有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2015/02/12 15:01
【資料】
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【項目】
89項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社の財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値、並びに報告期間における収益・費用の報告数値は、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき、見積り及び判断を行っているものであります。経営者は、これらの見積りについての過去実績や状況に応じて合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
(2)財政状態の分析
第18期事業年度(自 平成25年1月1日 至 平成25年12月31日)
(資産)
当事業年度の資産合計は、前事業年度末に比して152,291千円増加し、当事業年度末は575,648千円(前期比36.0%増)となりました。
このうち流動資産は、前事業年度末に比して164,371千円増加し、当事業年度末は398,910千円となりました。これはスマートフォンの普及率拡大に伴い売上高が順調に推移したことにより現金及び預金が146,656千円並びに売掛金が15,767千円増加したことが主たる要因であります。
また固定資産は、前事業年度末に比して12,080千円減少し、当事業年度末は176,737千円となりました。これは、ソフトウエアが16,239千円増加した一方で、のれんが償却に伴い18,654千円減少したこと、繰延税金資産が5,450千円減少したことが主たる要因であります。
(負債)
負債につきましては、前事業年度末に比して11,337千円減少し、当事業年度末は165,716千円(前期比6.4%減)となりました。
このうち流動負債は、前事業年度に比して35,576千円増加し、当事業年度末は155,713千円となりました。これは、売上増加等による課税所得の稼得に伴い未払法人税等が28,209千円増加したこと、売上増加に伴い未払消費税等が13,825千円増加したことが主たる要因であります。
また、固定負債は、前事業年度に比して46,914千円減少し、当事業年度末は10,003千円となりました。これは、長期借入金が46,914千円減少したことによるものであります。
(純資産)
純資産につきましては、前事業年度末に比して163,629千円増加し、当事業年度末は409,932千円(前期比66.4%増)となりました。これは、当期において当期純利益を139,579千円計上したことにより利益剰余金が増加したことが主たる要因であります。
第19期第3四半期累計期間(自 平成26年1月1日 至 平成26年9月30日)
(資産)
当第3四半期会計期間末における資産合計は、前事業年度末に比べ24,700千円増加し、600,349千円となりました。この主たる要因は、前渡金が16,636千円増加したことによるものであります。
(負債)
負債につきましては、前事業年度末に比べ66,447千円減少し、99,268千円となりました。この主たる要因は、未払法人税等の減少により31,520千円、借入金の返済により15,110千円減少したことによるものであります。
(純資産)
純資産につきましては、前事業年度末に比べ91,148千円増加し、501,080千円となりました。この主たる要因は、四半期純利益の計上に伴い利益剰余金が117,298千円増加した一方で、自己新株予約権の取得により28,400千円減少したことによるものであります。
(3)経営成績の分析
第18期事業年度(自 平成25年1月1日 至 平成25年12月31日)
(売上高)
当事業年度の売上高は、前事業年度に比して169,187千円増加し887,806千円(前期比23.5%増)となりました。
eマーケティング事業においては、スマートフォンの普及率が拡大したこと及び新機能の投下などの諸施策を実施したこと等により、前事業年度に比して156,966千円増加し705,588千円(前期比28.6%増)となりました。
Webソリューション事業においては、不動産会社向けWebサイトのコンテンツ管理システムである「仲介名人」やバスケットゴール専門のオンラインショップである「Basketgoal.com」もeマーケティング事業とのシナジー効果が顕在化し、前事業年度に比して12,220千円増加し182,218千円(前期比7.2%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、前事業年度に比して24,013千円減少し128,916千円(前期比15.7%減)となりました。売上原価の主たる減少要因は、ソフトウエア開発に係る人員増加に伴い労務費が4,064千円及び商品の仕入高が10,782千円増加した一方で、業務委託費が47,126千円減少したためであります。
以上の結果、売上総利益は前事業年度に比して193,200千円増加し758,890千円(前期比34.2%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益、経常利益)
販売費及び一般管理費は、前事業年度に比して107,500千円増加し539,026千円(前期比24.9%増)となりました。主たる要因としては、役員及び従業員の増加に伴う人件費を始めとした一般管理費の増加及び売上増加に伴う販売費の増加によるものであります。
営業利益は前事業年度に比して85,700千円増加し219,863千円(前期比63.9%増)となりました。
経常損益は、助成金収入等2,261千円の営業外収益の計上があった一方で、支払利息及び支払保証料1,250千円の営業外費用が計上したことによるものであります。
以上の結果、経常利益は前事業年度に比して88,576千円増加し220,874千円(前期比67.0%増)となりました。
(当期純利益)
当事業年度において特別損益は生じていないものの、売上増加等による課税所得の稼得に伴い法人税、住民税及び事業税が79,555千円計上されたこと、更には税効果会計適用による法人税等調整額が1,740千円計上されました。
以上の結果、当期純利益は前事業年度に比して59,820千円増加し139,579千円(前期比75.0%増)となりました。
第19期第3四半期累計期間(自 平成26年1月1日 至 平成26年9月30日)
(売上高)
当第3四半期累計期間における売上高は708,984千円となりました。
eマーケティング事業においては、依然としてスマートフォンの普及率は拡大傾向にあり、売上高は575,647千円となりました。また、新製品である、ユーザの様々な条件に応じて最適な個別バナーを自動表示することで、One to Oneマーケティングを実現する「サイト・パーソナライザ」を前期より投入し、導入アカウント数は順調に拡大しております。
Webソリューション事業においては、「仲介名人」事業、「Basketgoal.com」事業ともに、順調に推移しており、売上高は133,336千円となりました。また、リアル店舗の販売促進、来店促進を支援するスマートフォンアプリ構築支援サービス「Go!Store」の事業を株式会社アップグレートより譲受け、第2四半期会計期間より本格稼働し売上増加に寄与しております。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、売上高の増加に伴い90,906千円となりました。
以上の結果、売上総利益は、618,078千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益、経常利益)
販売費及び一般管理費は、役員及び従業員の増加に伴う人件費を始めとした一般管理費の増加及び売上増加に伴う販売費の増加に伴い432,520千円となりました。
営業利益は185,557千円となりました。
経常損益は、受取利息等175千円の営業外収益の計上があった一方で、支払利息及び支払保証料390千円の営業外費用を計上したことによるものであります。
以上の結果、経常利益は、185,341千円となりました。
(四半期純利益)
四半期純利益は、法人税等合計を差し引いた結果、117,298千円となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況
第18期事業年度(自 平成25年1月1日 至 平成25年12月31日)
当事業年度末の現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前事業年度に比して146,656千円増加し、286,430千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動の結果得られた資金は前事業年度に比して49,870千円増加し、215,222千円(前期比30.2%増)となりました。この主たる要因は、税引前当期純利益220,874千円、減価償却費21,410千円及びのれん償却費18,654千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動の結果支出した資金は39,850千円となりました(前期比74.6%減)。この主たる要因は、無形固定資産の取得による支出38,398千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動の結果支出した資金は28,716千円となりました(前事業年度は11,459千円の収入)。この主たる要因は、ストック・オプションの行使による収入25,850千円があった一方で、長期借入金の返済による支出56,766千円があったことによるものであります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりでありますが、外部要因と内部要因に大別されます。
外部要因としては、自然災害によるサーバ停止、インターネット関連市場の新たな規制や技術革新、競合他社との競争激化、法的規制の変化等により影響を受ける可能性がありますが、このような環境下において、当社の売上は堅調に推移しております。
内部要因としては、システム障害、コア事業であるeマーケティング事業への依存、特定人物への依存、優秀な人材の確保や育成、情報漏洩による情報セキュリティの管理等の影響を受ける可能性がありますが、組織体制の整備及び内部管理体制の強化により、これらのリスク要因に対応するよう努めてまいります。
(6)経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおりでありますが、収益拡大のためには既存事業の拡大及び知名度の向上のための広報活動、グローバル展開への対応、新規事業及び新商品の開発が必要不可欠であると認識しております。そのためには、優秀な人材の確保や組織体制の整備を今まで以上に強化し、これらの課題に対して企業価値の向上を図るべく、当社経営陣は最善の事業戦略を立案するよう努めてまいります。
(7)経営戦略の現状と見通し
当社は、「豊かなネット社会を創る」という企業理念のもと、インターネットに「おもてなし」の機能を自動的に提供することで、すべての人にとってWebサイトを「見やすく、わかりやすく、入力しやすく」することを目指し、企業のWebサイトにおけるマーケティング支援を推進してまいりました。すでにメガバンクをはじめとする大手金融機関のWebサイト、人材サービス業界、不動産業界、ポータルサイトなど各界のリーディングカンパニーを中心に累計5,000アカウント以上の顧客に導入いただきました。また、これによりWebマーケティングに関する多種多様なノウハウとデータを蓄積することができたものと認識しております。
さらに、特許技術につきましては、当社のコア技術に関して国内・海外で7つの特許を取得しており、特に重要技術となるスマートフォンの変換技術については、米国、シンガポール、ブルネイにおいて特許を取得しております。また、当社サービスは、Web最適化のための共通タグ(Javascriptタグ)によって複数のサービスが利用できるワンタグサービスの仕組みも用意されており、Webサイトの全体最適をスピーディーに実現し、より効率的、効果的なサイト運営が可能となっております。
今後は、これらのノウハウやデータと特許技術を有効に活用・連携した新サービスの開発・提供を行ってまいります。具体的にはコンバージョンDMPを活用した効果の高い広告配信サービスの提供を行ってまいります。また、官公庁や自治体及び企業内の業務システムなどWebマーケティング分野以外の分野への展開、さらにアプリとWebサイトの連携などスマートフォン関連分野での収益の多様化・拡大などを推進することにより、更なる成長と安定的な収益基盤の確立を図ってまいります。
(注)DMPは、データ・マネジメント・プラットフォームの略で、インターネット上の様々なサーバに蓄積されるビックデータや自社サイトのログデータなどを一元管理、分析し、最終的に広告配信などを最適化するためのプラットフォームのこと。