四半期報告書-第18期第3四半期(令和3年11月1日-令和4年1月31日)

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2022/03/15 15:48
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【項目】
32項目
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
なお、本文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当社グループは米国Massachusetts Institute of Technology(マサチューセッツ工科大学、以下「MIT」という。)の発明による自己組織化ペプチド技術を基にした医療製品の開発・製造・販売に引き続き注力しております。自己組織化ペプチド技術は幅広い応用が可能なプラットフォーム技術です。既に安全性が確認されており人への使用も広く認められていること、また、医療機器の適応拡大としての開発が可能なこと等から、当社においては幅広い領域での事業展開を可能にしております。
現時点では主に外科領域、再生医療領域、ドラッグ・デリバリー・システム(以下「DDS」という。)領域で事業を展開しております。主に外科領域においては、日米欧3極においてそれぞれ複数の承認済製品を獲得しており、規模の経済を獲得するための製造のスケールアップ等にも取り組んでおります。
今後は自己組織化ペプチドの技術優位を活用し、将来的にさらに大きなニーズが見込める再生医療領域やDDS領域において、3極展開の強みを活かしグローバル最適の開発・販売方針を採用してまいります。
[研究開発の状況]
当社は、外科領域では吸収性局所止血材:TDM-621(以下「止血材」という。)、粘膜隆起材:TDM-644(以下「粘膜隆起材」という。)、癒着防止材:TDM-651(以下「癒着防止材」という。)、再生医療領域では歯槽骨再建材:TDM-711(以下「歯槽骨再建材」という。)及び創傷治癒材:TDM-511(以下「創傷治癒材」という。)、DDS領域では主にがんを標的とした核酸医薬のデリバリー等の研究開発を進めております。
外科領域:
止血材(TDM-621)
日本においては、消化器内視鏡治療における漏出性出血に対する止血を対象として吸収性局所止血材「ピュアスタット」の製造販売承認を2019年に取得しております。また、2021年12月1日からは本製品の保険適用が開始されました。これにより、病院側の費用負担なくピュアスタットを使用できることになり、今後の販売加速が見込まれます。
欧州では2014年にCEマークを取得しており、現在欧州全域において販売中です。中枢神経分野等領域の拡大や創傷治癒等機能の拡大等、今後も継続して複数の分野で適応拡大を進め、オンリーワンの製品となれるよう価値を一層高めていく方針です。
米国では2021年1月に消化器内視鏡治療領域において、米国食品医薬品局(以下、「FDA」という。)に510(k)にプロセスにて承認申請を行っておりましたが、2021年6月に承認を取得しております。今後も引き続き創傷治癒や癒着削減等のより高い付加価値がつけられる開発方針を模索しております。
粘膜隆起材(TDM-644)
当社が独自に開発した新規ペプチドを用いた製品です。自己組織化によりゲルを形成するため隆起維持性能に優れており、また、生物由来成分ではないため、ウイルス等の混入リスクがない安全性の高さにより既存製品と差別化されております。ポリーブ、腫瘍等を切除する内視鏡手術時に幅広く使用される可能性があります。
本製品は2021年5月に独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という。)より製造販売承認を取得しており、2021年12月には販売用製品の製造を開始しました。現在保険適用に向けた準備を進めており、今後は早期に止血材とのクロスセルができる体制を構築してまいります。
後出血予防材
欧州において消化器内視鏡治療時に生じる後出血予防効果に関して、2018年12月に適応追加が承認されました。また、オーストラリアにおいても後出血予防効果に関して、2019年9月に適応追加が承認されました。治療後に起こる後出血は、再手術が必要となることから患者及び医療機関双方の負担が大きく、強いニーズがあります。消化器内視鏡治療における出血はおおよそ5%程度であるのに対し、治療後に後出血が懸念されるリスクの高い患者・手技はおおよそ30%あるとされており、本適応の追加により当社製品が獲得可能な市場は数倍に拡大する可能性があります。
次世代止血材(TDM-623)
現在の止血材と異なり、当社が独自に開発し特許を保有する新規ペプチド配列を用いた開発品です。現在の止血材より止血効果に優れ、原価を大幅に削減できる等の優位性があることから、将来的に主力製品として市場に供給すべく開発を進めてまいります。
欧州においては、2021年5月に治験計画届の承認がなされ、2021年7月より脳神経外科を対象とした治験を開始しております。本試験開始前の探索的臨床試験については、2021年12月に全ての患者への投与が完了しており、今のところ製品に関連する有害事象は確認されておりません。日本においては、欧州での開発品を先行品として、改良医療機器(臨床試験なし)での申請可能性も検討しつつ、開発を進めてまいります。
癒着防止材(TDM-651)
2019年4月、米国にて癒着防止材兼止血材「PuraSinus」は、耳鼻咽喉科領域においてFDAより販売承認を受けております。本製品は、癒着防止、止血、創傷治癒を同時に行える現状唯一の製品であることから、鼻甲介切除術や鼻中隔形成術等において高い臨床的価値を提供でき得るものと期待しております。特に術後のパッキング(鼻に詰め物をする処置)は患者のQOLを著しく悪化させているといわれておりますが、当社製品によってパッキングを極力減らすことが可能となり、患者のQOLを重視する米国市場では強いニーズが期待できます。
今後は、はるかに大きな市場が存在する産婦人科等の領域に適応拡大をすべく、準備を進めております。
再生医療領域:
歯槽骨再建材(TDM-711)
米国での臨床試験で15症例の施術・経過観察が完了し、骨形成に良好な結果やデータを得ております。一方で、プロトコルに改善の余地があったため、2018年4月期に臨床試験を12症例追加で継続する等、臨床試験を継続しており、今後も引き続き製品化に向けた開発を進めてまいります。現在の試験完了後のステップについてはFDAと協議中です。
創傷治癒材(TDM-511)
2015年2月にFDAより承認を受け販売の許認可を取得しております。より高い臨床的価値が求められる重度の熱傷や皮膚がんの分野への進出を目指して、他薬剤とのコンビネーション(抗生物質、抗がん剤等)も視野に入れて研究を進めております。また、巨大市場である美容整形分野にもアクセスすべく、2020年5月に適応を拡大しております。美容整形分野は一般の医療市場とは異なるマーケティング・アプローチが必要と考えており、まずは市場開拓に必要な臨床データを取得するため、欧米において臨床試用を進めております。
放射線性直腸炎治癒材
放射線性直腸炎は、前立腺がんや子宮がん等への放射線療法に起因する副作用で、大腸粘膜の炎症を高頻度で引き起こします。また、2割程度の患者は慢性的な下血、頻繁な排便、激しい腹痛等の晩期障害に悩まされており、有効な治療法の確立が望まれております。
当社の止血材製品は、欧州の臨床研究において放射線性直腸炎に対して画期的な治癒効果が観察されております。当社は本領域のアンメットニーズに応えるため、早期の適応拡大を目指し開発を進めております。欧州においては、英国の学会主導の医師主導臨床試験が準備されており、将来の標準治療としての採用が検討されております。米国においては、2021年11月に販売承認申請をFDAに提出しております。
DDS領域:
国立がん研究センターとの「RPN2標的核酸医薬によるトリプルネガティブ乳がん治療」共同プロジェクトにおいて、界面活性剤様ペプチドA6Kを核酸医薬のDDSとして提供しておりました。当社は、国立がん研究センターと共同でがん幹細胞に対する治療薬や診断方法の特許を取得しており、同分野や関連分野の共同研究/共同開発に向けた取り組みを進めております。
広島大学との共同プロジェクトにおいても、悪性胸膜中皮腫を対象疾患とする革新的抗腫瘍核酸医薬にA6Kを提供し共同開発を進めておりましたが、広島大学の田原栄俊教授により新たに設立された株式会社PURMX Therapeuticsが今後の製品開発を主導することとなりました。当社も同社株式を10%取得し、今後も引き続き共同で製品開発を進めてまいります。2022年1月には、医師主導治験(第I相)において第一症例の組み入れが実施され、臨床試験が開始されております。
核酸医薬へのDDSとして当社製品がヒト臨床で使用されるのはこれで2件目となります。今後の核酸医薬の広まりとともに、当社の技術が核酸のデリバリーのオプションとして更なる広がりをみせる可能性が出てきております。
製品原価率を大幅に低減するための製造方法の変更検討:
当社グループは、当社製品群の製品原価率を大幅に低減すべく、滅菌方法の変更及び製造スケールアップを進めております。2020年10月に欧州の第三者認証機関に新たな製造方法への変更申請を提出しておりましたが、2021年5月でその承認を取得しております。本製法による製造は第1四半期より順調に開始されており、グローバルに出荷が開始されております。新しい原価は移動平均法によって順次財務諸表に適用されております。これらの施策により製品原価率は大幅に低減し、2021年4月期で7割程度であった製品原価率が最終的にはおおよそその半分程度に収斂すると見込んでおります。この原価低減施策により、2023年4月期以降の黒字化に向けてのボトルネックが解消されたと考えております。
製造所の追加:
2021年12月に当社製品の新たな製造委託先としてPharmpur GmbH(所在地:ドイツ、以下「Pharmpur社」)との製造・サービス委託契約を締結いたしました。Pharmpur社は既に米国向け製品の製造を開始しており、欧州に関しては2022年1月に製造所追加の承認申請を第三者認証機関に提出しております。これにより、現在稼働する日本の製造拠点と合わせて複数の製造拠点をもつことになり、安定した製品供給による更なる事業の拡大を図ります。
また、本製造所においては、今後さらなるスケールアップによる製造原価低減が期待できるため、欧州における承認審査の進捗を見ながら並行してスケールアップの準備も進めてまいります。
抗体検査領域:
欧米に販売実績のあるPrometheus Bio社とCOVID-19抗体検査キットを日本市場向けに共同で開発しております。最初の製品であるCoronavirus IgG/IgM Antibody(COVID-19)Test Cassetteは、血液、血清及び血漿中の2019-nCoVに対する抗体を検出する対外診断薬用のイムノアッセイであり、COVID-19の感染による免疫能獲得の存在を示唆する抗ウイルス抗体を検出することが可能です。2021年12月には、新たに中和抗体検査キットの取り扱いも開始しております。これらにより、COVID-19に感染したかどうかの抗体検査のみならず、ウイルス感染を阻止する中和抗体があるかどうかの検査も可能となります。
[販売進捗の状況]
欧州における製品販売は、563,085千円となり前年同期比で91.0%増と拡大し引き続き高い成長性を維持しております。当第3四半期の売上は、年末よりCOVID-19のオミクロン株が席巻したことにより、病院の通常業務が滞ったため計画を下回りましたが、前年同期比でも第2四半期比でも確実に成長しております。このままの成長性を維持し、当期中の単月黒字化、ひいては2023年4月期の黒字化を目指します。
オーストラリアにおける製品販売は、339,809千円となり前年同期比で0.7%減となりました。当期に入りCOVID-19の感染者数が大幅に増加しており、州境を超える移動の制限等、経済活動への影響が高まってきております。さらに、12月以降のオミクロン株の急拡大により、病院に対する規制が強化され、当社が狙う選択的手術(命に関わらない手術)が大幅に延期されております。このため当社の販売活動も大きな制約を受けており、成長速度が一時的に鈍化しました。しかしながら、こうした状況は一時的であり選択的手術といえども長期に延期することは難しいことから、2023年4月期にむけて需要は回復することを見込み、高成長の軌道に戻る準備を進めております。
米国では、耳鼻咽喉科領域の癒着防止材兼止血材「PuraSinus」の販売を直販体制で開始し、第2四半期まではほぼ計画通りに新規アカウントを獲得しております。購入を開始した施設については、医師における当社製品の使用率も高く、製品競争力が高いことを裏付けており、これが高い顧客の獲得率につながっているものと考えております。しかしながら、当第3四半期に入りオミクロン株の急拡大により病院の業務が逼迫し、当社が狙う不要不急の耳鼻科手術件数が大幅に減少しました。このため、当第3四半期はターゲットをCOVID-19の影響を受けにくい市場セグメントにシフトし、将来的に十分な使用件数を確保できるよう顧客ポートフォリオの拡充を図っております。これにより当第3四半期の顧客獲得及び売上実績は一時的に計画を下回っておりますが、施策の成果は第4四半期及び2023年4月期初旬に現れると見込んでおります。
米国における消化器内視鏡領域の止血材に関しては、既に販売用製品の製造を開始しており、販売開始の準備を進めております。本製品は日本においては急速に市場への浸透が進んでおりますので、米国においても同じスピード感で市場開拓を進めるべく準備を進めてまいります。
日本においては、2021年12月1日から吸収性局所止血材「ピュアスタット」の保険適用が開始となりました。病院が費用負担なしで使用できることとなったため、引き続き強い引き合いを頂いている状況です。その効果もあいまって顧客獲得は計画を上回るペースで進んでおります。2022年1月以降、欧米同様にオミクロン株の影響を受けており、病院側の対応に遅れが見られ始めておりますが、営業活動が前倒しで進んでいるため遅れを吸収しており、現時点での業績へのインパクトは見られておりません。現時点で2023年4月期のターゲット施設の多くが既にトライアルに進んでいる状況であり、これらの施設の早期顧客化に向けて引き続き営業力を強化してまいります。
COVID-19抗体検査キットに関しましては、試験研究用として2020年4月より大学等の研究機関への提供を開始しておりましたが、2020年7月からは一般企業向けにも販売を開始しており、当第3四半期におきましては22,150千円の売上を計上いたしました。
このような結果、当第3四半期連結累計期間の業績については、止血材の製品販売は欧州で563,085千円、オーストラリアで339,809千円、その他エリアで74,835千円を計上し、COVID-19抗体検査キットを含む研究試薬の販売で22,652千円を計上したことから、事業収益1,000,383千円(前年同期比295,222千円増加)と前年同期の41.8%増となりました。
費用面に関しては、日本および米国での販売開始に伴い、営業体制確立のために相当額の先行費用を計上しております。一方で、移動平均法によるみかけ上の原価が想定のスピードで下がらないなど、費用削減施策に遅れが出ており、全体としては費用は増加しております。
この結果、経常損失2,019,536千円(前年同期は経常損失1,470,326千円)、親会社株主に帰属する四半期純損失2,070,323千円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失1,566,101千円)となりました。
なお、2020年12月21日に開示しました通り、当社は、2009年7月17日に扶桑薬品工業株式会社との間で締結した日本における自己組織化ペプチド(RADA16)を用いた吸収性局所止血材の独占販売権許諾契約及び2011年5月23日に締結した製造委受託契約が、2020年7月10日付の解除通知により終了したことを確認し、新たな製造受託先への移行までに必要と想定される製造量についての製造を行うことを扶桑薬品工業株式会社との間で合意しております。
製造所追加に関しましては、2021年12月にPharmpur社と製造・サービス委託契約を締結しております。Pharmpur社は既に米国向け製品の製造を開始しており、欧州に関しては2022年1月に製造所追加の承認申請を第三者認証機関に提出しております。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間における総資産は4,492,375千円(前連結会計年度末比984,087千円の増加)となりました。
流動資産につきましては、4,461,901千円(同985,916千円の増加)となりました。これは主に、現金及び預金の増加756,570千円、売掛金の増加107,762千円及び棚卸資産の増加262,337千円がある一方、前渡金の減少153,089千円があることによるものです。
固定資産につきましては、30,473千円(同1,828千円の減少)となりました。これは、投資その他の資産の減少によるものです。
流動負債につきましては、903,781千円(同130,127千円の増加)となりました。これは主に、未払金の増加166,404千円がある一方、短期借入金の減少7,600千円及び未払法人税等の減少8,917千円があることによるものです。
固定負債につきましては1,607,648千円(同532,842千円の増加)となりました。これは主に、転換社債型新株予約権付社債の増加537,500千円によるものです。
純資産につきましては、1,980,945千円(同321,117千円の増加)となりました。これは主に、資本金及び資本剰余金それぞれ1,194,331千円の増加がある一方、親会社株主に帰属する四半期純損失による利益剰余金の減少2,070,323千円及び為替換算調整勘定の減少16,588千円があることによるものです。
(3) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社が定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。
(5) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は517,336千円であります。当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありませんが、当四半期連結会計期間の末日現在における研究開発活動の進捗状況については、(1)経営成績の状況 の [研究開発の状況] に記載してあります。

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