有価証券報告書-第20期(2023/05/01-2024/04/30)

【提出】
2024/07/25 15:34
【資料】
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【項目】
147項目
(1) 経営成績等の概要
①経営成績の分析
当社グループは米国Massachusetts Institute of Technology(マサチューセッツ工科大学)の研究者の発明による自己組織化ペプチド技術を基にした医療製品の開発・製造・販売に引き続き注力しております。自己組織化ペプチド技術は幅広い応用が可能なプラットフォーム技術です。既に安全性が確認されており人への使用も広く認められていること、また、医療機器の適応拡大としての開発が可能なこと等から、当社においては幅広い領域での事業展開を行っております。
現時点では主に、外科領域、組織再生領域、ドラッグ・デリバリー・システム(以下、「DDS」という。)領域で事業を展開しております。外科領域においては、日米欧3極においてそれぞれ複数の製造販売承認を取得しており、規模の経済を獲得するための製造のスケールアップ等にも取り組んでおります。
今後は自己組織化ペプチドの技術優位を活用し、将来的にさらに大きなニーズが見込める組織再生領域やDDS領域において、3極展開の強みを活かしグローバル最適の開発・販売方針を採用してまいります。
[販売進捗の状況]
欧州における製品販売は、1,699,948千円となり前期比47.1%増となりました。主要製品である消化器内視鏡領域の止血材は、特に欧州最大規模の市場を誇るドイツにおいて2023年3月より本格稼働しているFUJIFILM EUROPE B.V.(以下、「FUJIFILM」という。)による販売が好調で、大規模施設の開拓が計画どおりに進捗しております。心臓血管外科領域及び耳鼻咽喉科領域における直販体制については、前期において直販体制への先行投資が短期的に想定どおりの貢献をみせなかったことから、当期は既に投資を大幅に縮小しており、期中の実績次第でさらに縮小する方針としておりました。しかしながら、両領域においては当期の方針策定時の想定より高い成長がみられており、実績を見ながら今後の方針を検討してまいります。
米国における製品販売は、1,527,439千円となり前期比398.0%増となりました。2022年7月から販売を開始した消化器内視鏡領域においては高い成長を維持しており、Primary Bleedingへの適応拡大の効果もあり、四半期ごとに過去最高額を達成し計画を大幅に超える結果となりました。新規顧客獲得数が順調であることに加え、既存顧客における製品販売額の伸びも同時に実現できており、製品が着実に市場に浸透していることがうかがえる結果と考えております。耳鼻咽喉科領域においては、前期において想定どおりの収益貢献ができなかったことから、一時的に販売体制の縮小を行い、利益貢献が高く成長率が著しい消化器内視鏡領域に営業リソースを集中させる計画としております。しかしながら、耳鼻咽喉科領域におけるアピールポイントを止血から創傷治癒や癒着防止へ転換する戦略変更を行った結果、製品販売額が計画を大幅に上回って伸長しております
日本における製品販売は、901,540千円となり前期比97.2%増となりました。販売開始以来継続して高い成長率を維持しており、新規顧客獲得に加え、既存顧客の製品使用量を増やす施策が奏功しており、引き続き営業一人当たりの貢献利益の黒字拡大を達成しております。
オーストラリアにおける製品販売は、435,601千円となり前期比15.7%増となりました。2022年7月に実施された政府による民間保険価格の見直しによる製品販売価格の低下の影響を受けておりましたが、2023年3月から製品販売価格がさらに20%下方に見直されたことにより、製品販売額の減少圧力が強まっております。しかしながら、既存顧客を中心とした営業活動により前期を上回る販売数量を達成し、前期を上回る製品販売額も確保しております。
このような結果、当期については、止血材の製品販売は欧州で1,699,948千円、米国で1,527,439千円、日本で901,540千円、オーストラリアで435,601千円を計上し、その他事業収益24,289千円を含めると、事業収益4,588,818千円(前期比2,274,735千円の増加)と前期比98.3%増となり、計画を上回る結果となりました。
費用面に関しては、販売領域の集中と選択を進め、確実な成果と確度の高い収益増加が期待できる消化器内視鏡領域にさらにフォーカスし、現時点で利益への貢献が低いその他の領域については短期的には大幅縮小し、その分のコスト削減を進めております。一方で、一時大幅縮小した欧州の心臓血管外科領域及び耳鼻咽喉科領域の営業リソースに関して更なる削減を計画しておりましたが、両領域とも当期の方針策定時の想定より高い成長がみられ、来期以降の利益貢献が期待できる実績を上げているため、第3四半期において更なる削減は行わず現状を維持する判断をいたしました。維持した経費に対応する事業収益成長の効果は経費の発生に遅れて発生するため、結果として短期的には計画対比で営業損失の拡大要因となっております。
この結果、営業損失は2,117,039千円と前期より1,041,306千円改善し、営業赤字の縮小を実現しております。
また、子会社貸付金に係る為替差益の影響等により経常利益は140,139千円(前期は経常損失2,356,571千円)となった一方、親会社株主に帰属する当期純損失は255,505千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失2,445,978千円)となりました。
なお、第3四半期に特別損失として計上した送金詐欺損失に伴う事象については、専門機関の助言を仰ぎながら必要な再発防止策を実施し、強固な体制を構築したと認識しております。
②財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は5,886,282千円(前連結会計年度末比60,763千円の増加)、総負債は5,532,974千円(同232,228千円の増加)及び純資産は353,307千円(同171,464千円の減少)となりました。
当連結会計年度末における資産、負債及び純資産の状況に関する分析は以下のとおりです。
(流動資産)
当連結会計年度末における残高は5,791,750千円(同124,331千円の増加)となりました。これは主に、現金及び預金の増加192,635千円、売掛金の増加561,852千円がある一方で、棚卸資産の減少131,043千円、前渡金の減少316,520千円及びその他流動資産の減少182,611千円があることによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における残高は94,531千円(同63,567千円の減少)となりました。これは、投資その他の資産の減少によるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における残高は1,536,851千円(同233,954千円の増加)となりました。これは主に、未払費用の増加280,180千円、未払法人税等の増加261,250千円がある一方で、未払金の減少124,278千円、短期借入金の減少200,000千円があることによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における残高は3,996,123千円(同1,726千円の減少)となりました。これは、その他固定負債の減少によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における残高は353,307千円(同171,464千円の減少)となりました。これは主に、資本金及び資本剰余金のそれぞれ1,143,073千円の増加がある一方で、親会社株主に帰属する当期純損失による利益剰余金の減少255,505千円及び為替換算調整勘定の減少2,181,582千円があることによるものです。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ192,635千円増加し、1,363,538千円となりました。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果、減少した資金は1,899,876千円(前連結会計年度は4,585,082千円の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失が24,631千円であり、増加原因として支払利息83,764千円、棚卸資産の減少419,872千円や前渡金の減少321,066千円及び未払費用の増加257,745千円等があるものの、減少要因として為替差益2,554,061千円や新株予約権戻入益58,752千円、売上債権の増加482,750千円及び未払金の減少162,703千円等があることによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果、減少した資金は29,758千円(同81,504千円の減少)となりました。これは主に、長期前払費用の取得による支出24,718千円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果、得られた資金は2,062,563千円(同2,955,543千円の増加)となりました。これは主に、株式の発行による収入2,246,690千円等があるものの、減少要因として短期借入金の純減少額200,000千円があることによるものです。
(2) 生産、受注及び販売の状況
当社グループは、医療製品事業の単一セグメントであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(千円)前期増減比(%)
医療製品事業1,123,658△34.8
合計1,123,658△34.8

(注) 上記の金額は、製造原価によっております。
② 受注実績
当社グループは、販売計画に基づいた生産計画を基礎として見込生産を行っており、かつ、受注から納品までの期間が短いため、当連結会計年度より受注実績に関する記載を省略しております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前期増減比(%)
医療製品事業4,588,818+98.3
合計4,588,818+98.3

(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
Fujifilm Europe B.V.709,76230.61,163,57625.4

(注) 当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは主にFujifilm Europe B.V.等への販売が増加したことによるものであります。
(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りを用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択、適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては第5経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)及び2.財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績の分析
「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要 ①経営成績の分析」に記載のとおりです。
③ 当連結会計年度の財政状態の分析
「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要 ②財政状態の分析」に記載のとおりです。
④ 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析
「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性について
(資金の需要)
当社グループは、自己組織化ペプチド技術を基盤技術とした医療製品の開発・製造・販売を行っております。当社グループの資金需要のうち主なものは、研究開発費用、販売費及び一般管理費等の事業運営費用であります。
(資金の調達及び流動性)
当社グループは医療製品事業においてグローバルに展開している止血材の製品販売による売上収入を計上してまいります。また親子会社間での研究開発成果の共有・事業運営上の効率化も進んでいることから、諸経費の節減等にも注力し販売費及び一般管理費の圧縮にも取り組んでまいります。
当社グループの事業運営及び研究開発を進めるための十分な資金確保に向けて、米国においてバイオ業界への投資に多くの実績を有する投資ファンドのハイツ・キャピタル・マネジメント・インクに対し、2023年7月に第8回無担保転換社債型新株予約権付社債、第35回及び第36回新株予約権を、2024年4月に第39回新株予約権を発行いたしました。これにより、当連結会計年度において、第8回無担保転換社債型新株予約権付社債の発行により660,660千円、第35回及び第36回新株予約権の発行並びに第35回新株予約権の全部権利行使により1,688,450千円、第39回新株予約権の発行及び権利行使により272,960千円、さらに既発行の第34回新株予約権の残り全ての権利行使により342,600千円を調達することができました。一方で、第8回無担保転換社債型新株予約権付社債について期間内に転換されなかったため、2024年1月に660,660千円を満期償還しております。
また、株式会社りそな銀行とコミットメントライン契約を締結しており、安定的な事業資金の確保に取り組んでおります。今後も引き続き、金融機関からの借入を含む様々な資金調達を検討し、継続的な財務基盤の強化に努めてまいります。
⑥ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営戦略等及び(3)目標とする経営指標」に記載のとおりとなっております。当期の経営成績並びに研究開発活動の詳細につきましては「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」及び「第2 事業の状況 5研究開発活動 (2)研究開発活動」をご覧ください。

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