有価証券報告書-第12期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/15 12:00
【資料】
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【項目】
152項目

対処すべき課題

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)やウクライナ情勢等に伴う影響については、当社グループの経営成績等の状況に重要な影響を及ぼす可能性がある事象が発生していないことから、軽微であると判断しております。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、
①情報通信を核とし、常に新しい価値を創造する「総合エンジニアリング&サービス会社」として、お客様から最高の満足と信頼を得られる日本のリーディング・カンパニーを目指します。
②安全と品質を大切に、最高のサービスを提供することによって豊かで快適な社会の実現に寄与します。
③企業の社会的責任を果たし、常に人間を尊重する企業として、人や社会と共存共栄する企業であり続けます。
以上の経営理念のもと、企業価値の向上と持続的な成長を図ってまいります。
(2) 会社の経営環境と中長期的な経営戦略
当社グループを取り巻く事業環境は、5G関連サービス拡大への期待やオンラインサービスの利用拡大、社内システムのクラウド化などDX推進等に伴う新たなICTソリューションに対するニーズの高まり、さらには脱炭素社会の実現に向けた再生可能エネルギーをはじめとする政府のグリーン成長戦略を支えるデジタルインフラの強化や地方創生に資する地域脱炭素の推進などにより、今後も大きく変化していくことが予想されます。
このような環境のなか、当社グループは、役員、社員14,000人の想いを込めてPurpose(存在意義)とMission(社会的使命)を再定義し、幅広い社会インフラ領域における様々な社会課題の解決にこれまで以上にしっかりと貢献できる企業グループへと進化していくことを目指し、2030年に向けた新たな事業ビジョンとして、『MIRAIT ONE Group Vision 2030』を策定いたしました。合わせて、2022年度を初年度とする5ヶ年の中期経営計画を策定しており、これを達成することを目標といたします。
[『MIRAIT ONE Group Vision 2030』および新中期経営計画]
『MIRAIT ONE Group Vision 2030』における経営戦略(概要)
『MIRAIT ONE Group Vision 2030』においては、我々が「変わり」、未来が「変わる」をキーワードに、成長戦略として5つの事業変革(5Changes)を柱としております。
◇ Change1「人間中心経営」
・みらいカレッジ (「学び」と「つながり」を提供する“事業構造改革の原動力”)
・社員にとって働きやすい職場づくりと心身の健康を守る「健康経営」
・With コロナへの“ミライト・ワン流”働き方改革
◇ Change2「事業成長の加速」
・成長分野を「みらいドメイン」として明確に再定義し経営リソースを投入(フルバリュー型モデルへの事業構造改革の推進)
◆街づくり・里づくり事業(地方創生事業)や、企業のDX とグリーン化推進事業の加速
◆脱炭素化に貢献するグリーン発電事業への参入
◆顧客のDX に貢献するSI 事業の強化(戦略子会社化)
◆海外のデータセンタ関連事業やインフラシェア事業を推進するグローバル事業の強化
・既存事業の顧客基盤を強化 (顧客の拡大、顧客の成長への対応)
◇ Change3「利益性トップクラス」
・3社統合による徹底した集約・効率化による経営基盤の強化
・業務運営の抜本見直しとデータインサイトの活用による効率化
・グループ連携の推進による既存オペレーションとコストの見直し
◇ Change4「データインサイトマネジメント」
・ナレッジベースのデータ環境整備、営業アプローチの最適化(攻めのDX)
・バリューチェーン改革、スマート施工、BPO/RPA・ロボティクス活用(守りのDX)
・エキスパートおよびコア人財の育成、全社リテラシーの向上(DX 人財の育成)
◇ Change5「ESG 経営基盤強化」
・温室効果ガス削減目標(SBT)の達成に向けた取り組み
・ミライト・ワン パートナー会による社会価値の共創
・監査体制充実と三線ディフェンスによる監査機能強化
・新たなグループマネジメント体制によるコーポレートガバナンス強化
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標(以下、「KPI」という。)として、第5次中期経営計画において、売上高、みらいドメイン比率(※)、営業利益(率)、ROE(自己資本利益率)、EPS(1株当たり当期純利益)を採用し、2026年度における目標を売上高7,200億円以上、みらいドメイン比率40%以上、営業利益(率)7.5%以上、ROE10%以上、EPS年成長率10%以上に設定しております。
(※)売上高に占めるみらいドメイン(事業成長を目指す分野)の比率
当該KPIを採用しているのは、株主をはじめとする全てのステークホルダーが、当社グループの経営方針・経営戦略等を理解する上で重要な指標であるとともに、その進捗状況や、実現可能性の評価等を行うことが可能であるとの認識によるものであります。
なお、営業利益及びROEについては、グループ会社の業績並びに企業価値向上への貢献意識を高めるため、導入している業績連動型株式報酬制度「株式給付信託」における付与ポイント算定のための指標にも採用しております。
(注)当該KPIの各数値については、本報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、「(2) 会社の経営環境と中長期的な経営戦略」に記載のとおり、外部環境の変化に対応し、当社グループは、当社及び連結子会社である㈱ミライト、㈱ミライト・テクノロジーズとの3社の合併契約を締結し、2022年7月1日より株式会社ミライト・ワンとして新たなスタートをいたします。合わせて、傘下にあるグループ会社のシステムインテグレーション(以下「SI」という。)事業組織ならびに5社のSI事業会社について再編に取り組むとともに、2022年3月31日より傘下に加わった西武建設株式会社の土木・建築事業との連携推進など、事業環境の変化に対応した事業構造の転換を加速しております。
新型コロナウイルス感染症からの経済活動正常化時期やウクライナ情勢等による半導体供給不足、原材料・エネルギー価格の高騰、サプライチェーンを通じた影響等、先行き不透明な状況が継続することが懸念されるものの、当社グループは2030年に向けた新たな事業ビジョン『MIRAIT ONE Group Vision 2030』の実現に向けて、新たな働き方も積極的に活用しながら、元気で活き活きとした企業グループづくりとともに企業価値の向上と持続的な成長を目指してまいります。