四半期報告書-第14期第1四半期(令和3年1月1日-令和3年3月31日)

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2021/05/14 16:22
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【項目】
34項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当社グループは、経常的な収益力を示す指標として事業利益を採用しております。
事業利益とは、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費並びに研究開発費を控除した額に持分法による投資損益を加減算した額であります。
(単位:百万円)
前第1四半期
連結累計期間
当第1四半期
連結累計期間
増減額増減率
売上収益339,560336,789△2,771△0.8%
研究開発費投資前事業利益104,78197,511△7,270△6.9%
事業利益50,45948,907△1,551△3.1%
営業利益53,94650,092△3,853△7.1%
税引前四半期利益51,09558,0016,90513.5%
四半期利益38,53045,7357,20418.7%
親会社の所有者に帰属する四半期利益37,71044,6826,97218.5%

研究開発費54,32248,603△5,719△10.5%
減損損失-5151-

これまで当社グループは、「トータルヘルスケア企業」として、健康の維持・増進、病気の診断から治療までを担う企業活動を進めてまいりました。今後のニューノーマルという時代の中でも、健康意識の高まりを成長機会と捉え、今こそ「トータルヘルスケア企業」の真価を発揮し、引き続き持続的成長の実現に向け、進んでまいります。
当第1四半期連結累計期間は、「スプリセル」、「イーケプラ」の契約満了による減収を「エビリファイ メンテナ」、「レキサルティ」、「ジンアーク」、「ロンサーフ」のグローバル4製品及びニュートラシューティカルズ関連事業で補い、連結売上収益は336,789百万円(前年同四半期比0.8%減)と前年同四半期並みとなりました。医療関連事業においては、上記契約満了や米国における「サムスカ」の後発医薬品上市の影響を受けましたが、グローバル4製品や前年、北米で上市した「INQOVI」等の売上収益の増加が業績を牽引しました。ニュートラシューティカルズ関連事業においては、外出機会の減少等により飲料の消費等が影響を受けましたが、健康の自己管理意識の向上とともに、「ネイチャーメイド」、デイヤフーズ社ブランドや「エクエル」等が伸長し、売上収益は増加しました。
一方、製品構成や会計処理上の特殊要因等により売上総利益が減少、また、ニューノーマルに対応した積極的なマーケティング活動による広告宣伝費が増加し、研究開発費投資前事業利益は97,511百万円(同6.9%減)となりました。バダデュスタット、センタナファジン、フレマネズマブ等に係る開発費が減少したことから研究開発費は48,603百万円(同10.5%減)となり、その結果、事業利益は48,907百万円(同3.1%減)、営業利益は50,092百万円(同7.1%減)となりましたが、上述の特殊要因を除くと業績は堅調に推移しております。
また、為替の影響等により、四半期利益は45,735百万円(同18.7%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は44,682百万円(同18.5%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりです。
(単位:百万円)
医療関連
事業
ニュートラシューティカルズ
関連事業
消費者
関連事業
その他
の事業
調整額連結
売上収益225,32276,8546,83035,871△8,090336,789
事業利益44,6969,0102,1434,045△10,98848,907

(参考-前年同一期間)
(単位:百万円)
医療関連
事業
ニュートラシューティカルズ
関連事業
消費者
関連事業
その他
の事業
調整額連結
売上収益237,11770,5977,50533,032△8,693339,560
事業利益50,4436,1752,3152,570△11,04550,459

(医療関連事業)
当第1四半期連結累計期間における売上収益は225,322百万円(前年同四半期比5.0%減)、事業利益は44,696百万円(同11.4%減)となりました。
<主要製品の状況>●グローバル4製品
当社がグローバル4製品と位置付ける持続性抗精神病薬「エビリファイ メンテナ」、抗精神病薬「レキサルティ」、V2-受容体拮抗剤「サムスカ/ジンアーク」、抗悪性腫瘍剤「ロンサーフ」の売上収益の合計は、前年同四半期比4.3%増の114,918百万円となりました。
・持続性抗精神病薬「エビリファイ メンテナ」
米国では、処方数は堅調に伸長する一方、前年同四半期の卸や薬局における新型コロナウイルス感染拡大を懸念した在庫増加の反動や為替等の影響を受け、減収となりました。日本では、2020年9月に双極Ⅰ型障害における気分エピソードの再発・再燃抑制の効能が追加となり、情報提供活動が制限される中でも増収となりました。欧州において引き続き順調に処方が拡大しています。これらの結果、売上収益は前年同四半期比1.4%増の30,858百万円となりました。
・抗精神病薬「レキサルティ」
大うつ病補助療法及び統合失調症治療薬として販売する米国では、両疾患における新たな治療選択肢として処方数は伸長していますが、為替の影響により売上収益は前年同四半期並みとなりました。統合失調症治療薬として販売する日本では、新規患者への処方が拡大しています。これらの結果、売上収益は前年同四半期並みの28,108百万円となりました。
・V2-受容体拮抗剤「サムスカ」
日本では、オンラインでの情報提供活動等の活用により、心不全・肝硬変における体液貯留及び常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)治療薬として処方が引き続き拡大する一方、2020年4月の薬価改定における市場拡大再算定による大幅な薬価切り下げの影響により、売上収益は前年同四半期並みとなりました。低ナトリウム血症治療薬として販売する米国では、独占期間満了に伴い後発医薬品が発売されています。これらの結果、売上収益は前年同四半期比6.7%減の20,787百万円となりました。
・V2-受容体拮抗剤「ジンアーク」
米国では、ADPKDの治療薬として疾患啓発や臨床データの情報提供活動等により、処方は堅調に拡大しています。これらの結果、売上収益は前年同四半期比18.9%増の23,905百万円となりました。
・抗悪性腫瘍剤「ロンサーフ」
米国では、新型コロナウイルス感染拡大を受けて在宅治療や経口抗がん剤の使用が推奨されており*1,2、増収となりました。欧州では、処方の順調な推移と承認国の拡大により、増収となりました。日本における処方は堅調に推移し、売上収益は微増となりました。これらの結果、売上収益は前年同四半期比18.2%増の11,260百万円となりました。
*1 Pelin Cinar et al., Safety at the Time of the COVID-19 Pandemic: How to Keep our Oncology Patients and Healthcare Workers Safe. J Natl Compr Canc Netw, 2020 Apr 15;1-6.
*2 ASCO. COVID-19 Patient Care Information, Cancer Treatment and Supportive Care.
https://www.asco.org/asco-coronavirus-resources/care-individuals-cancer-during-covid-19/cancertreatment-supportive-care. Updated 23, July 2020. Accessed 31 July 2020.
(ニュートラシューティカルズ関連事業)
当第1四半期連結累計期間における売上収益は76,854百万円(前年同四半期比8.9%増)、事業利益は9,010百万円(同45.9%増)となりました。
<主要製品の状況>当社が主要3ブランドと位置付ける「ポカリスエット」、「ネイチャーメイド」、ニュートリション エ サンテ社ブランドの売上収益の合計は、前年同四半期比13.0%増の47,475百万円となりました。育成3ブランドと位置付けるデイヤフーズ社ブランド、「エクエル」、「ボディメンテ」の売上収益の合計は、前年同四半期比9.0%増の6,808百万円となりました。
●主要3ブランド
水分・電解質補給飲料「ポカリスエット」は、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、消費者の活動量が昨年同時期より減少したことに加え、風邪・インフルエンザ等に関連する製品の飲用機会の減少により、売上収益は前年同四半期比で減少しましたが、3月末より回復基調にあります。本ブランドでは、ニューノーマルにおいて生じる新たな健康課題に対し、熱中症予防対策や体調管理における水分・電解質補給の重要性など、様々な情報発信や啓発活動を続けています。
ファーマバイト社のサプリメント「ネイチャーメイド」は、消費者の体調管理に対する意識が高まる中、ブランドや品質に対する信頼性が再認識され、特に主力の北米において、ビタミンDやC等を中心に需要が増加し、大幅増収となりました。
欧州を中心に健康食品を展開するニュートリション エ サンテ社ブランドは、ロックダウンなどの厳しい制限下、ニューノーマルに対応した体制整備を進め、Eコマースの売上収益の増加等により増収となりました。
●育成3ブランド
プラントベース(植物由来)食品であるデイヤフーズ社ブランドは、北米において、乳代替品の市場の成長に加えて家庭内需要の増加により、増収となりました。
女性の健康と美をサポートするエクオール含有食品「エクエル」は、幅広い情報提供活動により製品の認知が進み、売上収益は順調に増加しています。
植物由来の乳酸菌B240*3を含有する「ボディメンテ」は、消費者の体調管理に対する意識が高まる中、前年同四半期の急速な需要拡大の反動で減収となりましたが、製品理解が着実に広がり、シェアが拡大しています*4。
*3 Lactobacillus pentosus ONRICb0240:東京農業大学が単離、大塚製薬㈱が有効性を確認した乳酸菌
*4 インテージSCI(カテゴリー)美容・健康ドリンク、乳酸飲料(ストレート)2021年1月~3月
(消費者関連事業)
ウォーター類は、主力製品「クリスタルガイザー」において、パーソナルサイズとしては最大サイズである700mlボトルの販売数量が引き続き好調に推移しているものの、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、消費者の活動量が減少し飲料機会が減ったことによりブランド全体の販売数量は減少しました。ビタミン炭酸飲料「マッチ」は、3月単月の販売数量は新製品「マッチ ミネラルライチ」の発売と既存品リニューアルにより前年を上回ったものの、外出機会の減少等の影響を受け、前年同四半期比の販売数量は減少しました。
これらの結果、当第1四半期連結累計期間における売上収益は6,830百万円(前年同四半期比9.0%減)、事業利益は2,143百万円(同7.4%減)となりました。
(その他の事業)
機能化学品分野は、自動車産業の業績回復を受けて、当産業向け販売が増加した結果、増収となりました。ファインケミカル分野は、抗生剤中間体の販売増加等により、増収となりました。
運輸・倉庫分野は、『共通プラットフォーム戦略』により新規の外部顧客は増えているものの、新型コロナウイルス感染拡大による影響で取引先荷主の取扱数量が減少し、減収となりました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間のその他の事業の売上収益は35,871百万円(前年同四半期比8.6%増)となり、ニューノーマルに対応した経費効率化等により、事業利益は4,045百万円(同57.4%増)となりました。
※その他、製品別の売上収益等につきましては、決算補足資料(ファクトブック)をご参照ください。
https://www.otsuka.com/jp/ir/library/materials.html
<新型コロナウイルス感染拡大による事業及び業績への影響>新型コロナウイルス感染拡大に関する当社グループの現状と、今後懸念される経営リスクは、以下のとおりです。
(販売)
・医療関連事業においては、外出自粛等に伴い外来患者の来院数が減少している一方、慢性疾患において長期処方が増加する傾向がみられます。今後、これらの状況が長期化もしくは深刻化した場合には、医療施設への訪問規制や疾患啓発活動の自粛に伴う新規処方の減少や、来院を要する注射剤等の処方減少がさらに進み、売上収益にも影響を及ぼす可能性があります。
・医療関連事業以外においては、一部の製品について、健康意識の高まりや家庭内消費の増加、通信販売の利用増加等により需要が増加している一方、外出自粛に伴う屋外活動の制限等による消費機会の低下もみられます。今後、新型コロナウイルス感染拡大が長期化もしくは深刻化した場合には、営業活動の自粛や制限に伴う新規顧客の獲得減少や消費機会の消失により、売上収益にも影響を及ぼす可能性があります。
(生産)
・原材料の調達は、一部の輸入品に遅延がみられますが、概ね順調に確保できています。生産活動は一部のラインで従業員の自宅待機等により一時的に生産が停止しましたが、現在はほぼ復旧し、人員確保も含め順調に稼働しています。今後、新型コロナウイルス感染拡大が長期化もしくは深刻化し、原材料調達に停滞が生じた場合、あるいは生産工場内でのクラスター発生が生じた場合等には、一部製品の供給の遅延も考慮する必要があります。
(研究開発)
・臨床試験を実施している開発品の一部においては、治験実施施設の立上げや患者登録を中断していましたが、現在は再開しています。患者登録等の中断もしくは遅延が深刻化した場合には、臨床試験の進捗や製造販売承認申請時期等の開発戦略を変更する可能性もあります。
・研究活動については、外出規制等の影響もあり、これらの状況が長期化もしくは深刻化した場合には、研究活動の減速により、中長期での新製品上市時期が遅延する可能性もあります。
以上のとおり、新型コロナウイルス感染拡大による当社グループ事業への影響を多岐にわたり想定しておりますが、経営リスクを予め十分認識した上で個々に万全の対策を取り、企業価値の向上及び第3次中期経営計画の達成を図ってまいります。
② 財政状態の状況
(単位:百万円)
前連結会計年度
(2020年12月31日)
当第1四半期連結会計期間
(2021年3月31日)
増減額
流動資産1,003,7271,014,75011,023
非流動資産1,624,0791,685,07560,996
資産合計2,627,8072,699,82672,019
流動負債416,213416,423210
非流動負債328,161325,917△2,243
負債合計744,374742,340△2,033
資本合計1,883,4321,957,48674,053

a. 資産
当第1四半期連結会計期間末における総資産は2,699,826百万円(前連結会計年度末は2,627,807百万円)となり、72,019百万円増加しました。その内訳は、流動資産が11,023百万円の増加、非流動資産が60,996百万円の増加であります。
(流動資産)
当第1四半期連結会計期間末における流動資産は1,014,750百万円(前連結会計年度末は1,003,727百万円)となり、11,023百万円増加しました。その主たる内訳は、売上債権及びその他の債権が42,159百万円減少したものの、現金及び現金同等物が38,578百万円、未収法人所得税が9,498百万円、棚卸資産が8,980百万円増加したこと等によるものであります。
(非流動資産)
当第1四半期連結会計期間末における非流動資産は1,685,075百万円(前連結会計年度末は1,624,079百万円)となり、60,996百万円増加しました。その主たる要因は、為替相場の変動の影響であり、主にのれんが16,621百万円、無形資産が20,632百万円、持分法で会計処理されている投資が10,586百万円増加したこと等によるものであります。
b. 負債
(流動負債)
当第1四半期連結会計期間末における流動負債は416,423百万円(前連結会計年度末は416,213百万円)となり、210百万円増加しました。その主たる内訳は、仕入債務及びその他の債務が18,427百万円、未払法人所得税が8,476百万円減少したものの、その他の流動負債が23,396百万円、社債及び借入金が4,060百万円増加したこと等によるものであります。
(非流動負債)
当第1四半期連結会計期間末における非流動負債は325,917百万円(前連結会計年度末は328,161百万円)となり、2,243百万円減少しました。その主たる内訳は、その他の非流動負債が1,995百万円、その他の金融負債が1,348百万円増加したものの、社債及び借入金が3,350百万円、契約負債が2,974百万円減少したこと等によるものであります。
c. 資本
当第1四半期連結会計期間末における資本は1,957,486百万円(前連結会計年度末は1,883,432百万円)となり、74,053百万円増加しました。その主たる内訳は、配当金の支払27,116百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益44,682百万円の計上等により利益剰余金が19,260百万円、為替相場の変動等の影響によりその他の資本の構成要素が54,270百万円増加したこと等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は395,430百万円となり、前連結会計年度末より38,578百万円増加しました。当第1四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、73,197百万円となりました。一方で、将来の持続的成長に向けて、主に医療関連事業において投資等を行ったことにより、投資活動によるキャッシュ・フローは△8,810百万円となりました。財務活動につきましては、借入金及びリース負債を返済し、配当金の支払額が△28,579百万円となったことから、財務活動によるキャッシュ・フローは△34,780百万円となりました。
これらの結果、営業活動によるキャッシュ・イン・フローは、投資活動及び財務活動を合わせたキャッシュ・アウト・フローを上回り、また、円安の影響により現金及び現金同等物に係る換算差額が8,972百万円となったため、現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より増加し、395,430百万円となりました。
当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、73,197百万円(対前年同四半期比824百万円増)となりました。当第1四半期連結累計期間の主な内容は、税引前四半期利益58,001百万円、売上債権及びその他の債権の増減額51,272百万円、仕入債務及びその他の債務の増減額△25,391百万円、法人所得税等の支払額△13,330百万円となっております。当第1四半期連結累計期間における対前年同四半期比824百万円のキャッシュ・フロー増加の主な要因は、医療関連事業におけるグローバル4製品(「エビリファイ メンテナ」、「レキサルティ」、「ジンアーク」、「ロンサーフ」)により業績が堅調に推移したこと、法人所得税等の支払額が対前年同四半期比9,062百万円減少したこと、及び棚卸資産の増減額が対前年同四半期比10,157百万円となったことによるキャッシュ・フローの増加が、仕入債務及びその他の債務の増減額が対前年同四半期比△22,646百万円となったこと等の影響によるキャッシュ・フローの減少を上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、△8,810百万円(対前年同四半期比25,423百万円増)となりました。当第1四半期連結累計期間の主な内容は、有形固定資産の取得による支出△13,680百万円、投資の売却及び償還による収入4,604百万円、投資の取得による支出△9,733百万円、定期預金の増減額(△は増加)10,910百万円等であります。当第1四半期連結累計期間における対前年同四半期比25,423百万円のキャッシュ・フロー増加の主な要因は、主として医療関連事業の投資により無形資産の取得による支出が14,626百万円減少したこと、及び定期預金の増減額が対前年同四半期比10,721百万円となったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、△34,780百万円(対前年同四半期比3,738百万円増)となりました。当第1四半期連結累計期間の主な内容は、短期借入金の増減額(△は減少)1,628百万円、長期借入金の返済による支出△3,233百万円、リース負債の返済による支出△4,609百万円、配当金の支払額△28,579百万円であります。当第1四半期連結累計期間における対前年同四半期比3,738百万円のキャッシュ・フロー増加の主な要因は、短期借入金の増減額が対前年同四半期比3,947百万円となったこと等によるものであります。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における研究開発費は48,603百万円です。
主な研究開発分野及び新製品の開発のセグメント別の状況は、次のとおりです。
(医療関連事業)
当社グループは、精神・神経領域、がん・がんサポーティブケア領域を重点領域とし、循環器・腎領域等においても未充足疾患に焦点を当てた研究開発を進めています。
医療関連事業における研究開発費は、45,917百万円です。
当第1四半期連結累計期間の医療関連事業における研究開発の主な進捗状況は、以下のとおりです。
領域「製品名」
(一般名)
又は開発コード
状況
精神・神経領域(アリピプラゾール持続性注射剤)<中国>・統合失調症の効能で2021年1月に承認申請しました。
がん・がんサポーティブケア領域「INQOVI」
(decitabine・cedazuridine)
ASTX727
<米国>・急性骨髄性白血病を対象としたフェーズⅠ試験を2021年2月に開始しました。
(フチバチニブ)
TAS-120
<日本・米国・欧州>・肝内胆管がんを対象としたフェーズⅢ試験を2021年1月に開始しました。
<米国・欧州>・尿路上皮がんを対象としたフェーズⅡ試験を2021年2月に開始しました。
TAS0953<日本>・固形がんを対象としたフェーズⅠ/Ⅱ試験を2021年2月に開始しました。
TAS1553<米国>・急性骨髄性白血病を対象としたフェーズⅠ試験を2021年3月に開始しました。
(ホスネツピタント)
Pro-NETU
<日本>・抗悪性腫瘍剤投与に伴う悪心・嘔吐の効能で2021年3月に承認申請しました。
循環器・腎領域(トルバプタンリン酸
エステルナトリウム)
OPC-61815
<日本>・心性浮腫の効能で2021年3月に承認申請しました。
(バダデュスタット)
AKB-6548
<米国>・腎性貧血の効能で2021年第1四半期に製造販売申請を提出しました。
その他領域VIS410<米国>・開発戦略上の理由で、A型インフルエンザ感染症を対象とした開発を中止しました。

(ニュートラシューティカルズ関連事業)
当事業においては、医療関連事業で培ったノウハウを活かし、日々の健康の維持・増進をサポートする機能性食品・飲料を中心に世界に通用する製品の研究開発に取り組んでいます。
まるごと大豆の栄養を手軽においしく摂取できる大豆バーSOYJOY(ソイジョイ)ブランドから、「SOYJOY コーヒー&ナッツ」を2021年3月に新発売しました。独自の発想と技術により肌の健康を考えるCosmedics(健粧品)*分野では、スキンケアシリーズ「ウル・オス」より、トライアルサイズ(100ml)の「薬用スカルプシャンプー」と「薬用スキンウォッシュ」を同年3月に新発売しました。
また、「ポカリスエット」及び「ポカリスエット イオンウォーター」350mlのラベルレスペットボトル製品を、通信販売ルートを通じ1月に発売しました。
* Cosmedics(健粧品):cosmetics(化粧品)+medicine(医薬品)
ニュートラシューティカルズ関連事業における研究開発費は、1,612百万円です。
(消費者関連事業)
当事業においては、生活に身近な食品や飲料の分野でオリジナルかつユニークな製品の研究開発に取り組んでいます。社会変化に伴う、健康・環境・人口・高齢化問題など様々な課題の解決に向け「レトルト事業」「飲料事業」「プラントベース事業」を中核とし、「食」と「健康」をテーマに革新的な製品を創出、提案しています。
消費者関連事業における研究開発費は、146百万円です。
(その他の事業)
当事業においては、機能化学品やファインケミカルの分野で研究開発に取り組んでいます。有機、無機の合成技術を主体とし、独自の技術を核とした新製品の研究開発や、全く新しい次世代分野の研究開発を行っています。
その他の事業における研究開発費は、926百万円です。
(4)主要な設備
当第1四半期連結累計期間において、新たに確定した主要な設備の新設計画は、次のとおりであります。
会社名
事業所名
所在地セグメントの名称設備の内容投資予定金額資金調達方法着手及び完了予定年
総額
(百万円)
既支払額
(百万円)
着手完了
大塚ホールディングス㈱
大塚化学 徳島工場
徳島県徳島市全社的管理業務事業設備他5,180-自己資金20212024
大塚製薬㈱
大阪創薬研究所
大阪府箕面市医療事業研究設備15,950122自己資金20212022