四半期報告書-第16期第3四半期(令和1年11月1日-令和2年1月31日)
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当社グループは米国Massachusetts Institute of Technology(マサチューセッツ工科大学、以下「MIT」という。)のShuguang Zhang博士の発明による自己組織化ペプチド技術を基にした医療製品の開発・製造・販売に引き続き注力しており、主に外科領域では吸収性局所止血材:TDM-621(以下「本止血材」という。)、粘膜隆起材:TDM-644(以下「粘膜隆起材」という。)、癒着防止材:TDM-651(以下「癒着防止材」という。)、再生医療領域では歯槽骨再建材:TDM-711(以下「歯槽骨再建材」という。)及び創傷治癒材:TDM-511(以下「創傷治癒材」という。)、ドラッグ・デリバリー・システム(以下「DDS」という。)領域ではsiRNA核酸医薬:TDM-812の開発を行うなど事業展開を進めてまいりました。
[研究開発の状況]
当社グループは、外科医療や再生医療の発展に寄与すべく、自己組織化ペプチド技術を外科領域では本止血材、粘膜隆起材、後出血予防材や癒着防止材等、再生医療領域では歯槽骨再建材及び創傷治癒材等、DDS領域ではsiRNA核酸医薬等のパイプラインへ応用し、製品化に向けた研究開発活動を行っております。
外科領域:
本止血材(TDM-621)
日本において内視鏡手術における漏出性出血に対する止血を対象として実施しておりました治験が、2019年7月に終了し、2019年10月に製造販売承認を独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という。)に提出しております。また、新医療機器の承認審査に関しての標準プロセス期間は、直近の公表で中央値が7.6ヶ月となっていることから、この期間を参考の目安として来期2021年4月期での承認取得を目指しております。
欧州では2014年にCEマークを取得しており、現在ヨーロッパ全域において販売中です。中枢神経分野など領域の拡大や、創傷治癒など機能の拡大等、今後も継続して複数の分野で適応拡大を進め、オンリーワンの製品となれるよう価値を一層高めていく方針です。
米国での開発は消化器内視鏡治療領域から開始し、510(k)のプロセスの活用を検討することで、来期2021年4月期中での承認申請を目指しております。また止血のみならず、創傷治癒や癒着削減などより高い付加価値がつけられる開発方針を模索しております。
粘膜隆起材(TDM-644)
日本において製品の優位性を高めるため、ペプチドに改良を加えた新たな配列で開発を進めております。開発方針につきPMDAと協議を重ねた結果、性能と安全性が既存製品と同等であることを非臨床試験で十分に検証できれば、臨床試験を必要としない改良医療機器としての申請が妥当との見解が得られております。これを受けて当社では、非臨床試験において必要な検証事項をクリアし、2020年4月期中に製造販売承認申請を提出する計画としております。
後出血予防材
欧州において内視鏡手術時に生じる後出血予防効果に関して、2018年12月に適応追加が承認されました。また、オーストラリアにおいても後出血予防効果に関して、2019年9月に適応追加が承認されました。術後に起こる後出血は再手術が必要となることから、患者及び医療機関双方の負担が大きく、強いニーズがあります。本適用追加により、本製品が内視鏡領域で獲得可能な市場は数倍に拡大する可能性があります。
次世代止血材(TDM-623)
欧州においてMITからライセンス供与を受けた自己組織化ペプチド技術をベースとした、本止血材と異なる新規ペプチド配列を用いた開発品です。本止血材より止血効果に優れ、ペプチド原材料価格のコスト低減等の優位性があることから、将来的に主力製品として市場に供給すべく開発を進めてまいります。製造管理・品質管理基準であるGMP(Good Manufacturing Practice)に則ったコマーシャルスケールの製造方法は既に確立しており、現在、最終製品を用いた前臨床試験を実施中です。早期に臨床試験に移行させるべく、臨床開発戦略の策定を進めております。
癒着防止材(TDM-651)
2019年4月に米国にて、耳鼻咽喉科領域において、米国食品医薬品局(以下「FDA」という。)より販売承認を受けております。当社グループの米国における初めての上市製品です。本製品は、癒着防止、止血、創傷治癒を同時に行える現状唯一の製品であることから、鼻甲介切除術や鼻中隔形成術などにおいて高い臨床的価値を提供でき得るものと期待しております。
再生医療領域:
歯槽骨再建材(TDM-711)
米国での臨床試験で15症例の施術・経過観察が完了し骨形成に良好な結果やデータを得ております。プロトコルに改善の余地があったため、2018年4月期に臨床試験を12症例追加で継続しております。
創傷治癒材(TDM-511)
2015年2月に米国FDAより承認を受け販売の許認可を取得しております。より高い臨床的価値が求められる重度の熱傷や、皮膚がんの分野への進出を目指して、他薬剤とのコンビネーション(抗生物質、抗がん剤等)も視野に入れて研究を進めております。また、巨大市場である美容形成分野にもアクセスすべく、2019年11月1日にFDAに適応拡大申請を提出し、2020年4月期中の承認取得及び来期2021年4月期の製造販売開始に向けて準備を進めております。
DDS領域:
国立がん研究センターとの「RPN2標的核酸医薬によるトリプルネガティブ乳がん治療」共同プロジェクトにおいて、自己組織化ペプチドA6KをsiRNA核酸医薬のDDSとして提供しておりました。当社は国立がん研究センターと共同でがん幹細胞に対する治療薬や診断方法の特許を取得しており、同分野や関連分野の共同研究/共同開発に向けた取り組みを進めております。
また、広島大学とは悪性胸膜中皮腫を対象疾患とする革新的抗腫瘍核酸医薬に界面活性剤ペプチドを提供し共同開発を進めており、岡山大学とはがん治療法・ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の新たな薬剤開発に関する共同開発を進めております。
[販売進捗の状況]
欧州における止血材に関しては、第3四半期連結累計期間の製品販売は281,811千円となり前期比128.8%増と大幅に拡大しました。
消化器内視鏡領域に関しては、2019年6月に欧州子会社とFUJIFILM Europe B.V.(以下「FUJIFILM」という。)との間で欧州全域における本止血材の独占販売契約を締結いたしました。2019年10月より、FUJIFILMによる販売が開始されており、現在のところ想定以上のペースで拡販が進んでおります。また2020年1月24日付で同社との本止血材の独占販売契約の対象範囲を中東諸国まで拡大することを合意しており、今後、販売に係る準備が整った国から順に同社の販売網を活用して、販売を開始していく予定です。
その他の領域である心臓血管外科領域や消化器外科領域については、引き続き候補先と契約締結に向け交渉を進めてまいります。
さらに、中東や東欧でも販売体制の見直しを実施し、今後の売上に寄与してまいります。
引き続き、ドイツ、英国を成長の柱としつつ、FUJIFILMとのパートナーシップを活かしてさらなる成長を目指してまいります。
オーストラリアでは、第3四半期連結累計期間の製品販売は218,257千円となり前期比241.8%増と大幅に拡大しました。今期に入り直販体制の営業力を強化したことが成果に結びついており、特に人口の多いオーストラリア東部での売上が急増しております。
また、現在の販売領域は主に耳鼻咽喉科ですが、今期はそれに加え内視鏡や腹腔鏡手術などの新たな領域での販売も見込めることから、オーストラリアにおける売上はさらに拡大するものと考えております。
米国では、2019年4月に耳鼻咽喉科領域の癒着防止材兼止血材「PuraSinus」の販売承認を受けました。米国内で
の本領域は約200億円の規模を有する市場であると想定されます。本領域はオーストラリアにおいて既に成功を収め
ている分野であるため、オーストラリアの事例にならい、直販で販売を開始し早期に一定の成果を挙げることを目指して販売体制の構築しております。今期中に複数の有力施設で使用実績を積み重ね、来期2021年4月期に売上拡大を達成すべく準備を進めております。
このような結果、第3四半期連結累計期間の業績については、本止血材の製品販売は欧州で281,811千円、アジア/オセアニアで220,705千円、中南米で4,342千円を計上し、事業収益506,859千円(前年同四半期連結累計期間比312,922千円増加)と前年同四半期連結累計期間の約2.6倍となり、ほぼ通期計画の通り推移しております。
また、費用面に関しても通期計画の範囲内で推移しており、その結果、経常損失2,037,908千円(前年同四半期連結累計期間は経常損失1,793,369千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失2,138,619千円(前年同四半期連結累計期間は親会社株主に帰属する四半期純損失1,896,019千円)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間における総資産は2,663,104千円(前連結会計年度末比1,429,522千円の減少)となりました。
流動資産につきましては、2,635,173千円(同1,431,623千円の減少)となりました。これは主に、現金及び預金の減少1,177,616千円及びたな卸資産の減少271,307千円によるものです。
固定資産につきましては、27,930千円(同2,100千円の増加)となりました。これは主に、投資その他の資産に含まれる敷金の増加2,828千円によるものです。
流動負債につきましては、896,769千円(同382,867千円の減少)となりました。これは主に、短期借入金の減少150,000千円、未払金の減少240,701千円によるものです。
固定負債につきましては、1,083,999千円(同215,990千円の減少)となりました。これは主に、転換社債型新株予約権付社債の減少216,665千円によるものです。
純資産につきましては、682,335千円(同830,664千円の減少)となりました。これは主に、資本金の増加564,990千円及び資本剰余金の増加564,982千円があるものの、親会社株主に帰属する四半期純損失による利益剰余金の減少2,138,619千円によるものです。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は592,231千円であり、主な研究開発活動として下記のとおり実施いたしました。
①外科領域
A 本止血材(TDM-621)
当社グループは、内視鏡的粘膜下層剥離術下の漏出性出血に対する止血効果等の有効性評価や安全性評価を含めた総合的判断を行うという治験計画を構築し、2017年4月に臨床試験を開始するための治験計画届を独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という。)に提出しました。今回の治験は消化器内視鏡治療の領域において、本止血材の有効性を従来の止血法と比較する試験です。本治験は2019年7月に終了し、2019年10月に製造販売承認申請を提出しております。
欧州では2014年にCEマークを取得しており、現在ヨーロッパ全域において販売中です。中枢神経分野など領域の拡大や、創傷治癒など機能の拡大など、今後も継続して複数の分野で適応拡大を進め、オンリーワンの製品となれるよう価値を一層高めていく方針です。
米国での開発は消化器内視鏡治療領域から開始し、510(k)のプロセスの活用を検討することで、来期2021年4月期中での承認申請を目指しております。また止血のみならず、創傷治癒や癒着削減などより高い付加価値がつけられる開発方針を模索しております。
B 粘膜隆起材(TDM-644)
日本において製品の優位性を高めるため、ペプチドに改良を加えた新たな配列で開発を進めております。開発方針につきPMDA協議を重ねた結果、性能と安全性が既存製品と同等であることを非臨床試験で十分に検証できれば、臨床試験を必要としない改良医療機器としての申請が妥当との見解が得られております。これを受けて当社では、非臨床試験において必要な検証事項をクリアし、2020年4月期中に製造販売承認申請を提出する計画としております。
C 後出血予防材
欧州において内視鏡手術時に生じる後出血予防効果に関して、2018年12月に適応追加が承認されました。また、オーストラリアにおいても後出血予防効果に関して、2019年9月に適応追加が承認されました。術後に起こる後出血は再手術が必要となることから、患者及び医療機関双方の負担が大きく、強いニーズがあります。本適用追加により、本製品が内視鏡領域で獲得可能な市場は数倍に拡大する可能性があります。
D 次世代止血材(TDM-623)
欧州においてMITからライセンス供与を受けた自己組織化ペプチド技術をベースとした、本止血材と異なる新規ペプチド配列を用いた開発品です。本止血材より止血効果に優れ、ペプチド原材料価格のコスト低減等の優位性があることから、将来的に主力製品として市場に供給すべく開発を進めてまいります。GMPによるコマーシャルスケールの製造方法は既に確立しており、現在、最終製品を用いた前臨床試験を実施中です。早期に臨床試験に移行させるべく、臨床開発戦略の策定を進めております。
E 癒着防止材(TDM-651)
2019年4月に米国にて、耳鼻咽喉科領域において、米国食品医薬品局(以下「FDA」という。)より販売承認を受けております。当社グループの米国における初めての上市製品です。本製品は、癒着防止、止血、創傷治癒を同時に行える現状唯一の製品であることから、鼻甲介切除術や鼻中隔形成術などにおいて高い臨床的価値を提供できうるものと期待しております。
②再生医療領域
A 歯槽骨再建材(TDM-711)
当社グループでは、自己組織化ペプチド技術を基礎技術とした再生医療領域における骨再建材の開発を進めております。米国での臨床試験で15症例の施術・経過観察が完了し骨形成に良好な結果やデータを得ております。プロトコルに改善の余地があったため、2018年4月期に臨床試験を12症例追加で継続しております。
B 創傷治癒材(TDM-511)
当社グループは、自己組織化ペプチド技術を基礎技術とした再生医療領域における皮膚再建材の開発を進めております。2015年2月に米国FDAより承認を受け販売の許認可を取得しております。より高い臨床的価値が求められる重度の熱傷や、皮膚がんの分野への進出を目指して、他薬剤とのコンビネーション(抗生物質、抗がん剤、等)も視野に入れて研究を進めております。また、巨大市場である美容形成分野にもアクセスすべく、2019年11月1日にFDAに適応拡大申請を提出し、2020年4月期中の承認取得及び来期2021年4月期の製造販売開始に向けて準備を進めております。
③DDS領域
当社は国立がん研究センターとの「RPN2標的核酸医薬によるトリプルネガティブ乳がん治療」共同プロジェクトにおいて自己組織化ペプチドA6KをsiRNA核酸医薬のDDSとして提供しておりました。当社は国立がん研究センターと共同でがん幹細胞に対する治療薬や診断方法の特許を取得しており、同分野や関連分野の共同研究/共同開発に向けた取り組みを進めております。
また、広島大学とは悪性胸膜中皮腫を対象疾患とする革新的抗腫瘍核酸医薬に界面活性剤ペプチドを提供し共同開発を進めており、岡山大学とはがん治療法・ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の新たな薬剤開発に関する共同開発を進めております。
<用語解説>(50音順、アルファベット)
*自己組織化ペプチド
生理的条件下(中性pH、塩の存在)に置くと、ペプチド分子同士が規則的に集合し、ナノファイバーを形成するペプチド群。
*510(k)
既存の医療機器と同等の機能を有する医療機器の登録制度。
*DDS
必要な薬物を必要な部位で必要な長さの時間、作用させるための薬物送達システム(工夫や技術)。Drug Delivery Systemの略称。
(6) 事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・検討内容及び当該重要事象等を解消し、又は改善するた
めの対応策
「1 事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループは研究開発費用が先行して計上されることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在していると認識しております。
今後、当社グループは当該状況をいち早く解消し経営基盤の安定化を実現するために、以下の改善策に取り組んでまいります。
事業収益の確保に向け当社グループは、当社製品である吸収性局所止血材について欧州では2019年6月に欧州全域をカバーする販売提携を実施しております。また、吸収性局所止血材と粘膜隆起材に関しては、国内において販売権許諾契約を締結済であり、製造販売承認の取得に伴いマイルストーンペイメントの獲得が見込めるため、さらなる開発進展に取り組んでまいります。さらに、欧州で吸収性局所止血材や次世代止血材、米国で癒着防止材等の各パイプラインの販売許諾権やライセンス付与を進め、製品の原価低減に努めるとともに、研究開発に関してはグループ間で基礎研究の共有や効率化を推進し、一般管理費においても業務効率化による諸経費の削減等にも注力することで費用を圧縮し、収益構造の改善に努めてまいります。
また、当社グループの研究開発及び事業運営を進めるための十分な資金確保に向けて、2019年3月に米国においてバイオ業界への投資に多くの実績を有する投資ファンドのハイツ・キャピタル・マネジメント・インク(以下「ハイツ」という。)に対し第三者割当による第1回無担保転換社債型新株予約権付社債を発行し、2019年4月に1,299百万円を調達しております。
さらに、第20回新株予約権(行使価額修正条項付)及び第21回新株予約権も発行し資金調達を実行し、その内第20回新株予約権の全数の行使が2019年8月16日に完了し、779百万円を調達しております。
また2019年12月にハイツとの間で第1回無担保転換社債型新株予約権付社債及び第21回新株予約権の発行要領を修正し、新たにハイツ向けに第23回新株予約権を発行することで、2020年3月5日までに669百万円を調達しており、今後も順調に行使されるものと見込んでおります。
しかしながら、今後の新株予約権の行使に関しては株価下落などにより当初想定した資金調達が確保できないリスクもあります。そのため、当該リスクに備えるためにも新たな資金調達手段の検討を進めております。
(1) 経営成績の状況
当社グループは米国Massachusetts Institute of Technology(マサチューセッツ工科大学、以下「MIT」という。)のShuguang Zhang博士の発明による自己組織化ペプチド技術を基にした医療製品の開発・製造・販売に引き続き注力しており、主に外科領域では吸収性局所止血材:TDM-621(以下「本止血材」という。)、粘膜隆起材:TDM-644(以下「粘膜隆起材」という。)、癒着防止材:TDM-651(以下「癒着防止材」という。)、再生医療領域では歯槽骨再建材:TDM-711(以下「歯槽骨再建材」という。)及び創傷治癒材:TDM-511(以下「創傷治癒材」という。)、ドラッグ・デリバリー・システム(以下「DDS」という。)領域ではsiRNA核酸医薬:TDM-812の開発を行うなど事業展開を進めてまいりました。
[研究開発の状況]
当社グループは、外科医療や再生医療の発展に寄与すべく、自己組織化ペプチド技術を外科領域では本止血材、粘膜隆起材、後出血予防材や癒着防止材等、再生医療領域では歯槽骨再建材及び創傷治癒材等、DDS領域ではsiRNA核酸医薬等のパイプラインへ応用し、製品化に向けた研究開発活動を行っております。
外科領域:
本止血材(TDM-621)
日本において内視鏡手術における漏出性出血に対する止血を対象として実施しておりました治験が、2019年7月に終了し、2019年10月に製造販売承認を独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という。)に提出しております。また、新医療機器の承認審査に関しての標準プロセス期間は、直近の公表で中央値が7.6ヶ月となっていることから、この期間を参考の目安として来期2021年4月期での承認取得を目指しております。
欧州では2014年にCEマークを取得しており、現在ヨーロッパ全域において販売中です。中枢神経分野など領域の拡大や、創傷治癒など機能の拡大等、今後も継続して複数の分野で適応拡大を進め、オンリーワンの製品となれるよう価値を一層高めていく方針です。
米国での開発は消化器内視鏡治療領域から開始し、510(k)のプロセスの活用を検討することで、来期2021年4月期中での承認申請を目指しております。また止血のみならず、創傷治癒や癒着削減などより高い付加価値がつけられる開発方針を模索しております。
粘膜隆起材(TDM-644)
日本において製品の優位性を高めるため、ペプチドに改良を加えた新たな配列で開発を進めております。開発方針につきPMDAと協議を重ねた結果、性能と安全性が既存製品と同等であることを非臨床試験で十分に検証できれば、臨床試験を必要としない改良医療機器としての申請が妥当との見解が得られております。これを受けて当社では、非臨床試験において必要な検証事項をクリアし、2020年4月期中に製造販売承認申請を提出する計画としております。
後出血予防材
欧州において内視鏡手術時に生じる後出血予防効果に関して、2018年12月に適応追加が承認されました。また、オーストラリアにおいても後出血予防効果に関して、2019年9月に適応追加が承認されました。術後に起こる後出血は再手術が必要となることから、患者及び医療機関双方の負担が大きく、強いニーズがあります。本適用追加により、本製品が内視鏡領域で獲得可能な市場は数倍に拡大する可能性があります。
次世代止血材(TDM-623)
欧州においてMITからライセンス供与を受けた自己組織化ペプチド技術をベースとした、本止血材と異なる新規ペプチド配列を用いた開発品です。本止血材より止血効果に優れ、ペプチド原材料価格のコスト低減等の優位性があることから、将来的に主力製品として市場に供給すべく開発を進めてまいります。製造管理・品質管理基準であるGMP(Good Manufacturing Practice)に則ったコマーシャルスケールの製造方法は既に確立しており、現在、最終製品を用いた前臨床試験を実施中です。早期に臨床試験に移行させるべく、臨床開発戦略の策定を進めております。
癒着防止材(TDM-651)
2019年4月に米国にて、耳鼻咽喉科領域において、米国食品医薬品局(以下「FDA」という。)より販売承認を受けております。当社グループの米国における初めての上市製品です。本製品は、癒着防止、止血、創傷治癒を同時に行える現状唯一の製品であることから、鼻甲介切除術や鼻中隔形成術などにおいて高い臨床的価値を提供でき得るものと期待しております。
再生医療領域:
歯槽骨再建材(TDM-711)
米国での臨床試験で15症例の施術・経過観察が完了し骨形成に良好な結果やデータを得ております。プロトコルに改善の余地があったため、2018年4月期に臨床試験を12症例追加で継続しております。
創傷治癒材(TDM-511)
2015年2月に米国FDAより承認を受け販売の許認可を取得しております。より高い臨床的価値が求められる重度の熱傷や、皮膚がんの分野への進出を目指して、他薬剤とのコンビネーション(抗生物質、抗がん剤等)も視野に入れて研究を進めております。また、巨大市場である美容形成分野にもアクセスすべく、2019年11月1日にFDAに適応拡大申請を提出し、2020年4月期中の承認取得及び来期2021年4月期の製造販売開始に向けて準備を進めております。
DDS領域:
国立がん研究センターとの「RPN2標的核酸医薬によるトリプルネガティブ乳がん治療」共同プロジェクトにおいて、自己組織化ペプチドA6KをsiRNA核酸医薬のDDSとして提供しておりました。当社は国立がん研究センターと共同でがん幹細胞に対する治療薬や診断方法の特許を取得しており、同分野や関連分野の共同研究/共同開発に向けた取り組みを進めております。
また、広島大学とは悪性胸膜中皮腫を対象疾患とする革新的抗腫瘍核酸医薬に界面活性剤ペプチドを提供し共同開発を進めており、岡山大学とはがん治療法・ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の新たな薬剤開発に関する共同開発を進めております。
[販売進捗の状況]
欧州における止血材に関しては、第3四半期連結累計期間の製品販売は281,811千円となり前期比128.8%増と大幅に拡大しました。
消化器内視鏡領域に関しては、2019年6月に欧州子会社とFUJIFILM Europe B.V.(以下「FUJIFILM」という。)との間で欧州全域における本止血材の独占販売契約を締結いたしました。2019年10月より、FUJIFILMによる販売が開始されており、現在のところ想定以上のペースで拡販が進んでおります。また2020年1月24日付で同社との本止血材の独占販売契約の対象範囲を中東諸国まで拡大することを合意しており、今後、販売に係る準備が整った国から順に同社の販売網を活用して、販売を開始していく予定です。
その他の領域である心臓血管外科領域や消化器外科領域については、引き続き候補先と契約締結に向け交渉を進めてまいります。
さらに、中東や東欧でも販売体制の見直しを実施し、今後の売上に寄与してまいります。
引き続き、ドイツ、英国を成長の柱としつつ、FUJIFILMとのパートナーシップを活かしてさらなる成長を目指してまいります。
オーストラリアでは、第3四半期連結累計期間の製品販売は218,257千円となり前期比241.8%増と大幅に拡大しました。今期に入り直販体制の営業力を強化したことが成果に結びついており、特に人口の多いオーストラリア東部での売上が急増しております。
また、現在の販売領域は主に耳鼻咽喉科ですが、今期はそれに加え内視鏡や腹腔鏡手術などの新たな領域での販売も見込めることから、オーストラリアにおける売上はさらに拡大するものと考えております。
米国では、2019年4月に耳鼻咽喉科領域の癒着防止材兼止血材「PuraSinus」の販売承認を受けました。米国内で
の本領域は約200億円の規模を有する市場であると想定されます。本領域はオーストラリアにおいて既に成功を収め
ている分野であるため、オーストラリアの事例にならい、直販で販売を開始し早期に一定の成果を挙げることを目指して販売体制の構築しております。今期中に複数の有力施設で使用実績を積み重ね、来期2021年4月期に売上拡大を達成すべく準備を進めております。
このような結果、第3四半期連結累計期間の業績については、本止血材の製品販売は欧州で281,811千円、アジア/オセアニアで220,705千円、中南米で4,342千円を計上し、事業収益506,859千円(前年同四半期連結累計期間比312,922千円増加)と前年同四半期連結累計期間の約2.6倍となり、ほぼ通期計画の通り推移しております。
また、費用面に関しても通期計画の範囲内で推移しており、その結果、経常損失2,037,908千円(前年同四半期連結累計期間は経常損失1,793,369千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失2,138,619千円(前年同四半期連結累計期間は親会社株主に帰属する四半期純損失1,896,019千円)となりました。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間における総資産は2,663,104千円(前連結会計年度末比1,429,522千円の減少)となりました。
流動資産につきましては、2,635,173千円(同1,431,623千円の減少)となりました。これは主に、現金及び預金の減少1,177,616千円及びたな卸資産の減少271,307千円によるものです。
固定資産につきましては、27,930千円(同2,100千円の増加)となりました。これは主に、投資その他の資産に含まれる敷金の増加2,828千円によるものです。
流動負債につきましては、896,769千円(同382,867千円の減少)となりました。これは主に、短期借入金の減少150,000千円、未払金の減少240,701千円によるものです。
固定負債につきましては、1,083,999千円(同215,990千円の減少)となりました。これは主に、転換社債型新株予約権付社債の減少216,665千円によるものです。
純資産につきましては、682,335千円(同830,664千円の減少)となりました。これは主に、資本金の増加564,990千円及び資本剰余金の増加564,982千円があるものの、親会社株主に帰属する四半期純損失による利益剰余金の減少2,138,619千円によるものです。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は592,231千円であり、主な研究開発活動として下記のとおり実施いたしました。
①外科領域
A 本止血材(TDM-621)
当社グループは、内視鏡的粘膜下層剥離術下の漏出性出血に対する止血効果等の有効性評価や安全性評価を含めた総合的判断を行うという治験計画を構築し、2017年4月に臨床試験を開始するための治験計画届を独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という。)に提出しました。今回の治験は消化器内視鏡治療の領域において、本止血材の有効性を従来の止血法と比較する試験です。本治験は2019年7月に終了し、2019年10月に製造販売承認申請を提出しております。
欧州では2014年にCEマークを取得しており、現在ヨーロッパ全域において販売中です。中枢神経分野など領域の拡大や、創傷治癒など機能の拡大など、今後も継続して複数の分野で適応拡大を進め、オンリーワンの製品となれるよう価値を一層高めていく方針です。
米国での開発は消化器内視鏡治療領域から開始し、510(k)のプロセスの活用を検討することで、来期2021年4月期中での承認申請を目指しております。また止血のみならず、創傷治癒や癒着削減などより高い付加価値がつけられる開発方針を模索しております。
B 粘膜隆起材(TDM-644)
日本において製品の優位性を高めるため、ペプチドに改良を加えた新たな配列で開発を進めております。開発方針につきPMDA協議を重ねた結果、性能と安全性が既存製品と同等であることを非臨床試験で十分に検証できれば、臨床試験を必要としない改良医療機器としての申請が妥当との見解が得られております。これを受けて当社では、非臨床試験において必要な検証事項をクリアし、2020年4月期中に製造販売承認申請を提出する計画としております。
C 後出血予防材
欧州において内視鏡手術時に生じる後出血予防効果に関して、2018年12月に適応追加が承認されました。また、オーストラリアにおいても後出血予防効果に関して、2019年9月に適応追加が承認されました。術後に起こる後出血は再手術が必要となることから、患者及び医療機関双方の負担が大きく、強いニーズがあります。本適用追加により、本製品が内視鏡領域で獲得可能な市場は数倍に拡大する可能性があります。
D 次世代止血材(TDM-623)
欧州においてMITからライセンス供与を受けた自己組織化ペプチド技術をベースとした、本止血材と異なる新規ペプチド配列を用いた開発品です。本止血材より止血効果に優れ、ペプチド原材料価格のコスト低減等の優位性があることから、将来的に主力製品として市場に供給すべく開発を進めてまいります。GMPによるコマーシャルスケールの製造方法は既に確立しており、現在、最終製品を用いた前臨床試験を実施中です。早期に臨床試験に移行させるべく、臨床開発戦略の策定を進めております。
E 癒着防止材(TDM-651)
2019年4月に米国にて、耳鼻咽喉科領域において、米国食品医薬品局(以下「FDA」という。)より販売承認を受けております。当社グループの米国における初めての上市製品です。本製品は、癒着防止、止血、創傷治癒を同時に行える現状唯一の製品であることから、鼻甲介切除術や鼻中隔形成術などにおいて高い臨床的価値を提供できうるものと期待しております。
②再生医療領域
A 歯槽骨再建材(TDM-711)
当社グループでは、自己組織化ペプチド技術を基礎技術とした再生医療領域における骨再建材の開発を進めております。米国での臨床試験で15症例の施術・経過観察が完了し骨形成に良好な結果やデータを得ております。プロトコルに改善の余地があったため、2018年4月期に臨床試験を12症例追加で継続しております。
B 創傷治癒材(TDM-511)
当社グループは、自己組織化ペプチド技術を基礎技術とした再生医療領域における皮膚再建材の開発を進めております。2015年2月に米国FDAより承認を受け販売の許認可を取得しております。より高い臨床的価値が求められる重度の熱傷や、皮膚がんの分野への進出を目指して、他薬剤とのコンビネーション(抗生物質、抗がん剤、等)も視野に入れて研究を進めております。また、巨大市場である美容形成分野にもアクセスすべく、2019年11月1日にFDAに適応拡大申請を提出し、2020年4月期中の承認取得及び来期2021年4月期の製造販売開始に向けて準備を進めております。
③DDS領域
当社は国立がん研究センターとの「RPN2標的核酸医薬によるトリプルネガティブ乳がん治療」共同プロジェクトにおいて自己組織化ペプチドA6KをsiRNA核酸医薬のDDSとして提供しておりました。当社は国立がん研究センターと共同でがん幹細胞に対する治療薬や診断方法の特許を取得しており、同分野や関連分野の共同研究/共同開発に向けた取り組みを進めております。
また、広島大学とは悪性胸膜中皮腫を対象疾患とする革新的抗腫瘍核酸医薬に界面活性剤ペプチドを提供し共同開発を進めており、岡山大学とはがん治療法・ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の新たな薬剤開発に関する共同開発を進めております。
<用語解説>(50音順、アルファベット)
*自己組織化ペプチド
生理的条件下(中性pH、塩の存在)に置くと、ペプチド分子同士が規則的に集合し、ナノファイバーを形成するペプチド群。
*510(k)
既存の医療機器と同等の機能を有する医療機器の登録制度。
*DDS
必要な薬物を必要な部位で必要な長さの時間、作用させるための薬物送達システム(工夫や技術)。Drug Delivery Systemの略称。
(6) 事業等のリスクに記載した重要事象等についての分析・検討内容及び当該重要事象等を解消し、又は改善するた
めの対応策
「1 事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループは研究開発費用が先行して計上されることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在していると認識しております。
今後、当社グループは当該状況をいち早く解消し経営基盤の安定化を実現するために、以下の改善策に取り組んでまいります。
事業収益の確保に向け当社グループは、当社製品である吸収性局所止血材について欧州では2019年6月に欧州全域をカバーする販売提携を実施しております。また、吸収性局所止血材と粘膜隆起材に関しては、国内において販売権許諾契約を締結済であり、製造販売承認の取得に伴いマイルストーンペイメントの獲得が見込めるため、さらなる開発進展に取り組んでまいります。さらに、欧州で吸収性局所止血材や次世代止血材、米国で癒着防止材等の各パイプラインの販売許諾権やライセンス付与を進め、製品の原価低減に努めるとともに、研究開発に関してはグループ間で基礎研究の共有や効率化を推進し、一般管理費においても業務効率化による諸経費の削減等にも注力することで費用を圧縮し、収益構造の改善に努めてまいります。
また、当社グループの研究開発及び事業運営を進めるための十分な資金確保に向けて、2019年3月に米国においてバイオ業界への投資に多くの実績を有する投資ファンドのハイツ・キャピタル・マネジメント・インク(以下「ハイツ」という。)に対し第三者割当による第1回無担保転換社債型新株予約権付社債を発行し、2019年4月に1,299百万円を調達しております。
さらに、第20回新株予約権(行使価額修正条項付)及び第21回新株予約権も発行し資金調達を実行し、その内第20回新株予約権の全数の行使が2019年8月16日に完了し、779百万円を調達しております。
また2019年12月にハイツとの間で第1回無担保転換社債型新株予約権付社債及び第21回新株予約権の発行要領を修正し、新たにハイツ向けに第23回新株予約権を発行することで、2020年3月5日までに669百万円を調達しており、今後も順調に行使されるものと見込んでおります。
しかしながら、今後の新株予約権の行使に関しては株価下落などにより当初想定した資金調達が確保できないリスクもあります。そのため、当該リスクに備えるためにも新たな資金調達手段の検討を進めております。