四半期報告書-第15期第2四半期(平成30年8月1日-平成30年10月31日)
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当社グループは主要技術である自己組織化ペプチド技術による医療製品の開発に引き続き注力しております。主に外科領域では吸収性局所止血材:TDM-621(以下「本止血材」という。)、粘膜隆起材:TDM-641(以下「粘膜隆起材」という。)、癒着防止材:TDM-651(以下「癒着防止材」という。)を開発しており、再生医療領域では歯槽骨再建材:TDM-711(以下「歯槽骨再建材」という。)および創傷治癒材:TDM-511(以下「創傷治癒材」という。)、ドラッグ・デリバリー・システム領域ではsiRNA核酸医薬:TDM-812(以下「核酸医薬」という。)の開発を行うなど事業展開を進めてまいりました。
[研究開発の状況]
日本:
本止血材
内視鏡的粘膜下層剥離術下の漏出性出血に対する止血効果等の有効性評価や安全性評価を含めた総合的判断を行うという治験計画を構築し、2017年4月11日に臨床試験を開始するための治験計画届を独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という。)に提出しました。今回の治験は消化器内視鏡治療の領域において、本止血材の有効性を従来の止血法と比較する試験であり、2017年8月に開始しております。現在、複数の治験施設で治験を進めており、2019年4月期中に治験終了を予定、製造販売承認申請をターゲットとすることに変更ありません。
粘膜隆起材
2014年12月11日に国内での臨床試験を開始し、有効性をより明確にできる試験方法や製材の検討を実施するために、2015年2月16日に自主的に臨床試験を一時中断しております。その後、製品の優位性の検討を進める中、ペプチドに改良を加え一定程度の結果や成果が得られました。新たなペプチド製材を用いた臨床試験の開始に向け、PMDAと協議を開始しました。2019年4月期中に治験プロトコルを策定し、2020年4月期に臨床試験を開始するべく研究開発を進めてまいります。
DDS(ドラッグ・デリバリー・システム)
国立がん研究センターとの「RPN2標的核酸医薬によるトリプルネガティブ乳がん治療」共同プロジェクトにおいて自己組織化ペプチドA6KをsiRNA核酸医薬のDDS(ドラッグ・デリバリー・システム)として提供しておりました。当社は国立がん研究センターと共同でがん幹細胞に対する治療薬や診断方法の特許を取得しており、同分野や関連分野の共同研究/共同開発に向けた取り組みを進めております。
また共同プロジェクトも進めており、広島大学とは悪性胸膜中皮腫を対象疾患とする革新的抗腫瘍核酸医薬に界面活性剤ペプチドを提供するなど共同開発を進めており、岡山大学とはがん治療法・ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の新たな薬剤開発に関する共同研究契約を締結しております。
欧州:
後出血予防材
内視鏡手術時に生じる後出血予防効果に関して、2017年12月に欧州の認証機関にCEマーキング適応追加申請を実施しております。その後、認証機関との審査対応を実施しておりましたが、2018年12月10日に適応追加が承認された旨の連絡を受けております。認証取得後は製品上市を行い、本止血材の販売チャネルを活用したクロスセルを実施し、相乗効果を最大限に発揮できるよう計画しております。
次世代止血材
本止血材と異なる新規ペプチド配列を用いた開発品です。MITからライセンス供与を受けた自己組織化ペプチド技術をベースとした開発品であり、製品プロダクト化も概ね終了しており、早期に臨床試験に移行させる予定です。本止血材より止血効果に優れ、ペプチド原材料価格のコスト低減等の優位性があることから、将来的に次世代止血材を主力製品として市場に供給すべく開発を進めてまいります。
米国:
癒着防止材
米国食品医薬品局(以下「FDA」という。)と協議を実施しておりましたが、耳鼻咽喉科領域において市販前届510(K)での審査プロセスとなることをFDAと合意に至りました。適応範囲は鼻内手術における癒着防止や微出血のコントロールで必要となる試験を実施し、2018年10月30日にFDAに対して医療機器(クラスⅡ)での販売を目的とした承認申請を提出いたしました。癒着防止、止血、創傷治癒を目的とし、主に鼻甲介切除術や鼻中隔形成術などへの適用を予定しております。
本止血材
FDAと引き続き臨床試験開始に向けたプロトコルの構築に向け協議を実施しており、2019年4月期中に癒着防止材の申請後、2020年4月期中での臨床試験開始をターゲットに開発を進めてまいります。
歯槽骨再建材
米国での臨床試験で15症例の施術・経過観察が完了し骨形成に良好な結果やデータを得たことから、FDA承認の後、2017年4月期第1四半期より次のフェーズでの臨床試験を開始しております。骨形成を確認するため経過観察に時間を要することから、臨床試験を継続しており、今後も製品化に向けた開発を進めてまいります。
創傷治癒材
2014年10月23日に医療機器の審査プロセスの1つである市販前届510(k)を米国FDAに申請し、2015年2月16日に米国FDAより承認を受け販売の許認可を取得しております。他薬剤とのコンビネーション(抗生物質・抗がん剤・ヒアルロン酸等との混合投与)による治療効果の増大に向け、熱傷治療、皮膚がん治療を中心に美容整形分野等で研究を進め、付加価値の高い製品化に向けて取組んでおります。
[販売進捗の状況]
欧州:2014年1月14日にCEマーキング指令適合を受けた後、事業収益化に向けてドイツ、フランス、英国等の主要国を含めたヨーロッパ全域で、有力医療施設をターゲットに代理店(各国別で販売に特化した販売代理店)を通じた製品販売を開始しており、第2四半期累計の製品販売は74百万円と前期比132%と拡大しております。
第2四半期は前期比では伸長したものの、計画比ではやや下回る進捗となりました。しかしながら、主要国の1つであるドイツでの販売は大手医療機器メーカーのWERFENグループ(ドイツでの代理店はニコライ社)により販売が拡大しており、フランスや英国でも拡販の準備が整ってきていることから、2019年4月期末に向けて販売に寄与するものと想定しております。
また欧州全域への製品販売を目的とした包括的販売提携につき販売パートナー候補先(対象全域に販売網、プロモーション機能を有する企業)との協議につき、段階的に進展をしております。2019年4月期中での契約締結に向けて、引き続き取り組んでまいります。
アジア、オセアニア:CEマーキング採用地域であり、各国で医療機器としての製品登録申請や製品販売に向けた活動に取り組んでおります。主要市場であるオーストラリアでは、大手医療機器のゲティンゲグループを通じた製品販売をしており、第2四半期累計の製品販売は41百万円と前期比89%となりましたが、シドニーやメルボルンの医療機関での使用実績は6ヶ月連続で伸びるなど堅調に推移し、計画比では上回る進捗となっております。しかしながら、2018年10月にゲティンゲグループのバイオサージェリー部門が中国ヘルスケア企業に売却されたことにより、ゲティンゲグループとの販売代理契約は終了する見込みとなり、今後は自社で販売していく予定です。今後、変更に伴い短期間には影響が生じる可能性もありますが、自社販売となることで売上額が2倍以上となり利益率も大幅に向上します。第3四半期まではゲティンゲグループで販売継続することや、医療機関で内視鏡領域を中心に耳鼻咽喉科、腹腔鏡領域など新しい領域での採用も拡大しているため、販売計画に変更はありません。
また韓国での販売承認取得に向けDaewoong Pharmaceutical Co., Ltd. による当局との審査対応が継続しており、当社も審査対応のサポートを実施するなど、2019年4月期での承認取得に向け協働してまいります。
中南米:CEマーキング採用地域であり、各国で医療機器としての製品登録申請や製品販売に向けた活動を進めております。主要市場であるブラジル、メキシコ、チリでは、現地の販売代理店を通じた販売活動を行っており、第2四半期累計の製品販売は1百万円となりました。2019年4月期にはアルゼンチンでも販売開始されるなど販売拡大に向けて取組んでまいります。
このような結果、第2四半期連結累計期間の業績については、本止血材の製品販売116,710千円(欧州:74,528千円、アジア、オセアニア:41,120千円、中南米:1,061千円)、研究試薬販売3,313千円を計上し、事業収益120,023千円(前年同四半期比14,832千円増加)となり、通期計画に対して想定内で推移しております。また費用面に関しても通期計画の範囲内で推移しており、その結果、経常損失1,161,247千円(前年同四半期は経常損失724,281千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失1,230,330千円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失776,621千円)となりました。
なお、当社グループの事業は単一セグメント(医療製品事業)であるため、セグメントごとの記載はしておりません。
(2) 財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間における総資産は3,146,061千円(前連結会計年度末比10,330千円の増加)となりました。
流動資産につきましては、3,123,344千円(同12,579千円の増加)となりました。これは主に、たな卸資産の減少76,745千円及びその他の減少76,963千円がある一方、現金及び預金の増加188,541千円によるものです。
固定資産につきましては、22,716千円(同2,249千円の減少)となりました。これは主に、投資その他の資産に含まれる保証金の減少3,749千円によるものです。
負債につきましては、1,074,609千円(同140,757千円の増加)となりました。これは主に、短期借入金の増加100,000千円及び未払金の増加49,668千円によるものです。
純資産の部につきましては、2,071,452千円(同130,426千円の減少)となりました。これは主に、資本金の増加522,566千円及び資本剰余金の増加522,566千円がある一方、親会社株主に帰属する四半期純損失による利益剰余金の減少1,230,330千円によるものです。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ188,541千円増加し、1,351,031千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動の結果、減少した資金は907,390千円(前年同四半期は1,025,735千円の資金の減少)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純損失1,229,725千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動の結果、減少した資金は49,942千円(前年同四半期は40,155千円の資金の減少)となりました。これは主に、長期前払費用の取得による支出39,384千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動の結果、増加した資金は1,147,957千円(前年同四半期は632,522千円の資金の増加)となりました。これは主に、株式の発行による収入1,032,922千円によるものであります。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。
(6) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は407,534千円であり、主な研究開発活動として下記のとおり実施いたしました。
①外科領域
A 吸収性局所止血材(TDM-621)
当社グループは、自己組織化ペプチド技術を基礎技術とした外科医療における吸収性局所止血材の世界展開に向け開発を進めております。2014年1月に欧州子会社がCEマーキングの指令適合について第三者認証機関からの認証を取得しました。これにより、EU加盟国での製品販売を開始しております。
このCEマーキングの認証は欧州だけでなくアジア、オセアニア、南米等グローバルに広く採用されており、同認証を用いて製品登録承認を取得することにより製品販売が可能となります。既にアジア、オセアニアではシンガポール、インドネシア、タイ、オーストラリアで登録承認を取得し、南米ではブラジル、メキシコ、コロンビアで登録承認を取得しております。
日本、米国、中国は製品販売に向けて各国内での臨床試験と製造販売承認取得が必要であり、各国での当局対応や試験開始に向け準備を進めております。日本においてはPMDAとの間で再度の臨床試験開始に向けた協議を継続しておりましたが、内視鏡的粘膜下層剥離術下の漏出性出血に対する止血効果等の有効性評価や安全性評価を含めた総合的判断を行うという治験計画を構築し、2017年4月に治験計画届をPMDAに提出、2017年8月より治験を開始しております。また米国においては、臨床試験の開始に向けた米国FDAとプロトコルの協議を実施しております。
B 粘膜隆起材(TDM-641)・血管閉塞材(TDM-631)
当社グループは、TDM-621に続く外科領域のパイプラインとして、主にTDM-641の製品化に向けた研究開発を進めております。日本での臨床試験を開始いたしましたが、2015年2月に自主的に臨床試験を一時中断しております。その後、製品の優位性の検討を進める中、ペプチドに改良を加え一定程度の結果や成果が得られました。また新たなペプチド製材を用いた臨床試験の開始に向け、PMDAと協議を開始いたしました。早期の臨床試験開始に向けて研究試験を進めてまいります。
C 後出血予防材
内視鏡手術時に生じる後出血予防効果に関して、2017年12月に欧州の認証機関にCEマーキング適応追加申請を実施しております。その後、認証機関との審査対応を実施しておりましたが、2018年12月10日に適応追加の承認の連絡を受けました。認証取得後は製品上市を行い、止血材の販売チャネルを活用したクロスセルを実施し、相乗効果を最大限発揮できるよう計画しております。
D 次世代止血材(TDM-623)
本止血材と異なる新規ペプチド配列を用いた開発品です。最終製品の製造バリデーションが概ね終了し、最終製品を用いた前臨床試験を実施中です。投資効果の最も高くなる臨床試験を検討中であり、方針決定後、速やかに臨床試験を開始する予定です。本止血材より止血効果に優れ、原価も大きく削減できる見込みであることから、将来的に次世代止血材を主力製品として市場に供給すべく開発を進めてまいります。
E 癒着防止材(TDM-651)
米国FDAと協議を実施しておりましたが、耳鼻咽喉科領域において市販前届510(K)での申請が可能であることが確認できております。必要となる動物実験を実施し、2018年10月30日にFDAに対して医療機器(クラスⅡ)での販売を目的とした承認申請を提出いたしました。癒着防止、止血、創傷治癒を目的とし、主に鼻甲介切除術や鼻中隔形成術などへの適用を予定しております。
②再生医療領域
A 歯槽骨再建材(TDM-711)
当社グループでは、自己組織化ペプチド技術を基礎技術とした再生医療領域における骨再建材の開発を進めております。TDM-711は米国子会社で開発・製品化を目指しており、2011年7月に米国FDAからIDEの承認を取得したことに続き、2012年2月に米国ハーバード大学の医学部・歯学部の付属研究所であるフォーサイス・インスティテュート(Forsyth Institute)において臨床試験を開始いたしました。プロトコルに規定した15症例の施術が完了し骨形成に良好な結果やデータを得たことから、米国FDA承認後、次のフェーズでの臨床試験を実施しております。
B 創傷治癒材(TDM-511)
当社グループは、自己組織化ペプチド技術を基礎技術とした再生医療領域における皮膚再建材の開発を進めております。TDM-511は米国子会社で開発・製品化を目指しており、2014年10月に医療機器として市販前届510(k)を米国FDAに申請し、2015年2月に販売承認を得ました。TDM-511は、皮膚(表皮、表皮・真皮)からの出血を迅速に止血する局所止血材、皮膚の創傷部の再生環境を整え創傷治癒を促す創傷治癒材としての活用に加え、他薬剤とのコンビネーションによる治療効果の増大が期待できることから、熱傷治療、皮膚がん治療、美容整形分野での研究開発を進めております。
③DDS領域
当社は界面活性ペプチド(A6K)を用い国立がん研究センターと新規癌治療技術の開発に向けて共同研究を行っており、癌細胞への徐放技術の確立に向け前臨床試験を実施するなど、乳がん治療に向けたsiRNA核酸医薬のDDS(ドラッグ・デリバリー・システム)を共同開発しております。主に国立がん研究センターとの「RPN2標的核酸医薬によるトリプルネガティブ乳がん治療」共同プロジェクトを実施しており、当社は自己組織化ペプチドA6KをsiRNA核酸医薬のDDS(ドラッグ・デリバリー・システム)として提供しておりました。2016年4月期より国立がん研究センター、同研究所と共同開発した新規siRNA核酸製剤「TDM-812(RPN2siRNA/A6K複合体)」を用いた国立がん研究センターによる医師主導治験が開始され、2018年4月期に第Ⅰ相医師主導治験が終了いたしました。本治験の内容は治療抵抗性の乳がんで体表から触知できる局所腫瘤(かたまり)を有する患者さんを対象とした、世界で初めて人へ投与するファースト・イン・ヒューマンの治験であります。
<用語解説>(50音順、アルファベット)
*自己組織化ペプチド
生理的条件下(中性pH、塩の存在)に置くと、ペプチド分子同士が規則的に集合し、ナノファイバーを形成するペプチド群。
*510(k)
既存の医療機器と同等の機能を有する医療機器の登録制度。
*DDS
必要な薬物を必要な部位で必要な長さの時間、作用させるための薬物送達システム(工夫や技術)。Drug Delivery Systemの略称。
(1) 経営成績の状況
当社グループは主要技術である自己組織化ペプチド技術による医療製品の開発に引き続き注力しております。主に外科領域では吸収性局所止血材:TDM-621(以下「本止血材」という。)、粘膜隆起材:TDM-641(以下「粘膜隆起材」という。)、癒着防止材:TDM-651(以下「癒着防止材」という。)を開発しており、再生医療領域では歯槽骨再建材:TDM-711(以下「歯槽骨再建材」という。)および創傷治癒材:TDM-511(以下「創傷治癒材」という。)、ドラッグ・デリバリー・システム領域ではsiRNA核酸医薬:TDM-812(以下「核酸医薬」という。)の開発を行うなど事業展開を進めてまいりました。
[研究開発の状況]
日本:
本止血材
内視鏡的粘膜下層剥離術下の漏出性出血に対する止血効果等の有効性評価や安全性評価を含めた総合的判断を行うという治験計画を構築し、2017年4月11日に臨床試験を開始するための治験計画届を独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という。)に提出しました。今回の治験は消化器内視鏡治療の領域において、本止血材の有効性を従来の止血法と比較する試験であり、2017年8月に開始しております。現在、複数の治験施設で治験を進めており、2019年4月期中に治験終了を予定、製造販売承認申請をターゲットとすることに変更ありません。
粘膜隆起材
2014年12月11日に国内での臨床試験を開始し、有効性をより明確にできる試験方法や製材の検討を実施するために、2015年2月16日に自主的に臨床試験を一時中断しております。その後、製品の優位性の検討を進める中、ペプチドに改良を加え一定程度の結果や成果が得られました。新たなペプチド製材を用いた臨床試験の開始に向け、PMDAと協議を開始しました。2019年4月期中に治験プロトコルを策定し、2020年4月期に臨床試験を開始するべく研究開発を進めてまいります。
DDS(ドラッグ・デリバリー・システム)
国立がん研究センターとの「RPN2標的核酸医薬によるトリプルネガティブ乳がん治療」共同プロジェクトにおいて自己組織化ペプチドA6KをsiRNA核酸医薬のDDS(ドラッグ・デリバリー・システム)として提供しておりました。当社は国立がん研究センターと共同でがん幹細胞に対する治療薬や診断方法の特許を取得しており、同分野や関連分野の共同研究/共同開発に向けた取り組みを進めております。
また共同プロジェクトも進めており、広島大学とは悪性胸膜中皮腫を対象疾患とする革新的抗腫瘍核酸医薬に界面活性剤ペプチドを提供するなど共同開発を進めており、岡山大学とはがん治療法・ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の新たな薬剤開発に関する共同研究契約を締結しております。
欧州:
後出血予防材
内視鏡手術時に生じる後出血予防効果に関して、2017年12月に欧州の認証機関にCEマーキング適応追加申請を実施しております。その後、認証機関との審査対応を実施しておりましたが、2018年12月10日に適応追加が承認された旨の連絡を受けております。認証取得後は製品上市を行い、本止血材の販売チャネルを活用したクロスセルを実施し、相乗効果を最大限に発揮できるよう計画しております。
次世代止血材
本止血材と異なる新規ペプチド配列を用いた開発品です。MITからライセンス供与を受けた自己組織化ペプチド技術をベースとした開発品であり、製品プロダクト化も概ね終了しており、早期に臨床試験に移行させる予定です。本止血材より止血効果に優れ、ペプチド原材料価格のコスト低減等の優位性があることから、将来的に次世代止血材を主力製品として市場に供給すべく開発を進めてまいります。
米国:
癒着防止材
米国食品医薬品局(以下「FDA」という。)と協議を実施しておりましたが、耳鼻咽喉科領域において市販前届510(K)での審査プロセスとなることをFDAと合意に至りました。適応範囲は鼻内手術における癒着防止や微出血のコントロールで必要となる試験を実施し、2018年10月30日にFDAに対して医療機器(クラスⅡ)での販売を目的とした承認申請を提出いたしました。癒着防止、止血、創傷治癒を目的とし、主に鼻甲介切除術や鼻中隔形成術などへの適用を予定しております。
本止血材
FDAと引き続き臨床試験開始に向けたプロトコルの構築に向け協議を実施しており、2019年4月期中に癒着防止材の申請後、2020年4月期中での臨床試験開始をターゲットに開発を進めてまいります。
歯槽骨再建材
米国での臨床試験で15症例の施術・経過観察が完了し骨形成に良好な結果やデータを得たことから、FDA承認の後、2017年4月期第1四半期より次のフェーズでの臨床試験を開始しております。骨形成を確認するため経過観察に時間を要することから、臨床試験を継続しており、今後も製品化に向けた開発を進めてまいります。
創傷治癒材
2014年10月23日に医療機器の審査プロセスの1つである市販前届510(k)を米国FDAに申請し、2015年2月16日に米国FDAより承認を受け販売の許認可を取得しております。他薬剤とのコンビネーション(抗生物質・抗がん剤・ヒアルロン酸等との混合投与)による治療効果の増大に向け、熱傷治療、皮膚がん治療を中心に美容整形分野等で研究を進め、付加価値の高い製品化に向けて取組んでおります。
[販売進捗の状況]
欧州:2014年1月14日にCEマーキング指令適合を受けた後、事業収益化に向けてドイツ、フランス、英国等の主要国を含めたヨーロッパ全域で、有力医療施設をターゲットに代理店(各国別で販売に特化した販売代理店)を通じた製品販売を開始しており、第2四半期累計の製品販売は74百万円と前期比132%と拡大しております。
第2四半期は前期比では伸長したものの、計画比ではやや下回る進捗となりました。しかしながら、主要国の1つであるドイツでの販売は大手医療機器メーカーのWERFENグループ(ドイツでの代理店はニコライ社)により販売が拡大しており、フランスや英国でも拡販の準備が整ってきていることから、2019年4月期末に向けて販売に寄与するものと想定しております。
また欧州全域への製品販売を目的とした包括的販売提携につき販売パートナー候補先(対象全域に販売網、プロモーション機能を有する企業)との協議につき、段階的に進展をしております。2019年4月期中での契約締結に向けて、引き続き取り組んでまいります。
アジア、オセアニア:CEマーキング採用地域であり、各国で医療機器としての製品登録申請や製品販売に向けた活動に取り組んでおります。主要市場であるオーストラリアでは、大手医療機器のゲティンゲグループを通じた製品販売をしており、第2四半期累計の製品販売は41百万円と前期比89%となりましたが、シドニーやメルボルンの医療機関での使用実績は6ヶ月連続で伸びるなど堅調に推移し、計画比では上回る進捗となっております。しかしながら、2018年10月にゲティンゲグループのバイオサージェリー部門が中国ヘルスケア企業に売却されたことにより、ゲティンゲグループとの販売代理契約は終了する見込みとなり、今後は自社で販売していく予定です。今後、変更に伴い短期間には影響が生じる可能性もありますが、自社販売となることで売上額が2倍以上となり利益率も大幅に向上します。第3四半期まではゲティンゲグループで販売継続することや、医療機関で内視鏡領域を中心に耳鼻咽喉科、腹腔鏡領域など新しい領域での採用も拡大しているため、販売計画に変更はありません。
また韓国での販売承認取得に向けDaewoong Pharmaceutical Co., Ltd. による当局との審査対応が継続しており、当社も審査対応のサポートを実施するなど、2019年4月期での承認取得に向け協働してまいります。
中南米:CEマーキング採用地域であり、各国で医療機器としての製品登録申請や製品販売に向けた活動を進めております。主要市場であるブラジル、メキシコ、チリでは、現地の販売代理店を通じた販売活動を行っており、第2四半期累計の製品販売は1百万円となりました。2019年4月期にはアルゼンチンでも販売開始されるなど販売拡大に向けて取組んでまいります。
このような結果、第2四半期連結累計期間の業績については、本止血材の製品販売116,710千円(欧州:74,528千円、アジア、オセアニア:41,120千円、中南米:1,061千円)、研究試薬販売3,313千円を計上し、事業収益120,023千円(前年同四半期比14,832千円増加)となり、通期計画に対して想定内で推移しております。また費用面に関しても通期計画の範囲内で推移しており、その結果、経常損失1,161,247千円(前年同四半期は経常損失724,281千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失1,230,330千円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失776,621千円)となりました。
なお、当社グループの事業は単一セグメント(医療製品事業)であるため、セグメントごとの記載はしておりません。
(2) 財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間における総資産は3,146,061千円(前連結会計年度末比10,330千円の増加)となりました。
流動資産につきましては、3,123,344千円(同12,579千円の増加)となりました。これは主に、たな卸資産の減少76,745千円及びその他の減少76,963千円がある一方、現金及び預金の増加188,541千円によるものです。
固定資産につきましては、22,716千円(同2,249千円の減少)となりました。これは主に、投資その他の資産に含まれる保証金の減少3,749千円によるものです。
負債につきましては、1,074,609千円(同140,757千円の増加)となりました。これは主に、短期借入金の増加100,000千円及び未払金の増加49,668千円によるものです。
純資産の部につきましては、2,071,452千円(同130,426千円の減少)となりました。これは主に、資本金の増加522,566千円及び資本剰余金の増加522,566千円がある一方、親会社株主に帰属する四半期純損失による利益剰余金の減少1,230,330千円によるものです。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ188,541千円増加し、1,351,031千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動の結果、減少した資金は907,390千円(前年同四半期は1,025,735千円の資金の減少)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純損失1,229,725千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動の結果、減少した資金は49,942千円(前年同四半期は40,155千円の資金の減少)となりました。これは主に、長期前払費用の取得による支出39,384千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動の結果、増加した資金は1,147,957千円(前年同四半期は632,522千円の資金の増加)となりました。これは主に、株式の発行による収入1,032,922千円によるものであります。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。
(6) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は407,534千円であり、主な研究開発活動として下記のとおり実施いたしました。
①外科領域
A 吸収性局所止血材(TDM-621)
当社グループは、自己組織化ペプチド技術を基礎技術とした外科医療における吸収性局所止血材の世界展開に向け開発を進めております。2014年1月に欧州子会社がCEマーキングの指令適合について第三者認証機関からの認証を取得しました。これにより、EU加盟国での製品販売を開始しております。
このCEマーキングの認証は欧州だけでなくアジア、オセアニア、南米等グローバルに広く採用されており、同認証を用いて製品登録承認を取得することにより製品販売が可能となります。既にアジア、オセアニアではシンガポール、インドネシア、タイ、オーストラリアで登録承認を取得し、南米ではブラジル、メキシコ、コロンビアで登録承認を取得しております。
日本、米国、中国は製品販売に向けて各国内での臨床試験と製造販売承認取得が必要であり、各国での当局対応や試験開始に向け準備を進めております。日本においてはPMDAとの間で再度の臨床試験開始に向けた協議を継続しておりましたが、内視鏡的粘膜下層剥離術下の漏出性出血に対する止血効果等の有効性評価や安全性評価を含めた総合的判断を行うという治験計画を構築し、2017年4月に治験計画届をPMDAに提出、2017年8月より治験を開始しております。また米国においては、臨床試験の開始に向けた米国FDAとプロトコルの協議を実施しております。
B 粘膜隆起材(TDM-641)・血管閉塞材(TDM-631)
当社グループは、TDM-621に続く外科領域のパイプラインとして、主にTDM-641の製品化に向けた研究開発を進めております。日本での臨床試験を開始いたしましたが、2015年2月に自主的に臨床試験を一時中断しております。その後、製品の優位性の検討を進める中、ペプチドに改良を加え一定程度の結果や成果が得られました。また新たなペプチド製材を用いた臨床試験の開始に向け、PMDAと協議を開始いたしました。早期の臨床試験開始に向けて研究試験を進めてまいります。
C 後出血予防材
内視鏡手術時に生じる後出血予防効果に関して、2017年12月に欧州の認証機関にCEマーキング適応追加申請を実施しております。その後、認証機関との審査対応を実施しておりましたが、2018年12月10日に適応追加の承認の連絡を受けました。認証取得後は製品上市を行い、止血材の販売チャネルを活用したクロスセルを実施し、相乗効果を最大限発揮できるよう計画しております。
D 次世代止血材(TDM-623)
本止血材と異なる新規ペプチド配列を用いた開発品です。最終製品の製造バリデーションが概ね終了し、最終製品を用いた前臨床試験を実施中です。投資効果の最も高くなる臨床試験を検討中であり、方針決定後、速やかに臨床試験を開始する予定です。本止血材より止血効果に優れ、原価も大きく削減できる見込みであることから、将来的に次世代止血材を主力製品として市場に供給すべく開発を進めてまいります。
E 癒着防止材(TDM-651)
米国FDAと協議を実施しておりましたが、耳鼻咽喉科領域において市販前届510(K)での申請が可能であることが確認できております。必要となる動物実験を実施し、2018年10月30日にFDAに対して医療機器(クラスⅡ)での販売を目的とした承認申請を提出いたしました。癒着防止、止血、創傷治癒を目的とし、主に鼻甲介切除術や鼻中隔形成術などへの適用を予定しております。
②再生医療領域
A 歯槽骨再建材(TDM-711)
当社グループでは、自己組織化ペプチド技術を基礎技術とした再生医療領域における骨再建材の開発を進めております。TDM-711は米国子会社で開発・製品化を目指しており、2011年7月に米国FDAからIDEの承認を取得したことに続き、2012年2月に米国ハーバード大学の医学部・歯学部の付属研究所であるフォーサイス・インスティテュート(Forsyth Institute)において臨床試験を開始いたしました。プロトコルに規定した15症例の施術が完了し骨形成に良好な結果やデータを得たことから、米国FDA承認後、次のフェーズでの臨床試験を実施しております。
B 創傷治癒材(TDM-511)
当社グループは、自己組織化ペプチド技術を基礎技術とした再生医療領域における皮膚再建材の開発を進めております。TDM-511は米国子会社で開発・製品化を目指しており、2014年10月に医療機器として市販前届510(k)を米国FDAに申請し、2015年2月に販売承認を得ました。TDM-511は、皮膚(表皮、表皮・真皮)からの出血を迅速に止血する局所止血材、皮膚の創傷部の再生環境を整え創傷治癒を促す創傷治癒材としての活用に加え、他薬剤とのコンビネーションによる治療効果の増大が期待できることから、熱傷治療、皮膚がん治療、美容整形分野での研究開発を進めております。
③DDS領域
当社は界面活性ペプチド(A6K)を用い国立がん研究センターと新規癌治療技術の開発に向けて共同研究を行っており、癌細胞への徐放技術の確立に向け前臨床試験を実施するなど、乳がん治療に向けたsiRNA核酸医薬のDDS(ドラッグ・デリバリー・システム)を共同開発しております。主に国立がん研究センターとの「RPN2標的核酸医薬によるトリプルネガティブ乳がん治療」共同プロジェクトを実施しており、当社は自己組織化ペプチドA6KをsiRNA核酸医薬のDDS(ドラッグ・デリバリー・システム)として提供しておりました。2016年4月期より国立がん研究センター、同研究所と共同開発した新規siRNA核酸製剤「TDM-812(RPN2siRNA/A6K複合体)」を用いた国立がん研究センターによる医師主導治験が開始され、2018年4月期に第Ⅰ相医師主導治験が終了いたしました。本治験の内容は治療抵抗性の乳がんで体表から触知できる局所腫瘤(かたまり)を有する患者さんを対象とした、世界で初めて人へ投与するファースト・イン・ヒューマンの治験であります。
<用語解説>(50音順、アルファベット)
*自己組織化ペプチド
生理的条件下(中性pH、塩の存在)に置くと、ペプチド分子同士が規則的に集合し、ナノファイバーを形成するペプチド群。
*510(k)
既存の医療機器と同等の機能を有する医療機器の登録制度。
*DDS
必要な薬物を必要な部位で必要な長さの時間、作用させるための薬物送達システム(工夫や技術)。Drug Delivery Systemの略称。