有価証券報告書-第20期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/20 16:20
【資料】
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【項目】
136項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の経営成績は、売上高は2,456,194千円(前期比40.5%増)、営業損失は380,497千円(前期は営業損失458,509千円)、経常損失は335,701千円(前期は経常損失449,626千円)、親会社株主に帰属する当期純損失は199,141千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失218,940千円)となりました。なお、直近の業績動向を踏まえ、当社の保有する固定資産(建物附属設備等)について減損損失を特別損失として計上しております。
財政状態は、当連結会計年度末における資産の合計は、前連結会計年度末に比べ242,520千円増加し、1,948,345千円、負債の合計は、前連結会計年度末に比べ88,451千円増加し、467,101千円、純資産の合計は、前連結会計年度末に比べ154,069千円増加し、1,481,244千円となりました。
当社グループのセグメントの業績は次のとおりであります。
(プラットフォーム事業)
プラットフォーム事業では、法人向けに、各企業が保有する基幹業務システムを活かしつつ最適なクラウドソリューションを組み合わせて、新たなデジタルプラットフォーム(ELT、API、CI/CD、IOT、BI/BA)を構築し「プラットフォーム構築支援サービス」「運用サポートサービス」として提供しております。
クライアントのDX推進を支援する取り組みが受注に繋がり、同時にエンジニアの採用や育成によるケイパビリティ拡大に取り組んでおります。
当連結会計年度においては、ケイパビリティの確保が堅調に進展し、クライアントのDX推進による案件増加をこなし、順調に推移しました。
以上の結果、プラットフォーム事業の売上高は1,040,001千円(前期比81.5%増)、セグメント利益は195,640千円(前期比61.7%増)となりました。
(セールスフォース事業)
セールスフォース事業では、Salesforce.com社が提供するソリューション(Sales、Service、App Cloudの他、B2BCommerce、業種別クラウドなど)を用いて、主に顧客接点強化を目的として情報を一元管理し業務効率化を図るなどのサービスを提供することで各企業が抱える課題の解決を支援しております。製品の標準機能と開発をバランス良く組み合わせつつ、要件定義から設計、開発、運用・保守、定着化支援まで一貫して支援しております。
このような取り組みを通じ、パートナー契約および販売代理店契約による提案機会が向上し受注増加に繋がっており、同様にエンジニアの採用や育成によるケイパビリティ拡大やデリバリー体制の再構築に取り組んでおります。
当連結会計年度においては、前期に発生した一部の案件の不具合対応は収束したことから案件を堅調にこなしましたが、プロジェクトの収支管理に課題が残りました。
以上の結果、セールスフォース事業の売上高は423,847千円(前期比9.2%増)、セグメント利益は29,038千円(前期比4.4%増)となりました。
(メディア事業)
メディア事業は、企業の口コミ情報(企業の年収・評判・面接)、口コミ情報等を基にしたニュース記事(企業ニュース)、求人情報(転職・求人)等を取扱う働く人のための情報プラットフォーム「キャリコネ」を通じてワークプレイス・メディアサービスを運営し、また、人材紹介会社に対してソリューションを提供しております。
当連結会計年度においては、継続的に、送客数の増加や送客先の新規開拓、人材紹介会社などに対する支援の拡大に取り組みました。また、コストコントロールを徹底し、利益率を改善しました。
以上の結果、メディア事業の売上高は422,076千円(前期比24.7%増)、セグメント利益は133,011千円(前期比129.9%増)となりました。
(リクルーティング事業)
リクルーティング事業は、主にハイクラス人材をターゲットとし、外資系企業、コンサルティングファーム、IT業界を中心として、求人企業及び求職者の直接依頼に基づく有料職業紹介サービスを行っております。
クライアントのDX推進に伴いDX人材の採用ニーズも増加しており、当社は求人企業と転職希望者の両面へのコンサルティング力の向上を図っております。
当連結会計年度においては、DX人材をはじめとしたハイクラス人材の紹介件数は一定数をこなしたものの主要クライアントの採用縮小などにより計画を下回り、また、キャリアコンサルタントの採用は進むも案件成約には一定期間かかることから人件費の回収には至らず、課題が残りました。
以上の結果、リクルーティング事業の売上高は314,938千円(前期比19.1%減)、セグメント利益は2,447千円(前期比97.9%減)となりました。
(シェアリング事業)
グループ会社である株式会社タイムチケットがシェアリング事業として、「TimeTicket(タイムチケット)」、「TimeTicket Pro(タイムチケットプロ)」、「TikTok Live代理店」を運営しております。また、経営課題の解決を行うコンサルティングサービス「CRiPTコンサルティング」を提供しております。
当連結会計年度においては、ユーザー数増加及びサービス利用の活性化、システム改修の推進と合わせて、新たな収益源として「TikTok Live代理店」や「CRiPTコンサルティング」の立ち上げに注力いたしました。同時に、経営資源の集中と選択を検討した結果、2024年3月18日にTimeTicket GmbHの解散を決議いたしました。
以上の結果、シェアリング事業の売上高は322,608千円(前期比114.4%増)、セグメント損失は267,834千円(前期はセグメント損失338,404千円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、営業活動により505,912千円使用し、投資活動により53,059千円獲得し、財務活動により488,704千円獲得し、前連結会計年度末に比べ38,811千円増加し当連結会計年度末には985,766千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、505,912千円の使用(前期は635,781千円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失が377,094千円、売上債権及び契約資産の増加が266,432千円、未払又は未収消費税等の増加が48,381千円、未払費用の増加が63,527千円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、53,059千円の獲得(前期は210,970千円の使用)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出が1,550,779千円あった一方、投資有価証券の売却による収入が1,613,484千円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、488,704千円の獲得(前期は476,434千円の獲得)となりました。これは主に、非支配株主からの払込みによる収入が500,025千円あったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績及び受注実績
メディア事業、リクルーティング事業及びシェアリング事業は、生産活動及び受注活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
プラットフォーム事業及びセールスフォース事業は期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため、生産実績及び受注状況の記載を省略しております。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
金額(千円)前期比(%)
プラットフォーム事業1,036,73884.5
セールスフォース事業423,8479.2
メディア事業402,98132.5
リクルーティング事業314,938△18.2
シェアリング事業277,689153.9
合計2,456,19440.5

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社204,71011.7432,07317.6

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
当連結会計年度末における資産の合計は、前連結会計年度末に比べ242,520千円増加し、1,948,345千円となりました。これは主に、売掛金及び契約資産の増加が266,432千円あった一方、建物附属設備の減少が30,355千円あったことなどによるものであります。
当連結会計年度末における負債の合計は、前連結会計年度末に比べ88,451千円増加し、467,101千円となりました。これは主に、未払費用の増加が59,949千円、未払消費税等の増加が34,309千円あった一方、長期借入金の減少が26,105千円あったことなどによるものであります。
当連結会計年度末における純資産の合計は、前連結会計年度末に比べ154,069千円増加し、1,481,244千円となりました。これは主に、資本剰余金の増加が116,580千円、非支配株主持分の増加が228,001千円あった一方、利益剰余金の減少が199,141千円あったことなどによるものであります。
b.経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、2,456,194千円(前期比40.5%増)となりました。これは、プラットフォーム事業は体制整備が進み堅調に推移し、セールスフォース事業は体制整備が一定程度進み、メディア事業では営業体制が整備され、リクルーティング事業はクライアントの採用動向への対処が遅れ、また、キャリアコンサルタントの成果に時間を要しているためであります。また、シェアリング事業はライブエンターテイメントやコンサルティングなどの新規サービスが立ち上がっております。
(営業損失)
当連結会計年度の営業損失は、380,497千円(前期は営業損失458,509千円)となりました。これは、プラットフォーム事業やセールスフォース事業における、新卒社員や中途社員の採用、受注案件増加に伴う外注の増加、リクルーティング事業におけるコンサルタントの採用などによる人件費の増加によるものであります。
(経常損失)
当連結会計年度の経常損失は、335,701千円(前期は経常損失449,626千円)となりました。これは、上記の営業損失の要因に加え、株式会社タイムチケットが行っている株式投資による売買有価証券運用益や投資有価証券売却益が発生したことなどによるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純損失)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は、199,141千円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失218,940千円)となりました。これは、上記の経常損失の要因に加え、直近の業績動向を踏まえ、当社及び株式会社タイムチケットの保有する固定資産(建物附属設備など)について減損損失を特別損失に計上したことなどによるものであります。
c.経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
d.セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況について」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの事業計画に必要な資金は主に自己資金でまかなうとともに、短期的な運転資金は必要に応じて銀行借入により調達し、グループ会社において必要な資金の一部は第三者割当増資などで調達しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。