四半期報告書-第9期第2四半期(平成28年7月1日-平成28年9月30日)

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2016/11/11 16:31
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38項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営成績の分析
(当第2四半期連結累計期間の概況)
当第2四半期連結累計期間の世界経済は、米国経済は緩やかに拡大しているものの、新大統領就任を1月に控え、また、追加利上げが据え置かれるなど、不透明感が漂っています。欧州経済は欧州中央銀行の金融緩和政策により景気が下支えされている一方、過激派によるテロ事件、移民問題、英国のEU離脱問題などで不安定要素が残っています。中国経済は緩やかな減速に加えて、南シナ海を巡る地政学リスクが懸念されています。国内経済は、円高への反転、実質所得の伸び悩みによる消費マインドの悪化、インバウンド需要の鈍化などにより、景気の先行きに停滞感が強まっています。
こうした状況の下、当社グループにおける当第2四半期連結累計期間の全社売上高は、為替変動や、パブリックサービス分野及びメディアサービス分野が減収となった影響などにより、前年同期比で減収となりましたが、為替影響を除いた実質ベースでは増収となりました。一方、全社損益は、為替変動など期初想定内の要因による影響が生じたものの、オートモーティブ分野が増収にともない増益となったことから、営業損益は前年同期比で損失が減少しました。また、経常損益は、営業外損益が改善したことから、前年同期比で約14億円の損失改善となりました。
なお、当第2四半期連結累計期間の決算に使用した損益為替レートは以下のとおりです。
第1四半期第2四半期
損益為替レート米ドル
ユーロ
約108円
約122円
約102円
約114円
前期(参考)米ドル
ユーロ
約121円
約134円
約122円
約136円

*売上高
当第2四半期連結累計期間における売上高は、前年同期比で約30億円減(2.1%減収)となる1,363億91百万円となりました。
オートモーティブ分野は、用品(ディーラーオプション)の販売増によりOEM事業が増収となったことなどから、増収となりました。一方、無線システム事業及び株式会社JVCケンウッド・公共産業システム(以下「JKPI」)を中心に展開する業務用システム事業が減収となったことなどから、パブリックサービス分野は減収となりました。また、コンテンツの販売が好調に推移したエンタテインメント事業が増収となったものの、ビデオカメラの販売が減少したことなどからメディア事業が減収となり、メディアサービス分野は減収となりました。
なお、為替影響を除いた売上高は、前年同期比で約6%増となりました。
*営業利益
当第2四半期連結累計期間における営業利益は、前年同期比で約1億円改善し、8億69百万円の損失となりました。
オートモーティブ分野は、市販事業において、国内市場でAV一体型カーナビゲーションシステム「彩速ナビ」やドライブレコーダーの販売が好調に推移したこと、海外市場でオーディオ、マルチメディア商品の販売が好調に推移したこと、また、OEM事業の用品(ディーラーオプション)の販売増の影響などから大幅に損益が改善し、黒字となりました。一方、無線システム事業が減収の影響により減益となったものの、業務用システム事業の損益改善により、パブリックサービス分野はほぼ前年並みの損失に留まりました。また、メディアサービス分野は、エンタテインメント事業が増益となったものの、メディア事業での減収にともなう減益の影響により、メディアサービス分野全体では減益となりました。
なお、為替影響等を除いた営業利益は、全分野で損益改善となりました。
*経常利益
当第2四半期連結累計期間における経常利益は、営業損益の改善に加え、金融収支の改善などにより営業外損益が改善したことから、前年同期比で約14億円改善となる17億25百万円の損失となりました。
*親会社株主に帰属する四半期純利益
当第2四半期連結累計期間における親会社株主に帰属する四半期純利益は、経常損益は改善したものの、オートモーティブ分野及びメディアサービス分野において特別損失として固定資産除却損や受注損失引当金繰入額を計上したことなどから、前年同期比で約12億円減となる59億79百万円の損失となりました。
(当第2四半期連結累計期間のセグメントごとの売上高及び損益)
セグメントごとの売上高及び営業利益は以下のとおりです。
なお、セグメントごとの営業利益(△は損失)の合計額は、四半期連結損益計算書の営業損失(△)と一致しています。
セグメントごとの売上高は、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載しています。
(単位:百万円)

セグメントの名称当第2四半期
連結累計期間
(参考)
前第2四半期
連結累計期間
前年同期比
オートモーティブ分野売上高68,63766,349+2,288
営業利益31△747+778
パブリックサービス分野売上高34,18537,936△3,751
営業利益△654△616△38
メディアサービス分野売上高31,38732,192△805
営業利益△414128△542
その他売上高2,1972,914△717
営業利益166254△88
セグメント間消去売上高△15△9△6
合計売上高136,391139,384△2,993
営業利益△869△980+111
経常利益△1,725△3,093+1,368
親会社株主に帰属する四半期純利益△5,979△4,775△1,204

*オートモーティブ分野
当第2四半期連結累計期間におけるオートモーティブ分野の売上高は、前年同期比で約23億円増(3.4%増収)の686億37百万円、営業利益は同約8億円増となる31百万円となりました。
(売上高)
市販事業は、国内市場では「彩速ナビ」やドライブレコーダーの販売が好調に推移したものの、海外市場で為替変動の影響を受けたことなどから、減収となりました。
OEM事業は、中国子会社のShinwa International Holdings Limited(以下「シンワ」)において、主力であるCD/DVDメカの販売が減少したものの、用品(ディーラーオプション)の販売が大きく拡大したことなどから、増収となりました。
(営業利益)
市販事業は、減収の影響を受けたものの、国内市場で「彩速ナビ」やドライブレコーダーの販売が堅調に推移したことに加え、欧米を中心に海外市場で新商品の販売が好調だったことなどからプロダクトミックスが改善し、損益改善となりました。
OEM事業は、用品(ディーラーオプション)の増収の効果などから、増益となりました。
*パブリックサービス分野
当第2四半期連結累計期間におけるパブリックサービス分野の売上高は、前年同期比で約38億円減(9.9%減収)の341億85百万円、営業利益はほぼ前年同期並みの実績となる6億54百万円の損失となりました。
(売上高)
無線システム事業は、原油価格下落の影響が残る米州鉄道関連や資源産業向けの業務用無線端末の販売減が、当第2四半期連結累計期間も継続したことや、米国無線子会社のEF Johnson Technologies, Inc.の販売減の影響などから、減収となりました。
JKPIを中心に展開する業務用システム事業は、収益性重視の案件に注力したことなどから減収となりました。
(営業利益)
無線システム事業は、業務用無線端末の販売減の影響を受けたものの、米国無線システム子会社のZetron, Inc.の損益が改善したことから、ほぼ前年同期並みの損失となりました。
業務用システム事業は、減収となったものの、収益性重視の案件に注力したことなどから、営業利益は前年同期比で改善しました。
*メディアサービス分野
当第2四半期連結累計期間におけるメディアサービス分野の売上高は、前年同期比で約8億円減(2.5%減収)の313億87百万円、営業利益は同約5億円減となる4億14百万円の損失となりました。
(売上高)
メディア事業は、平成28年4月14日以降に相次いで発生した熊本地震により、部品の調達に影響が生じたことから、国内の民生用ビデオカメラの販売が減少したことや、欧州や中国で業務用ビデオカメラの販売が減少したことなどから、減収となりました。
エンタテインメント事業は、当社の子会社で、CDやDVD、ブルーレイといったパッケージメディアの製造受託を手掛ける株式会社JVCケンウッド・クリエイティブメディア(以下「JKCM」)の移転にともなう販売減の影響がありましたが、コンテンツの販売が好調に推移したことから、事業全体では増収となりました。
(営業利益)
メディア事業は、上記の減収の影響などから、減益となりました。
エンタテインメント事業は、コンテンツの販売が好調に推移したことなどから、増益となりました。
(2)財政状態の分析
(当第2四半期連結会計期間末の資産、負債及び純資産に関する分析)
*資産
総資産は、季節要因及び前連結会計年度末に対して円高が進んだことにより受取手形及び売掛金などの流動資産が減少したことなどから、前連結会計年度末比で約153億円減少の2,405億41百万円となりました。
*負債
負債は、銀行借入金の借換えを実施したことから固定負債は増加したものの、短期借入金及び1年内返済予定の長期借入金が減少したことに加え未払金の減少など流動負債が減少したことから、前連結会計年度末比で約20億円減少の1,970億48百万円となりました。
なお、有利子負債は、同約29億円増加の720億69百万円となり、ネットデット(有利子負債から現金及び預金を控除した額)も同約87億円増加の351億66百万円となりました。
*純資産
当第2四半期連結累計期間において、親会社株主に帰属する四半期純損失を計上したことなどから、利益剰余金が前連結会計年度末比で約67億円減少の180億8百万円となり、株主資本合計も同約67億円減少の732億44百万円となりました。
純資産合計は、同約133億円減少の434億93百万円となりました。これは、株主資本の減少に加え、前連結会計年度末に対して円高が進んだことから、為替換算調整勘定の借方残高が約79億円増加したことなどによるものです。また、自己資本比率も、純資産が減少したことなどから、前連結会計年度末比で4.1%ポイント減少し、16.0%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
(当第2四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの分析)
*営業活動によるキャッシュ・フロー
当第2四半期連結累計期間において営業活動により増加した資金は42億32百万円となり、前年同期比で約17億円収入が減少しました。主な要因は、売上債権の回収による収入が減少したことなどによるものです。
*投資活動によるキャッシュ・フロー
当第2四半期連結累計期間において投資活動により減少した資金は85億3百万円となり、前年同期比で約9億円支出が増加しました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出が増加したことによるものです。
*財務活動によるキャッシュ・フロー
当第2四半期連結累計期間において財務活動により増加した資金は10億97百万円となり、前年同期比で約86億円増加(前年同期は△75億円)しました。主な要因は、前期実施した社債の償還による支出やシンワ株式の追加取得による支出がなかったことによるものです。
なお、当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は、前年同期末比で約86億円減少し、357億16百万円となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間は、為替変動など期初想定内の要因による影響が生じたものの、営業利益は期初の想定を大きく上回り、前年同期比で約1億円の改善となりました。中でもオートモーティブ分野が海外市場で為替変動の影響を受けたものの、国内市場で「彩速ナビ」やドライブレコーダーの販売が堅調に推移したことや、用品(ディーラーオプション)の販売が大きく拡大したことから、営業利益は期初の想定を大きく上回りました。
第3四半期連結会計期間以降については、為替変動や退職給付費用増などの要因による影響が引き続き見込まれるものの、オートモーティブ分野でOEM事業の用品(ディーラーオプション)の販売拡大などに引き続き取り組むとともに、パブリックサービス分野においては下期にかけて売上増を図っていきます。こうした下期業績を実現するための各種施策に着実に取り組むとともに、平成28年6月24日付で発足した新経営体制のもと、成長戦略を推進していきます。
(5)研究開発活動
当社グループの当第2四半期連結累計期間の研究開発活動の総額は104億56百万円です。
なお、当第2四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)従業員数
①連結会社の状況
該当事項はありません。
②提出会社の状況
第1四半期会計期間中において、当社は、カードプリンタ事業を除く当社の業務用システム事業を分割し、当社の子会社であるJKPIに承継したことなどにより、前事業年度末に比べて、パブリックサービス分野において525名が減少しています。
この要因などにより、当第2四半期会計期間末における当社の従業員数は前事業年度末の3,630人から560人減少した3,070人となっています。
なお、従業員数は、当社から当社外への出向者を除き、当社外から当社への出向者を含む就業人員数です。