりです。
(単位:百万円)
医療関連
事業
ニュートラシューティカルズ
関連事業
消費者
関連事業
その他
の事業
調整額連結
売上収益924,250333,78033,553143,833△39,1761,396,240
事業利益167,29842,8759,4709,045△41,521187,168

(参考-前連結会計年度)
(単位:百万円)
医療関連
事業
ニュートラシューティカルズ
関連事業
消費者
関連事業
その他
の事業
調整額連結
売上収益817,110338,95733,807141,249△39,1441,291,981
事業利益97,19743,0358,9669,538△37,845120,892

(医療関連事業)
当連結会計年度における売上収益は924,250百万円(前期比13.1%増)、事業利益は167,298百万円(同72.1%増)となりました。
<主要製品の状況>●グローバル4製品
当社がグローバル4製品と位置付ける持続性抗精神病薬「エビリファイ メンテナ」、抗精神病薬「レキサルティ」、V2-受容体拮抗剤「サムスカ/ジンアーク」、抗悪性腫瘍剤「ロンサーフ」の売上収益の合計は、前期比34.9%増の375,133百万円となりました。
・持続性抗精神病薬「エビリファイ メンテナ」
グローバルでの統合失調症治療薬としての有効性の訴求と製剤の利便性に対する認知向上に加え、2017年に米国において効能追加となった双極性障害治療薬としての処方拡大が引き続き貢献し、売上収益は前期比15.7%増の101,779百万円となりました。
・抗精神病薬「レキサルティ」
大うつ病補助療法及び統合失調症治療薬として販売する米国では、両疾患における新たな治療選択肢として有効性と安全性に対する高い評価を受け、売上収益は順調に増加しています。統合失調症治療薬として販売する日本では、2019年5月より処方日数制限が解除され、処方数が大きく伸長しています。欧州においても、2019年4月から順次販売を開始しました。これらの結果、売上収益は前期比29.3%増の89,822百万円となりました。
・V2-受容体拮抗剤「サムスカ」
日本において、各種ガイドラインにおける高い推奨を受け心性浮腫・肝性浮腫治療薬としての処方拡大に貢献しました。また、腎臓の難病である常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)治療薬としても、診療ガイドラインに基づいた適正使用の推進や疾患啓発活動を通して、処方数は伸長しました。これらの結果、全体の売上収益は前期比20.8%増の91,736百万円となりました。
・V2-受容体拮抗剤「ジンアーク」
ADPKDの治療薬として2018年5月に発売した米国では、疾患啓発や臨床データの情報提供活動等により、疾患と製品に対する認知が広まり、処方が順調に拡大しています。欧州の販売国においても治療患者数が増加し、売上収益は前期比300.0%増の57,315百万円と大幅な増収となりました。
・抗悪性腫瘍剤「ロンサーフ」
米国では、切除不能進行・再発結腸・直腸がん治療薬としての情報提供活動を強化したことに加え、2019年2月に効能追加の承認を取得した切除不能進行・再発胃がん治療薬としての処方が開始され、増収となりました。日本においても、同年8月に進行・再発胃がんに対する効能が追加され、処方数が伸長しています。欧州では、導出先のセルヴィエ社に対する製品出荷時期の期ずれの影響を受け、微減となりましたが、現地での処方は堅調に推移しています。これらの結果、全体の売上収益は前期比13.6%増の34,479百万円となりました。
●その他主力製品
抗てんかん剤「イーケプラ」(売上収益46,751百万円、前期比16.1%増)は、高い有効性と安全性、使いやすさが専門医の評価を得て、処方数が順調に伸長しています。抗悪性腫瘍剤「アブラキサン」(売上収益28,998百万円、前期比13.9%増)は、胃がん・肺がんでの処方が増え増収となりました。アレルギー性疾患治療剤「ビラノア」(売上収益12,225百万円、前期比84.3%増)は、花粉症治療に対する選択肢として専門医や患者さんより高い評価を受け、大幅な増収となりました。
(ニュートラシューティカルズ関連事業)
当連結会計年度における売上収益は333,780百万円(前期比1.5%減)、事業利益は42,875百万円(同0.4%減)となりました。
<主要製品の状況>当社が主要3ブランドと位置付ける「ポカリスエット」、「ネイチャーメイド」、ニュートリション エ サンテ社ブランドの売上収益の合計は、前期比5.0%減の200,124百万円となりました。育成3ブランドと位置付けるデイヤフーズ社ブランド、「エクエル」、「ボディメンテ」の売上収益の合計は、前期比18.0%増の21,217百万円となりました。
●主要3ブランド
日本では飲料最需要期である7月に天候不順な日が続き、猛暑であった2018年と比べスポーツドリンクカテゴリーは減少しました*1。水分・電解質補給飲料「ポカリスエット」においてもこれらの影響等から、日本の売上収益は前期比で減少となりました。一方、アジアを中心に展開する海外では、各地域の特性やニーズに基づいた啓発活動によりインドネシアやベトナムを中心に販売数量が伸長したものの、日本での減収をカバーできず、ブランド全体の売上収益は前期比で減少しました。
ファーマバイト社のサプリメント「ネイチャーメイド」は、米国のサプリメント市場における競争激化等の影響で、売上収益は前期比で減少しました。
欧州を中心に40カ国以上で栄養・健康食品を展開するニュートリション エ サンテ社ブランドは、シュガーフリー製品は伸長しましたが、栄養食品市場における競合激化や為替の影響を受け、前期比で減収となりました。
●育成3ブランド
プラントベース(植物由来)食品であるデイヤフーズ社ブランドは、北米においてチーズ代替品や新製品の成長により、前期比で増収となりました。
女性の健康と美をサポートするエクオール含有食品「エクエル」は、女性の健康に関するセミナーや、幅広い情報提供活動により製品の認知が進み、売上収益は前期比で大幅に増加しました。
植物由来の乳酸菌B240*2を含有する「ボディメンテ」は、コンディショニング栄養食「ボディメンテ ゼリー」に加えて、2018年10月よりコンディショニング飲料「ボディメンテ ドリンク」を全国発売し、堅調に推移しています。
*1 インテージSRI 2019年1月7日~12月29日 ▲5.4%
*2 Lactobacillus pentosus ONRICb0240:東京農業大学が単離、大塚製薬が有効性を確認した乳酸菌
(消費者関連事業)
ミネラルウォーターは、主力製品「クリスタルガイザー」の若者を中心としたユーザー層拡大に向けた積極的なコミュニケーション・マーケティング活動により、パーソナルサイズとしては最大サイズの700mlボトルや通販チャネルを中心に販売数量が伸長しました。ビタミン炭酸飲料「マッチ」は、冷夏の影響もあり、前期比で販売数量は減少しましたが、新たなラインアップとして2019年4月にゼリータイプの「マッチゼリー」を発売し、市場導入が順調に進んでいます。これらの結果、当連結会計年度における売上収益は33,553百万円(前期比0.8%減)、経費の効率化等により、事業利益は9,470百万円(同5.6%増)となりました。
(その他の事業)
機能化学品分野は、タイヤ用添加剤やブレーキ用摩擦材の出荷数量の減少により、前期比で微減となりました。ファインケミカル分野は、2019年6月に譲受したセフィキシムの海外ライセンシーに対する原薬供給事業に係る売上収益等により、増収となりました。
運輸・倉庫分野は、グループ製品の取扱数量増加と、外部顧客との共同物流『共通プラットフォーム戦略』による新規顧客の拡大等により、前期比で増収となりました。
以上の結果、当連結会計年度のその他の事業の売上収益は143,833百万円(前期比1.8%増)となりました。また、持分法投資利益の減少等が影響し、事業利益は9,045百万円(同5.2%減)となりました。
※ その他、製品別の売上収益等につきましては、決算補足資料(ファクトブック)をご参照ください。
https://www.otsuka.com/jp/ir/library/earnings.php
② 財政状態の状況
前連結会計年度において行われた企業結合に係る暫定的な会計処理が当連結会計年度に確定しており、前連結会計年度の関連する数値については、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の見直しが反映された後の金額によっております。
(単位:百万円)
前連結会計年度
(2018年12月31日)
当連結会計年度
(2019年12月31日)
増減額
流動資産933,102988,35155,249
非流動資産1,544,2601,592,95748,696
資産合計2,477,3632,581,309103,945
流動負債427,502440,89113,389
非流動負債317,594344,97727,382
負債合計745,097785,86940,771
資本合計1,732,2661,795,44063,173

a. 資産
当連結会計年度末における総資産は2,581,309百万円(前連結会計年度末は2,477,363百万円)となり、103,945百万円増加しました。その内訳は、流動資産が55,249百万円の増加、非流動資産が48,696百万円の増加であります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は988,351百万円(前連結会計年度末は933,102百万円)となり、55,249百万円増加しました。その主たる内訳は、その他の金融資産が18,381百万円減少したものの、現金及び現金同等物が49,017百万円、売上債権及びその他の債権が22,897百万円増加したこと等によるものであります。当連結会計年度においては、業績が堅調に推移したことに加え、2019年3月に借入金返済資金及び運転資金に充当するために国内無担保普通社債80,000百万円を発行し、借入金返済をしたこと等の結果、現金及び現金同等物が増加しました。
(非流動資産)
当連結会計年度末における非流動資産は1,592,957百万円(前連結会計年度末は1,544,260百万円)となり、48,696百万円増加しました。その主たる内訳は、のれんが6,228百万円、無形資産が9,238百万円減少したものの、有形固定資産が59,807百万円増加したことによるものであります。のれんの減少は、為替相場の変動及び減損による影響、無形資産の減少は、償却、減損及び為替相場の変動による影響であります。有形固定資産の増加は、IFRS第16号「リース」(以下「IFRS第16号」)の適用による影響及び医療関連事業の徳島美馬工場、松茂工場の生産設備への投資等によるものであります。
b. 負債
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は440,891百万円(前連結会計年度末は427,502百万円)となり、13,389百万円増加しました。その主たる内訳は、社債及び借入金が15,878百万円減少したものの、リース負債が12,901百万円、未払法人所得税が19,305百万円増加したことによるものであります。リース負債の増加は、IFRS第16号の適用による影響等によるものであります。
(非流動負債)
当連結会計年度末における非流動負債は344,977百万円(前連結会計年度末は317,594百万円)となり、27,382百万円増加しました。その主たる内訳は、社債及び借入金が3,479百万円、契約負債が6,452百万円、繰延税金負債が9,716百万円減少したものの、リース負債が45,834百万円増加したことによるものであります。社債及び借入金の減少は、社債80,000百万円を発行による増加の一方で、アバニア買収資金の借入返済等により減少したことによるものであります。リース負債の増加は、IFRS第16号の適用による影響等によるものであります。
c. 資本
当連結会計年度末における資本は1,795,440百万円(前連結会計年度末は1,732,266百万円)となり、63,173百万円増加しました。その主たる内訳は、株式相場及び為替相場の変動等の影響によりその他の資本の構成要素が14,313百万円減少、及び配当金の支払により利益剰余金が54,205百万円減少したものの、親会社の所有者に帰属する当期利益127,151百万円の計上等により利益剰余金が75,208百万円増加したこと等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は334,040百万円となり、前連結会計年度末より49,017百万円増加しました。当連結会計年度は営業活動によるキャッシュ・フローにより192,634百万円の資金を獲得しました。一方で、将来の持続的成長に向けて、医療関連事業において徳島美馬工場、松茂工場の生産設備への投資等を行ったことにより、投資活動によるキャッシュ・フローは△52,279百万円となりました。財務活動につきましては、社債の発行により80,000百万円を調達した一方で、借入金の繰り上げ返済も一部行ったことから長期借入金の返済額が△99,386百万円となり、配当金の支払額が△55,560百万円となったことから、財務活動によるキャッシュ・フローは△89,267百万円となりました。
これらの結果、営業活動によるキャッシュ・イン・フローは、投資活動及び財務活動を合わせたキャッシュ・アウト・フローを上回り、現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より49,017百万円増加しました。
なお、2019年12月末現在の社債及び借入金の合計額は186,527百万円であり、現金及び現金同等物が社債及び借入金の合計額を上回っていることから、財政的に健全性を維持していると考えております。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、192,634百万円(対前期比56,812百万円増)となりました。当連結会計年度の主な内容は、税引前当期利益173,515百万円、減価償却費及び償却費75,690百万円、売上債権及びその他の債権の増減額△24,440百万円、仕入債務及びその他の債務の増減額△11,105百万円、法人所得税等の支払額△24,000百万円となっております。当連結会計年度における対前期比56,812百万円のキャッシュ・フロー増加の主な要因は、医療関連事業におけるグローバル4製品(「エビリファイ メンテナ」、「レキサルティ」、「サムスカ/ジンアーク」、「ロンサーフ」)の伸長により業績が堅調に推移したこと及び法人所得税等の支払額の対前期比5,588百万円減少等によるキャッシュ・フローの増加が、売上債権及びその他の債権、棚卸資産、仕入債務及びその他の債務の増減額の影響による対前期比16,865百万円のキャッシュ・フローの減少を上回ったことによるものであります。また、IFRS第16号を適用することになったことに伴い、従来のオペレーティング・リース契約に係る使用権資産の減価償却費及び償却費が増加しております。一方で、従来のオペレーティング・リース契約に係るリース負債の返済による支出は、財務活動によるキャッシュ・フローに減額項目として計上されております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、△52,279百万円(対前期比41,062百万円増)となりました。当連結会計年度の主な内容は、有形固定資産の取得による支出△48,602百万円、無形資産の取得による支出△14,835百万円、投資の売却及び償還による収入44,446百万円、投資の取得による支出△49,656百万円、定期預金の増減額18,577百万円等であります。当連結会計年度における対前期比41,062百万円のキャッシュ・フロー増加の主な要因は、定期預金の増減額が対前期比△28,709百万円となった一方で、前連結会計年度におけるリコーメディカル Inc.及びビステラ Inc.の買収の影響がなくなったことにより、キャッシュ・フローが対前期比68,101百万円増加した影響等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、△89,267百万円(対前期比68百万円減)となりました。当連結会計年度の主な内容は、社債の発行による収入80,000百万円、長期借入金の返済による支出△99,386百万円、リース負債の返済による支出△15,701百万円、配当金の支払額△55,560百万円であります。当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、前期比微減となりましたが、その主な要因は、2019年3月の国内無担保普通社債の発行による収入の計上80,000百万円、IFRS第16号を適用することになったことに伴い、リース負債の返済による支出の増加による対前期比△13,499百万円の影響、及びアバニア買収資金の返済等に伴う長期借入金の返済による支出の増加による対前期比△57,631百万円の影響等であります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)
医療関連事業137,558104.9
ニュートラシューティカルズ関連事業138,40794.3
消費者関連事業16,66199.3
その他の事業60,72497.4
合計353,35199.0

(注)1.ニュートラシューティカルズとは、栄養「Nutrition」+薬「Pharmaceuticals」の造語であり、科学的根拠をもとに開発された医薬部外品や機能性食品及び栄養補助食品等を取り扱うセグメントです。
2.金額は、製造原価によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
連結子会社は主として受注見込みによる生産方式をとっております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
医療関連事業924,250113.1
ニュートラシューティカルズ関連事業333,75798.6
消費者関連事業33,55399.7
その他の事業104,680102.0
合計1,396,240108.1

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社、以下同じ)の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載されているとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
③ 資本の財源及び資金の流動性に関する情報
当社グループのキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループの当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は334,040百万円であり、社債及び借入金の合計額186,527百万円を上回っています。なお、資金調達手段の多様化と経営の機動性確保を目的に2019年3月7日に国内無担保普通社債を80,000百万円発行し(5年債20,000百万円、7年債30,000百万円、10年債30,000百万円)、その一部を借入金の繰り上げ返済に充当いたしました。
当社グループにおける経常的な資金需要としましては、主に事業の拡大に伴う運転資金需要、生産設備の増強・更新に伴う設備投資資金及び研究開発資金がありますが、基本的に営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としております。現在、徳島工場、徳島美馬工場等で生産設備の増強を行っております。一方、事業の買収等に伴う非経常的な資金需要につきましては、必要に応じて外部から調達しております。
(3) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
(のれんの償却)
日本基準では、のれんは、その効果が発現すると認められる期間で償却することとしておりましたが、IFRSでは、移行日以降、のれんの償却を行っておりません。
この結果、IFRSでは日本基準に比べて、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」が前連結会計年度13,689百万円、当連結会計年度14,674百万円減少しております。
(研究開発費の資産計上)
日本基準では、技術導入契約等の支出は、「研究開発費」として認識しておりましたが、IFRSでは、IAS第38号による無形資産の定義を満たすものについて資産化し、「仕掛研究開発」として無形資産に計上しております。当該資産は、未だ使用可能ではない無形資産であるため、償却をせず、減損テストを行っております。「仕掛研究開発」については、その後の期間に規制当局の許認可が得られ使用可能となった時点で「商標権及び販売権等」に振替を行い、その時点から見積耐用年数にわたり定額法で償却を開始しております。
この結果、IFRSでは日本基準に比べて、連結財政状態計算書の「無形資産」が前連結会計年度66,792百万円、当連結会計年度75,843百万円増加しております。