有価証券報告書-第53期(2025/04/01-2026/03/31)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
(業績等の概要)
当期における我が国の経済状況は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により緩やかな回復基調となりました。また、世界の経済状況は、一部の地域において足踏みがみられるものの緩やかな持ち直しが続きました。一方で、中東情勢や金融資本市場の変動、米国の政策動向による影響等、景気の下振れリスクが懸念されました。
このような状況のなか、当社グループは、2027年度(2028年3月期)を最終年度とする「中期経営計画2027」の達成に向けて、「①各事業分野の成長戦略」「②企業価値向上に向けた投融資戦略」「③サステナビリティに関する取り組み」を重点施策とし、全社を挙げて取り組んでいます。
当連結会計年度における当社グループの業績は、次表のとおりとなりました。
環境エンジニアリング事業、運営事業及び海外事業が好調に推移し、売上高・営業利益共に前期を上回りました。また、受注も好調に推移し、受注高・受注残高共に前期を上回りました。なお、経常利益には円安影響による為替差益621百万円が含まれています。
また、当社(個別)においては、主に環境エンジニアリング事業の業績が好調に推移し、売上高・営業利益共に前期を上回り、連結業績に大きく寄与しました
| 2025年3月期 (百万円) | 2026年3月期 (百万円) | 増減 (百万円) | 増減率 (%) | |
| 売上高 | 179,094 | 209,844 | +30,749 | +17.2 |
| 営業利益 | 10,626 | 12,879 | +2,252 | +21.2 |
| 経常利益 | 9,951 | 13,175 | +3,224 | +32.4 |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 6,852 | 9,136 | +2,283 | +33.3 |
| 受注高 | 222,724 | 274,532 | +51,808 | +23.3 |
| 受注残高 | 318,700 | 389,299 | +70,598 | +22.2 |
当社グループの事業は、環境エンジニアリング事業、システムソリューション事業、運営事業、海外事業の4セグメントに区分されています。セグメント別の業績は次のとおりです。
(環境エンジニアリング事業)
環境エンジニアリング事業セグメントは、水環境事業及び資源環境事業で構成され、国内の浄水場・下水処理場・資源リサイクル施設向けの機械設備等の設計・建設及び保守・維持管理等を主たる業務としています。
水環境事業においては、大型の建設工事が順調に推移し、売上高・営業利益共に前期を上回りました。
資源環境事業においては、修繕工事が順調に推移し、売上高・営業利益共に前期を上回りました。
| 2025年3月期 (百万円) | 2026年3月期 (百万円) | 増減 (百万円) | 増減率 (%) | |
| 売上高 | 52,367 | 58,475 | +6,107 | +11.7 |
| 営業利益 | 2,362 | 4,543 | +2,180 | +92.3 |
| 受注高 | 51,918 | 75,410 | +23,492 | +45.2 |
| 受注残高 | 101,514 | 118,449 | +16,935 | +16.7 |
(システムソリューション事業)
システムソリューション事業セグメントは、システムエンジニアリング事業及びカスタマーエンジニアリング事業で構成され、国内の浄水場・下水処理場向けの電気設備等の設計・製造及び保守・維持管理等を主たる業務としています。
システムエンジニアリング事業においては、大型の工事が順調に推移し、売上高は前期を上回りましたが、研究開発費や減価償却費等の増加により、営業利益は前期を下回りました。
カスタマーエンジニアリング事業においては、補修工事が順調に推移し、売上高・営業利益共に前期と同水準となりました。
| 2025年3月期 (百万円) | 2026年3月期 (百万円) | 増減 (百万円) | 増減率 (%) | |
| 売上高 | 57,211 | 61,154 | +3,942 | +6.9 |
| 営業利益 | 3,422 | 2,625 | △797 | △23.3 |
| 受注高 | 63,455 | 86,880 | +23,425 | +36.9 |
| 受注残高 | 71,326 | 97,052 | +25,726 | +36.1 |
(運営事業)
運営事業セグメントは、国内の浄水場・下水処理場・資源リサイクル施設の運営事業を主たる業務としています。
子会社の業績が順調に推移し、売上高・営業利益共に前期を上回りました。
| 2025年3月期 (百万円) | 2026年3月期 (百万円) | 増減 (百万円) | 増減率 (%) | |
| 売上高 | 31,787 | 33,455 | +1,667 | +5.2 |
| 営業利益 | 2,219 | 2,425 | +205 | +9.3 |
| 受注高 | 55,860 | 48,555 | △7,305 | △13.1 |
| 受注残高 | 103,020 | 118,120 | +15,099 | +14.7 |
(海外事業)
海外事業セグメントは、海外の浄水場・下水処理場向けの施設・設備の設計・建設及び保守・維持管理並びに民需事業を主たる業務としています。
北米子会社及び欧州子会社の業績が順調に推移し、売上高・営業利益共に前期を上回りました。
| 2025年3月期 (百万円) | 2026年3月期 (百万円) | 増減 (百万円) | 増減率 (%) | |
| 売上高 | 37,727 | 56,759 | +19,031 | +50.4 |
| 営業利益 | 2,621 | 3,285 | +663 | +25.3 |
| 受注高 | 51,489 | 63,686 | +12,197 | +23.7 |
| 受注残高 | 42,839 | 55,676 | +12,836 | +30.0 |
(受注及び販売の状況)
(1) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 環境エンジニアリング事業 | 75,410 | +45.2 | 118,449 | +16.7 |
| システムソリューション事業 | 86,880 | +36.9 | 97,052 | +36.1 |
| 運営事業 | 48,555 | △13.1 | 118,120 | +14.7 |
| 海外事業 | 63,686 | +23.7 | 55,676 | +30.0 |
| 合計 | 274,532 | +23.3 | 389,299 | +22.2 |
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しています。
2. 受注高のうち、官公庁からの受注が9割以上を占めています。
(2) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 環境エンジニアリング事業 | 58,475 | +11.7 |
| システムソリューション事業 | 61,154 | +6.9 |
| 運営事業 | 33,455 | +5.2 |
| 海外事業 | 56,759 | +50.4 |
| 合計 | 209,844 | +17.2 |
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しています。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
| 東京都 | 20,898 | 11.67 | 18,355 | 8.75 |
(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)
(1) 経営成績の分析
当連結会計年度における当社グループの業績は、受注高は前連結会計年度に比べ23.3%増加の274,532百万円となり、売上高は前連結会計年度に比べ17.2%増収の209,844百万円となりました。なお、セグメント別の経営成績につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況の分析 (業績等の概要)」に記載のとおりです。
売上原価は、前連結会計年度に比べ、16.0%増加の162,792百万円となりました。販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ21.7%増加の34,171百万円となりました。
これらの結果、営業利益は前連結会計年度に比べ21.2%増益の12,879百万円となりました。また、経常利益は前連結会計年度に比べ32.4%増益の13,175百万円となりました。特別損失は213百万円となりました。以上により、税金等調整前当期純利益は13,054百万円となり、前連結会計年度に比べ32.4%の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ33.3%増益の9,136百万円となりました。
(2) 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ23,509百万円増加し、220,292百万円となりました。
流動資産は、貯蔵品及び未収消費税が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ2,976百万円増加し、163,154百万円となりました。
固定資産は、建設仮勘定及びリース資産、のれん、投資有価証券に含まれる関係会社株式が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ20,553百万円増加し、57,070百万円となりました。
流動負債は、買掛金並びに契約負債が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ13,374百万円増加し、79,259百万円となりました。
固定負債は、リース債務が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ1,334百万円増加し、46,882百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ8,799百万円増加し、94,150百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの分析
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としています。
主な資金需要は、運転資本、設備投資、研究開発、IT投資に対するものであり、それらの資金は主に営業キャッシュ・フローで充当しており、必要に応じて借入金や社債による調達で対応しています。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は26,736百万円となり、前連結会計年度末に比べ、8,947百万円減少しました。当連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
棚卸資産の増加による支出2,499百万円となりましたが、税金等調整前当期純利益の計上による収入13,054百万円、売上債権及び契約資産の減少による収入4,630百万円などにより、営業活動に伴う資金の増加は15,132百万円(前年同期比1,815百万円増)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出4,730百万円、無形固定資産の取得による支出2,423百万円、投資有価証券の取得による支出6,428百万円、新規連結子会社の取得による支出3,577百万円などにより、投資活動に伴う資金の減少は17,027百万円(前年同期比12,933百万円減)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払による支出2,662百万円、短期借入金の返済による支出3,540百万円などにより、財務活動に伴う資金の減少は7,165百万円(前年同期比19,170百万円減)となりました。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 45.7 | 43.2 | 41.3 | 40.6 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 52.8 | 59.2 | 42.6 | 67.4 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%) | ― | ― | 303.6 | 280.9 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | ― | ― | 44.9 | 29.5 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
2.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しています。
3.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。
4.2023年3月期及び2024年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスであるため記載していません。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しているとおり、国内外の政治情勢、自然災害、市場環境等、様々なリスクが当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しています。
(5) 重要な会計方針及び重要な会計上の見積り・当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、会計基準に基づいて見積りが行われており、資産・負債や収益・費用の数値に反映されています。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しています。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載していますが、特に以下の重要な会計方針や見積が連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があると考えています。
・履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき一定の期間にわたり認識する収益
当社グループは、工事契約による請負、役務の提供(以下、工事契約等)については、一定の期間にわたり履行義務は充足されると判断し、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき一定の期間にわたり収益を認識する方法(履行義務の充足に係る進捗度の見積りはコストに基づくインプット法)を適用しています。履行義務の充足に係る進捗度は案件の原価総額の見積りに対する連結会計年度末までの発生原価の割合に基づき算定しています。
ただし、想定していなかった原価の発生等により進捗度が変動した場合は、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する収益及び費用の金額に影響を与える可能性があります。