有価証券報告書-第45期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度における我が国の経済は、輸出、生産が軟調であった一方、雇用・所得環境の改善が続くなかで各種政策の効果もあり緩やかな回復基調となったものの、2019年10月の消費税増税後は消費動向に力強さを欠く状態が続きました。さらに、期末にかけては新型コロナウイルス感染症の拡大により急速で大幅な下押し局面に入り、先行きは極めて不透明な状態となりました。
この様な状況の中、当社におきましては例年より特典を充実した入会キャンペーンによる会員集客の強化を図り、入会者獲得が順調に推移したことで、前期に減少した在籍者数の回復を成し遂げたものの、新型コロナウイルス感染症の拡大による急激な市場環境の悪化により再び減少することとなりました。
その他営業施策としましては、特許出願中である水中の特性を活かした関節等体への負担が少ない形でトレーニングができる自社開発の水中バイクについて、新たに開発した当器具を使った水中プログラムとともに直営事業所22校へ導入し、その他直営事業所にも順次展開するべく準備を進めました。
選手強化面におきましては、2019年7月に韓国・光州で開催された第18回世界水泳選手権大会において、競泳の瀬戸大也選手(ANA/JSS毛呂山)が金2つ、銀1つのメダルを獲得、飛び込み競技の荒井祭里選手(JSS宝塚/武庫川女子大学)が入賞し、両選手ともに2021年7月から8月までに掛けて開催される東京オリンピックの代表選手に内定する結果となりました。
事業所につきましては、2020年5月に新築移転を予定するJSSスイミングスクール出雲(島根県出雲市)の工事が予定通り進行しました。
また、2020年3月には日本テレビホールディングス株式会社と業務資本提携契約を締結し、同社の100%子会社で関東エリアを中心に全国173店舗(2020年4月1日現在)のフィットネスジムを運営する株式会社ティップネスを含む、両社の強みを活かした協業を進めることとしました。
このような営業施策に取り組みましたが、前述の新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、全国の事業所で営業休止や縮小、既存会員の休会や退会が増加したことで、当事業年度末の会員数は97,144人(前期比1.3%減)となりました。子供、大人別会員内訳では、子供会員数が85,876人(前期比1.1%減)、大人会員数が11,268人(前期比2.9%減)となっております。
以上の結果、当事業年度の売上高は8,480百万円(前期比2.9%減)、営業利益は374百万円(前期比20.8%減)、経常利益は390百万円(前期比19.6%減)、当期純利益は185百万円(前期比41.6%減)となりました。
なお、当社はスイミングスクール運営事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を行っておりません。
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ15百万円減少し、6,701百万円となりました。これは主に、有形固定資産が44百万円減少したことによるものであります。
負債合計は、前事業年度末に比べ86百万円減少し、3,832百万円となりました。これは主に、固定負債の長期借入金が188百万円減少した一方で、未払金が89百万円増加したことによるものであります。
純資産合計は、前事業年度末に比べ71百万円増加し、2,868百万円となりました。これは主に、利益剰余金が当期純利益の計上等により122百万円増加した一方で、自己株式の取得により51百万円減少したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ、39百万円増加し、当事業年度末は640百万円となりました。当事業年度中における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動により得られた資金は630百万円となりました。これは主に、税引前当期純利益287百万円、減価償却費257百万円によるものであります。また、前事業年度に比べ得られた資金は111百万円増加しておりますが、主に未払金の増減額が91百万円増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動により使用した資金は303百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出304百万円によるものであります。また、前事業年度に比べ使用した資金は118百万円減少しておりますが、主に有形固定資産の取得による支出が117百万円減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動により使用した資金は287百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済
による支出が397百万円、配当金の支払額が63百万円となった一方で、長期借入れによる収入が190百万円となったことによるものであります。また、前事業年度に比べ使用した資金は277百万円増加しておりますが、主に長期借入れによる収入が290百万円減少したことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社は、スイミングスクールの運営を主たる事業としているため、生産及び受注の実績については記載しておりません。
a. 販売実績
当社は、スイミングスクール運営事業の単一セグメントのため、当事業年度の販売実績を売上種類別に示すと、次のとおりであります。
| 売上種類別 | 当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 直営事業収入 (千円) | 6,515,630 | 99.0 | |
| 受託事業収入 (千円) | 755,142 | 97.9 | |
| 企画課外売上収入 (千円) | 478,099 | 93.9 | |
| スイミングスクール運営収入(千円) | 7,748,872 | 98.6 | |
| 直営商品売上 (千円) | 286,797 | 84.5 | |
| その他商品売上 (千円) | 384,904 | 81.5 | |
| 商品売上 (千円) | 671,702 | 82.8 | |
| その他の営業収入 (千円) | 59,804 | 106.0 | |
| 合計(千円) | 8,480,379 | 97.1 | |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、事業年度末における財政状態、報告期間における経営成績及び開示に影響を与える見積り・予測を必要としております。当社はこれらの見積り・予測について、過去の実績や現在の状況を考慮し、合理的と考えられる基準に基づき判断しております。しかしながら、見積り・予測は不確実性が伴うため、実際の結果と大きく異なる可能性があります。
なお、新型コロナウィルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。
(繰延税金資産)
当社は、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損損失)
当社は、固定資産のうち減損の兆候がある資産グループについて、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
② 財政状態の分析
a. 流動資産
当事業年度末における流動資産の残高は、935百万円となり、前事業年度末と比べて20百万円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が39百万円増加したことによるものであります。
b. 固定資産
当事業年度末における固定資産の残高は、5,765百万円となり、前事業年度末と比べて35百万円の減少となりました。これは主に、有形固定資産が44百万円減少したことによるものであります。
c. 流動負債
当事業年度末における流動負債の残高は、2,198百万円となり、前事業年度末に比べて136百万円の増加となりました。これは主に、未払金が89百万円、未払消費税等が66百万円増加したことによるものであります。
d. 固定負債
当事業年度末における固定負債の残高は、1,634百万円となり、前事業年度末に比べて223百万円の減少となりました。これは主に、長期借入金が188百万円減少したことによるものであります。
e. 純資産
当事業年度末における純資産の残高は、2,868百万円となり、前事業年度末に比べて71百万円の増加となりました。これは主に、利益剰余金が当期純利益の計上等により122百万円増加した一方で、自己株式の取得により51百万円減少したことによるものであります。
③ 経営成績の分析
a. 売上高
当事業年度における売上高は、8,480百万円となり、前事業年度と比べて248百万円の減少となりました。これは主に、商品売上高が139百万円、スイミングスクール運営収入が112百万円減少したことによるものであります。
b. 売上原価
当事業年度における売上原価は7,108百万円となり、前事業年度と比べて174百万円の減少となりました。これは主に、商品売上原価が110百万円減少したことによるものであります。
c. 売上総利益
上記の結果、当事業年度における売上総利益は、前事業年度と比べて74百万円減少し、1,372百万円となり、売上高総利益率は16.2%となりました。
d. 販売費及び一般管理費
当事業年度における販売費及び一般管理費は998百万円となり、前事業年度と比べて23百万円の増加となりました。これは主に、給料及び手当が14百万円増加したことによるものであります。
e. 営業利益
上記の結果、当事業年度における営業利益は374百万円となり、前事業年度と比べて98百万円の減少となりました。
f. 営業外収益
当事業年度における営業外収益は23百万円となり、前事業年度と比べて0百万円の増加となりました。これは主に、貸倒引当金戻入額が3百万円増加した一方で、退職給付引当金戻入額が2百万円減少したことによるものであります。
g. 営業外費用
当事業年度における営業外費用は6百万円となり、前事業年度と比べて2百万円の減少となりました。これは主に、支払利息が1百万円減少したことによるものであります。
h. 経常利益
上記の結果、当事業年度における経常利益は390百万円となり、前事業年度と比べて95百万円の減少となりました。
i. 当期純利益
減損損失103百万円等を計上した結果、特別利益が0百万円、特別損失が103百万円となり、税引前当期純利益は287百万円となりました。また、法人税、住民税及び事業税121百万円、法人税等調整額△19百万円を計上しております。
以上の結果、当事業年度における当期純利益は185百万円となり、前事業年度と比べて132百万円の減少となりました。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社の主力であるスイミングスクール事業については、医療制度改革の中で2008年4月から健診・保健指導の義務化が実施されるなど、国民の健康意識の高まりとともにスイミングに対するニーズも拡大する方向にありますが、国内経済動向、個人消費、流行、原油価格等の外的要因が変動することにより大きく影響を受けます。
また、同業他社による多店舗展開、異業種からの参入など競争はより激しくなってきており、出店地域における当社の優位性の確保状況により影響を受けます。
⑤ 経営戦略の現状と見通し
当社は、総合フィットネスを展開する同業他社と差別化を図るため、スイミングスクール事業を「教育」として指導教本及び水中健康運動教本等の創業以来の指導経験を織り込んだ各種マニュアルや教本に基づく専門性の高い指導を実施し、当社ブランド力の強化と各事業所の収益力向上を進めております。今後の見通しについては、直営事業所として低コスト運営が可能なコンパクトタイプ施設(会員数1,000名程度)の展開を進め、買収、合併等を利用した事業譲受や既存施設の新築移転も含め、年間2事業所程度の出店を計画しております。
⑥ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の運転資金需要の主なものは、スイミングスクール事業の指導者の人件費、水道光熱費等の販売費及び一般管理費であり、また、設備資金需要としては新規事業所の開設費用及びプール施設の維持管理に関する設備投資資金であります。
そのような資金需要を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入により資金調達を行っております。
また、資金の流動性に関しては、現在の複数の金融機関からの借入は円滑に行われており、十分な借入余力があり、流動性の補完にも対応が可能となっております。
当事業年度における資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは630百万円の現金及び現金同等物を得ております。投資活動によるキャッシュ・フローにおいては、主に有形固定資産の取得による支出304百万円がありました。財務活動によるキャッシュ・フローにおいては、主に長期借入金の返済による支出397百万円、長期借入れによる収入190百万円がありました。その結果、現金及び現金同等物の期末残高は640百万円となり、前事業年度末と比べて39百万円増加しました。