有価証券報告書-第12期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、後半に入りエレクトロニクス全般の生産稼働率に持ち直しの動きも見られましたが、世界経済を取巻く環境では新型コロナウイルス感染拡大の継続と海外での都市封鎖による影響、長引く米中貿易摩擦等、不透明感は続いております。一方で社会変化における新技術・サービスの需要増加をはじめ、これまでの市場構造から大きな変化を促す動きが顕著に表れるようになっております。
このような中で当社グループは、「世界・社会貢献・共創と革新」のキーワードのもと、グループの融合と各事業の最適化、積極的な共創ビジネスの展開や新規事業の拡大を進めてまいりました。
また企業活動に対しては持続可能な社会への貢献が益々求められる中で、多様な事業領域を包含している当社グループは、非常時の医療用ガウンの製造・供給における運営・オペレーション支援、再生可能エネルギーの発電拡大をはじめとして、社会課題の解決に向けた更なる取組みに努めております。
(連結経営成績の概況)
・市場の環境
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して6,667百万円減少し、190,385百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加19,007百万円、受取手形及び売掛金の減少5,184百万円、たな卸資産の減少5,230百万円、投資有価証券の減少17,688百万円によるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比較して9,157百万円減少し、114,127百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金の増加2,051百万円、短期借入金の減少13,481百万円によるものであります。
純資産は前連結会計年度末と比較して2,490百万円増加し、76,258百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益4,054百万円、利益剰余金からの配当2,405百万円によるものであります。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は、新規ビジネスやシステム機器事業、発電等での堅調さが見られたものの、デバイス事業並びにEMS事業の需要低下の影響が大きく減収となりました。
営業利益では、新規事業の立上げやプロダクト・ミックスの改善等により売上総利益率が向上し、販売管理費の抑制にも努めた結果、営業利益率は改善しました。
経常利益では、前年度に「持分法による投資利益」(営業外収益)の大幅な増額分が計上されたため減少しております。また、上記の持分法に関連する投資有価証券売却益3,865百万円の計上(特別利益)と植物工場事業における減損処理(特別損失)を主な要因として税金等調整前当期純利益以下は減益となっております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は323,815百万円(前年同期比14.7%減)、営業利益は6,238百万円(前年同期比6.0%減)、経常利益は5,689百万円(前年同期比37.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,054百万円(前年同期比29.1%減)となりました。
このような動きを含めて、各報告セグメントにおける業績概況と見通しは次のとおりであります。
・業績ハイライト
(参考)上記営業利益には、のれん償却額及び無形資産償却額を含みます。
なお、12月決算である海外子会社の決算取込みを調整したことで、2020年3月期には対象会社の2019年1月から3月の増額分が含まれております。
当社グループの報告セグメントは、経営資源の配分や業績評価を行うための区分を基礎としております。業容の拡大に伴い、「半導体及び電子部品事業」、「調達事業」、「電子機器事業」及び「環境エネルギー事業」の4つを報告セグメントとしております。
報告セグメント及び主な事業内容は次のとおりであります。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
イ.半導体及び電子部品事業
(参考)上記セグメント利益又は損失には、のれん償却額及び無形資産償却額を含みます。
なお、12月決算である海外子会社の決算取込みを調整したことで、2020年3月期には対象会社の2019年1月から3月の増額分が含まれております。
・業績の概況
デバイス事業では、第3四半期連結会計期間の中盤から緩やかな回復の兆しが見られるようになりましたが、通期ではデジタルカメラを中心とした民生向け需要の低下や車載関連の生産調整等を主な要因として減収となりました。
EMS事業は、主に前第1四半期連結会計期間における決算期変更等に伴う影響額の計上と、米中貿易摩擦の要因によるスマートフォン向け部品・モジュール等の生産減少により、減収となりました。
セグメント利益又は損失は新規事業による利益寄与により増益となりました。
以上の結果、売上高は225,428百万円(前年同期比18.1%減)、セグメント利益は6,719百万円(前年同期比52.5%増)となりました。
ロ.調達事業
(参考)上記セグメント利益又は損失には、のれん償却額及び無形資産償却額を含みます。
・業績の概況
調達事業では、パナソニックグループ向けの販売が堅調に推移し第3四半期連結会計期間の中盤から車載関連部材の増加が見られましたが、新規取引での開発遅延や生産調整があり、減収となりました。
セグメント利益又は損失は為替の影響を主要因に減益となりました。
以上の結果、売上高は72,044百万円(前年同期比1.8%減)、セグメント損失は127百万円となりました。
ハ.電子機器事業
(参考) 上記セグメント利益又は損失には、のれん償却額を含みます。
・業績の概況
電子機器事業では、教育向けはオンライン講義の需要増による設備投資の活性化に伴い下期にかけて販売が増加しましたが、一方放送局や企業向けは設備投資の圧縮並びにイベントの縮小による機材レンタルのニーズ減少等の影響を受け、売上は減収となりました。
システム機器事業は、決済用キャッシュレス関連ビジネスの売上が堅調に推移し、売上は前期並みを維持しました。
セグメント利益又は損失は減収の要因と先行投資による費用増加等により減益となりました。
以上の結果、売上高は20,085百万円(前年同期比12.2%減)、セグメント利益は818百万円(前年同期比22.8%減)となりました。
ニ.環境エネルギー事業
(参考) 上記セグメント利益又は損失には、のれん償却額及び無形資産償却額を含みます。
・業績の概況
エネルギー事業では、国内外の太陽光・風力発電所の新規竣工に伴う発電が堅調に推移したものの、パネル・パワーコンディショナー等の部品販売が減少しました。
新電力事業は、官公庁等を中心に売上は減少しましたが、スポット価格の上昇に対して保有するガス火力発電所の稼働やスポット市場以外の調達により、市場変動のリスクを最小限化する展開を進めております。
植物工場事業は、第2四半期連結会計期間に大手コンビニストアでの採用が本格化したものの新型コロナウイルスの影響で外食・中食需要が低下し、前連結会計年度に比べて売上は減収となりました。
以上の結果、売上高は9,370百万円(前年同期比13.9%減)、セグメント損失は減収による影響と新電力の仕入価格の高騰並びに植物工場産野菜の単価下落やコスト負担増の影響で344百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、20,133百万円(前年度は16,591百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益4,334百万円、売上債権の減少6,004百万円、たな卸資産の減少6,294百万円、仕入債務の増加1,586百万円及び法人税等の支払額4,114百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は、13,542百万円(前年度は16,386百万円の使用)となりました。これは主に、関係会社株式の売却による収入20,979百万円、有形固定資産の取得による支出3,884百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、15,337百万円(前年度は2,683百万円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の純減少14,075百万円、長期借入れによる収入3,100百万円、配当金の支払額2,405百万円及びリース債務の返済による支出1,103百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は製造原価により表示しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は販売価格により表示しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は仕入価格により表示しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の記載事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析内容
a.財政状態の分析
イ.資産の部の分析
流動資産については、現金及び預金の増加19,007百万円、受取手形及び売掛金の減少5,184百万円、たな卸資産の減少5,230百万円により、146,133百万円となりました。
固定資産については、投資有価証券の減少17,688百万円により44,252百万円となりました。
ロ.負債の部の分析
流動負債については、支払手形及び買掛金の増加2,051百万円、短期借入金の減少13,481百万円により、94,095百万円となりました。
固定負債については、リース債務の減少907百万円、長期借入金の増加837百万円により、20,031百万円となりました。
ハ.純資産の部の分析
親会社株主に帰属する当期純利益4,054百万円、利益剰余金からの配当2,405百万円により株主資本の部は1,697百万円増加し、70,476百万円となりました。
また、その他有価証券評価差額金が426百万円増加したことに加えて、為替換算調整勘定が843百万円増加した結果、その他の包括利益累計額は1,320百万円増加しました。
以上により、純資産の部合計は前連結会計年度末より2,490百万円増加し、76,258百万円となりました。
b.経営成績の分析
当連結会計年度における売上高は323,815百万円(前年同期比14.7%減)となり、前連結会計年度に比べて55,733百万円減少しました。これはデバイス事業並びにEMS事業の需要低下の影響による減収が主な要因となっております。セグメント別の売上高・主要因については「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
営業利益は6,238百万円(前年同期比6.0%減)となり、前連結会計年度に比べて399百万円減少しました。主に減収の要因等で売上粗利益は減少しましたが、新規事業の立上げやプロダクト・ミックスの改善等により売上総利益率が前年度の6.8%から7.8%へ向上し、販売管理費の抑制にも努めた結果、営業利益率も前年度の1.7%から1.9%へ改善しました。
経常利益は5,689百万円(前年同期比37.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,054百万円(前年同期比29.1%減)となりました。
経常利益では前年度に「持分法による投資利益」(営業外収益)の大幅な増額分が計上されたため減益となり、上記の持分法に関連する投資有価証券売却益3,865百万円の計上(特別利益)と植物工場事業における減損処理(特別損失)を主要因として税金等調整前当期純利益以下は減益となっております。
また、自己資本当期純利益率が前連結会計年度の8.3%から当連結会計年度は5.6%、総資産経常利益率が前連結会計年度6.1%から当連結会計年度2.9%となっております。自己資本比率は前連結会計年度の35.7%から当連結会計年度は38.6%へ向上しております。今後も資本効率の改善を通じた企業価値向上に向けてより一層努めてまいります。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性についての分析
イ.キャッシュ・フローの分析
「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
ロ.資金需要及び財務政策について
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、売上の回収と支払のサイト差及び商品在庫の保有の他、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資に係る主な資金需要としては、エネルギー事業、植物工場事業の設備投資の他、IoT/AIといった成長市場の深耕に向けた開発投資や戦略的なM&A・資本提携のための投資等があります。
当社グループでは、運転資金については、売上債権の流動化及び金融機関からの借入により調達することとしております。また、より効率的な資金調達を行うため、取引金融機関とコミットメントライン契約を締結しております。
今後につきましては、健全な財政状態の維持を図っていくとともに資本効率を高めてまいります。
② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは次のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響について、今後の拡大または収束を予測することは困難な状況でありますが、当社グループへの影響は限定的であるとの仮定に基づき、当連結会計年度における会計上の見積りを行っております。今後の新型コロナウイルス感染症の感染拡大による経済環境の変化により判断を見直した結果、翌連結会計年度以降の当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
a.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。
将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、当期純損益が変動する可能性があります。
b.固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、原則として、事業用資産については会社毎の資産を基本単位としてキャッシュ・フローを生み出す最小単位、のれんについては継続的に損益を把握している管理会計に準じた事業単位をもとに資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しております。
固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、後半に入りエレクトロニクス全般の生産稼働率に持ち直しの動きも見られましたが、世界経済を取巻く環境では新型コロナウイルス感染拡大の継続と海外での都市封鎖による影響、長引く米中貿易摩擦等、不透明感は続いております。一方で社会変化における新技術・サービスの需要増加をはじめ、これまでの市場構造から大きな変化を促す動きが顕著に表れるようになっております。
このような中で当社グループは、「世界・社会貢献・共創と革新」のキーワードのもと、グループの融合と各事業の最適化、積極的な共創ビジネスの展開や新規事業の拡大を進めてまいりました。
また企業活動に対しては持続可能な社会への貢献が益々求められる中で、多様な事業領域を包含している当社グループは、非常時の医療用ガウンの製造・供給における運営・オペレーション支援、再生可能エネルギーの発電拡大をはじめとして、社会課題の解決に向けた更なる取組みに努めております。
(連結経営成績の概況)
・市場の環境
| デバイス市場 | 自動車の電動化や5G普及等が伸展しており、エレクトロニクス業界全体として回復基調に向かっている。一方テレワークの促進等に起因した世界的な半導体需給の逼迫並びにサプライチェーンの体制変化による自動車関連を中心とした生産調整が継続する等、新型コロナウイルスの影響を含めて不透明感が残る。 |
| 電子機器市場 | 新型コロナウイルス影響下で放送機器及び製造用機械、FA・計測関連機器等の設備投資が減少した一方、医療機関や企業向けの非接触端末、教育機関向け需要、オンライン会議関連等、新しい生活様式への整備が伸展。また、政府のキャッシュレス化推進やマイナンバーカード等の多岐にわたる展開に伴う決済・認証端末の需要増加が見込まれる。 |
| エネルギー市場 | 「脱炭素社会」に向けたエネルギーシフトがグローバルに進展し、国内においても政府により2050年までに温暖化ガス排出を実質ゼロにする目標が設定され、多様なエネルギー利用への注目が集まる。電力卸売市場においては、年明けの寒波とLNG調達不足の影響等により電力不足が生じ、取引価格の高騰が発生した。 |
| 植物工場市場 | 食の安全・安定供給と持続可能性への意識の高まりにより植物工場産野菜への注目は拡大しており、コンビニエンスストアやスーパー等の需要に加え更なる販路の拡大が行われている。一方、参入企業が増え競争は激化しており、コスト削減に向けた生産性の向上・効率化が課題となっている。 |
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して6,667百万円減少し、190,385百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加19,007百万円、受取手形及び売掛金の減少5,184百万円、たな卸資産の減少5,230百万円、投資有価証券の減少17,688百万円によるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比較して9,157百万円減少し、114,127百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金の増加2,051百万円、短期借入金の減少13,481百万円によるものであります。
純資産は前連結会計年度末と比較して2,490百万円増加し、76,258百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益4,054百万円、利益剰余金からの配当2,405百万円によるものであります。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は、新規ビジネスやシステム機器事業、発電等での堅調さが見られたものの、デバイス事業並びにEMS事業の需要低下の影響が大きく減収となりました。
営業利益では、新規事業の立上げやプロダクト・ミックスの改善等により売上総利益率が向上し、販売管理費の抑制にも努めた結果、営業利益率は改善しました。
経常利益では、前年度に「持分法による投資利益」(営業外収益)の大幅な増額分が計上されたため減少しております。また、上記の持分法に関連する投資有価証券売却益3,865百万円の計上(特別利益)と植物工場事業における減損処理(特別損失)を主な要因として税金等調整前当期純利益以下は減益となっております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は323,815百万円(前年同期比14.7%減)、営業利益は6,238百万円(前年同期比6.0%減)、経常利益は5,689百万円(前年同期比37.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,054百万円(前年同期比29.1%減)となりました。
このような動きを含めて、各報告セグメントにおける業績概況と見通しは次のとおりであります。
・業績ハイライト
| (単位:百万円) | ||||
| 2020年3月期 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 2021年3月期 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 増減率 | ||
| 売上高 | 379,548 | 323,815 | △14.7 | % |
| 営業利益 | 6,637 | 6,238 | △6.0 | % |
| 経常利益 | 9,025 | 5,689 | △37.0 | % |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 5,722 | 4,054 | △29.1 | % |
(参考)上記営業利益には、のれん償却額及び無形資産償却額を含みます。
なお、12月決算である海外子会社の決算取込みを調整したことで、2020年3月期には対象会社の2019年1月から3月の増額分が含まれております。
当社グループの報告セグメントは、経営資源の配分や業績評価を行うための区分を基礎としております。業容の拡大に伴い、「半導体及び電子部品事業」、「調達事業」、「電子機器事業」及び「環境エネルギー事業」の4つを報告セグメントとしております。
報告セグメント及び主な事業内容は次のとおりであります。
| 報告セグメント | 事業 | 主な事業内容 |
| 半導体及び 電子部品事業 | デバイス | 国内外の半導体・電子部品及び関連商材の販売、多様なラインカードの組合わせによるシステム提案、高付加価値ソリューションの提供及び液晶系・海外サプライヤーを得意とする技術サポート、LSI設計開発・支援、信頼性試験受託サービス |
| EMS | 自社工場における最先端の実装技術と購買、生産管理、品質保証機能を付加した電子部品・モジュール等の電子機器実装受託製造サービス | |
| その他 | その他 | |
| 調達事業 | 調達 | エレクトロニクスに係るグローバル調達トレーディングと関連業務の受託サービスによる最適なサプライチェーンマネジメントの提案 |
| 電子機器事業 | 電子機器 | 放送、ビジネス、教育、医療・ライフサイエンス、公共施設、FA、セキュリティ、電子計測器等、多岐に亘る分野への映像・音響・通信・計測のソリューション、設計・施工、保守エンジニアリング |
| システム機器 | デジタル・通信等の基幹技術とNFC(近距離無線通信)技術を融合したキャッシュレス端末及びセキュリティ並びにマイナンバー個人認証関連製品の開発、製造、販売 | |
| 環境エネルギー 事業 | エネルギー | 自社太陽光発電所(国内外)、風力発電所等による再生可能エネルギーの導入・普及に向けた地域共存型運営管理サービス |
| 新電力 | 企業、公共機関、一般家庭等への再生可能エネルギーを中心とした電力の供給、売買の仲介、及び地域活性化に向けた電力の地産地消等の電力コンサルティング | |
| 植物工場 | コンビニエンスストアやスーパーマーケット、外食チェーン等の業務用市場またはリテール市場へ向けた完全閉鎖型の植物工場産野菜の生産・販売、及びシステムコンサルティング |
セグメント別の業績は次のとおりであります。
イ.半導体及び電子部品事業
| (単位:百万円) | |||
| 2020年3月期 | 2021年3月期 | 増減率 | |
| 売上高 | 275,170 | 225,428 | △18.1% |
| セグメント利益又は損失(△) | 4,406 | 6,719 | 52.5% |
(参考)上記セグメント利益又は損失には、のれん償却額及び無形資産償却額を含みます。
なお、12月決算である海外子会社の決算取込みを調整したことで、2020年3月期には対象会社の2019年1月から3月の増額分が含まれております。
・業績の概況
デバイス事業では、第3四半期連結会計期間の中盤から緩やかな回復の兆しが見られるようになりましたが、通期ではデジタルカメラを中心とした民生向け需要の低下や車載関連の生産調整等を主な要因として減収となりました。
EMS事業は、主に前第1四半期連結会計期間における決算期変更等に伴う影響額の計上と、米中貿易摩擦の要因によるスマートフォン向け部品・モジュール等の生産減少により、減収となりました。
セグメント利益又は損失は新規事業による利益寄与により増益となりました。
以上の結果、売上高は225,428百万円(前年同期比18.1%減)、セグメント利益は6,719百万円(前年同期比52.5%増)となりました。
ロ.調達事業
| (単位:百万円) | |||
| 2020年3月期 | 2021年3月期 | 増減率 | |
| 売上高 | 73,394 | 72,044 | △1.8% |
| セグメント利益又は損失(△) | 386 | △127 | -% |
(参考)上記セグメント利益又は損失には、のれん償却額及び無形資産償却額を含みます。
・業績の概況
調達事業では、パナソニックグループ向けの販売が堅調に推移し第3四半期連結会計期間の中盤から車載関連部材の増加が見られましたが、新規取引での開発遅延や生産調整があり、減収となりました。
セグメント利益又は損失は為替の影響を主要因に減益となりました。
以上の結果、売上高は72,044百万円(前年同期比1.8%減)、セグメント損失は127百万円となりました。
ハ.電子機器事業
| (単位:百万円) | |||
| 2020年3月期 | 2021年3月期 | 増減率 | |
| 売上高 | 22,871 | 20,085 | △12.2% |
| セグメント利益又は損失(△) | 1,060 | 818 | △22.8% |
(参考) 上記セグメント利益又は損失には、のれん償却額を含みます。
・業績の概況
電子機器事業では、教育向けはオンライン講義の需要増による設備投資の活性化に伴い下期にかけて販売が増加しましたが、一方放送局や企業向けは設備投資の圧縮並びにイベントの縮小による機材レンタルのニーズ減少等の影響を受け、売上は減収となりました。
システム機器事業は、決済用キャッシュレス関連ビジネスの売上が堅調に推移し、売上は前期並みを維持しました。
セグメント利益又は損失は減収の要因と先行投資による費用増加等により減益となりました。
以上の結果、売上高は20,085百万円(前年同期比12.2%減)、セグメント利益は818百万円(前年同期比22.8%減)となりました。
ニ.環境エネルギー事業
| (単位:百万円) | |||
| 2020年3月期 | 2021年3月期 | 増減率 | |
| 売上高 | 10,889 | 9,370 | △13.9% |
| セグメント利益又は損失(△) | 580 | △344 | -% |
(参考) 上記セグメント利益又は損失には、のれん償却額及び無形資産償却額を含みます。
・業績の概況
エネルギー事業では、国内外の太陽光・風力発電所の新規竣工に伴う発電が堅調に推移したものの、パネル・パワーコンディショナー等の部品販売が減少しました。
新電力事業は、官公庁等を中心に売上は減少しましたが、スポット価格の上昇に対して保有するガス火力発電所の稼働やスポット市場以外の調達により、市場変動のリスクを最小限化する展開を進めております。
植物工場事業は、第2四半期連結会計期間に大手コンビニストアでの採用が本格化したものの新型コロナウイルスの影響で外食・中食需要が低下し、前連結会計年度に比べて売上は減収となりました。
以上の結果、売上高は9,370百万円(前年同期比13.9%減)、セグメント損失は減収による影響と新電力の仕入価格の高騰並びに植物工場産野菜の単価下落やコスト負担増の影響で344百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、20,133百万円(前年度は16,591百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益4,334百万円、売上債権の減少6,004百万円、たな卸資産の減少6,294百万円、仕入債務の増加1,586百万円及び法人税等の支払額4,114百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は、13,542百万円(前年度は16,386百万円の使用)となりました。これは主に、関係会社株式の売却による収入20,979百万円、有形固定資産の取得による支出3,884百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、15,337百万円(前年度は2,683百万円の獲得)となりました。これは主に、短期借入金の純減少14,075百万円、長期借入れによる収入3,100百万円、配当金の支払額2,405百万円及びリース債務の返済による支出1,103百万円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 半導体及び電子部品事業(百万円) | 19,802 | 64.8 |
| 調達事業(百万円) | - | - |
| 電子機器事業(百万円) | 7,158 | 96.7 |
| 環境エネルギー事業(百万円) | 7,473 | 232.3 |
| 合計(百万円) | 34,434 | 83.6 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は製造原価により表示しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 半導体及び電子部品事業 (百万円) | 22,361 | 61.5 | 649 | 181.0 |
| 調達事業(百万円) | - | - | - | - |
| 電子機器事業(百万円) | 9,568 | 92.8 | 3,001 | 103.2 |
| 環境エネルギー事業 (百万円) | 10 | 12.1 | - | - |
| 合計(百万円) | 31,940 | 68.3 | 3,651 | 111.7 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は販売価格により表示しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 半導体及び電子部品事業(百万円) | 207,802 | 94.7 |
| 調達事業(百万円) | 69,069 | 101.0 |
| 電子機器事業(百万円) | 14,431 | 126.2 |
| 環境エネルギー事業(百万円) | 101 | 1.9 |
| 合計(百万円) | 291,403 | 95.7 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は仕入価格により表示しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 半導体及び電子部品事業(百万円) | 223,896 | 81.9 |
| 調達事業(百万円) | 71,101 | 96.9 |
| 電子機器事業(百万円) | 19,444 | 89.4 |
| 環境エネルギー事業(百万円) | 9,370 | 86.1 |
| その他(百万円) | 2 | 61.5 |
| 報告セグメント計(百万円) | 323,815 | 85.3 |
主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| パナソニック株式会社 | 44,597 | 11.8 | 35,531 | 11.0 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の記載事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析内容
a.財政状態の分析
イ.資産の部の分析
流動資産については、現金及び預金の増加19,007百万円、受取手形及び売掛金の減少5,184百万円、たな卸資産の減少5,230百万円により、146,133百万円となりました。
固定資産については、投資有価証券の減少17,688百万円により44,252百万円となりました。
ロ.負債の部の分析
流動負債については、支払手形及び買掛金の増加2,051百万円、短期借入金の減少13,481百万円により、94,095百万円となりました。
固定負債については、リース債務の減少907百万円、長期借入金の増加837百万円により、20,031百万円となりました。
ハ.純資産の部の分析
親会社株主に帰属する当期純利益4,054百万円、利益剰余金からの配当2,405百万円により株主資本の部は1,697百万円増加し、70,476百万円となりました。
また、その他有価証券評価差額金が426百万円増加したことに加えて、為替換算調整勘定が843百万円増加した結果、その他の包括利益累計額は1,320百万円増加しました。
以上により、純資産の部合計は前連結会計年度末より2,490百万円増加し、76,258百万円となりました。
b.経営成績の分析
当連結会計年度における売上高は323,815百万円(前年同期比14.7%減)となり、前連結会計年度に比べて55,733百万円減少しました。これはデバイス事業並びにEMS事業の需要低下の影響による減収が主な要因となっております。セグメント別の売上高・主要因については「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
営業利益は6,238百万円(前年同期比6.0%減)となり、前連結会計年度に比べて399百万円減少しました。主に減収の要因等で売上粗利益は減少しましたが、新規事業の立上げやプロダクト・ミックスの改善等により売上総利益率が前年度の6.8%から7.8%へ向上し、販売管理費の抑制にも努めた結果、営業利益率も前年度の1.7%から1.9%へ改善しました。
経常利益は5,689百万円(前年同期比37.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4,054百万円(前年同期比29.1%減)となりました。
経常利益では前年度に「持分法による投資利益」(営業外収益)の大幅な増額分が計上されたため減益となり、上記の持分法に関連する投資有価証券売却益3,865百万円の計上(特別利益)と植物工場事業における減損処理(特別損失)を主要因として税金等調整前当期純利益以下は減益となっております。
また、自己資本当期純利益率が前連結会計年度の8.3%から当連結会計年度は5.6%、総資産経常利益率が前連結会計年度6.1%から当連結会計年度2.9%となっております。自己資本比率は前連結会計年度の35.7%から当連結会計年度は38.6%へ向上しております。今後も資本効率の改善を通じた企業価値向上に向けてより一層努めてまいります。
なお、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c.資本の財源及び資金の流動性についての分析
イ.キャッシュ・フローの分析
「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
ロ.資金需要及び財務政策について
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、売上の回収と支払のサイト差及び商品在庫の保有の他、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資に係る主な資金需要としては、エネルギー事業、植物工場事業の設備投資の他、IoT/AIといった成長市場の深耕に向けた開発投資や戦略的なM&A・資本提携のための投資等があります。
当社グループでは、運転資金については、売上債権の流動化及び金融機関からの借入により調達することとしております。また、より効率的な資金調達を行うため、取引金融機関とコミットメントライン契約を締結しております。
今後につきましては、健全な財政状態の維持を図っていくとともに資本効率を高めてまいります。
② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは次のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響について、今後の拡大または収束を予測することは困難な状況でありますが、当社グループへの影響は限定的であるとの仮定に基づき、当連結会計年度における会計上の見積りを行っております。今後の新型コロナウイルス感染症の感染拡大による経済環境の変化により判断を見直した結果、翌連結会計年度以降の当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
a.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。
将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、当期純損益が変動する可能性があります。
b.固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、原則として、事業用資産については会社毎の資産を基本単位としてキャッシュ・フローを生み出す最小単位、のれんについては継続的に損益を把握している管理会計に準じた事業単位をもとに資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しております。
固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。