訂正四半期報告書-第7期第3四半期(平成26年10月1日-平成26年12月31日)
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営成績の分析
(当第3四半期連結累計期間の概況)
当第3四半期連結累計期間の世界経済は、海外については、米国は個人消費や企業の設備投資などが拡大基調を持続する一方で、欧州は依然として景気低迷が続き、中国をはじめとする新興国においても景気減速の傾向が見られました。国内については、輸出環境の改善を背景に企業収益や設備投資が増加基調にあるものの、個人消費は消費者マインドの低迷にともなって弱さが見受けられ、依然として厳しい状況が続いています。
こうした状況の下、当社グループにおける当第3四半期連結累計期間の全社売上高は、事業売却などもあり前年同期比で減収となりました。一方損益は、前第3四半期連結会計期間より推進している「原価総改革」、「販売改革」などの事業改革の効果などに加えて、前連結会計年度に実施した構造改革による固定費削減効果が第1四半期連結会計期間より着実に発現したことなどから、前年同期比で大きく改善し、営業利益は黒字に転換しました。
なお、当第3四半期連結累計期間の決算に使用した損益為替レートは以下のとおりです。
*売上高
当第3四半期連結累計期間における売上高は、前年同期比で約234億円減(10.1%減収)となる2,069億43百万円となりました。
OEM事業の用品(ディーラーオプション)の販売が新規受注獲得などにより増加し、平成25年6月に連結子会社化したShinwa International Holdings Limited(以下「シンワ」)の業績が、当第3四半期連結累計期間は全期間で寄与しましたが、OEM事業の純正の販売が需要減などにより縮小したことなどから、カーエレクトロニクスセグメントは減収となりました。また、最大市場である北米で業務用無線端末の販売が回復し、平成26年3月に連結子会社化したEF Johnson Technologies, Inc.(以下「EFJT」)の売上が加算されたことなどから、コミュニケーションズ事業は増収となりましたが、コア事業集中のため、主に携帯電話機販売事業を手掛けていた株式会社ケンウッド・ジオビット(以下「ジオビット」)の全株式を平成26年3月に売却した影響により、プロフェッショナルシステムセグメントは減収となりました。また、クリエーション(旧イメージング)事業の民生用カムコーダー分野の国内外市場の大幅縮小にともなう商品絞り込みなど事業改革により、光学&オーディオセグメントが大幅な減収となり、作品編成の変更や一部主力作品の発売延期の影響などによってコンテンツビジネスの販売が減少したことから、ソフト&エンターテインメントセグメントは減収となりました。その他、第1四半期連結会計期間に実施した米国のJVC America, Inc.(以下「JAI」)の株式譲渡にともなって、その他セグメントは大幅な減収となりました。
*営業利益
当第3四半期連結累計期間における営業利益は、前第3四半期連結会計期間より推進している「原価総改革」、「販売改革」などの事業改革の効果などに加えて、前連結会計年度に実施した構造改革による固定費削減効果が第1四半期連結会計期間より着実に発現したことなどから、前年同期比で約42億円増の26億19百万円となり、前年同期の赤字から黒字に転換しました。
前第3四半期連結会計期間より推進している事業改革の効果により、特に市販事業が大きく回復し、シンワの連結効果もあって、カーエレクトロニクスセグメントが前年同期の赤字から黒字へ転換しました。また、クリエーション(旧イメージング)事業が事業改革の効果により大きく改善し、光学&オーディオセグメントが黒字に転換しました。
なお、当第3四半期連結会計期間の営業利益は、前年同期比で約9億円増となる14億4百万円となり、全セグメントで黒字となりました。
*経常利益
当第3四半期連結累計期間における経常利益は、営業利益の大幅な増加に加えて、借入手数料の減少や支払利息の減少などによる営業外損益の改善にともない、前年同期比で約47億円増の2億64百万円となり、前年同期の赤字から黒字に転換しました。
*四半期純利益
当第3四半期連結累計期間における四半期純利益は、第1四半期連結会計期間に実施したJAIの株式譲渡にともなう特別損失計上(約11億円)があったものの、経常利益の大幅な増加に加えて、米国子会社統合による繰延税金資産の計上にともない、法人税等調整額を約△35億円計上(△は利益)したことなどから、前年同期比で約51億円の改善となる5億51百万円の損失となりました。
(当第3四半期連結累計期間のセグメントごとの売上高及び損益)
セグメントごとの売上高及び営業利益(△は損失)は以下のとおりです。
平成26年11月1日付の組織変更により、セグメント間で一部区分変更を実施しています。詳細については「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。本項においても、当第3四半期連結累計期間及び前第3四半期連結累計期間のセグメント情報は、区分変更後の報告セグメントに基づき作成したものを用いています。
なお、セグメントごとの営業利益(△は損失)の合計額は、四半期連結損益計算書の営業利益(△は損失)と一致しています。
セグメントごとの売上高は、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載しています。
*カーエレクトロニクスセグメント
当第3四半期連結累計期間におけるカーエレクトロニクスセグメントの売上高は、前年同期比で約21億円減(2.3%減収)の879億26百万円、営業利益は同約30億円増となる6億87百万円となり、前年同期の赤字から黒字に転換しました。
(売上高)
市販事業は、国内市場が消費増税前の駆け込み需要の反動減などによって、AV一体型カーナビゲーションシステム「彩速ナビ」の販売が影響を受けましたが、海外市場で米州及びアジアの販売が好調に推移し、ほぼ前年同期並みとなりました。
OEM事業は、純正の自動車メーカー向けAV一体型カーナビゲーションシステムや、車載機器用CD/DVDメカニズムが減少したものの、用品(ディーラーオプション)の販売が新規受注獲得などにより好調に推移したことや、平成25年6月に連結子会社化したシンワの業績が、当第3四半期連結累計期間は全期間で寄与したことなどから、増収となりました。
平成26年11月1日付で光学&オーディオセグメントから移管したホームオーディオ事業は、主に普及価格帯商品の苦戦による販売減の影響などにより、大幅な減収となりました。
(営業利益)
OEM事業は次世代事業の開発費増の影響から損失が拡大し、ホームオーディオ事業も減収の影響から損失が拡大しましたが、市販事業は前第3四半期連結会計期間より推進している事業改革の効果によって大きく改善し、前年同期の赤字から黒字に転換しました。
*プロフェッショナルシステムセグメント
当第3四半期連結累計期間におけるプロフェッショナルシステムセグメントの売上高は、コミュニケーションズ事業を中心に増加しましたが、主にジオビットを売却した影響(約94億円)などから、全体では前年同期比で約32億円減(5.0%減収)の601億12百万円、営業利益は同約1億円増(11.2%増益)となる10億80百万円となりました。
(売上高)
コミュニケーションズ事業は、最大市場である北米で民間需要を中心に業務用無線端末の販売が回復し、平成26年3月に連結子会社化したEFJTの売上が加算されたことなどから、増収となりました。
プロシステム事業は、海外市場での販売減を国内市場でカバーしたことからほぼ前年同期並みとなり、平成25年7月に東京特殊電線株式会社より承継した情報機器事業中心のヘルスケア事業は、当第3四半期連結累計全期間で売上に寄与したことから増収となりました。
(営業利益)
コミュニケーションズ事業は、無線システム販売を手掛けるZetron, Inc.の販売が回復したこと、北米の業務用無線端末の販売が民間市場を中心に回復したことなどから、前年同期実績を上回りました。プロシステム事業は前連結会計年度に実施した構造改革が発現したことなどから、大きく損失が減少しました。
*光学&オーディオセグメント
当第3四半期連結累計期間における光学&オーディオセグメントの売上高は、前年同期比で約122億円減(27.0%減収)の331億11百万円、営業利益は同約7億円増の3億94百万円となり、前年同期の赤字から黒字に転換しました。
(売上高)
クリエーション(旧イメージング)事業は、民生用カムコーダー分野の国内外市場の大幅縮小を踏まえた事業改革にともなう商品絞り込みの影響などにより、大幅な減収となりました。
映像光学事業は、プロジェクター分野の高精細な4Kモデルの販売が減少した影響などから、大幅な減収となりました。
AVアクセサリー事業は、主に海外市場での販売減を国内市場でカバーしたことから、前年同期並みの実績となりました。
(営業利益)
クリエーション(旧イメージング)事業は、前第3四半期連結会計期間より推進している事業改革の効果が発現したことから、第2四半期連結会計期間に引き続き当第3四半期連結会計期間でも前年同期の赤字から黒字に転換し、当第3四半期連結累計期間では黒字に転換しました。
映像光学事業は減収によって大幅な減益となり、AVアクセサリー事業も主に米国での競争激化にともなうプロダクトミックス(商品構成)の変化の影響などにより減益となりました。
*ソフト&エンターテインメントセグメント
当第3四半期連結累計期間におけるソフト&エンターテインメントセグメントの売上高は、前年同期比で約17億円減(7.6%減収)の212億34百万円、営業利益は同約3億円減(42.6%減益)となる4億56百万円となりました。
(売上高)
コンテンツビジネスは、作品編成の変更や一部主力作品の発売延期の影響などから、減収となりました。
受託ビジネスは、市場の変化などによる外部受託商品の減少の影響などから、減収となりました。
(営業利益)
コンテンツビジネス、受託ビジネスともに減収の影響から減益となりました。
なお、当第3四半期連結会計期間における主なヒット作品は、以下のとおりです。第1四半期連結会計期間及び第2四半期連結会計期間における主なヒット作品は第7期第1四半期報告書及び第7期第2四半期報告書の「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績の分析」をご参照ください。
(ビクターエンタテインメントの主なヒット作品)
・SMAP BD&DVD「Mr.S"saikou de saikou no CONCERT TOUR"」
・木村カエラ アルバム「MIETA」
・家入レオ シングル「Silly」
・THE BAWDIES アルバム「Boys!」
(テイチクエンタテインメントの主なヒット作品)
・川中美幸 シングル「吾亦紅~移りゆく日々~」
・山本譲二 シングル「北の孤愁」
・怒髪天 アルバム「歌乃誉 "白"」
・中田裕二 アルバム「BACK TO MELLOW」、DVD「SONG COMPOSITE SPECIAL IN NIHONBASHI」
(2)財政状態の分析
(当第3四半期連結会計期間末の資産、負債及び純資産に関する分析)
*資産
総資産は、銀行借入金の返済を進めたことなどによる現金及び預金の減少や、受取手形及び売掛金が減少したものの、商品及び製品などたな卸資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末比で約13億円増加の2,686億79百万円となりました。
*負債
負債は、前期に実施した雇用構造改革費用の支出にともなう未払金の減少に加えて、銀行借入金の返済を進めたことから、前連結会計年度末比で約91億円減少の1,980億27百万円となりました。
また、有利子負債(借入金と社債の合計)は、同80億円減少の736億74百万円となりました。
ネットデット(有利子負債から現金及び預金を控除した額)も同約9億円減少の255億55百万円となりました。
*純資産
当第3四半期連結累計期間で四半期純損失を計上したことなどから、利益剰余金が前連結会計年度末比で約7億円減少の171億13百万円となり、株主資本合計も同7億円減少の724億51百万円となりました。
純資産合計は、株主資本は減少したものの、前連結会計年度末に対して米ドル・ユーロなど主要通貨で円安となり、海外関係会社への出資などにかかる為替換算調整勘定が約90億円増加したことなどから、同約104億円増加の706億51百万円となりました。自己資本比率も純資産が増加したことから、前連結会計年度末比で3.7%ポイント増加し、23.2%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
(当第3四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの分析)
*営業活動によるキャッシュ・フロー
当第3四半期連結累計期間において営業活動により増加した資金は48億28百万円となり、前年同期比で約23億円減少しました。主な要因は、税金等調整前四半期純損失は減少したものの、前期に実施した雇用構造改革費用などの支出による未払金の減少があったことに加え、たな卸資産が増加したことによるものです。
*投資活動によるキャッシュ・フロー
当第3四半期連結累計期間において投資活動により減少した資金は68億円となり、前年同期比で約7億円支出が増加しました。主な要因は、連結範囲の変更をともなう関係会社株式の取得による収入がなかったことに加え、投資有価証券の取得による支出が増加したことによるものです。
*財務活動によるキャッシュ・フロー
当第3四半期連結累計期間において財務活動により減少した資金は86億81百万円となり、前年同期比で約37億円支出が増加しました。主な要因は、銀行借入金の返済を進めたことによるものです。
なお、当第3四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は、前年同期末比で約94億円減少し、475億54百万円となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
平成27年3月期は前期に取り組んだ「原価総改革」、「販売改革」などの事業再建策をさらに強力に推し進めるとともに、マーケット主導体制に向けた地域CEO制の導入や事業単位の大ぐくり化、成長分野へのリソースシフトの推進といった取り組みを開始しています。詳細につきましては、第6期有価証券報告書の「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3.対処すべき課題」をご参照ください。
その結果、当第3四半期連結累計期間は、民生用カムコーダー分野の国内外市場の大幅縮小を踏まえた商品絞り込みなど事業改革により、光学&オーディオセグメントが減収となったものの、カーエレクトロニクスセグメントの復調が顕著となり、また前期に実施した構造改革による固定費削減効果や原価改善施策の効果などが着実に発現し、当第3四半期連結累計期間の営業利益は前年同期比で約42億円増となり、全報告セグメントで黒字化を達成するなど、業績の回復が鮮明となってきました。
第4四半期連結会計期間についても、引き続きカーエレクトロニクスセグメントやコミュニケーションズ事業の復調、光学&オーディオセグメントのホーム事業から業務用事業への転換による改善、全社的構造改革効果の確実な発現に向けた取り組みを継続していきます。
(5)研究開発活動
当社グループの当第3四半期連結累計期間の研究開発活動の総額は155億77百万円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(1)経営成績の分析
(当第3四半期連結累計期間の概況)
当第3四半期連結累計期間の世界経済は、海外については、米国は個人消費や企業の設備投資などが拡大基調を持続する一方で、欧州は依然として景気低迷が続き、中国をはじめとする新興国においても景気減速の傾向が見られました。国内については、輸出環境の改善を背景に企業収益や設備投資が増加基調にあるものの、個人消費は消費者マインドの低迷にともなって弱さが見受けられ、依然として厳しい状況が続いています。
こうした状況の下、当社グループにおける当第3四半期連結累計期間の全社売上高は、事業売却などもあり前年同期比で減収となりました。一方損益は、前第3四半期連結会計期間より推進している「原価総改革」、「販売改革」などの事業改革の効果などに加えて、前連結会計年度に実施した構造改革による固定費削減効果が第1四半期連結会計期間より着実に発現したことなどから、前年同期比で大きく改善し、営業利益は黒字に転換しました。
なお、当第3四半期連結累計期間の決算に使用した損益為替レートは以下のとおりです。
第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | |||||
損益為替レート | 米ドル ユーロ | 約102円 約140円 | 約104円 約138円 | 約114円 約143円 | |||
前期(参考) | 米ドル ユーロ | 約99円 約129円 | 約99円 約131円 | 約100円 約137円 |
*売上高
当第3四半期連結累計期間における売上高は、前年同期比で約234億円減(10.1%減収)となる2,069億43百万円となりました。
OEM事業の用品(ディーラーオプション)の販売が新規受注獲得などにより増加し、平成25年6月に連結子会社化したShinwa International Holdings Limited(以下「シンワ」)の業績が、当第3四半期連結累計期間は全期間で寄与しましたが、OEM事業の純正の販売が需要減などにより縮小したことなどから、カーエレクトロニクスセグメントは減収となりました。また、最大市場である北米で業務用無線端末の販売が回復し、平成26年3月に連結子会社化したEF Johnson Technologies, Inc.(以下「EFJT」)の売上が加算されたことなどから、コミュニケーションズ事業は増収となりましたが、コア事業集中のため、主に携帯電話機販売事業を手掛けていた株式会社ケンウッド・ジオビット(以下「ジオビット」)の全株式を平成26年3月に売却した影響により、プロフェッショナルシステムセグメントは減収となりました。また、クリエーション(旧イメージング)事業の民生用カムコーダー分野の国内外市場の大幅縮小にともなう商品絞り込みなど事業改革により、光学&オーディオセグメントが大幅な減収となり、作品編成の変更や一部主力作品の発売延期の影響などによってコンテンツビジネスの販売が減少したことから、ソフト&エンターテインメントセグメントは減収となりました。その他、第1四半期連結会計期間に実施した米国のJVC America, Inc.(以下「JAI」)の株式譲渡にともなって、その他セグメントは大幅な減収となりました。
*営業利益
当第3四半期連結累計期間における営業利益は、前第3四半期連結会計期間より推進している「原価総改革」、「販売改革」などの事業改革の効果などに加えて、前連結会計年度に実施した構造改革による固定費削減効果が第1四半期連結会計期間より着実に発現したことなどから、前年同期比で約42億円増の26億19百万円となり、前年同期の赤字から黒字に転換しました。
前第3四半期連結会計期間より推進している事業改革の効果により、特に市販事業が大きく回復し、シンワの連結効果もあって、カーエレクトロニクスセグメントが前年同期の赤字から黒字へ転換しました。また、クリエーション(旧イメージング)事業が事業改革の効果により大きく改善し、光学&オーディオセグメントが黒字に転換しました。
なお、当第3四半期連結会計期間の営業利益は、前年同期比で約9億円増となる14億4百万円となり、全セグメントで黒字となりました。
*経常利益
当第3四半期連結累計期間における経常利益は、営業利益の大幅な増加に加えて、借入手数料の減少や支払利息の減少などによる営業外損益の改善にともない、前年同期比で約47億円増の2億64百万円となり、前年同期の赤字から黒字に転換しました。
*四半期純利益
当第3四半期連結累計期間における四半期純利益は、第1四半期連結会計期間に実施したJAIの株式譲渡にともなう特別損失計上(約11億円)があったものの、経常利益の大幅な増加に加えて、米国子会社統合による繰延税金資産の計上にともない、法人税等調整額を約△35億円計上(△は利益)したことなどから、前年同期比で約51億円の改善となる5億51百万円の損失となりました。
(当第3四半期連結累計期間のセグメントごとの売上高及び損益)
セグメントごとの売上高及び営業利益(△は損失)は以下のとおりです。
平成26年11月1日付の組織変更により、セグメント間で一部区分変更を実施しています。詳細については「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。本項においても、当第3四半期連結累計期間及び前第3四半期連結累計期間のセグメント情報は、区分変更後の報告セグメントに基づき作成したものを用いています。
なお、セグメントごとの営業利益(△は損失)の合計額は、四半期連結損益計算書の営業利益(△は損失)と一致しています。
セグメントごとの売上高は、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載しています。
(単位:百万円) |
セグメントの名称 | 当第3四半期 連結累計期間 | (参考) 前第3四半期 連結累計期間 | 前年同期比 | ||
カーエレクトロニクスセグメント | 売上高 | 87,926 | 89,990 | △2,064 | |
営業利益 | 687 | △2,282 | +2,970 | ||
プロフェッショナルシステムセグメント | 売上高 | 60,112 | 63,263 | △3,151 | |
営業利益 | 1,080 | 971 | +109 | ||
光学&オーディオセグメント | 売上高 | 33,111 | 45,360 | △12,249 | |
営業利益 | 394 | △331 | +726 | ||
ソフト&エンターテインメントセグメント | 売上高 | 21,234 | 22,975 | △1,741 | |
営業利益 | 456 | 794 | △338 | ||
その他 | 売上高 | 4,565 | 8,707 | △4,142 | |
営業利益 | △0 | △698 | +698 | ||
セグメント間消去 | 売上高 | △7 | △1 | △6 | |
合計 | 売上高 | 206,943 | 230,296 | △23,353 | |
営業利益 | 2,619 | △1,546 | +4,166 | ||
経常利益 | 264 | △4,402 | +4,667 | ||
四半期純利益 | △511 | △5,570 | +5,059 |
*カーエレクトロニクスセグメント
当第3四半期連結累計期間におけるカーエレクトロニクスセグメントの売上高は、前年同期比で約21億円減(2.3%減収)の879億26百万円、営業利益は同約30億円増となる6億87百万円となり、前年同期の赤字から黒字に転換しました。
(売上高)
市販事業は、国内市場が消費増税前の駆け込み需要の反動減などによって、AV一体型カーナビゲーションシステム「彩速ナビ」の販売が影響を受けましたが、海外市場で米州及びアジアの販売が好調に推移し、ほぼ前年同期並みとなりました。
OEM事業は、純正の自動車メーカー向けAV一体型カーナビゲーションシステムや、車載機器用CD/DVDメカニズムが減少したものの、用品(ディーラーオプション)の販売が新規受注獲得などにより好調に推移したことや、平成25年6月に連結子会社化したシンワの業績が、当第3四半期連結累計期間は全期間で寄与したことなどから、増収となりました。
平成26年11月1日付で光学&オーディオセグメントから移管したホームオーディオ事業は、主に普及価格帯商品の苦戦による販売減の影響などにより、大幅な減収となりました。
(営業利益)
OEM事業は次世代事業の開発費増の影響から損失が拡大し、ホームオーディオ事業も減収の影響から損失が拡大しましたが、市販事業は前第3四半期連結会計期間より推進している事業改革の効果によって大きく改善し、前年同期の赤字から黒字に転換しました。
*プロフェッショナルシステムセグメント
当第3四半期連結累計期間におけるプロフェッショナルシステムセグメントの売上高は、コミュニケーションズ事業を中心に増加しましたが、主にジオビットを売却した影響(約94億円)などから、全体では前年同期比で約32億円減(5.0%減収)の601億12百万円、営業利益は同約1億円増(11.2%増益)となる10億80百万円となりました。
(売上高)
コミュニケーションズ事業は、最大市場である北米で民間需要を中心に業務用無線端末の販売が回復し、平成26年3月に連結子会社化したEFJTの売上が加算されたことなどから、増収となりました。
プロシステム事業は、海外市場での販売減を国内市場でカバーしたことからほぼ前年同期並みとなり、平成25年7月に東京特殊電線株式会社より承継した情報機器事業中心のヘルスケア事業は、当第3四半期連結累計全期間で売上に寄与したことから増収となりました。
(営業利益)
コミュニケーションズ事業は、無線システム販売を手掛けるZetron, Inc.の販売が回復したこと、北米の業務用無線端末の販売が民間市場を中心に回復したことなどから、前年同期実績を上回りました。プロシステム事業は前連結会計年度に実施した構造改革が発現したことなどから、大きく損失が減少しました。
*光学&オーディオセグメント
当第3四半期連結累計期間における光学&オーディオセグメントの売上高は、前年同期比で約122億円減(27.0%減収)の331億11百万円、営業利益は同約7億円増の3億94百万円となり、前年同期の赤字から黒字に転換しました。
(売上高)
クリエーション(旧イメージング)事業は、民生用カムコーダー分野の国内外市場の大幅縮小を踏まえた事業改革にともなう商品絞り込みの影響などにより、大幅な減収となりました。
映像光学事業は、プロジェクター分野の高精細な4Kモデルの販売が減少した影響などから、大幅な減収となりました。
AVアクセサリー事業は、主に海外市場での販売減を国内市場でカバーしたことから、前年同期並みの実績となりました。
(営業利益)
クリエーション(旧イメージング)事業は、前第3四半期連結会計期間より推進している事業改革の効果が発現したことから、第2四半期連結会計期間に引き続き当第3四半期連結会計期間でも前年同期の赤字から黒字に転換し、当第3四半期連結累計期間では黒字に転換しました。
映像光学事業は減収によって大幅な減益となり、AVアクセサリー事業も主に米国での競争激化にともなうプロダクトミックス(商品構成)の変化の影響などにより減益となりました。
*ソフト&エンターテインメントセグメント
当第3四半期連結累計期間におけるソフト&エンターテインメントセグメントの売上高は、前年同期比で約17億円減(7.6%減収)の212億34百万円、営業利益は同約3億円減(42.6%減益)となる4億56百万円となりました。
(売上高)
コンテンツビジネスは、作品編成の変更や一部主力作品の発売延期の影響などから、減収となりました。
受託ビジネスは、市場の変化などによる外部受託商品の減少の影響などから、減収となりました。
(営業利益)
コンテンツビジネス、受託ビジネスともに減収の影響から減益となりました。
なお、当第3四半期連結会計期間における主なヒット作品は、以下のとおりです。第1四半期連結会計期間及び第2四半期連結会計期間における主なヒット作品は第7期第1四半期報告書及び第7期第2四半期報告書の「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績の分析」をご参照ください。
(ビクターエンタテインメントの主なヒット作品)
・SMAP BD&DVD「Mr.S"saikou de saikou no CONCERT TOUR"」
・木村カエラ アルバム「MIETA」
・家入レオ シングル「Silly」
・THE BAWDIES アルバム「Boys!」
(テイチクエンタテインメントの主なヒット作品)
・川中美幸 シングル「吾亦紅~移りゆく日々~」
・山本譲二 シングル「北の孤愁」
・怒髪天 アルバム「歌乃誉 "白"」
・中田裕二 アルバム「BACK TO MELLOW」、DVD「SONG COMPOSITE SPECIAL IN NIHONBASHI」
(2)財政状態の分析
(当第3四半期連結会計期間末の資産、負債及び純資産に関する分析)
*資産
総資産は、銀行借入金の返済を進めたことなどによる現金及び預金の減少や、受取手形及び売掛金が減少したものの、商品及び製品などたな卸資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末比で約13億円増加の2,686億79百万円となりました。
*負債
負債は、前期に実施した雇用構造改革費用の支出にともなう未払金の減少に加えて、銀行借入金の返済を進めたことから、前連結会計年度末比で約91億円減少の1,980億27百万円となりました。
また、有利子負債(借入金と社債の合計)は、同80億円減少の736億74百万円となりました。
ネットデット(有利子負債から現金及び預金を控除した額)も同約9億円減少の255億55百万円となりました。
*純資産
当第3四半期連結累計期間で四半期純損失を計上したことなどから、利益剰余金が前連結会計年度末比で約7億円減少の171億13百万円となり、株主資本合計も同7億円減少の724億51百万円となりました。
純資産合計は、株主資本は減少したものの、前連結会計年度末に対して米ドル・ユーロなど主要通貨で円安となり、海外関係会社への出資などにかかる為替換算調整勘定が約90億円増加したことなどから、同約104億円増加の706億51百万円となりました。自己資本比率も純資産が増加したことから、前連結会計年度末比で3.7%ポイント増加し、23.2%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
(当第3四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの分析)
*営業活動によるキャッシュ・フロー
当第3四半期連結累計期間において営業活動により増加した資金は48億28百万円となり、前年同期比で約23億円減少しました。主な要因は、税金等調整前四半期純損失は減少したものの、前期に実施した雇用構造改革費用などの支出による未払金の減少があったことに加え、たな卸資産が増加したことによるものです。
*投資活動によるキャッシュ・フロー
当第3四半期連結累計期間において投資活動により減少した資金は68億円となり、前年同期比で約7億円支出が増加しました。主な要因は、連結範囲の変更をともなう関係会社株式の取得による収入がなかったことに加え、投資有価証券の取得による支出が増加したことによるものです。
*財務活動によるキャッシュ・フロー
当第3四半期連結累計期間において財務活動により減少した資金は86億81百万円となり、前年同期比で約37億円支出が増加しました。主な要因は、銀行借入金の返済を進めたことによるものです。
なお、当第3四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は、前年同期末比で約94億円減少し、475億54百万円となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
平成27年3月期は前期に取り組んだ「原価総改革」、「販売改革」などの事業再建策をさらに強力に推し進めるとともに、マーケット主導体制に向けた地域CEO制の導入や事業単位の大ぐくり化、成長分野へのリソースシフトの推進といった取り組みを開始しています。詳細につきましては、第6期有価証券報告書の「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3.対処すべき課題」をご参照ください。
その結果、当第3四半期連結累計期間は、民生用カムコーダー分野の国内外市場の大幅縮小を踏まえた商品絞り込みなど事業改革により、光学&オーディオセグメントが減収となったものの、カーエレクトロニクスセグメントの復調が顕著となり、また前期に実施した構造改革による固定費削減効果や原価改善施策の効果などが着実に発現し、当第3四半期連結累計期間の営業利益は前年同期比で約42億円増となり、全報告セグメントで黒字化を達成するなど、業績の回復が鮮明となってきました。
第4四半期連結会計期間についても、引き続きカーエレクトロニクスセグメントやコミュニケーションズ事業の復調、光学&オーディオセグメントのホーム事業から業務用事業への転換による改善、全社的構造改革効果の確実な発現に向けた取り組みを継続していきます。
(5)研究開発活動
当社グループの当第3四半期連結累計期間の研究開発活動の総額は155億77百万円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。