有価証券報告書-第9期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/26 10:39
【資料】
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【項目】
163項目

対処すべき課題

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、
①情報通信を核とし、常に新しい価値を創造する「総合エンジニアリング&サービス会社」として、お客様から最高の満足と信頼を得られる日本のリーディング・カンパニーを目指します。
②安全と品質を大切に、最高のサービスを提供することによって豊かで快適な社会の実現に寄与します。
③企業の社会的責任を果たし、常に人間を尊重する企業として、人や社会と共存共栄する企業であり続けます。
以上の経営理念のもと、企業価値の向上と持続的な成長を図ってまいります。
(2) 中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標
当社グループは、事業環境が大きく変化するなかで、3社の経営統合を機に、経営の効率化と既存事業の生産性向上を一層推進するとともに、ストックビジネス、環境・エネルギー、グローバルなど多くの成長分野(フロンティアドメイン)において競争力を強化することで、「総合エンジニアリング&サービス会社」としての企業価値の向上と持続的な成長を図る必要があると考えております。
そのため、2019年度を初年度とする3ヶ年の中期経営計画を策定し、これを達成することを目標としております。
[中期経営計画の概要]
①目標とする経営指標(2021年度目標)
a. 売上高 4,500億円
b. 営業利益 270億円(営業利益率 6.0%)
c. ROE 8.0%以上
②重点施策
a. 新たな事業機会の創出
・経営統合により深化した地域カバレッジを活用したソリューションビジネスの展開
・従来の事業分野や技術の枠組みを超えた新たな事業機会へのチャレンジ
b. 事業構造の転換を加速
・キャリア事業からソリューション事業への転換を加速
・ソリューション事業の質の転換(利益重視)の促進
c. 生産性の向上と事業運営コストの効率化
・パートナー会社との連携強化による工事稼働の確保
・システムの共有化と共通業務の集約
d. 人材基盤の強化
・働き方改革による生産性向上と人材確保
・新事業分野の拡大や事業変革を支える人材の強化・活性化
e. ESG経営の推進、安全・品質の向上
・ESG強化の観点から、事業をリスクと機会の両面から捉え的確に対応
・「安全・品質の向上」で、お客様からの安心と信頼に応えるミライトグループブランドの確立
f. 資本政策
・健全な財務体質の維持
・資本コストを意識した経営
・ROE8%以上の実現に向けた自己株式の取得
(3) 会社の対処すべき課題
当社グループを取り巻く事業環境は転換期を迎えております。情報通信分野においては、お客様である通信キャリアのビジネスモデルが変化していることに加え、今後は第5世代移動通信システム(5G)を活用した新たなサービスの提供が期待されています。また、本格的なIoT時代の到来に向けて、Wi-Fi、センサー、クラウドなど、新たなソリューションに対する需要の高まりや、高度成長期以降に整備された社会インフラの再構築が加速するなど、当社グループを取り巻く事業環境は今後も大きく変化していくことが予想されます。
このような環境のなか、当社グループはフロンティアドメインにおいて事業を積極的に拡大する必要があります。また、経営統合各社とのシナジーを追求し、新生ミライトグループとして施工能力の向上、顧客基盤の強化、利益構造の改善などに取り組み、利益重視の事業運営を一層推進していく必要があります。
さらに、社会的に少子高齢化、働き手不足が顕在化するなか、当社グループは協力会社も含め皆が安心して働ける労働環境の整備、安全対策の徹底等を進めることにより、事業の担い手確保に努めるとともに、ICTの活用など働き方を能動的に変化させていく必要があります。
このような状況のもと、当社グループは次のような課題に取り組んでまいります。
①フロンティアドメインでの新たな事業領域拡大
・利益確保を重視した受注案件の厳選と上流工程進出による利益率改善
・直接顧客の深掘と新規ユーザ開拓の取り組み
・効率的な施工体制の構築、協力会社体制を活用した全国施工体制の構築
②経営効率化、既存事業の生産性向上
・工事量の平準化や費用構造分析による収支改善
・重複業務の解消や役割分担の見直しなどによる子会社・協力会社との関係再構築
・システム化やツール開発による業務の効率化・共通化