訂正四半期報告書-第7期第1四半期(平成26年4月1日-平成26年6月30日)
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営成績の分析
(当第1四半期連結累計期間の概況)
当第1四半期の世界経済は、米国では雇用や住宅をはじめとして改善傾向が見られ、個人消費も拡大するなど緩やかな景気回復の動きが見られた一方で、欧州は景気低迷が続き、中国や新興国においては景気の減速傾向が見受けられました。日本経済は、消費増税前の駆け込み需要の反動減は限定的になると見込まれ、また、企業の設備投資も改善に向かうなど、引き続き緩やかな回復傾向が見られるものの、世界経済全体では依然として不透明な状況が続いています。
こうした状況の下、当社グループにおける当第1半期連結累計期間の全社売上高は、前年同期比で減収となりました。一方損益は、前第3四半期連結会計期間より推進している「原価総改革」、「販売改革」などの事業再建策の効果などに加えて、前連結会計年度に実施した構造改革による固定費削減効果が発現したことなどから、前年同期比で大きく損失が減少し、営業利益は黒字に転換しました。
なお、当第1四半期連結累計期間の決算に使用した損益為替レートは以下のとおりです。
*売上高
当第1四半期連結累計期間における売上高は、主に平成25年6月に連結子会社化したShinwa International Holdings Limited(以下「シンワ」)の業績が、当第1四半期連結累計期間は全期間で寄与したことや、海外市場の販売が好調に推移したことなどから、カーエレクトロニクスセグメントが増収となりましたが、プロフェッショナルシステムセグメントは、主に携帯電話機販売事業を手掛けていた株式会社ケンウッド・ジオビット(以下「ジオビット」)の全株式を平成26年3月に売却した影響などから減収となりました。加えて、国内市場の消費増税前の駆け込み需要の反動減や、海外市場の大幅縮小により光学&オーディオセグメントのイメージング事業が大幅な減収となったこと、また、作品の編成変更や、一部主力作品の発売延期によりソフト&エンターテインメントセグメントが減収となったことなどから、全社の売上高は前年同期比で約33億円減(4.7%減収)となる665億2百万円となりました。
*営業利益
当第1四半期連結累計期間における営業利益は、前第3四半期連結会計期間より推進している「原価総改革」、「販売改革」などの事業再建策の効果やシンワの連結効果もあって、カーエレクトロニクスセグメントが市販事業、OEM事業ともに前年同期の赤字から黒字へ転換し、民生事業である光学&オーディオセグメントのイメージング事業の損失も大きく減少したことに加え、前連結会計年度に実施した構造改革による固定費削減効果が各セグメントで発現したことなどから、前年同期比で約14億円増の3億86百万円となり、黒字に転換しました。
*経常利益
当第1四半期連結累計期間における経常利益は、営業利益の増加などにともない、前年同期比で約15億円改善となる3百万円となりました。
なお、当第1四半期連結累計期間における営業外収支は、受取配当金の増加などにより、前年同期比で約1億円改善しました。
*四半期純利益
当第1四半期連結累計期間における四半期純利益は、米国のJVC America, Inc.(以下「JAI」)の株式譲渡にともない、関係会社株式売却損として特別損失を約11億円計上したことに加え、法人税等合計が前年同期比で約7億円増加し、少数株主利益がシンワの連結子会社化にともなって同約2億円増加したことなどから、同約7億円減となる26億7百万円の損失となりました。
(当第1四半期連結累計期間のセグメントごとの売上高及び損益)
セグメントごとの売上高及び営業利益(△は損失)は以下のとおりです。
JAIの株式譲渡にともない当社の経営管理区分を変更し、従来、「ソフト&エンターテインメントセグメント」に含めていたJAIを、当第1四半期連結会計期間より「その他」の区分に変更しています。なお、前第1四半期連結累計期間のセグメント情報は、区分変更後の報告セグメントに基づき作成したものを用いています。
なお、セグメントごとの営業利益(△は損失)の合計額は、四半期連結損益計算書の営業利益(△は損失)と一致しています。
セグメントごとの売上高は、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載しています。
*カーエレクトロニクスセグメント
当第1四半期連結累計期間におけるカーエレクトロニクスセグメントの売上高は、前年同期比で約31億円増(13.1%増収)の269億42百万円、営業利益は同約11億円増となる5億77百万円となりました。
(売上高)
市販事業は、国内市場が消費増税前の駆け込み需要の反動によって、AV一体型カーナビゲーションシステム「彩速ナビ」の販売が影響を受けましたが、海外市場では、アジアで販売が好調に推移し、米州でも販売に回復の兆しが見られたことから、ほぼ前年同期並みの実績となりました。
OEM事業は、自動車メーカー向けAV一体型カーナビゲーションシステムや、車載機器用CD/DVDメカニズムが減少したものの、平成25年6月に連結子会社化したシンワの業績が、当第1四半期連結累計期間は全期間で寄与したことなどから、増収となりました。
(営業利益)
市販事業が前第3四半期連結会計期間より推進している「原価総改革」、「販売改革」などの事業再建策の効果によって大きく改善して前年同期の赤字から黒字に転換し、OEM事業もシンワの連結効果により前年同期の赤字から黒字に転換しました。
*プロフェッショナルシステムセグメント
当第1四半期連結累計期間におけるプロフェッショナルシステムセグメントの売上高は、主にジオビットを売却した影響(約29億円)などから、前年同期比で約18億円減(8.8%減収)の190億44百万円、営業利益は同約2億円減となる3億20百万円の損失となりました。
(売上高)
コミュニケーションズ事業は、最大市場である北米で回復の傾向が見られたことや、平成26年3月に連結子会社化したEF Johnson Technologies, Inc.(以下「EFJT」)の売上が加算されたことなどから、増収となりました。
プロシステム事業は、海外市場での販売減を国内市場でカバーしたことからほぼ前年同期並みとなり、ヘルスケア事業は平成25年7月に東京特殊電線株式会社より承継した情報機器が中心であるため前年同期には売上計上がなく、当第1四半期連結累計期間の売上計上分が増収となりました。
(営業利益)
コミュニケーションズ事業は、北米で業務用無線端末販売回復の傾向が見られたものの、無線システム販売を手掛けるZetron, Inc.の一時的な出荷減少や、EFJTの出荷タイミングのズレなどにより赤字を計上したことから減益となりましたが、プロシステム事業は国内販売が回復したことなどから、損失が減少しました。
*光学&オーディオセグメント
当第1四半期連結累計期間における光学&オーディオセグメントの売上高は、前年同期比で約34億円減(19.9%減収)の137億15百万円、営業利益は同約3億円増となる2億90百万円の損失となりました。
(売上高)
オーディオ事業は、ホームシアター分野(TV)の販売が好調に推移し増収となったものの、AVアクセサリー分野が欧州の販売苦戦によって減収となったことに加え、ホームオーディオ分野が海外での販売減の影響などにより減収となったことから、全体では減収となりました。
イメージング事業は、カムコーダー分野の海外市場での市場縮小にともなう商品絞り込みや、国内市場での消費増税後の反動減の影響などにより大幅な減収となりました。
映像光学事業は、プロジェクター分野の高精細な4Kモデルの販売が一時的に減少した影響などから、減収となりました。
(営業利益)
オーディオ事業、映像光学事業が減収の影響から減益となりましたが、イメージング事業は、前第3四半期連結会計期間より推進している事業再建策の効果によって損失が大きく減少しました。
*ソフト&エンターテインメントセグメント
当第1四半期連結累計期間におけるソフト&エンターテインメントセグメントの売上高は、前年同期比で約6億円減(7.8%減収)の74億90百万円、営業利益は同約1億円増(22.0%増益)となる6億円となりました。
(売上高)
コンテンツビジネスは、作品編成の変更や一部主力作品の発売延期などから、減収となりました。
受託ビジネスは、外部受託商品の発売延期や旧作の販売不調の影響などから、減収となりました。
(営業利益)
コンテンツビジネスは、商品構成が改善した効果から増益となりましたが、受託ビジネスは減収の影響から減益となりました。
なお、当第1四半期連結累計期間における主なヒット作品は、以下のとおりです。
(ビクターエンタテインメントの主なヒット作品)
・SMAP シングル「Yes we are/ココカラ」
・星野源 シングル「Crazy Crazy/桜の森」
・レキシ アルバム「レシキ」
・KEYTALK アルバム「OVERTONE」
(テイチクエンタテインメントの主なヒット作品)
・関ジャニ∞ DVD&BD「KANJANI∞ LIVE TOUR JUKE BOX」
・北山たけし シングル「有明海」
・上杉香緒里 シングル「居酒屋ほたる」
・石川さゆり シングル「暗夜の心中立て」
(2)財政状態の分析
(当第1四半期連結会計期間末の資産、負債及び純資産に関する分析)
*資産
総資産は、商品及び製品などたな卸資産が増加したものの、季節要因により受取手形及び売掛金が減少したことに加え、銀行借入金の返済を進めたことなどにより現金及び預金が減少したことから、前連結会計年度末比で約195億円減少の2,479億17百万円となりました。
*負債
負債は、前期に実施した雇用構造改革費用の支出にともなう未払金の減少に加えて、銀行借入金の期日前返済の実施など有利子負債の圧縮を図ったことから、前連結会計年度末比で約162億円減少の1,909億46百万円となりました。
また、有利子負債(借入金と社債の合計)は、同41億円減少の775億19百万円となりました。一方、ネットデット(有利子負債から現金及び預金を控除した額)は、現金及び預金が減少したことから同約28億円増加の293億10百万円となりました。
*純資産
当第1四半期連結累計期間は、四半期純損失を計上したことなどから、利益剰余金が前連結会計年度末比で約28億円減少の150億18百万円となり、株主資本合計も同28億円減少の703億56百万円となりました。
純資産合計は、株主資本が減少したことから、同約33億円減少の569億71百万円となりましたが、自己資本比率は、資産合計が減少したことから前連結会計年度末比で0.4%増加し、19.9%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
(当第1四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの分析)
*営業活動によるキャッシュ・フロー
当第1四半期連結累計期間において営業活動により減少した資金は1億5百万円となり、前年同期比で約28億円支出が増加しました。主な要因は、売掛債権の減少による収入の増加はあったものの、前期に実施した雇用構造改革費用などの支出により未払金が減少したことによるものです。
*投資活動によるキャッシュ・フロー
当第1四半期連結累計期間において投資活動により減少した資金は21億56百万円となり、前年同期比で約10億円支出が増加しました。主な要因は、連結範囲の変更をともなう関係会社株式の取得による収入がなかったことに加え、投資有価証券の取得による支出が増加したことによるものです。
*財務活動によるキャッシュ・フロー
当第1四半期連結累計期間において財務活動により減少した資金は44億1百万円となり、前年同期比で約26億円支出が増加しました。主な要因は、長期借入金を返済したことによるものです。
なお、当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は、前年同期末比で約105億円減少し、477億40百万円となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは、平成26年3月期上期の対米ドルの急激な円安による円換算原価の大幅な上昇や、海外での販売不振に対応するため、前第3四半期連結会計期間以降、採算の悪い平成25年モデルの終息を早め、円安に対応した平成26年モデルの投入を繰り上げるとともに、高付加価値商品の売上構成比アップなどの原価総改革に取り組み、役員報酬の減額や従業員の給与・賞与減額などの緊急対策も実施した結果、前期下期は前期上期比で売上高、営業利益ともに回復してきました。また平成27年3月期以降に向けて、国内での早期希望退職者募集、海外での生産や販売拠点の構造改革や再編など、固定費削減の取り組みを実施し、さらに中期的な施策として成長領域における次世代事業の開発も行うなど、「戦略投資」を進め、事業ポートフォリオの再編に努めてきました。
こうした状況をふまえ、平成27年3月期はこれまで取り組んできた改革をさらに強力に推し進めるとともに、マーケット主導体制に向けた地域CEOの配置や事業単位の大ぐくり化、成長分野へのリソースシフトの推進といった取り組みを開始しています。詳細につきましては、第6期有価証券報告書の「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3.対処すべき課題」をご参照ください。
第2四半期以降は、当第1四半期連結累計期間に導入した地域CEO制を本格的に始動させ、平成26年7月1日付で実施した「小さな本社」化と販売・技術など事業部門へのリソースシフトを通じて、各地域における売上拡大に取り組みます。
さらに、平成26年3月に子会社化した北米向けデジタル無線規格P25に対応した業務用無線システムを手掛けるEFJTとの協業を活かして、これまで当社が手掛けていないP25マルチバンド端末や基地局など、トータルシステム事業へ本格展開し、統合効果の創出を目指します。
(5)研究開発活動
当社グループの当第1四半期連結累計期間の研究開発活動の金額は56億59百万円です。
なお、当第1四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(1)経営成績の分析
(当第1四半期連結累計期間の概況)
当第1四半期の世界経済は、米国では雇用や住宅をはじめとして改善傾向が見られ、個人消費も拡大するなど緩やかな景気回復の動きが見られた一方で、欧州は景気低迷が続き、中国や新興国においては景気の減速傾向が見受けられました。日本経済は、消費増税前の駆け込み需要の反動減は限定的になると見込まれ、また、企業の設備投資も改善に向かうなど、引き続き緩やかな回復傾向が見られるものの、世界経済全体では依然として不透明な状況が続いています。
こうした状況の下、当社グループにおける当第1半期連結累計期間の全社売上高は、前年同期比で減収となりました。一方損益は、前第3四半期連結会計期間より推進している「原価総改革」、「販売改革」などの事業再建策の効果などに加えて、前連結会計年度に実施した構造改革による固定費削減効果が発現したことなどから、前年同期比で大きく損失が減少し、営業利益は黒字に転換しました。
なお、当第1四半期連結累計期間の決算に使用した損益為替レートは以下のとおりです。
第1四半期 | |||||||
損益為替レート | 米ドル ユーロ | 約102円 約140円 | |||||
前期(参考) | 米ドル ユーロ | 約99円 約129円 |
*売上高
当第1四半期連結累計期間における売上高は、主に平成25年6月に連結子会社化したShinwa International Holdings Limited(以下「シンワ」)の業績が、当第1四半期連結累計期間は全期間で寄与したことや、海外市場の販売が好調に推移したことなどから、カーエレクトロニクスセグメントが増収となりましたが、プロフェッショナルシステムセグメントは、主に携帯電話機販売事業を手掛けていた株式会社ケンウッド・ジオビット(以下「ジオビット」)の全株式を平成26年3月に売却した影響などから減収となりました。加えて、国内市場の消費増税前の駆け込み需要の反動減や、海外市場の大幅縮小により光学&オーディオセグメントのイメージング事業が大幅な減収となったこと、また、作品の編成変更や、一部主力作品の発売延期によりソフト&エンターテインメントセグメントが減収となったことなどから、全社の売上高は前年同期比で約33億円減(4.7%減収)となる665億2百万円となりました。
*営業利益
当第1四半期連結累計期間における営業利益は、前第3四半期連結会計期間より推進している「原価総改革」、「販売改革」などの事業再建策の効果やシンワの連結効果もあって、カーエレクトロニクスセグメントが市販事業、OEM事業ともに前年同期の赤字から黒字へ転換し、民生事業である光学&オーディオセグメントのイメージング事業の損失も大きく減少したことに加え、前連結会計年度に実施した構造改革による固定費削減効果が各セグメントで発現したことなどから、前年同期比で約14億円増の3億86百万円となり、黒字に転換しました。
*経常利益
当第1四半期連結累計期間における経常利益は、営業利益の増加などにともない、前年同期比で約15億円改善となる3百万円となりました。
なお、当第1四半期連結累計期間における営業外収支は、受取配当金の増加などにより、前年同期比で約1億円改善しました。
*四半期純利益
当第1四半期連結累計期間における四半期純利益は、米国のJVC America, Inc.(以下「JAI」)の株式譲渡にともない、関係会社株式売却損として特別損失を約11億円計上したことに加え、法人税等合計が前年同期比で約7億円増加し、少数株主利益がシンワの連結子会社化にともなって同約2億円増加したことなどから、同約7億円減となる26億7百万円の損失となりました。
(当第1四半期連結累計期間のセグメントごとの売上高及び損益)
セグメントごとの売上高及び営業利益(△は損失)は以下のとおりです。
JAIの株式譲渡にともない当社の経営管理区分を変更し、従来、「ソフト&エンターテインメントセグメント」に含めていたJAIを、当第1四半期連結会計期間より「その他」の区分に変更しています。なお、前第1四半期連結累計期間のセグメント情報は、区分変更後の報告セグメントに基づき作成したものを用いています。
なお、セグメントごとの営業利益(△は損失)の合計額は、四半期連結損益計算書の営業利益(△は損失)と一致しています。
セグメントごとの売上高は、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載しています。
(単位:百万円) |
セグメントの名称 | 当第1四半期 連結累計期間 | (参考) 前第1四半期 連結累計期間 | 前年同期比 | ||
カーエレクトロニクスセグメント | 売上高 | 26,942 | 23,827 | +3,115 | |
営業利益 | 577 | △527 | +1,105 | ||
プロフェッショナルシステムセグメント | 売上高 | 19,044 | 20,885 | △1,841 | |
営業利益 | △320 | △77 | △243 | ||
光学&オーディオセグメント | 売上高 | 13,715 | 17,126 | △3,411 | |
営業利益 | △290 | △576 | +286 | ||
ソフト&エンターテインメントセグメント | 売上高 | 7,490 | 8,121 | △631 | |
営業利益 | 600 | 492 | +108 | ||
その他 | 売上高 | 2,162 | 2,318 | △156 | |
営業利益 | △180 | △298 | +118 | ||
セグメント間消去 | 売上高 | △2,852 | △2,471 | △381 | |
合計 | 売上高 | 66,502 | 69,808 | △3,306 | |
営業利益 | 386 | △987 | +1,374 | ||
経常利益 | 3 | △1,513 | +1,517 | ||
四半期純利益 | △2,607 | △1,935 | △672 |
*カーエレクトロニクスセグメント
当第1四半期連結累計期間におけるカーエレクトロニクスセグメントの売上高は、前年同期比で約31億円増(13.1%増収)の269億42百万円、営業利益は同約11億円増となる5億77百万円となりました。
(売上高)
市販事業は、国内市場が消費増税前の駆け込み需要の反動によって、AV一体型カーナビゲーションシステム「彩速ナビ」の販売が影響を受けましたが、海外市場では、アジアで販売が好調に推移し、米州でも販売に回復の兆しが見られたことから、ほぼ前年同期並みの実績となりました。
OEM事業は、自動車メーカー向けAV一体型カーナビゲーションシステムや、車載機器用CD/DVDメカニズムが減少したものの、平成25年6月に連結子会社化したシンワの業績が、当第1四半期連結累計期間は全期間で寄与したことなどから、増収となりました。
(営業利益)
市販事業が前第3四半期連結会計期間より推進している「原価総改革」、「販売改革」などの事業再建策の効果によって大きく改善して前年同期の赤字から黒字に転換し、OEM事業もシンワの連結効果により前年同期の赤字から黒字に転換しました。
*プロフェッショナルシステムセグメント
当第1四半期連結累計期間におけるプロフェッショナルシステムセグメントの売上高は、主にジオビットを売却した影響(約29億円)などから、前年同期比で約18億円減(8.8%減収)の190億44百万円、営業利益は同約2億円減となる3億20百万円の損失となりました。
(売上高)
コミュニケーションズ事業は、最大市場である北米で回復の傾向が見られたことや、平成26年3月に連結子会社化したEF Johnson Technologies, Inc.(以下「EFJT」)の売上が加算されたことなどから、増収となりました。
プロシステム事業は、海外市場での販売減を国内市場でカバーしたことからほぼ前年同期並みとなり、ヘルスケア事業は平成25年7月に東京特殊電線株式会社より承継した情報機器が中心であるため前年同期には売上計上がなく、当第1四半期連結累計期間の売上計上分が増収となりました。
(営業利益)
コミュニケーションズ事業は、北米で業務用無線端末販売回復の傾向が見られたものの、無線システム販売を手掛けるZetron, Inc.の一時的な出荷減少や、EFJTの出荷タイミングのズレなどにより赤字を計上したことから減益となりましたが、プロシステム事業は国内販売が回復したことなどから、損失が減少しました。
*光学&オーディオセグメント
当第1四半期連結累計期間における光学&オーディオセグメントの売上高は、前年同期比で約34億円減(19.9%減収)の137億15百万円、営業利益は同約3億円増となる2億90百万円の損失となりました。
(売上高)
オーディオ事業は、ホームシアター分野(TV)の販売が好調に推移し増収となったものの、AVアクセサリー分野が欧州の販売苦戦によって減収となったことに加え、ホームオーディオ分野が海外での販売減の影響などにより減収となったことから、全体では減収となりました。
イメージング事業は、カムコーダー分野の海外市場での市場縮小にともなう商品絞り込みや、国内市場での消費増税後の反動減の影響などにより大幅な減収となりました。
映像光学事業は、プロジェクター分野の高精細な4Kモデルの販売が一時的に減少した影響などから、減収となりました。
(営業利益)
オーディオ事業、映像光学事業が減収の影響から減益となりましたが、イメージング事業は、前第3四半期連結会計期間より推進している事業再建策の効果によって損失が大きく減少しました。
*ソフト&エンターテインメントセグメント
当第1四半期連結累計期間におけるソフト&エンターテインメントセグメントの売上高は、前年同期比で約6億円減(7.8%減収)の74億90百万円、営業利益は同約1億円増(22.0%増益)となる6億円となりました。
(売上高)
コンテンツビジネスは、作品編成の変更や一部主力作品の発売延期などから、減収となりました。
受託ビジネスは、外部受託商品の発売延期や旧作の販売不調の影響などから、減収となりました。
(営業利益)
コンテンツビジネスは、商品構成が改善した効果から増益となりましたが、受託ビジネスは減収の影響から減益となりました。
なお、当第1四半期連結累計期間における主なヒット作品は、以下のとおりです。
(ビクターエンタテインメントの主なヒット作品)
・SMAP シングル「Yes we are/ココカラ」
・星野源 シングル「Crazy Crazy/桜の森」
・レキシ アルバム「レシキ」
・KEYTALK アルバム「OVERTONE」
(テイチクエンタテインメントの主なヒット作品)
・関ジャニ∞ DVD&BD「KANJANI∞ LIVE TOUR JUKE BOX」
・北山たけし シングル「有明海」
・上杉香緒里 シングル「居酒屋ほたる」
・石川さゆり シングル「暗夜の心中立て」
(2)財政状態の分析
(当第1四半期連結会計期間末の資産、負債及び純資産に関する分析)
*資産
総資産は、商品及び製品などたな卸資産が増加したものの、季節要因により受取手形及び売掛金が減少したことに加え、銀行借入金の返済を進めたことなどにより現金及び預金が減少したことから、前連結会計年度末比で約195億円減少の2,479億17百万円となりました。
*負債
負債は、前期に実施した雇用構造改革費用の支出にともなう未払金の減少に加えて、銀行借入金の期日前返済の実施など有利子負債の圧縮を図ったことから、前連結会計年度末比で約162億円減少の1,909億46百万円となりました。
また、有利子負債(借入金と社債の合計)は、同41億円減少の775億19百万円となりました。一方、ネットデット(有利子負債から現金及び預金を控除した額)は、現金及び預金が減少したことから同約28億円増加の293億10百万円となりました。
*純資産
当第1四半期連結累計期間は、四半期純損失を計上したことなどから、利益剰余金が前連結会計年度末比で約28億円減少の150億18百万円となり、株主資本合計も同28億円減少の703億56百万円となりました。
純資産合計は、株主資本が減少したことから、同約33億円減少の569億71百万円となりましたが、自己資本比率は、資産合計が減少したことから前連結会計年度末比で0.4%増加し、19.9%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
(当第1四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの分析)
*営業活動によるキャッシュ・フロー
当第1四半期連結累計期間において営業活動により減少した資金は1億5百万円となり、前年同期比で約28億円支出が増加しました。主な要因は、売掛債権の減少による収入の増加はあったものの、前期に実施した雇用構造改革費用などの支出により未払金が減少したことによるものです。
*投資活動によるキャッシュ・フロー
当第1四半期連結累計期間において投資活動により減少した資金は21億56百万円となり、前年同期比で約10億円支出が増加しました。主な要因は、連結範囲の変更をともなう関係会社株式の取得による収入がなかったことに加え、投資有価証券の取得による支出が増加したことによるものです。
*財務活動によるキャッシュ・フロー
当第1四半期連結累計期間において財務活動により減少した資金は44億1百万円となり、前年同期比で約26億円支出が増加しました。主な要因は、長期借入金を返済したことによるものです。
なお、当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は、前年同期末比で約105億円減少し、477億40百万円となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは、平成26年3月期上期の対米ドルの急激な円安による円換算原価の大幅な上昇や、海外での販売不振に対応するため、前第3四半期連結会計期間以降、採算の悪い平成25年モデルの終息を早め、円安に対応した平成26年モデルの投入を繰り上げるとともに、高付加価値商品の売上構成比アップなどの原価総改革に取り組み、役員報酬の減額や従業員の給与・賞与減額などの緊急対策も実施した結果、前期下期は前期上期比で売上高、営業利益ともに回復してきました。また平成27年3月期以降に向けて、国内での早期希望退職者募集、海外での生産や販売拠点の構造改革や再編など、固定費削減の取り組みを実施し、さらに中期的な施策として成長領域における次世代事業の開発も行うなど、「戦略投資」を進め、事業ポートフォリオの再編に努めてきました。
こうした状況をふまえ、平成27年3月期はこれまで取り組んできた改革をさらに強力に推し進めるとともに、マーケット主導体制に向けた地域CEOの配置や事業単位の大ぐくり化、成長分野へのリソースシフトの推進といった取り組みを開始しています。詳細につきましては、第6期有価証券報告書の「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3.対処すべき課題」をご参照ください。
第2四半期以降は、当第1四半期連結累計期間に導入した地域CEO制を本格的に始動させ、平成26年7月1日付で実施した「小さな本社」化と販売・技術など事業部門へのリソースシフトを通じて、各地域における売上拡大に取り組みます。
さらに、平成26年3月に子会社化した北米向けデジタル無線規格P25に対応した業務用無線システムを手掛けるEFJTとの協業を活かして、これまで当社が手掛けていないP25マルチバンド端末や基地局など、トータルシステム事業へ本格展開し、統合効果の創出を目指します。
(5)研究開発活動
当社グループの当第1四半期連結累計期間の研究開発活動の金額は56億59百万円です。
なお、当第1四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。