有価証券報告書-第112期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/25 15:44
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158項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績等の状況
当連結会計年度の世界経済は、米国では個人消費が底堅く推移しましたが、関税政策を含む通商政策を巡る不確実性が意識されました。欧州では持ち直しの動きにばらつきがみられ、中国では政策下支えがみられたものの内需は力強さを欠きました。一方日本では、企業収益が総じて高水準を維持し、雇用・所得環境の改善を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。このような中、年度末にかけて中東情勢の緊迫化により、世界的に原燃料価格や為替相場が変動するなど、先行き不透明感が強まりました。
自動車関連市場では、完成車市場において電動化をめぐる環境変化が生じ、日本・欧州・米国の自動車メーカーを中心に、バッテリー電気自動車(BEV)戦略の見直しや投資計画・商品投入時期の再検討が進みましたが、新車販売台数における電動車の比率は上昇しました。水処理用分離膜市場における需要は、海水淡水化プラント、工業用プロセス水、廃水処理用途などにおいて堅調に推移しました。
このような状況下、当連結会計年度の売上高は、自動車関連資材については、国内向け需要が伸び悩んだものの、海外補用向け需要に加え、インドおよび一部東南アジア市場における二輪車向け需要が堅調に推移しました。一方で、取引先の在庫調整や原材料メーカーの生産停止に伴う代替品対応に時間を要したこと等により、売上高は前年同期を下回りました。水処理関連資材については、市場の堅調な伸びに加え、拡販に努めた結果、分離膜支持体用不織布の売上が増加しました。
利益面では減価償却費の増加に加え、原材料価格および人件費の上昇、納期対応による輸送費増加等の影響を受けましたが、新工場建設に伴う補助金を特別利益として計上しております。
その結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高18,494百万円(前年同期比1,370百万円増、8.0%増)、営業利益58百万円(前年同期比373百万円減、86.4%減)、経常損失95百万円(前年同期は経常利益279百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は753百万円(前年同期比717百万円増)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における資産総額は、28,997百万円となり、前連結会計年度末より1,808百万円増加しております。主に流動資産のその他に含まれる未収入金が976百万円、現金及び預金が861百万円増加いたしました。
負債総額は20,097百万円となり、前連結会計年度末より492百万円増加しております。主に1年以内返済予定の長期借入金が593百万円、長期借入金が565百万円、短期借入金が328百万円、支払手形及び買掛金が309百万円、電子記録債務が205百万円増加し、設備関係電子記録債務が1,495百万円減少いたしました。
また、純資産につきましては、8,899百万円となり、前連結会計年度末より1,315百万円増加しております。主に利益剰余金が752百万円、非支配株主持分が295百万円、為替換算調整勘定が155百万円増加いたしました。
以上の結果、自己資本比率は21.9%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は1,585百万円となり、前連結会計年度末と比較して、846百万円の増加となりました。
各キャッシュ・フローの状況とその要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、2,207百万円(前年同期比2,046百万円増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益1,265百万円、減価償却費1,274百万円の増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、2,842百万円(前年同期比2,336百万円減、45.1%減)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出2,539百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は、1,379百万円(前年同期比3,444百万円減、71.4%減)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出1,141百万円の減少要因があったものの、長期借入れによる収入2,300百万円の増加要因があったことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
品目の名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
自動車関連資材(千円)8,237,04892.5
水処理関連資材(千円)8,897,862137.6
一般産業用資材(千円)1,505,166117.9
合計(千円)18,640,077112.0

(注)1.当社グループは単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
2.金額は販売価格によっております。
b.受注実績
当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を品目ごとに示すと、次のとおりであります。
品目の名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
自動車関連資材(千円)8,189,26893.7
水処理関連資材(千円)8,799,063123.8
一般産業用資材(千円)1,506,161117.8
合計(千円)18,494,493108.0

(注)1.当社グループは単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
株式会社サンコー4,523,57326.46,383,40734.5
旭洋株式会社2,202,89812.92,171,05811.7

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当連結会計年度の経営成績等について
当連結会計年度は、第4次中期経営計画(2024年4月~2026年3月)の最終年度として、事業ポートフォリオの最適化に向け、生産体制の再構築および成長分野の供給能力強化等に取り組んでまいりました。
第4次中期経営計画においては、新小松島工場の建設をはじめとする分離膜支持体用不織布の供給体制強化や事業基盤の整備を進め、今後の事業拡大に向けた生産基盤の強化は着実に進展いたしました。一方で、市場環境の変化や原材料・エネルギー価格の上昇等の影響により、売上高および利益は計画を下回る結果となりました。
売上高につきましては、自動車関連資材において国内向け需要の伸び悩みや取引先の在庫調整の影響を受けたものの、水処理関連資材が市場の堅調な伸びと拡販活動を背景に伸長し、特に分離膜支持体用不織布の販売が増加したことから、前連結会計年度に比べ増収となり、18,494百万円となりました。
利益面では、新工場稼働に伴う減価償却費の増加に加え、原材料価格および人件費の上昇、納期対応による輸送費増加等の影響を受け、営業利益は58百万円、経常損失は95百万円となりました。
なお、新工場建設に伴う補助金を特別利益として計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は753百万円となっております。当社グループとしては、当期の最終利益は一過性要因を含むものであり、本業収益力の評価にあたっては、営業利益および経常利益の水準に加え、新工場の稼働による分離膜支持体用不織布の収益力向上の進捗を重視しております。
また、2025年3月に竣工した新小松島工場につきましては、分離膜支持体用不織布の供給体制強化と生産効率向上に取り組んでおります。さらに、高度化する顧客ニーズへの対応を進めるとともに、生産現場におけるデジタル活用や業務効率化等にも継続して取り組んでおります。
b.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、主要市場における需要動向、原材料価格およびエネルギー価格の変動、為替相場の変動等があります。
水処理関連分野につきましては、水資源制約や環境規制強化を背景として中長期的な需要拡大が見込まれる一方、競争環境の変化や新規参入等による市場競争の激化が想定されます。自動車関連分野につきましては、電動化の進展や地域別需要の変化等、市場環境の変化への対応が求められております。
また、原材料価格およびエネルギー価格につきましては、地政学的リスク等に起因する短期的な変動要因に加え、世界的な需給構造の変化や供給制約等を背景として、中長期的にも上昇圧力が継続する可能性があると認識しております。
当連結会計年度においては、新工場稼働に伴う減価償却費の増加等により固定費負担が増加しており、今後は供給能力の発揮による稼働率向上、生産性改善および原価低減に加え、付加価値に見合った販売価格の適正化を進めることが収益性向上における重要な要素であると認識しております。
また、自然災害や地政学リスク等によるサプライチェーンへの影響も想定されることから、安定供給体制の維持・強化に取り組んでおります。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
当社グループでは、健全な経営の維持と企業価値の持続的な向上を図るため、収益性の向上と事業領域の拡大を経営目標として掲げております。これらの目標の達成度を総合的に測る指標として、資産効率と収益性の双方を反映する「総資産経常利益率(ROA)」を経営の重要指標として位置付けております。
ROAの向上に向けては、その構成要素である「売上高経常利益率」および「総資産回転率」の改善に注力しております。
当連結会計年度におけるROAは△0.3%(前年同期比1.5%減)となりました。今後は、第5次中期経営計画に基づき、成長領域への経営資源の集中、事業構造改革による収益体質の強化、運転資本の適正化および資産効率の改善等を推進し、目標指標の達成に向けてグループ一丸となって取り組んでまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(1)資金需要の状況
当社グループの資金需要は、主として事業活動に係る運転資金に加え、中長期的な成長を目的とした設備投資資金及び研究開発投資等から構成されております。
当連結会計年度においては、生産能力の増強や新規事業領域への対応を目的とした設備投資を継続的に実施しており、これらの投資に伴い、資金需要は引き続き高水準で推移しております。
(2)資金調達の基本方針及び資本の財源
当社グループは、事業活動から安定的に創出される営業キャッシュ・フローを基盤としつつ、事業運営上必要な流動性の確保と財務柔軟性の維持を図ることを基本方針としております。
運転資金につきましては営業活動により獲得した資金を基本とし、必要に応じて金融機関からの短期借入により調達しております。また、設備投資等の中長期的な資金需要につきましては、金融機関からの長期借入金を中心に調達しております。
当連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローが改善した一方、積極的な設備投資を実施したことから、当該投資資金の一部について長期借入金により調達しております。
このように、当社グループは内部資金創出と外部資金調達を適切に組み合わせることで、安定的な資金調達と財務柔軟性の確保に努めております。
(3)資金の流動性に関する経営者の認識
当連結会計年度末において、現金及び現金同等物は1,585百万円、有利子負債(借入金及びリース債務を含む)の残高は14,089百万円となっております。
当連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローの改善により内部資金創出力は回復傾向にあり、短期的な資金需要に対する支払能力は維持されております。
一方で、設備投資の継続に伴い有利子負債残高は増加しており、自己資本比率は21.9%にとどまっていることから、資金流動性及び財務健全性の維持に向けては、営業キャッシュ・フローの継続的な創出及び有利子負債水準の適切な管理が重要であると認識しております。
(4)今後の対応方針
当社グループは、成長投資を継続する局面においては、一定程度の外部資金への依存は合理的な水準にあると認識しております。
一方で、財務の健全性及び資本効率の観点からは、内部資金の充実による資金調達構造の改善が重要な経営課題であります。
今後は、投資の成果を通じた収益力の向上により営業キャッシュ・フローの持続的な拡大を図るとともに、有利子負債水準の適切なコントロールを行うことで、資金の流動性及び財務基盤の更なる強化に努めてまいります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
この連結財務諸表の作成にあたりまして、経営者による会計方針の選択、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.退職給付費用及び退職給付債務
当社グループは、簡便法を採用している連結子会社を除き、確定給付型制度の退職給付費用及び退職給付債務について、割引率等、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算定しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼす可能性があります。
b.固定資産の減損処理
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産グループについて、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や経営環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
c.繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の十分性により判断しており、課税所得の算定にあたっては、事業計画をもとに最新の経営環境に関する情報等を反映し見積っております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

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