有価証券報告書-第13期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済状況は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大予防の影響により経済活動への制約が継続的に実施され、年度後半には感染力が強いとされる変異株による感染が拡大するなど、引き続き先行きが不透明な状況が続いております。
当社グループの主要な事業領域である国内の住宅市場において、当連結会計年度における新設住宅着工戸数(※1)の総数は392,448戸(前年同期比8.6%減)となりました。持家の着工戸数は263,097戸(前年同期比7.1%減)、分譲住宅(一戸建て)の着工戸数は129,351戸(前年同期比11.5%減)といずれにおいても減少となっております。一方で、持家の着工戸数は2020年4月から10月までは前年同期比でマイナス成長となっていたものの、11月以降はプラス成長が続いており、分譲住宅(一戸建て)の着工戸数も2020年4月以降の全ての月で前年同期比マイナス成長となっておりますが2020年8月の前年同期比22.7%減をピークに2021年3月は前年同期比2.6%減と減少幅が縮小し、新設住宅着工戸数は緩やかな回復傾向となっております。
このような環境下において、当社グループは住生活エージェントとして、“生活者の不利益解消”という使命のもと、お客様の視点に立ったサービスを提供すべく事業を推進しております。
当社グループの主要な事業である地盤関連サービスにおいては、地盤に関する情報を集約した「地盤安心マップPRO」による災害リスクの事前調査、全自動地盤調査機「iGP」による平時の地盤強度調査、微動探査「地震eye」による地震発生時の有事の地盤揺れやすさ調査の「トリプル調査」の提案による受注拡大のための取り組みを行いました。住宅関連サービスにおいては、「トリプル調査」の結果に基く設計による「地盤適合耐震住宅」「地盤適合耐震リフォーム」の提案による受注拡大のための取り組みを行いました。しかしながら、受注件数拡大には十分につながらず、新設住宅着工戸数の減少もあり、当連結会計年度においては受注件数が減少し売上高は減少となりました。一方で、ウィズコロナ、アフターコロナに対応したサービスの展開、厳しい環境下においても利益を出せる体質への転換のための取り組みも行いました。
ウィズコロナ、アフターコロナの時代において、工務店・ビルダーの住宅販売手法は、従来のモデルハウスの利用による販売や対面での商談から、インターネットを利用したバーチャルモデルハウスの活用、商談は非対面型へのシフトが進んでおります。このような変化に対応できるツールとして、当社グループでは、工務店・ビルダーへBIM(※2)を活用した3Dパース(完成予想図)・ウォークスルー動画・VRの提供を拡大しました。
競合他社との差別化サービスとしてのBIMサービスの提供により、新規・競合他社を利用している工務店・ビルダーからの地盤解析サービス・地盤調査サービスの受注も増加しておりますが、前年同期の受注を上回るまでには至りませんでした。地盤解析サービス・地盤調査サービスは当社グループの原点として、受注拡大のための取り組みを引き続き行ってまいります。
BIMサービスは当社の連結子会社である、JIBANNET ASIA CO., LTD.(ベトナム)のダナンBCPOセンターで作成し提供しております。当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症により予定していた生産体制拡大が計画通りに実行できず、売上の大幅拡大とはなりませんでしたが、BIMサービスは当社グループの成長のための主要事業と位置付け、ダナンBCPOセンターにおける投資を継続し、今後も拡大に取り組んでまいります。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大予防のため、テレワークや在宅勤務が普及し、感染リスクの高い密集した都市部から郊外で暮らす動きが広まってきております。当社グループでは以前より災害から生活者の安心安全を守る不動産・住宅選びとして、郊外エリアへの住み替えや地方への移住のための「ジバングー不動産」、地盤から考える災害に強い住宅「地盤適合耐震住宅」「地盤適合耐震リフォーム」を提唱してまいりました。当連結会計年度においては、いい地盤が多い埼玉県飯能市と「移住定住の促進 安心・安全なまちづくりの連携協定」を締結しました。また、都心部から郊外エリアへの移住型フルオーダー住宅をいい地盤エリアの埼玉県入間市で完成引渡しを行いました。ウィズコロナ、アフターコロナの時代においては、利便性重視から安心安全重視の不動産・住宅選びが増えると予想されます。今後も「ジバングー不動産」「地盤適合耐震住宅」「地盤適合耐震リフォーム」の販売拡大に取り組んでまいります。
当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症拡大予防対策と働き方改革の導入により、当社グループはテレワーク・リモート営業を積極的に推進しました。これらの取り組みの効果として、オフィス面積縮小による賃料削減、在宅勤務に伴う役職員の通勤手当削減、WEBを活用した営業活動による営業交通費削減等につながりました。また、これらの費用以外についても費用対効果について検討し、積極的に経費見直しを行いました。これらの取り組みにより、厳しい環境下においても利益を出せる体質への転換を図ることができました。
(※1)国土交通省「建築着工統計調査報告」より、当社グループの事業領域である、持家と分譲住宅(一戸建て)の戸数を合算して、新設住宅着工戸数としております。
(※2)BIM:Building Information Modeling
コンピュータ上に作成した主に3次元の形状情報に加え、室等の名称・面積、材料・部材の仕様・性能、仕上げ等、建物の属性情報を併せ持つ建物情報モデルを構築するシステム。
これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末の資産合計は1,717,289千円となり、前連結会計年度末に比べ54,564千円増加いたしました。流動資産は1,573,364千円となり、前連結会計年度末に比べ102,569千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が77,853千円増加、販売用不動産が66,943千円増加に対し、受取手形及び売掛金が49,892千円減少したことによるものであります。固定資産は143,924千円となり、前連結会計年度末に比べ48,005千円減少いたしました。これは主に、長期貸付金が12,752千円減少、繰延税金資産が16,438千円減少したことによるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債合計は439,197千円となり、前連結会計年度末に比べ77,836千円増加いたしました。流動負債は269,138千円となり、前連結会計年度末に比べ78,886千円減少いたしました。これは主に、未成工事受入金が49,288千円減少、未払法人税等が12,719千円減少したことによるものであります。固定負債は170,059千円となり、前連結会計年度末に比べ156,723千円増加いたしました。これは主に、長期借入金が160,000千円増加したことによるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産合計は1,278,091千円となり、前連結会計年度末に比べ23,272千円減少いたしました。これは主に、譲渡制限付株式として自己株式を処分したことにより自己株式が11,286千円の減少、親会社株主に帰属する当期純損失33,943千円の計上によるものであります。
b.経営成績
当連結会計年度における経営成績は、売上高1,989,794千円(前年同期比17.0%減)となりました。なお、当社グループは、地盤解析を主な事業とする単一セグメントで事業活動を営んでおります。サービス別の売上高は以下のとおりです。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当連結会計年度より部分転圧工事サービスを独立掲記しております。これに合わせ、前連結会計年度のサービス別売上高の組替えを行っております。
地盤解析サービス・地盤調査サービス・部分転圧工事サービスの地盤関連サービスは、トリプル調査の提案および差別化サービスとしてのBIMサービスの提供による受注拡大の取り組みを実施しましたが、新設住宅着工戸数減少の影響を受け、前年同期に比べ減少となりました。
住宅関連サービスは、水害や土砂災害、地震等の頻発する災害リスクに対応した「住み続けられる強い地盤、強い家づくり」を提唱し新築戸建住宅及びリフォーム工事の受注拡大の取り組みを実施しましたが受注拡大につながらず、前年同期と比較して新築戸建住宅の完成引渡し物件が減少したことにより、前年同期に比べ減少となりました。
その他サービスは、BIMを活用した3Dパース(完成予想図)・ウォークスルー動画・VRの提供を含むBCPOサービスが、ウィズコロナ、アフターコロナにおける有効な営業ツールとして工務店・ビルダーの利用が進み受注が拡大しました。その他サービス売上高218,981千円(前年同期は132,233千円 65.6%増)に含まれるBCPOサービスの売上高は112,666千円(前年同期は21,773千円 417.4%増)となりました。
販売費及び一般管理費が前年同期に比べ206,002千円減少し728,289千円となった結果、営業利益87,888千円(前年同期比127.7%増)となりました。
営業外損益では、受取利息1,381千円、為替差益2,256千円を計上したこと等による営業外収益7,875千円、訴訟関連費用3,807千円を計上したこと等による営業外損失4,079千円により、経常利益91,684千円(前年同期比103.9%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、2021年3月31日付「東京国税局からの更正通知受領について」においてお知らせしましたように、過年度法人税等102,252千円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失33,943千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失108,052千円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ77,853千円増加し、550,865千円となりました。各キャッシュ・フローの状況と要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、使用した資金は58,171千円(前年同期88,598千円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益94,323千円、減価償却費31,323千円、売上債権の減少49,313千円、未収入金の減少42,139千円、貸倒引当金の減少10,230千円、棚卸資産の増加39,104千円、前払費用の増加39,861千円、未成工事受入金の減少49,288千円、過年度法人税等の支払96,754千円、法人税等の支払30,665千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は23,896千円(前年同期307,972千円の使用)となりました。これは主に敷金及び保証金の回収による収入19,964千円、貸付による支出21,900千円、無形固定資産の取得による支出14,076千円、有形固定資産の取得による支出10,983千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は161,352千円(前年同期49,532千円の使用)となりました。これは主に長期借入金の借入による収入160,000千円によるものであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
当社グループは売上高伸び率と売上高営業利益率を重視しており、2020年11月12日に開示いたしました計画と実績の比較は以下のとおりであります。
(重要な指標 計画比)
(サービス別売上高 計画比)
売上高伸び率は、新設住宅着工戸数の減少傾向や新型コロナウイルス感染症の影響に鑑みて、マイナス17.9ポイントとしていたものの、概ね計画通りの着地となりました。
売上高営業利益率は計画に対し、プラス1.9ポイントとなりました。これは、住宅関連サービスにおいて原価管理を徹底したことによる利益率の改善、人員の採用が計画に対し後ろ倒しになったことによる販管費の抑制が主な要因になります。
また、新たにROE(自己資本利益率)を重要な経営指標として採用し、株主資本コストを意識した経営により企業価値の向上に努めてまいります。なお、当連結会計年度の実績は以下のとおりであります。
※ROEは以下の計算式により算出しております。
ROE = 親会社株主に帰属する当期純利益 / 自己資本
b.財政状態の分析
当連結会計年度の財政状態については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要は営業活動に伴う費用であり、この資金需要につきましては、営業活動から得られる自己資金を源泉としております。当社グループの持続的な成長と企業価値向上を目的とした投資資金需要が生じた場合は、内部資金に加え、金融機関からの借入を中心に機動性と長期安定性を重視した資金調達を実施することとしております。なお、金融機関には十分な借入枠を有しております。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(繰延税金資産の回収可能性)
繰延税金資産は、将来減算一時差異の解消により、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると認められる範囲を回収可能性があると判断し計上しております。具体的には、将来の一時差異解消スケジュール、タックス・プランニング及び収益力に基づく課税所得の見積り等に基づいて判断しております。これらは主に事業計画を基礎として見積っておりますが、当事業計画に含まれる将来の収益及び費用は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 追加情報(新型コロナウイルス感染症に関する影響について)」に記載した一定の仮定に基づき予測しており、不確実性を伴っております。そのため、実際の経済環境や損益の状況が一定の仮定と大きく乖離した場合には、翌連結会計年度の繰延税金資産の回収可能性に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済状況は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大予防の影響により経済活動への制約が継続的に実施され、年度後半には感染力が強いとされる変異株による感染が拡大するなど、引き続き先行きが不透明な状況が続いております。
当社グループの主要な事業領域である国内の住宅市場において、当連結会計年度における新設住宅着工戸数(※1)の総数は392,448戸(前年同期比8.6%減)となりました。持家の着工戸数は263,097戸(前年同期比7.1%減)、分譲住宅(一戸建て)の着工戸数は129,351戸(前年同期比11.5%減)といずれにおいても減少となっております。一方で、持家の着工戸数は2020年4月から10月までは前年同期比でマイナス成長となっていたものの、11月以降はプラス成長が続いており、分譲住宅(一戸建て)の着工戸数も2020年4月以降の全ての月で前年同期比マイナス成長となっておりますが2020年8月の前年同期比22.7%減をピークに2021年3月は前年同期比2.6%減と減少幅が縮小し、新設住宅着工戸数は緩やかな回復傾向となっております。
このような環境下において、当社グループは住生活エージェントとして、“生活者の不利益解消”という使命のもと、お客様の視点に立ったサービスを提供すべく事業を推進しております。
当社グループの主要な事業である地盤関連サービスにおいては、地盤に関する情報を集約した「地盤安心マップPRO」による災害リスクの事前調査、全自動地盤調査機「iGP」による平時の地盤強度調査、微動探査「地震eye」による地震発生時の有事の地盤揺れやすさ調査の「トリプル調査」の提案による受注拡大のための取り組みを行いました。住宅関連サービスにおいては、「トリプル調査」の結果に基く設計による「地盤適合耐震住宅」「地盤適合耐震リフォーム」の提案による受注拡大のための取り組みを行いました。しかしながら、受注件数拡大には十分につながらず、新設住宅着工戸数の減少もあり、当連結会計年度においては受注件数が減少し売上高は減少となりました。一方で、ウィズコロナ、アフターコロナに対応したサービスの展開、厳しい環境下においても利益を出せる体質への転換のための取り組みも行いました。
ウィズコロナ、アフターコロナの時代において、工務店・ビルダーの住宅販売手法は、従来のモデルハウスの利用による販売や対面での商談から、インターネットを利用したバーチャルモデルハウスの活用、商談は非対面型へのシフトが進んでおります。このような変化に対応できるツールとして、当社グループでは、工務店・ビルダーへBIM(※2)を活用した3Dパース(完成予想図)・ウォークスルー動画・VRの提供を拡大しました。
競合他社との差別化サービスとしてのBIMサービスの提供により、新規・競合他社を利用している工務店・ビルダーからの地盤解析サービス・地盤調査サービスの受注も増加しておりますが、前年同期の受注を上回るまでには至りませんでした。地盤解析サービス・地盤調査サービスは当社グループの原点として、受注拡大のための取り組みを引き続き行ってまいります。
BIMサービスは当社の連結子会社である、JIBANNET ASIA CO., LTD.(ベトナム)のダナンBCPOセンターで作成し提供しております。当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症により予定していた生産体制拡大が計画通りに実行できず、売上の大幅拡大とはなりませんでしたが、BIMサービスは当社グループの成長のための主要事業と位置付け、ダナンBCPOセンターにおける投資を継続し、今後も拡大に取り組んでまいります。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大予防のため、テレワークや在宅勤務が普及し、感染リスクの高い密集した都市部から郊外で暮らす動きが広まってきております。当社グループでは以前より災害から生活者の安心安全を守る不動産・住宅選びとして、郊外エリアへの住み替えや地方への移住のための「ジバングー不動産」、地盤から考える災害に強い住宅「地盤適合耐震住宅」「地盤適合耐震リフォーム」を提唱してまいりました。当連結会計年度においては、いい地盤が多い埼玉県飯能市と「移住定住の促進 安心・安全なまちづくりの連携協定」を締結しました。また、都心部から郊外エリアへの移住型フルオーダー住宅をいい地盤エリアの埼玉県入間市で完成引渡しを行いました。ウィズコロナ、アフターコロナの時代においては、利便性重視から安心安全重視の不動産・住宅選びが増えると予想されます。今後も「ジバングー不動産」「地盤適合耐震住宅」「地盤適合耐震リフォーム」の販売拡大に取り組んでまいります。
当連結会計年度において、新型コロナウイルス感染症拡大予防対策と働き方改革の導入により、当社グループはテレワーク・リモート営業を積極的に推進しました。これらの取り組みの効果として、オフィス面積縮小による賃料削減、在宅勤務に伴う役職員の通勤手当削減、WEBを活用した営業活動による営業交通費削減等につながりました。また、これらの費用以外についても費用対効果について検討し、積極的に経費見直しを行いました。これらの取り組みにより、厳しい環境下においても利益を出せる体質への転換を図ることができました。
(※1)国土交通省「建築着工統計調査報告」より、当社グループの事業領域である、持家と分譲住宅(一戸建て)の戸数を合算して、新設住宅着工戸数としております。
(※2)BIM:Building Information Modeling
コンピュータ上に作成した主に3次元の形状情報に加え、室等の名称・面積、材料・部材の仕様・性能、仕上げ等、建物の属性情報を併せ持つ建物情報モデルを構築するシステム。
これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(資産の部)
当連結会計年度末の資産合計は1,717,289千円となり、前連結会計年度末に比べ54,564千円増加いたしました。流動資産は1,573,364千円となり、前連結会計年度末に比べ102,569千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が77,853千円増加、販売用不動産が66,943千円増加に対し、受取手形及び売掛金が49,892千円減少したことによるものであります。固定資産は143,924千円となり、前連結会計年度末に比べ48,005千円減少いたしました。これは主に、長期貸付金が12,752千円減少、繰延税金資産が16,438千円減少したことによるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末の負債合計は439,197千円となり、前連結会計年度末に比べ77,836千円増加いたしました。流動負債は269,138千円となり、前連結会計年度末に比べ78,886千円減少いたしました。これは主に、未成工事受入金が49,288千円減少、未払法人税等が12,719千円減少したことによるものであります。固定負債は170,059千円となり、前連結会計年度末に比べ156,723千円増加いたしました。これは主に、長期借入金が160,000千円増加したことによるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末の純資産合計は1,278,091千円となり、前連結会計年度末に比べ23,272千円減少いたしました。これは主に、譲渡制限付株式として自己株式を処分したことにより自己株式が11,286千円の減少、親会社株主に帰属する当期純損失33,943千円の計上によるものであります。
b.経営成績
当連結会計年度における経営成績は、売上高1,989,794千円(前年同期比17.0%減)となりました。なお、当社グループは、地盤解析を主な事業とする単一セグメントで事業活動を営んでおります。サービス別の売上高は以下のとおりです。
| サービス | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比 | |||
| 金額 (千円) | 構成比 (%) | 金額 (千円) | 構成比 (%) | 増減額 (千円) | 増減率(%) | |
| 地盤解析サービス | 897,669 | 37.4 | 794,953 | 40.0 | △102,716 | △11.4 |
| 地盤調査サービス | 569,489 | 23.7 | 491,261 | 24.7 | △78,227 | △13.7 |
| 部分転圧工事サービス | 253,890 | 10.6 | 210,110 | 10.6 | △43,779 | △17.2 |
| 住宅関連サービス | 544,862 | 22.7 | 274,487 | 13.8 | △270,374 | △49.6 |
| その他サービス | 132,233 | 5.5 | 218,981 | 11.0 | 86,748 | 65.6 |
| 合計 | 2,398,144 | 100.0 | 1,989,794 | 100.0 | △408,350 | △17.0 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当連結会計年度より部分転圧工事サービスを独立掲記しております。これに合わせ、前連結会計年度のサービス別売上高の組替えを行っております。
地盤解析サービス・地盤調査サービス・部分転圧工事サービスの地盤関連サービスは、トリプル調査の提案および差別化サービスとしてのBIMサービスの提供による受注拡大の取り組みを実施しましたが、新設住宅着工戸数減少の影響を受け、前年同期に比べ減少となりました。
住宅関連サービスは、水害や土砂災害、地震等の頻発する災害リスクに対応した「住み続けられる強い地盤、強い家づくり」を提唱し新築戸建住宅及びリフォーム工事の受注拡大の取り組みを実施しましたが受注拡大につながらず、前年同期と比較して新築戸建住宅の完成引渡し物件が減少したことにより、前年同期に比べ減少となりました。
その他サービスは、BIMを活用した3Dパース(完成予想図)・ウォークスルー動画・VRの提供を含むBCPOサービスが、ウィズコロナ、アフターコロナにおける有効な営業ツールとして工務店・ビルダーの利用が進み受注が拡大しました。その他サービス売上高218,981千円(前年同期は132,233千円 65.6%増)に含まれるBCPOサービスの売上高は112,666千円(前年同期は21,773千円 417.4%増)となりました。
販売費及び一般管理費が前年同期に比べ206,002千円減少し728,289千円となった結果、営業利益87,888千円(前年同期比127.7%増)となりました。
営業外損益では、受取利息1,381千円、為替差益2,256千円を計上したこと等による営業外収益7,875千円、訴訟関連費用3,807千円を計上したこと等による営業外損失4,079千円により、経常利益91,684千円(前年同期比103.9%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、2021年3月31日付「東京国税局からの更正通知受領について」においてお知らせしましたように、過年度法人税等102,252千円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失33,943千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失108,052千円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ77,853千円増加し、550,865千円となりました。各キャッシュ・フローの状況と要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、使用した資金は58,171千円(前年同期88,598千円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益94,323千円、減価償却費31,323千円、売上債権の減少49,313千円、未収入金の減少42,139千円、貸倒引当金の減少10,230千円、棚卸資産の増加39,104千円、前払費用の増加39,861千円、未成工事受入金の減少49,288千円、過年度法人税等の支払96,754千円、法人税等の支払30,665千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は23,896千円(前年同期307,972千円の使用)となりました。これは主に敷金及び保証金の回収による収入19,964千円、貸付による支出21,900千円、無形固定資産の取得による支出14,076千円、有形固定資産の取得による支出10,983千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は161,352千円(前年同期49,532千円の使用)となりました。これは主に長期借入金の借入による収入160,000千円によるものであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
当社グループは売上高伸び率と売上高営業利益率を重視しており、2020年11月12日に開示いたしました計画と実績の比較は以下のとおりであります。
(重要な指標 計画比)
| 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |||
| 計画(%) | 実績(%) | 差異(%) | |
| 売上高伸び率 | △17.9 | △17.0 | 0.8 |
| 売上高営業利益率 | 2.5 | 4.4 | 1.9 |
(サービス別売上高 計画比)
| 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||||
| 計画(千円) | 実績(千円) | 差異(千円) | 計画比(%) | |
| 地盤解析サービス | 800,000 | 794,953 | △5,046 | △0.6 |
| 地盤調査サービス | 490,000 | 491,261 | 1,261 | 0.3 |
| 部分転圧工事サービス | 220,000 | 210,110 | △9,889 | △4.5 |
| 住宅関連サービス | 260,000 | 274,487 | 14,487 | 5.6 |
| その他サービス | 200,000 | 218,981 | 18,981 | 9.5 |
| 合計 | 1,970,000 | 1,989,794 | 19,794 | 1.0 |
売上高伸び率は、新設住宅着工戸数の減少傾向や新型コロナウイルス感染症の影響に鑑みて、マイナス17.9ポイントとしていたものの、概ね計画通りの着地となりました。
売上高営業利益率は計画に対し、プラス1.9ポイントとなりました。これは、住宅関連サービスにおいて原価管理を徹底したことによる利益率の改善、人員の採用が計画に対し後ろ倒しになったことによる販管費の抑制が主な要因になります。
また、新たにROE(自己資本利益率)を重要な経営指標として採用し、株主資本コストを意識した経営により企業価値の向上に努めてまいります。なお、当連結会計年度の実績は以下のとおりであります。
| 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |
| ROE(%) | △7.8 | △2.6 |
| 株主資本コスト(%) | 6.4 | 6.2 |
※ROEは以下の計算式により算出しております。
ROE = 親会社株主に帰属する当期純利益 / 自己資本
b.財政状態の分析
当連結会計年度の財政状態については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要は営業活動に伴う費用であり、この資金需要につきましては、営業活動から得られる自己資金を源泉としております。当社グループの持続的な成長と企業価値向上を目的とした投資資金需要が生じた場合は、内部資金に加え、金融機関からの借入を中心に機動性と長期安定性を重視した資金調達を実施することとしております。なお、金融機関には十分な借入枠を有しております。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
(繰延税金資産の回収可能性)
繰延税金資産は、将来減算一時差異の解消により、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると認められる範囲を回収可能性があると判断し計上しております。具体的には、将来の一時差異解消スケジュール、タックス・プランニング及び収益力に基づく課税所得の見積り等に基づいて判断しております。これらは主に事業計画を基礎として見積っておりますが、当事業計画に含まれる将来の収益及び費用は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 追加情報(新型コロナウイルス感染症に関する影響について)」に記載した一定の仮定に基づき予測しており、不確実性を伴っております。そのため、実際の経済環境や損益の状況が一定の仮定と大きく乖離した場合には、翌連結会計年度の繰延税金資産の回収可能性に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。