有価証券報告書-第16期(2022/04/01-2023/03/31)
1.経営成績等の状況の概要
(金融経済環境)
当連結会計年度を振り返りますと、国内の新型コロナウイルスの行動制限は緩和され、世界的にも行動規制緩和・撤廃の動きが継続している状況です。一方、インフレ圧力の高まりによる諸外国の金利引上げ等の金融政策の変更や、ウクライナ情勢の悪化等による国内外の景気影響が懸念される状況です。
日本経済においては、新型コロナウイルス蔓延に起因する過度な景気後退懸念は後退しておりますが、金融資本市場においては、2022年12月の日本銀行の金融政策決定会合で、イールドカーブコントロール(長短金利操作)の10年物日本国債金利の変動幅が「±0.25%」から「±0.50%」に変更されたことを受けて、一時、市場では変動幅上限の0.50%に近い水準まで日本国債10年物金利が上昇し、日本銀行総裁人事や新総裁による政策修正への思惑によって市場金利が変動する状況になりました。
米国においては、急速なインフレ抑制を主目的として、米国連邦準備制度理事会(FRB)の連邦公開市場委員会は、政策金利であるフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標を大幅に引き上げました。その後、米国及びスイスの一部の銀行において経営状況が悪化し、破綻処理又は他行と救済合併される事態となり、景気悪化が懸念される状況となりました。
為替市場は、当連結会計年度期初のドル円(日本銀行、ドル円スポット17時)が122.64円だったのに対し、期末時点では133.12円となりました。
株式市場においては、諸外国の市場へ供給する資金量の削減や利上げ等の影響による景気後退懸念が高まっておりますが、日経平均株価は当連結会計年度期初始値の2万7,624円から期末時点終値の2万8,041円の間で推移しました。
(事業の経過等)
当社グループは、2007年9月の営業開始以来、「どこよりも使いやすく、魅力ある商品・サービスを24時間・365日提供するインターネットフルバンキング」を基本的コンセプトとして、その実現に力を注いでまいりました。多くのお客さまからご支持をいただいた結果、当連結会計年度末日現在における口座数は614万件、預金総額は7兆9千億円台となりました。
当社グループの主力商品である住宅ローンでは、より多くのお客さまに当社商品を提供できるよう当連結会計年度も銀行代理業者による店舗網拡大を進めており、当連結会計年度を通じて多くの企業と新たな銀行代理業委託契約を締結しております。こうした取組みの結果、2023年3月には開業来の住宅ローン累計取扱額が9兆円を突破しました。
また、近年では顧客基盤を有する企業に対し、当社の金融インフラをBaaS(Banking as a Service)として提供し、優れた顧客体験を実現する「NEOBANK®」サービスを中心としたBaaS事業を推進しており、これまでなかった新たなカスタマーエクスペリエンスの提供を目指しております。同事業として、2020年4月には、日本航空株式会社のグループ会社である、JALペイメント・ポート株式会社との共同事業として、「JAL NEOBANK」をリリースし、2021年3月には、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社のグループ会社である、株式会社Tマネーとの共同事業として、「T NEOBANK」をリリースしました。2022年3月期の「ヤマダNEOBANK」「おうちバンク」「SBI証券NEOBANK」の新規リリースに加え、2022年6月に株式会社髙島屋の顧客向け銀行及び積立サービス「高島屋NEOBANK」、2022年10月にSBIレミット株式会社の顧客向け銀行サービス「SBIレミット支店」、2023年1月に第一生命保険株式会社の顧客向け銀行サービス「第一生命NEOBANK」、2023年3月にファイターズファンの皆さまのための銀行サービス「F NEOBANK(エフネオバンク)」、株式会社GA technologiesと不動産投資家向けネット銀行「RENOSY BANK(リノシーバンク)」の提供を開始しております。引き続き、当社は様々な企業に対し、当社の金融インフラをBaaSとして提供し、より多くのお客さまに最先端のテクノロジーを活用した金融サービスの提供を推進してまいります。
今後も引き続き、子会社の業務粗利益の拡大を目指すとともに「住信SBIネット銀行のフィデューシャリー・デューティーに関する取組みについて」にも掲げている「お客さま中心主義」を事業活動の原点に、インターネットの利便性を最大限活用し魅力ある金融サービスの開発・改善を進めてまいります。
(業績)
① 当連結会計年度の業績
当連結会計年度の損益の状況につきましては、経常利益が293億円(前年同期比26.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が199億円(同16.5%増)となりました。これは、住宅ローン等を中心とした個人向けローンが引続き好調に推移したことや、決済関連手数料の増加等が寄与したものです。なお、1株当たり当期純利益は132円18銭となりました。
② 資産負債の状況
当連結会計年度における資産負債の状況につきまして、総資産は前連結会計年度末比1,449億円増加し8兆6,790億円となりました。このうち、現金預け金につきましては同6,669億円減少し1兆1,004億円、貸出金につきましては住宅ローン等への積極的な取組みにより同1兆2,040億円増加し6兆5,948億円、有価証券は再投資の難しい運用難の環境を背景に同2,458億円減少し5,587億円となりました。一方、負債は同1,586億円増加し8兆5,473億円となりました。このうち預金につきましては、普通預金や円定期預金等を中心に同8,628億円増加し7兆9,754億円となりました。また、債券貸借取引受入担保金は同2,239億円減少し1,458億円、借用金は4,864億円減少し3,000億円となりました。純資産は親会社株主に帰属する当期純利益199億円を計上したことや、利益剰余金を原資とする300億円の現金配当の実施、その他有価証券評価差額金及び繰延ヘッジ損益の変動を要因として、同137億円減少し1,316億円となりました。
③ セグメントの状況
当連結会計年度における報告セグメントの状況につきまして、デジタルバンク事業については、主力事業である住宅ローンの実行による貸出事務手数料やキャッシュレス化の進展による決済関連手数料といった役務取引等収益の増加や、海外の市場金利上昇を背景とした資金利益の増加などが寄与し、業務粗利益が589億円(前年同期比11.8%増)、広告宣伝費等の増加や事務関連の業務委託費用の増加等の結果として、経費等は308億円(同11.6%増)、経常利益は280億円(同12.0%増)となりました。BaaS事業については、銀行本体での口座数増加によるアカウント手数料増加や住宅ローンの実行による手数料増加の他、当社の連結子会社であるネットムーブ株式会社の業績が好調であったことなどから、業務粗利益が48億円(前年同期比161.9%増)、継続的なシステム投資に加え「NEOBANK®」サービスに係る広告宣伝費等により経費等は36億円(同0.3%増)、経常利益は12億円(前年同期比29億円の改善)となりました。
当連結会計年度より、報告セグメント別の経営成績をより適切に反映させるため、測定方法を変更しております。「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等) 4.報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。
また、当連結会計年度より、従来「営業経費」として計上していた住宅ローン関連費用等を「役務取引等費用」として組替えております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (表示方法の変更)」をご参照ください。
④ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、顧客基盤の拡大に伴う預金が増加する一方で住宅ローンを中心とした貸出金の増加や債券貸借取引受入担保金並びに借用金の減少により9,497億円の支出(前連結会計年度は4,621億円の収入)、有価証券の取得・処分等の投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却・償還等により3,127億円の収入(同2,056億円の支出)、財務活動によるキャッシュ・フローは、特別配当300億円の支払により299億円の支出(同6億円の支出)となり、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末比6,669億円減少し、1兆1,004億円となりました。
(1)国内・国際業務部門別収支
当連結会計年度の資金運用収支は407億円、役務取引等収支は156億円、その他業務収支は64億円となりました。これを国内・国際業務部門別にみますと、国内業務部門は、資金運用収支は380億円、役務取引等収支は154億円、その他業務収支は40億円となりました。一方、国際業務部門では資金運用収支は27億円、役務取引等収支は2億円、その他業務収支は24億円となりました。
(注)1.国内業務部門は円建諸取引、国際業務部門は外貨建諸取引(外貨預金等)であります。
ただし、円建対非居住者取引は国際業務部門に含めております。(以下の各表も同様であります。)
2.資金調達費用は金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度6百万円、当連結会計年度4百万円)を控除して表示しております。
3.資金運用収益及び資金調達費用の合計欄の上段の計数は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息であります。
4.当連結会計年度より、従来「営業経費」として計上していた住宅ローン関連費用等を「役務取引等費用」として組替えております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (表示方法の変更)」をご参照ください。
(2)国内・国際業務部門別資金運用/調達の状況
当連結会計年度の資金運用勘定につきましては国内・国際業務部門合計の平均残高が7兆6,737億円、利回りが0.61%となりました。また資金調達勘定につきましては平均残高が8兆3,635億円、利回りが0.08%となりました。これを国内・国際業務部門別にみますと、国内業務部門は、資金運用勘定の平均残高が7兆3,454億円、利回りが0.55%となりました。また資金調達勘定の平均残高が8兆361億円、利回りが0.03%となりました。一方、国際業務部門では、資金運用勘定の平均残高が3,478億円、利回りが1.89%となりました。また資金調達勘定の平均残高が3,470億円、利回りが1.12%となりました。
① 国内業務部門
(注)1.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度1,052,845百万円、当連結会計年度825,855百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度14,178百万円、当連結会計年度14,070百万円)及び利息(前連結会計年度6百万円、当連結会計年度4百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
2.( )内は国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
3.平均残高は原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
② 国際業務部門
(注)1.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度-百万円、当連結会計年度-百万円)を控除して表示しております。
2.( )内は国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
3.平均残高は原則として日々の残高の平均に基づいて算出しております。
③ 合計
(注)1.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度1,052,845百万円、当連結会計年度825,855百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度14,178百万円、当連結会計年度14,070百万円)及び利息(前連結会計年度6百万円、当連結会計年度4百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
2.平均残高は原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
(3)国内・国際業務部門別役務取引の状況
当連結会計年度の役務取引等収益は国内・国際業務部門合計で421億円となりました。これを国内・国際業務部門別にみますと、国内業務部門は416億円となりました。一方、国際業務部門では5億円となっております。また、役務取引等費用は国内・国際業務部門合計で265億円となりました。これを国内・国際業務部門別にみますと、国内業務部門は262億円となりました。一方、国際業務部門では2億円となっております。
(注)当連結会計年度より、従来「営業経費」として計上していた住宅ローン関連費用等を「役務取引等費用」として組替えております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (表示方法の変更)」をご参照ください。
(4)国内・国際業務部門別預金残高の状況
○預金の種類別残高(末残)
(注)1.流動性預金とは、普通預金であります。
2.定期性預金とは、定期預金であります。
(5)国内・海外別貸出金残高の状況
① 業種別貸出状況(末残・構成比)
(注)特別国際金融取引勘定は該当ありません。
② 外国政府等向け債権残高(国別)
該当事項はありません。
(6)国内・国際業務部門別有価証券の状況
○有価証券残高(末残)
(注)「その他の証券」には、外国債券を含んでおります。
(自己資本比率の状況)
(参考)
自己資本比率は、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)」に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当社は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては基礎的内部格付手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
単体自己資本比率(国内基準)
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、当社の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3.要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額
(生産、受注及び販売の実績)
「生産、受注及び販売の実績」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
(1)経営成績の分析
当連結会計年度の「資金利益」は、住宅ローン等を中心とした個人向けローンが堅調に推移したなか、主要国の市場金利上昇を背景に資金運用収益が増加したこと等により、前連結会計年度比41億円の増益となりました。「役務取引等利益」は、住宅ローン実行による貸出事務手数料や決済関連手数料といった役務取引等収益が寄与し、同31億円の増益となりました。「その他業務利益」は、金融派生商品収益や外国為替売買益の増加等により、同20億円の増益となりました。以上の結果、「業務粗利益」は、同93億円の増益の628億円となりました。一方、「営業経費」につきましては、基幹系システム更改や継続的なシステム投資に係るシステム関連費用の計上等により、同21億円の費用増加となりました。
(注)1.業務粗利益=(資金運用収益-(資金調達費用-金銭の信託運用見合費用))
+(役務取引等収益-役務取引等費用)+(その他業務収益-その他業務費用)
2.与信関係費用=貸倒引当金繰入額+貸出金償却+不良債権売却損
3.金額が損失又は減益の項目には△を付しております。
4.当連結会計年度より、従来「営業経費」として計上していた住宅ローン関連費用等を「役務取引等費用」として組替えております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(表示方法の変更)」をご参照ください。
(2)セグメントごとの分析
(注)1.一般事業会社の売上高に代えて、業務粗利益を記載しております。
2.業務粗利益には、資金運用収支、役務取引等収支及びその他業務収支を含んでおります。
3.損失の場合には、金額に△を付しております。
4.「経費等」には、連結財務諸表上の営業経費のほか、与信関係費用が前連結会計年度307百万円、当連結会計年度911百万円、株式等関係損益が前連結会計年度298百万円、当連結会計年度△171百万円等が含まれております。なお、与信関係費用、株式等関係損益等は「デジタルバンク事業」に含めております。
5.当社は、内部管理上、資産及び負債をセグメントに配分していないため、報告セグメント別の資産及び負債を記載しておりません。
6.当連結会計年度より、報告セグメント別の経営成績をより適切に反映させるため測定方法を変更しており、前連結会計年度のセグメント情報については変更後の区分により作成したものを記載しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の連結財務諸表に係る注記事項((セグメント情報等) セグメント情報 4.報告セグメントの変更等に関する事項)をご参照ください。
7.当連結会計年度より、従来「営業経費」として計上していた住宅ローン関連費用等を「役務取引等費用」として組替えており、前連結会計年度のセグメント情報については組替後の区分により作成したものを記載しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (表示方法の変更)」をご参照ください。
報告セグメントごとの業績の主な増減要因は次のとおりであります。
(デジタルバンク事業)
当社の主力事業である住宅ローンの実行による貸出事務手数料やキャッシュレス化の進展による決済関連手数料といった役務取引等収益の増加や、海外の市場金利上昇を背景とした資金利益の増加などが寄与し、業務粗利益が589億円(前年同期比62億円増加)、広告宣伝費等の増加や事務関連の業務委託費用の増加等の結果として、経費等は308億円(同32億円増加)、経常利益は280億円(同30億円増加)となりました。
(BaaS事業)
銀行本体での口座数増加によるアカウント手数料増加や住宅ローンの実行による手数料増加の他、当社の連結子会社であるネットムーブ株式会社の業績が好調であったことから、業務粗利益が48億円(前年同期比30億円増加)、継続的なシステム投資に加え「NEOBANK®」サービスに係る広告宣伝費等により経費等は36億円(同0億円増加)、経常利益は12億円(前年同期比29億円の改善)となりました。
(3)財政状態の分析
① 貸出金
2023年3月31日現在の貸出金は、主力事業である住宅ローンの実行額が回収額を上回り、前年比1兆2,040億円増加の6兆5,948億円となりました。なお、増加の主要因である住宅ローン残高は、同8,788億円増加の5兆3,185億円となっております。
○金融再生法開示債権の状況
2023年3月31日現在の金融再生法開示債権は前年比1兆2,040億円増加の6兆5,965億円となりました。
(注)上記は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」に基づくものであります。
② 有価証券
2023年3月31日現在の有価証券は前年比2,458億円減少の5,587億円となりました。
③ 預金
2023年3月31日現在の預金は顧客増加に伴い伸長し前年比8,628億円増加の7兆9,754億円となりました。
(注)1.流動性預金とは普通預金であります。
2.定期性預金とは定期預金であります。
④ 純資産の部
2023年3月31日現在の純資産の部合計は、2023年1月18日付の臨時株主総会決議(会社法第319条第1項に基づく書面決議)による、同日を基準日、2023年1月20日を効力発生日とした、利益剰余金を原資とする1株当たり198円95銭、総額30,000百万円の現金配当の実施を主因として、前年比137億円減少の1,316億円となりました。
(4)連結自己資本比率(国内基準)
当社は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては基礎的内部格付手法を採用しております。
2023年3月31日現在の「連結自己資本比率」は8.95%となりました。
(注)連結自己資本比率については、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)」に定められた算式により算出しております。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に影響を与える大きな要因としては、国内外の金利動向が挙げられますが、なかでも当社の資金調達コスト・運用収益に最も影響を与えるのは国内の金利動向であると考えております。こうした認識の下、当社はALM委員会を設置し、金利・為替の動向によって、資産・負債の価値及びこれらから生み出される収益が変動するリスク(市場リスク)と資金繰りリスク(流動性リスク)をモニタリングするとともに、上記のリスクをふまえた預金・貸出金利コントロールやヘッジ取引などを機動的に実施していく体制を整備しております。
(6) キャッシュ・フローの状況の分析
「1.経営成績等の状況の概要 (業績)④ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(7) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
お客さまからお預かりした円貨及び外貨預金を基に貸出や有価証券等への投資を行うことを主業とする当社の運用方針は、原則として各通貨の預金による調達資金が各々の運用残高を上回る運営を原則としており、為替リスクを極小化した運用ポートフォリオを常時構築することとしております。
なお、取締役会においては、各通貨の流動性リスクの他、リスクカテゴリー毎のリスク量から算出した統合リスク量とストレスシナリオに基づく想定損失額のモニタリングを行っており、その合算値がリスク資本の範囲内に収まることを四半期毎に確認しております。
(8) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、事業の成長性と効率性を評価する客観的な指標として、連結経常利益、経費率(OHR:業務粗利益に占める営業経費の比率)、連結自己資本ROE(親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本)や規制上の自己資本比率といった資本関連指標を重視しております。
2022年3月期の連結経常利益は232億円、OHR(注)は56.8%、連結自己資本ROE(親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本)は12.2%、規制上の連結自己資本比率は7.59%であり利益の着実な成長と業務効率・財務健全性を意識した運営の成果となりました。また、2023年3月期の連結経常利益は293億円、OHR(注)は51.7%、連結自己資本ROEは14.3%、規制上の連結自己資本比率は8.95%であり、引続き業務効率・財務健全性を維持しつつ利益の着実な成長を果たしております。今後も利益ベースでの着実な成長と業務効率を意識した態勢を構築・維持することにより事業を推進してまいります。資本については、資本の有効活用の観点から、収益性の高い分野への資本配賦や効率的な利益獲得を追求しつつ、財務の健全性の観点から、国内基準行の規制水準である4%に適切な資本バッファーを加えた水準を維持いたします。
(注)当連結会計年度より、従来「営業経費」として計上していた住宅ローン関連費用等を「役務取引等費用」として組替えており2022年3月期並びに2023年3月期のOHRは組替後の業務粗利益及び営業経費をもとに算定しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (表示方法の変更)」をご参照下さい。
(9) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
(金融経済環境)
当連結会計年度を振り返りますと、国内の新型コロナウイルスの行動制限は緩和され、世界的にも行動規制緩和・撤廃の動きが継続している状況です。一方、インフレ圧力の高まりによる諸外国の金利引上げ等の金融政策の変更や、ウクライナ情勢の悪化等による国内外の景気影響が懸念される状況です。
日本経済においては、新型コロナウイルス蔓延に起因する過度な景気後退懸念は後退しておりますが、金融資本市場においては、2022年12月の日本銀行の金融政策決定会合で、イールドカーブコントロール(長短金利操作)の10年物日本国債金利の変動幅が「±0.25%」から「±0.50%」に変更されたことを受けて、一時、市場では変動幅上限の0.50%に近い水準まで日本国債10年物金利が上昇し、日本銀行総裁人事や新総裁による政策修正への思惑によって市場金利が変動する状況になりました。
米国においては、急速なインフレ抑制を主目的として、米国連邦準備制度理事会(FRB)の連邦公開市場委員会は、政策金利であるフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標を大幅に引き上げました。その後、米国及びスイスの一部の銀行において経営状況が悪化し、破綻処理又は他行と救済合併される事態となり、景気悪化が懸念される状況となりました。
為替市場は、当連結会計年度期初のドル円(日本銀行、ドル円スポット17時)が122.64円だったのに対し、期末時点では133.12円となりました。
株式市場においては、諸外国の市場へ供給する資金量の削減や利上げ等の影響による景気後退懸念が高まっておりますが、日経平均株価は当連結会計年度期初始値の2万7,624円から期末時点終値の2万8,041円の間で推移しました。
(事業の経過等)
当社グループは、2007年9月の営業開始以来、「どこよりも使いやすく、魅力ある商品・サービスを24時間・365日提供するインターネットフルバンキング」を基本的コンセプトとして、その実現に力を注いでまいりました。多くのお客さまからご支持をいただいた結果、当連結会計年度末日現在における口座数は614万件、預金総額は7兆9千億円台となりました。
当社グループの主力商品である住宅ローンでは、より多くのお客さまに当社商品を提供できるよう当連結会計年度も銀行代理業者による店舗網拡大を進めており、当連結会計年度を通じて多くの企業と新たな銀行代理業委託契約を締結しております。こうした取組みの結果、2023年3月には開業来の住宅ローン累計取扱額が9兆円を突破しました。
また、近年では顧客基盤を有する企業に対し、当社の金融インフラをBaaS(Banking as a Service)として提供し、優れた顧客体験を実現する「NEOBANK®」サービスを中心としたBaaS事業を推進しており、これまでなかった新たなカスタマーエクスペリエンスの提供を目指しております。同事業として、2020年4月には、日本航空株式会社のグループ会社である、JALペイメント・ポート株式会社との共同事業として、「JAL NEOBANK」をリリースし、2021年3月には、カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社のグループ会社である、株式会社Tマネーとの共同事業として、「T NEOBANK」をリリースしました。2022年3月期の「ヤマダNEOBANK」「おうちバンク」「SBI証券NEOBANK」の新規リリースに加え、2022年6月に株式会社髙島屋の顧客向け銀行及び積立サービス「高島屋NEOBANK」、2022年10月にSBIレミット株式会社の顧客向け銀行サービス「SBIレミット支店」、2023年1月に第一生命保険株式会社の顧客向け銀行サービス「第一生命NEOBANK」、2023年3月にファイターズファンの皆さまのための銀行サービス「F NEOBANK(エフネオバンク)」、株式会社GA technologiesと不動産投資家向けネット銀行「RENOSY BANK(リノシーバンク)」の提供を開始しております。引き続き、当社は様々な企業に対し、当社の金融インフラをBaaSとして提供し、より多くのお客さまに最先端のテクノロジーを活用した金融サービスの提供を推進してまいります。
今後も引き続き、子会社の業務粗利益の拡大を目指すとともに「住信SBIネット銀行のフィデューシャリー・デューティーに関する取組みについて」にも掲げている「お客さま中心主義」を事業活動の原点に、インターネットの利便性を最大限活用し魅力ある金融サービスの開発・改善を進めてまいります。
(業績)
① 当連結会計年度の業績
当連結会計年度の損益の状況につきましては、経常利益が293億円(前年同期比26.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が199億円(同16.5%増)となりました。これは、住宅ローン等を中心とした個人向けローンが引続き好調に推移したことや、決済関連手数料の増加等が寄与したものです。なお、1株当たり当期純利益は132円18銭となりました。
② 資産負債の状況
当連結会計年度における資産負債の状況につきまして、総資産は前連結会計年度末比1,449億円増加し8兆6,790億円となりました。このうち、現金預け金につきましては同6,669億円減少し1兆1,004億円、貸出金につきましては住宅ローン等への積極的な取組みにより同1兆2,040億円増加し6兆5,948億円、有価証券は再投資の難しい運用難の環境を背景に同2,458億円減少し5,587億円となりました。一方、負債は同1,586億円増加し8兆5,473億円となりました。このうち預金につきましては、普通預金や円定期預金等を中心に同8,628億円増加し7兆9,754億円となりました。また、債券貸借取引受入担保金は同2,239億円減少し1,458億円、借用金は4,864億円減少し3,000億円となりました。純資産は親会社株主に帰属する当期純利益199億円を計上したことや、利益剰余金を原資とする300億円の現金配当の実施、その他有価証券評価差額金及び繰延ヘッジ損益の変動を要因として、同137億円減少し1,316億円となりました。
③ セグメントの状況
当連結会計年度における報告セグメントの状況につきまして、デジタルバンク事業については、主力事業である住宅ローンの実行による貸出事務手数料やキャッシュレス化の進展による決済関連手数料といった役務取引等収益の増加や、海外の市場金利上昇を背景とした資金利益の増加などが寄与し、業務粗利益が589億円(前年同期比11.8%増)、広告宣伝費等の増加や事務関連の業務委託費用の増加等の結果として、経費等は308億円(同11.6%増)、経常利益は280億円(同12.0%増)となりました。BaaS事業については、銀行本体での口座数増加によるアカウント手数料増加や住宅ローンの実行による手数料増加の他、当社の連結子会社であるネットムーブ株式会社の業績が好調であったことなどから、業務粗利益が48億円(前年同期比161.9%増)、継続的なシステム投資に加え「NEOBANK®」サービスに係る広告宣伝費等により経費等は36億円(同0.3%増)、経常利益は12億円(前年同期比29億円の改善)となりました。
当連結会計年度より、報告セグメント別の経営成績をより適切に反映させるため、測定方法を変更しております。「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等) 4.報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。
また、当連結会計年度より、従来「営業経費」として計上していた住宅ローン関連費用等を「役務取引等費用」として組替えております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (表示方法の変更)」をご参照ください。
④ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローは、顧客基盤の拡大に伴う預金が増加する一方で住宅ローンを中心とした貸出金の増加や債券貸借取引受入担保金並びに借用金の減少により9,497億円の支出(前連結会計年度は4,621億円の収入)、有価証券の取得・処分等の投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却・償還等により3,127億円の収入(同2,056億円の支出)、財務活動によるキャッシュ・フローは、特別配当300億円の支払により299億円の支出(同6億円の支出)となり、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末比6,669億円減少し、1兆1,004億円となりました。
(1)国内・国際業務部門別収支
当連結会計年度の資金運用収支は407億円、役務取引等収支は156億円、その他業務収支は64億円となりました。これを国内・国際業務部門別にみますと、国内業務部門は、資金運用収支は380億円、役務取引等収支は154億円、その他業務収支は40億円となりました。一方、国際業務部門では資金運用収支は27億円、役務取引等収支は2億円、その他業務収支は24億円となりました。
種類 | 期別 | 国内業務部門 | 国際業務部門 | 合計 |
金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
資金運用収支 | 前連結会計年度 | 34,521 | 2,081 | 36,603 |
当連結会計年度 | 38,063 | 2,716 | 40,779 | |
うち資金運用収益 | 前連結会計年度 | 38,092 | 4,336 | 28 |
42,401 | ||||
当連結会計年度 | 40,887 | 6,606 | 12 | |
47,481 | ||||
うち資金調達費用 | 前連結会計年度 | 3,571 | 2,254 | 28 |
5,798 | ||||
当連結会計年度 | 2,824 | 3,890 | 12 | |
6,702 | ||||
役務取引等収支 | 前連結会計年度 | 12,198 | 292 | 12,491 |
当連結会計年度 | 15,413 | 257 | 15,671 | |
うち役務取引等収益 | 前連結会計年度 | 34,629 | 516 | 35,145 |
当連結会計年度 | 41,637 | 545 | 42,182 | |
うち役務取引等費用 | 前連結会計年度 | 22,431 | 223 | 22,654 |
当連結会計年度 | 26,223 | 288 | 26,511 | |
その他業務収支 | 前連結会計年度 | 3,196 | 1,220 | 4,416 |
当連結会計年度 | 4,020 | 2,424 | 6,444 | |
うちその他業務収益 | 前連結会計年度 | 3,866 | 1,484 | 5,351 |
当連結会計年度 | 5,508 | 2,595 | 8,104 | |
うちその他業務費用 | 前連結会計年度 | 669 | 264 | 934 |
当連結会計年度 | 1,487 | 171 | 1,659 |
(注)1.国内業務部門は円建諸取引、国際業務部門は外貨建諸取引(外貨預金等)であります。
ただし、円建対非居住者取引は国際業務部門に含めております。(以下の各表も同様であります。)
2.資金調達費用は金銭の信託運用見合費用(前連結会計年度6百万円、当連結会計年度4百万円)を控除して表示しております。
3.資金運用収益及び資金調達費用の合計欄の上段の計数は、国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の利息であります。
4.当連結会計年度より、従来「営業経費」として計上していた住宅ローン関連費用等を「役務取引等費用」として組替えております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (表示方法の変更)」をご参照ください。
(2)国内・国際業務部門別資金運用/調達の状況
当連結会計年度の資金運用勘定につきましては国内・国際業務部門合計の平均残高が7兆6,737億円、利回りが0.61%となりました。また資金調達勘定につきましては平均残高が8兆3,635億円、利回りが0.08%となりました。これを国内・国際業務部門別にみますと、国内業務部門は、資金運用勘定の平均残高が7兆3,454億円、利回りが0.55%となりました。また資金調達勘定の平均残高が8兆361億円、利回りが0.03%となりました。一方、国際業務部門では、資金運用勘定の平均残高が3,478億円、利回りが1.89%となりました。また資金調達勘定の平均残高が3,470億円、利回りが1.12%となりました。
① 国内業務部門
種類 | 期別 | 平均残高 | 利息 | 利回り |
金額(百万円) | 金額(百万円) | (%) | ||
資金運用勘定 | 前連結会計年度 | (29,350) | (28) | 0.60 |
6,323,609 | 38,092 | |||
当連結会計年度 | (19,653) | (12) | 0.55 | |
7,345,499 | 40,887 | |||
うち貸出金 | 前連結会計年度 | 4,913,768 | 34,474 | 0.70 |
当連結会計年度 | 6,024,598 | 37,534 | 0.62 | |
うち有価証券 | 前連結会計年度 | 402,250 | 1,419 | 0.35 |
当連結会計年度 | 357,442 | 1,470 | 0.41 | |
うちコールローン及び買入手形 | 前連結会計年度 | 1,205 | 3 | 0.29 |
当連結会計年度 | - | - | - | |
うち買入金銭債権 | 前連結会計年度 | 282,173 | 1,306 | 0.46 |
当連結会計年度 | 268,286 | 1,146 | 0.42 | |
うち預け金 | 前連結会計年度 | 634,372 | 855 | 0.13 |
当連結会計年度 | 615,783 | 718 | 0.11 | |
資金調達勘定 | 前連結会計年度 | (-) | (-) | 0.04 |
7,254,635 | 3,571 | |||
当連結会計年度 | (-) | (-) | 0.03 | |
8,036,198 | 2,824 | |||
うち預金 | 前連結会計年度 | 6,395,279 | 2,118 | 0.03 |
当連結会計年度 | 7,322,167 | 1,566 | 0.02 | |
うちコールマネー及び売渡手形 | 前連結会計年度 | 44,079 | △12 | △0.02 |
当連結会計年度 | 65,252 | △29 | △0.04 | |
うち売現先勘定 | 前連結会計年度 | - | - | - |
当連結会計年度 | - | - | - | |
うち債券貸借取引受入担保金 | 前連結会計年度 | 206,799 | 20 | 0.00 |
当連結会計年度 | 198,168 | 19 | 0.00 | |
うち借用金 | 前連結会計年度 | 622,521 | - | - |
当連結会計年度 | 463,570 | 0 | 0.00 |
(注)1.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度1,052,845百万円、当連結会計年度825,855百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度14,178百万円、当連結会計年度14,070百万円)及び利息(前連結会計年度6百万円、当連結会計年度4百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
2.( )内は国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
3.平均残高は原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
② 国際業務部門
種類 | 期別 | 平均残高 | 利息 | 利回り |
金額(百万円) | 金額(百万円) | (%) | ||
資金運用勘定 | 前連結会計年度 | (-) | (-) | 1.38 |
313,605 | 4,336 | |||
当連結会計年度 | (-) | (-) | 1.89 | |
347,858 | 6,606 | |||
うち貸出金 | 前連結会計年度 | - | - | - |
当連結会計年度 | - | - | - | |
うち有価証券 | 前連結会計年度 | 292,384 | 4,335 | 1.48 |
当連結会計年度 | 333,196 | 6,567 | 1.97 | |
うちコールローン及び買入手形 | 前連結会計年度 | - | - | - |
当連結会計年度 | - | - | - | |
うち買入金銭債権 | 前連結会計年度 | - | - | - |
当連結会計年度 | - | - | - | |
うち預け金 | 前連結会計年度 | 637 | 2 | 0.35 |
当連結会計年度 | 717 | 32 | 4.47 | |
資金調達勘定 | 前連結会計年度 | (29,350) | (28) | 0.72 |
312,752 | 2,254 | |||
当連結会計年度 | (19,653) | (12) | 1.12 | |
347,014 | 3,890 | |||
うち預金 | 前連結会計年度 | 281,893 | 864 | 0.30 |
当連結会計年度 | 322,933 | 3,877 | 1.20 | |
うちコールマネー及び売渡手形 | 前連結会計年度 | - | - | - |
当連結会計年度 | - | - | - | |
うち売現先勘定 | 前連結会計年度 | 21 | 0 | 0.35 |
当連結会計年度 | 2,994 | 75 | 2.52 | |
うち債券貸借取引受入担保金 | 前連結会計年度 | - | - | - |
当連結会計年度 | - | - | - | |
うち借用金 | 前連結会計年度 | - | - | - |
当連結会計年度 | - | - | - |
(注)1.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度-百万円、当連結会計年度-百万円)を控除して表示しております。
2.( )内は国内業務部門と国際業務部門の間の資金貸借の平均残高及び利息(内書き)であります。
3.平均残高は原則として日々の残高の平均に基づいて算出しております。
③ 合計
種類 | 期別 | 平均残高 | 利息 | 利回り |
金額(百万円) | 金額(百万円) | (%) | ||
資金運用勘定 | 前連結会計年度 | 6,607,864 | 42,401 | 0.64 |
当連結会計年度 | 7,673,704 | 47,481 | 0.61 | |
うち貸出金 | 前連結会計年度 | 4,913,768 | 34,474 | 0.70 |
当連結会計年度 | 6,024,598 | 37,534 | 0.62 | |
うち有価証券 | 前連結会計年度 | 694,634 | 5,754 | 0.82 |
当連結会計年度 | 690,638 | 8,037 | 1.16 | |
うちコールローン及び買入手形 | 前連結会計年度 | 1,205 | 3 | 0.29 |
当連結会計年度 | - | - | - | |
うち買入金銭債権 | 前連結会計年度 | 282,173 | 1,306 | 0.46 |
当連結会計年度 | 268,286 | 1,146 | 0.42 | |
うち預け金 | 前連結会計年度 | 635,009 | 857 | 0.13 |
当連結会計年度 | 616,501 | 750 | 0.12 | |
資金調達勘定 | 前連結会計年度 | 7,538,037 | 5,798 | 0.07 |
当連結会計年度 | 8,363,559 | 6,702 | 0.08 | |
うち預金 | 前連結会計年度 | 6,677,172 | 2,983 | 0.04 |
当連結会計年度 | 7,645,101 | 5,443 | 0.07 | |
うちコールマネー及び売渡手形 | 前連結会計年度 | 44,079 | △12 | △0.02 |
当連結会計年度 | 65,252 | △29 | △0.04 | |
うち売現先勘定 | 前連結会計年度 | 21 | 0 | 0.35 |
当連結会計年度 | 2,994 | 75 | 2.52 | |
うち債券貸借取引受入担保金 | 前連結会計年度 | 206,799 | 20 | 0.00 |
当連結会計年度 | 198,168 | 19 | 0.00 | |
うち借用金 | 前連結会計年度 | 622,521 | - | - |
当連結会計年度 | 463,570 | 0 | 0.00 |
(注)1.資金運用勘定は無利息預け金の平均残高(前連結会計年度1,052,845百万円、当連結会計年度825,855百万円)を、資金調達勘定は金銭の信託運用見合額の平均残高(前連結会計年度14,178百万円、当連結会計年度14,070百万円)及び利息(前連結会計年度6百万円、当連結会計年度4百万円)を、それぞれ控除して表示しております。
2.平均残高は原則として日々の残高の平均に基づいて算出しておりますが、連結子会社については、半年毎の残高に基づく平均残高を利用しております。
(3)国内・国際業務部門別役務取引の状況
当連結会計年度の役務取引等収益は国内・国際業務部門合計で421億円となりました。これを国内・国際業務部門別にみますと、国内業務部門は416億円となりました。一方、国際業務部門では5億円となっております。また、役務取引等費用は国内・国際業務部門合計で265億円となりました。これを国内・国際業務部門別にみますと、国内業務部門は262億円となりました。一方、国際業務部門では2億円となっております。
種類 | 期別 | 国内業務部門 | 国際業務部門 | 合計 |
金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
役務取引等収益 | 前連結会計年度 | 34,629 | 516 | 35,145 |
当連結会計年度 | 41,637 | 545 | 42,182 | |
うち預金・貸出業務 | 前連結会計年度 | 24,154 | 131 | 24,285 |
当連結会計年度 | 32,428 | 13 | 32,442 | |
うち為替業務 | 前連結会計年度 | 2,470 | 174 | 2,644 |
当連結会計年度 | 2,225 | 261 | 2,486 | |
うち証券関連業務 | 前連結会計年度 | 1,034 | - | 1,034 |
当連結会計年度 | 929 | - | 929 | |
うち代理業務 | 前連結会計年度 | 2,212 | - | 2,212 |
当連結会計年度 | 2,002 | - | 2,002 | |
役務取引等費用 | 前連結会計年度 | 22,431 | 223 | 22,654 |
当連結会計年度 | 26,223 | 288 | 26,511 | |
うち為替業務 | 前連結会計年度 | 2,611 | - | 2,611 |
当連結会計年度 | 2,138 | - | 2,138 |
(注)当連結会計年度より、従来「営業経費」として計上していた住宅ローン関連費用等を「役務取引等費用」として組替えております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (表示方法の変更)」をご参照ください。
(4)国内・国際業務部門別預金残高の状況
○預金の種類別残高(末残)
種類 | 期別 | 国内業務部門 | 国際業務部門 | 合計 |
金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
預金合計 | 前連結会計年度 | 6,818,675 | 293,917 | 7,112,592 |
当連結会計年度 | 7,643,323 | 332,096 | 7,975,420 | |
うち流動性預金 | 前連結会計年度 | 5,174,922 | - | 5,174,922 |
当連結会計年度 | 5,854,714 | - | 5,854,714 | |
うち定期性預金 | 前連結会計年度 | 1,641,811 | - | 1,641,811 |
当連結会計年度 | 1,786,215 | - | 1,786,215 | |
うちその他 | 前連結会計年度 | 1,940 | 293,917 | 295,858 |
当連結会計年度 | 2,394 | 332,096 | 334,490 | |
譲渡性預金 | 前連結会計年度 | - | - | - |
当連結会計年度 | - | - | - | |
総合計 | 前連結会計年度 | 6,818,675 | 293,917 | 7,112,592 |
当連結会計年度 | 7,643,323 | 332,096 | 7,975,420 |
(注)1.流動性預金とは、普通預金であります。
2.定期性預金とは、定期預金であります。
(5)国内・海外別貸出金残高の状況
① 業種別貸出状況(末残・構成比)
業種別 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
国内 | 5,390,839 | 100.00 | 6,594,878 | 100.00 |
金融業 | 48,296 | 0.90 | 72,920 | 1.11 |
個人 | 4,780,346 | 88.68 | 5,686,878 | 86.23 |
国 | 560,866 | 10.40 | 833,393 | 12.64 |
その他 | 1,329 | 0.02 | 1,686 | 0.02 |
海外 | - | - | - | - |
合計 | 5,390,839 | ─── | 6,594,878 | ─── |
(注)特別国際金融取引勘定は該当ありません。
② 外国政府等向け債権残高(国別)
該当事項はありません。
(6)国内・国際業務部門別有価証券の状況
○有価証券残高(末残)
種類 | 期別 | 国内業務部門 | 国際業務部門 | 合計 |
金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
国債 | 前連結会計年度 | 385,929 | - | 385,929 |
当連結会計年度 | 149,840 | - | 149,840 | |
地方債 | 前連結会計年度 | 36,803 | - | 36,803 |
当連結会計年度 | 17,230 | - | 17,230 | |
短期社債 | 前連結会計年度 | 9,000 | - | 9,000 |
当連結会計年度 | 13,500 | - | 13,500 | |
社債 | 前連結会計年度 | 71,459 | - | 71,459 |
当連結会計年度 | 59,975 | - | 59,975 | |
株式 | 前連結会計年度 | 106 | - | 106 |
当連結会計年度 | 179 | - | 179 | |
その他の証券 | 前連結会計年度 | 4,513 | 296,852 | 301,365 |
当連結会計年度 | 830 | 317,212 | 318,042 | |
合計 | 前連結会計年度 | 507,812 | 296,852 | 804,664 |
当連結会計年度 | 241,556 | 317,212 | 558,769 |
(注)「その他の証券」には、外国債券を含んでおります。
(自己資本比率の状況)
(参考)
自己資本比率は、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)」に定められた算式に基づき、連結ベースと単体ベースの双方について算出しております。
なお、当社は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては基礎的内部格付手法を採用しております。
連結自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%) | ||
2022年3月31日 | 2023年3月31日 | |
1.連結自己資本比率(2/3) | 7.59 | 8.95 |
2.連結における自己資本の額 | 1,323 | 1,261 |
3.リスク・アセットの額 | 17,423 | 14,086 |
4.連結総所要自己資本額 | 696 | 563 |
単体自己資本比率(国内基準)
(単位:億円、%) | ||
2022年3月31日 | 2023年3月31日 | |
1.自己資本比率(2/3) | 7.57 | 8.95 |
2.単体における自己資本の額 | 1,343 | 1,274 |
3.リスク・アセットの額 | 17,728 | 14,231 |
4.単体総所要自己資本額 | 709 | 569 |
(資産の査定)
(参考)
資産の査定は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」(平成10年法律第132号)第6条に基づき、当社の貸借対照表の社債(当該社債を有する金融機関がその元本の償還及び利息の支払の全部又は一部について保証しているものであって、当該社債の発行が金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第3項に規定する有価証券の私募によるものに限る。)、貸出金、外国為替、その他資産中の未収利息及び仮払金、支払承諾見返の各勘定に計上されるもの並びに貸借対照表に注記することとされている有価証券の貸付けを行っている場合のその有価証券(使用貸借又は賃貸借契約によるものに限る。)について債務者の財政状態及び経営成績等を基礎として次のとおり区分するものであります。
1.破産更生債権及びこれらに準ずる債権
破産更生債権及びこれらに準ずる債権とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権をいう。
2.危険債権
危険債権とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権をいう。
3.要管理債権
要管理債権とは、三月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権をいう。
4.正常債権
正常債権とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がないものとして、上記1から3までに掲げる債権以外のものに区分される債権をいう。
資産の査定の額
債権の区分 | 2022年3月31日 | 2023年3月31日 |
金額(億円) | 金額(億円) | |
破産更生債権及びこれらに準ずる債権 | 23 | 23 |
危険債権 | 6 | 7 |
要管理債権 | 7 | 7 |
正常債権 | 54,078 | 66,044 |
(生産、受注及び販売の実績)
「生産、受注及び販売の実績」は、銀行業における業務の特殊性のため、該当する情報がないので記載しておりません。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
(1)経営成績の分析
当連結会計年度の「資金利益」は、住宅ローン等を中心とした個人向けローンが堅調に推移したなか、主要国の市場金利上昇を背景に資金運用収益が増加したこと等により、前連結会計年度比41億円の増益となりました。「役務取引等利益」は、住宅ローン実行による貸出事務手数料や決済関連手数料といった役務取引等収益が寄与し、同31億円の増益となりました。「その他業務利益」は、金融派生商品収益や外国為替売買益の増加等により、同20億円の増益となりました。以上の結果、「業務粗利益」は、同93億円の増益の628億円となりました。一方、「営業経費」につきましては、基幹系システム更改や継続的なシステム投資に係るシステム関連費用の計上等により、同21億円の費用増加となりました。
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 増減(百万円) | |
(百万円)(A) | (百万円)(B) | (B)-(A) | |
業務粗利益 | 53,510 | 62,895 | 9,384 |
資金利益 | 36,603 | 40,779 | 4,176 |
役務取引等利益 | 12,491 | 15,671 | 3,179 |
その他業務利益 | 4,416 | 6,444 | 2,028 |
うち国債等債券関係損益 | 2,188 | 616 | △1,572 |
営業経費 | △30,419 | △32,533 | △2,113 |
与信関係費用 | △307 | △911 | △604 |
株式等関係損益 | 298 | △171 | △469 |
持分法による投資損益 | 54 | 73 | 18 |
その他 | 129 | 38 | △91 |
経常利益 | 23,265 | 29,390 | 6,125 |
特別損益 | △388 | △359 | 28 |
税金等調整前当期純利益 | 22,877 | 29,030 | 6,153 |
法人税、住民税及び事業税 | △5,974 | △9,506 | △3,532 |
法人税等調整額 | 213 | 420 | 207 |
法人税等合計 | △5,760 | △9,086 | △3,325 |
当期純利益 | 17,116 | 19,944 | 2,828 |
非支配株主に帰属する当期純利益 | 2 | 12 | 9 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 17,113 | 19,932 | 2,818 |
(注)1.業務粗利益=(資金運用収益-(資金調達費用-金銭の信託運用見合費用))
+(役務取引等収益-役務取引等費用)+(その他業務収益-その他業務費用)
2.与信関係費用=貸倒引当金繰入額+貸出金償却+不良債権売却損
3.金額が損失又は減益の項目には△を付しております。
4.当連結会計年度より、従来「営業経費」として計上していた住宅ローン関連費用等を「役務取引等費用」として組替えております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(表示方法の変更)」をご参照ください。
(2)セグメントごとの分析
(単位:百万円) | ||||
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 増減 | ||
デジタルバンク事業 | ||||
業務粗利益 | 52,709 | 58,932 | 6,222 | |
経費等 | △27,653 | △30,864 | △3,211 | |
経常利益 | 25,056 | 28,067 | 3,011 | |
BaaS事業 | ||||
業務粗利益 | 1,858 | 4,865 | 3,007 | |
経費等 | △3,614 | △3,626 | △12 | |
経常利益(△は経常損失) | △1,756 | 1,239 | 2,995 |
(注)1.一般事業会社の売上高に代えて、業務粗利益を記載しております。
2.業務粗利益には、資金運用収支、役務取引等収支及びその他業務収支を含んでおります。
3.損失の場合には、金額に△を付しております。
4.「経費等」には、連結財務諸表上の営業経費のほか、与信関係費用が前連結会計年度307百万円、当連結会計年度911百万円、株式等関係損益が前連結会計年度298百万円、当連結会計年度△171百万円等が含まれております。なお、与信関係費用、株式等関係損益等は「デジタルバンク事業」に含めております。
5.当社は、内部管理上、資産及び負債をセグメントに配分していないため、報告セグメント別の資産及び負債を記載しておりません。
6.当連結会計年度より、報告セグメント別の経営成績をより適切に反映させるため測定方法を変更しており、前連結会計年度のセグメント情報については変更後の区分により作成したものを記載しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」の連結財務諸表に係る注記事項((セグメント情報等) セグメント情報 4.報告セグメントの変更等に関する事項)をご参照ください。
7.当連結会計年度より、従来「営業経費」として計上していた住宅ローン関連費用等を「役務取引等費用」として組替えており、前連結会計年度のセグメント情報については組替後の区分により作成したものを記載しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (表示方法の変更)」をご参照ください。
報告セグメントごとの業績の主な増減要因は次のとおりであります。
(デジタルバンク事業)
当社の主力事業である住宅ローンの実行による貸出事務手数料やキャッシュレス化の進展による決済関連手数料といった役務取引等収益の増加や、海外の市場金利上昇を背景とした資金利益の増加などが寄与し、業務粗利益が589億円(前年同期比62億円増加)、広告宣伝費等の増加や事務関連の業務委託費用の増加等の結果として、経費等は308億円(同32億円増加)、経常利益は280億円(同30億円増加)となりました。
(BaaS事業)
銀行本体での口座数増加によるアカウント手数料増加や住宅ローンの実行による手数料増加の他、当社の連結子会社であるネットムーブ株式会社の業績が好調であったことから、業務粗利益が48億円(前年同期比30億円増加)、継続的なシステム投資に加え「NEOBANK®」サービスに係る広告宣伝費等により経費等は36億円(同0億円増加)、経常利益は12億円(前年同期比29億円の改善)となりました。
(3)財政状態の分析
① 貸出金
2023年3月31日現在の貸出金は、主力事業である住宅ローンの実行額が回収額を上回り、前年比1兆2,040億円増加の6兆5,948億円となりました。なお、増加の主要因である住宅ローン残高は、同8,788億円増加の5兆3,185億円となっております。
2022年3月31日 | 2023年3月31日 | 増減(百万円) | |
(百万円)(A) | (百万円)(B) | (B)-(A) | |
貸出金残高(末残) | 5,390,839 | 6,594,878 | 1,204,039 |
うち住宅ローン残高 | 4,439,681 | 5,318,575 | 878,894 |
○金融再生法開示債権の状況
2023年3月31日現在の金融再生法開示債権は前年比1兆2,040億円増加の6兆5,965億円となりました。
2022年3月31日 | 2023年3月31日 | 増減(百万円) | |
(百万円)(A) | (百万円)(B) | (B)-(A) | |
破産更生債権及びこれらに準ずる債権 | 2,433 | 2,445 | 11 |
危険債権 | 696 | 831 | 134 |
要管理債権 | 706 | 704 | △2 |
正常債権 | 5,388,665 | 6,592,599 | 1,203,933 |
合計 | 5,392,502 | 6,596,580 | 1,204,077 |
(注)上記は、「金融機能の再生のための緊急措置に関する法律」に基づくものであります。
② 有価証券
2023年3月31日現在の有価証券は前年比2,458億円減少の5,587億円となりました。
2022年3月31日 | 2023年3月31日 | 増減(百万円) | |
(百万円)(A) | (百万円)(B) | (B)-(A) | |
国債 | 385,929 | 149,840 | △236,088 |
地方債 | 36,803 | 17,230 | △19,572 |
短期社債 | 9,000 | 13,500 | 4,500 |
社債 | 71,459 | 59,975 | △11,484 |
株式 | 106 | 179 | 73 |
その他の証券 | 301,365 | 318,042 | 16,676 |
合計 | 804,664 | 558,769 | △245,895 |
③ 預金
2023年3月31日現在の預金は顧客増加に伴い伸長し前年比8,628億円増加の7兆9,754億円となりました。
2022年3月31日 | 2023年3月31日 | 増減(百万円) | |
(百万円)(A) | (百万円)(B) | (B)-(A) | |
流動性預金 | 5,174,922 | 5,854,714 | 679,791 |
定期性預金 | 1,641,811 | 1,786,215 | 144,403 |
その他の預金 | 295,858 | 334,490 | 38,632 |
譲渡性預金 | - | - | - |
合計 | 7,112,592 | 7,975,420 | 862,827 |
(注)1.流動性預金とは普通預金であります。
2.定期性預金とは定期預金であります。
④ 純資産の部
2023年3月31日現在の純資産の部合計は、2023年1月18日付の臨時株主総会決議(会社法第319条第1項に基づく書面決議)による、同日を基準日、2023年1月20日を効力発生日とした、利益剰余金を原資とする1株当たり198円95銭、総額30,000百万円の現金配当の実施を主因として、前年比137億円減少の1,316億円となりました。
2022年3月31日 | 2023年3月31日 | 増減(百万円) | |
(百万円)(A) | (百万円)(B) | (B)-(A) | |
資本金 | 31,000 | 31,000 | - |
資本剰余金 | 13,625 | 13,625 | - |
利益剰余金 | 108,791 | 98,723 | △10,067 |
その他有価証券評価差額金 | △5,664 | △11,409 | △5,745 |
繰延ヘッジ損益 | △2,390 | △335 | 2,055 |
非支配株主持分 | 30 | 87 | 57 |
合計 | 145,392 | 131,691 | △13,700 |
(4)連結自己資本比率(国内基準)
当社は、国内基準を適用のうえ、信用リスク・アセットの算出においては基礎的内部格付手法を採用しております。
2023年3月31日現在の「連結自己資本比率」は8.95%となりました。
2022年3月31日 | 2023年3月31日 | 増減(億円、%) | |
(億円、%)(A) | (億円、%)(B) | (B)-(A) | |
1.連結自己資本比率(2/3) | 7.59 | 8.95 | 1.36 |
2.連結における自己資本の額 | 1,323 | 1,261 | △62 |
3.リスク・アセットの額 | 17,423 | 14,086 | △3,337 |
4.連結総所要自己資本額 | 696 | 563 | △133 |
(注)連結自己資本比率については、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第19号)」に定められた算式により算出しております。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に影響を与える大きな要因としては、国内外の金利動向が挙げられますが、なかでも当社の資金調達コスト・運用収益に最も影響を与えるのは国内の金利動向であると考えております。こうした認識の下、当社はALM委員会を設置し、金利・為替の動向によって、資産・負債の価値及びこれらから生み出される収益が変動するリスク(市場リスク)と資金繰りリスク(流動性リスク)をモニタリングするとともに、上記のリスクをふまえた預金・貸出金利コントロールやヘッジ取引などを機動的に実施していく体制を整備しております。
(6) キャッシュ・フローの状況の分析
「1.経営成績等の状況の概要 (業績)④ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(7) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
お客さまからお預かりした円貨及び外貨預金を基に貸出や有価証券等への投資を行うことを主業とする当社の運用方針は、原則として各通貨の預金による調達資金が各々の運用残高を上回る運営を原則としており、為替リスクを極小化した運用ポートフォリオを常時構築することとしております。
なお、取締役会においては、各通貨の流動性リスクの他、リスクカテゴリー毎のリスク量から算出した統合リスク量とストレスシナリオに基づく想定損失額のモニタリングを行っており、その合算値がリスク資本の範囲内に収まることを四半期毎に確認しております。
(8) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、事業の成長性と効率性を評価する客観的な指標として、連結経常利益、経費率(OHR:業務粗利益に占める営業経費の比率)、連結自己資本ROE(親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本)や規制上の自己資本比率といった資本関連指標を重視しております。
2022年3月期の連結経常利益は232億円、OHR(注)は56.8%、連結自己資本ROE(親会社株主に帰属する当期純利益/自己資本)は12.2%、規制上の連結自己資本比率は7.59%であり利益の着実な成長と業務効率・財務健全性を意識した運営の成果となりました。また、2023年3月期の連結経常利益は293億円、OHR(注)は51.7%、連結自己資本ROEは14.3%、規制上の連結自己資本比率は8.95%であり、引続き業務効率・財務健全性を維持しつつ利益の着実な成長を果たしております。今後も利益ベースでの着実な成長と業務効率を意識した態勢を構築・維持することにより事業を推進してまいります。資本については、資本の有効活用の観点から、収益性の高い分野への資本配賦や効率的な利益獲得を追求しつつ、財務の健全性の観点から、国内基準行の規制水準である4%に適切な資本バッファーを加えた水準を維持いたします。
(注)当連結会計年度より、従来「営業経費」として計上していた住宅ローン関連費用等を「役務取引等費用」として組替えており2022年3月期並びに2023年3月期のOHRは組替後の業務粗利益及び営業経費をもとに算定しております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (表示方法の変更)」をご参照下さい。
(9) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。