訂正有価証券報告書-第8期(2020/04/01-2021/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、世界中で猛威をふるっている新型コロナウイルス感染症(以下「新型コロナ」という)の感染拡大の影響で大打撃を受けました。年度後半に入ると世界各国でワクチン接種が本格化し、日本においても医療従事者や高齢者などを対象にした接種がスタートしたものの、その一方で変異株の出現などが明らかとなりました。国内の感染状況は依然として一進一退の状態が続いており、それに伴い、景気の回復も大幅に遅れてしまっているのが実情です。国内のワクチン接種は当初計画から大きくずれ込んでおり、景気低迷のさらなる長期化も懸念され始めています。
国内の物流市場も新型コロナにより多大な影響を受けています。トラック輸送の領域では、企業間を行き来する貨物の荷動きが落ち込み、運賃は値下げ基調に転じています。ネット通販などのECや流通業の分野では、比較的荷動きが活発に推移しているものの、トラック輸送の市場全体は縮小傾向にあります。
当連結会計年度において「オペレーションサービス」では、大手ネット通販会社向け物流センターの運営受託業務を中心に事業を展開しました。全国各地の物流施設において、従業員の新型コロナへの感染や事業所内クラスターの発生などが懸念される中、ファイズオペレーションズでは「『ソーシャル・ディスタンス』の確保を大前提とした新たな庫内オペレーション体制」を確立・運用し、スタッフの安全確保や「物流を止めない」センターオペレーションを実現してきました。その結果、「巣篭もり消費」で出荷ボリュームが軒並み拡大する環境下でも、高い作業生産性を維持することができました。
また、EC向け以外でも、新規プロジェクトとして第1四半期にスタートした関東エリアでの大手流通業向け一括物流センターの運営業務や、第4四半期にスタートした関西エリアでの大手消費財メーカー向けマザーセンターの運営業務などにおいて、安定した稼働を実現できました。
「オペレーションサービス」では、既存クライアントの出荷増や販促キャンペーン実施などを背景に、通期にわたってスタッフ採用に積極的に取り組みました。労働力不足で売り手が優位だった採用市場は、新型コロナ以降、買い手市場に転じました。こうした環境の変化もあり、広告出稿費など採用に掛かるコストを低く抑えながら、人員増強を図ることができました。
「ロジスティクスサービス」では、利用運送事業である配車プラットフォームサービス(T-Board)の育成に力を注ぎました。EC領域をはじめ、食料品や生活関連商材など新型コロナの影響を受けにくい領域にターゲットを絞って営業活動を展開したことが奏功し、利用登録事業者数(荷主および実運送会社)、成約件数ともに大きく伸ばすことができました。
一方、実運送では、EC関連貨物を対象にした拠点間輸送の受託件数が大幅に伸長しました。また、当連結会計年度内に中央運輸が当社グループに新たに加わり、稼働トラック台数が増加しました。メーカーの工場〜メーカーの物流センター間、配送デポ間といった新規の定期輸送案件の開拓にも成功しました。
「デリバリーサービス」では、宅配便の集配代行業務での対象エリア拡大や、既存受託エリアでの増車対応などを推進しました。さらに、ラストワンマイル領域では、EC関連貨物の個人宅への配送や、百貨店の配達代行、フードデリバリー代行といった既存サービスを強化するとともに、新たに生活必需品の定期個配サービスをスタートしました。
管理面において翌連結会計年度以降のさらなる成長を見据え、従業員の採用及び教育について積極的に投資を行いました。
以上の結果、当連結会計年度における経営成績は、売上高12,951,260千円(前年同期比21.7%増)、営業利益595,703千円(同70.6%増)、経常利益584,383千円(同67.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益376,499千円(同104.7%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。各セグメントの売上収益は外部顧客に対するものです。
ECソリューションサービス事業
「巣篭もり消費」拡大や販促キャンペーンなどによって、ネット通販会社向け物流センターの運営受託事業では、入出荷量が大幅に増加しました。また、大手流通業向け一括物流センターの運営業務や、大手消費財メーカー向けマザーセンターの運営業務も堅調に推移しました。
輸配送事業では、配車プラットフォームサービスの取り扱い件数が伸長するとともに、新規荷主の獲得に成功し、ファイズトランスポートサービスや中央運輸といったグループ会社での実運送事業収入が拡大しました。
センター運営事業および輸配送事業での収入増を図る一方で、採用コストの抑制や運行経費見直しなどコスト削減策に取り組んだ結果、当セグメントの売上高は12,902,049千円(前年同期比21.5%増)、セグメント利益は649,871千円(同8.8%増)となりました。
ECソリューションサービス事業の各サービス別の売上は次のとおりであります。
ⅰ オペレーションサービス
コロナ禍での購買行動の変化などを受けて、国内のEC化率は右肩上がりで推移しています。それに伴い、EC向け物流センターの運営業務ニーズは旺盛で、既存クライアントの入出荷量は拡大傾向が続きました。また、一括物流センターやメーカー向けマザーセンターといったEC以外のセンター運営事業も安定的に推移しました。その結果、売上高は9,129,239千円(前年同期比18.1%増)となりました。
ⅱ ロジスティクスサービス
国内全体の荷動き低迷が続く中、ECや食料品、生活関連商材などをターゲットにした営業活動を強化した結果、配車プラットフォームサービスや実運送サービスにおける新たなクライアント獲得に成功しました。物流センター間で発生する横持ち幹線輸送業務、メーカー工場〜物流センター間、配送デポ間といった輸送案件の新規開拓にも取り組みました。その結果、売上高は3,257,760千円(前年同期比47.9%増)となりました。
ⅲ デリバリーサービス
大手宅配便会社(日系および外資系)向けに提供する集配代行業務での投入車両数の増加や対象エリアの拡大を進めました。贈答品の宅配やフードデリバリー、生活必需品の定期個配といったラストワンマイル領域での事業拡大も図りました。その結果、売上高は515,048千円(前年同期比25.4%減)となりました。
ⅳ その他
その他サービスとしては、IT技術者の派遣や各種情報システムの開発、ウェブサイト制作といったシステムコンサルティングサービスを提供しました。当連結会計年度より本格化している人材紹介事業では、取り扱い実績を大幅に伸長させることができました。その結果、売上高は49,211千円(前年同期比173.2%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は1,696,057千円と前連結会計年度末と比べ610,966千円の増加となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益602,120千円、減価償却費104,759千円、未払消費税等の増加183,228千円等の資金の増加要因と、売上債権の増加15,234千円、法人税等の支払額213,493千円等の資金の減少要因により、703,379千円の収入(前年同期は322,670千円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、無形固定資産の取得による支出62,206千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出58,889千円等の資金の減少要因により、71,386千円の支出(前年同期は450,977千円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入330,000千円、短期借入金の増加146,000千円等の資金の増加要因と、ファイナンス・リース債務の返済による支出17,883千円、長期借入金の返済による支出475,578千円等の資金の減少要因により、21,026千円の支出(前年同期は373,345千円の支出)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
ⅰ生産実績
当社グループはECソリューションサービス事業を中核とするサービス提供が主要な事業であるため、記載を省略しております。
ⅱ受注実績
当社グループはECソリューションサービス事業を中核とするサービス提供が主要な事業であるため、記載を省略しております。
ⅲ販売実績
当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討な内容
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,451,573千円増加し、4,230,639千円となりました。これは主に現金及び預金が614,591千円増加したこと及び株式会社中央運輸の子会社化により車両運搬具が103,796千円、土地が287,999千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,040,440千円増加し、2,530,624千円となりました。これは主に未払費用が93,207千円増加したこと及び株式会社中央運輸の子会社化により1年以内返済予定の長期借入金が105,592千円、長期借入金が359,064千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ411,133千円増加し、1,700,014千円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加等によるものであります。
(売上高、営業利益)
当連結会計年度の売上高は、オペレーションサービス及びロジスティクスサービスにて主要顧客の通販関係荷量が伸長した結果、前連結会計年度に比べ21.7%増加し12,951,260千円となりました。
営業利益につきましては、管理体制の強化やガバナンス体制の強化に積極的に取り組むための人員増加による人件費の増加および翌連結会計年度以降のさらなる成長を見据え、従業員の採用及び教育について積極的に投資を行った結果、前連結会計年度に比べ70.6%増加し595,703千円となりました。
なお、セグメント別売上高の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。
(営業外損益、経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、助成金収入及び固定資産売却益等の計上により25,431千円となりました。また、営業外費用は、新型コロナ感染症による損失及び敷金解約損等の計上により36,750千円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ67.5%増加し584,383千円となりました。
(特別利益、税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度の特別利益は、株式会社中央運輸の子会社化にともなう負ののれん発生益の計上により17,736千円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ80.5%増加し602,120千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の法人税等は222,865千円となりました。この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ104.7%増加し376,499千円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、人件費及び外注費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としております。M&A等により大型の投資資金が必要になった場合には、財務健全性を考慮しながら長期借入を行うことを検討してまいります。
なお、当連結会計年度末におけるリース債務を含む有利子負債の残高は604,522千円となっております。また、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は1,696,057千円となっております。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っておりますが、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
連結財務諸表の作成で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、法的規制の変化、顧客の動向、競合との競争の激化、人材の確保及び育成、システム障害等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは法令遵守の浸透、顧客ニーズへの対応、新たなサービス開発、優秀な人材の確保と育成、システム基盤の増強等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応していく所存であります。
①経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、世界中で猛威をふるっている新型コロナウイルス感染症(以下「新型コロナ」という)の感染拡大の影響で大打撃を受けました。年度後半に入ると世界各国でワクチン接種が本格化し、日本においても医療従事者や高齢者などを対象にした接種がスタートしたものの、その一方で変異株の出現などが明らかとなりました。国内の感染状況は依然として一進一退の状態が続いており、それに伴い、景気の回復も大幅に遅れてしまっているのが実情です。国内のワクチン接種は当初計画から大きくずれ込んでおり、景気低迷のさらなる長期化も懸念され始めています。
国内の物流市場も新型コロナにより多大な影響を受けています。トラック輸送の領域では、企業間を行き来する貨物の荷動きが落ち込み、運賃は値下げ基調に転じています。ネット通販などのECや流通業の分野では、比較的荷動きが活発に推移しているものの、トラック輸送の市場全体は縮小傾向にあります。
当連結会計年度において「オペレーションサービス」では、大手ネット通販会社向け物流センターの運営受託業務を中心に事業を展開しました。全国各地の物流施設において、従業員の新型コロナへの感染や事業所内クラスターの発生などが懸念される中、ファイズオペレーションズでは「『ソーシャル・ディスタンス』の確保を大前提とした新たな庫内オペレーション体制」を確立・運用し、スタッフの安全確保や「物流を止めない」センターオペレーションを実現してきました。その結果、「巣篭もり消費」で出荷ボリュームが軒並み拡大する環境下でも、高い作業生産性を維持することができました。
また、EC向け以外でも、新規プロジェクトとして第1四半期にスタートした関東エリアでの大手流通業向け一括物流センターの運営業務や、第4四半期にスタートした関西エリアでの大手消費財メーカー向けマザーセンターの運営業務などにおいて、安定した稼働を実現できました。
「オペレーションサービス」では、既存クライアントの出荷増や販促キャンペーン実施などを背景に、通期にわたってスタッフ採用に積極的に取り組みました。労働力不足で売り手が優位だった採用市場は、新型コロナ以降、買い手市場に転じました。こうした環境の変化もあり、広告出稿費など採用に掛かるコストを低く抑えながら、人員増強を図ることができました。
「ロジスティクスサービス」では、利用運送事業である配車プラットフォームサービス(T-Board)の育成に力を注ぎました。EC領域をはじめ、食料品や生活関連商材など新型コロナの影響を受けにくい領域にターゲットを絞って営業活動を展開したことが奏功し、利用登録事業者数(荷主および実運送会社)、成約件数ともに大きく伸ばすことができました。
一方、実運送では、EC関連貨物を対象にした拠点間輸送の受託件数が大幅に伸長しました。また、当連結会計年度内に中央運輸が当社グループに新たに加わり、稼働トラック台数が増加しました。メーカーの工場〜メーカーの物流センター間、配送デポ間といった新規の定期輸送案件の開拓にも成功しました。
「デリバリーサービス」では、宅配便の集配代行業務での対象エリア拡大や、既存受託エリアでの増車対応などを推進しました。さらに、ラストワンマイル領域では、EC関連貨物の個人宅への配送や、百貨店の配達代行、フードデリバリー代行といった既存サービスを強化するとともに、新たに生活必需品の定期個配サービスをスタートしました。
管理面において翌連結会計年度以降のさらなる成長を見据え、従業員の採用及び教育について積極的に投資を行いました。
以上の結果、当連結会計年度における経営成績は、売上高12,951,260千円(前年同期比21.7%増)、営業利益595,703千円(同70.6%増)、経常利益584,383千円(同67.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益376,499千円(同104.7%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。各セグメントの売上収益は外部顧客に対するものです。
ECソリューションサービス事業
「巣篭もり消費」拡大や販促キャンペーンなどによって、ネット通販会社向け物流センターの運営受託事業では、入出荷量が大幅に増加しました。また、大手流通業向け一括物流センターの運営業務や、大手消費財メーカー向けマザーセンターの運営業務も堅調に推移しました。
輸配送事業では、配車プラットフォームサービスの取り扱い件数が伸長するとともに、新規荷主の獲得に成功し、ファイズトランスポートサービスや中央運輸といったグループ会社での実運送事業収入が拡大しました。
センター運営事業および輸配送事業での収入増を図る一方で、採用コストの抑制や運行経費見直しなどコスト削減策に取り組んだ結果、当セグメントの売上高は12,902,049千円(前年同期比21.5%増)、セグメント利益は649,871千円(同8.8%増)となりました。
ECソリューションサービス事業の各サービス別の売上は次のとおりであります。
ⅰ オペレーションサービス
コロナ禍での購買行動の変化などを受けて、国内のEC化率は右肩上がりで推移しています。それに伴い、EC向け物流センターの運営業務ニーズは旺盛で、既存クライアントの入出荷量は拡大傾向が続きました。また、一括物流センターやメーカー向けマザーセンターといったEC以外のセンター運営事業も安定的に推移しました。その結果、売上高は9,129,239千円(前年同期比18.1%増)となりました。
ⅱ ロジスティクスサービス
国内全体の荷動き低迷が続く中、ECや食料品、生活関連商材などをターゲットにした営業活動を強化した結果、配車プラットフォームサービスや実運送サービスにおける新たなクライアント獲得に成功しました。物流センター間で発生する横持ち幹線輸送業務、メーカー工場〜物流センター間、配送デポ間といった輸送案件の新規開拓にも取り組みました。その結果、売上高は3,257,760千円(前年同期比47.9%増)となりました。
ⅲ デリバリーサービス
大手宅配便会社(日系および外資系)向けに提供する集配代行業務での投入車両数の増加や対象エリアの拡大を進めました。贈答品の宅配やフードデリバリー、生活必需品の定期個配といったラストワンマイル領域での事業拡大も図りました。その結果、売上高は515,048千円(前年同期比25.4%減)となりました。
ⅳ その他
その他サービスとしては、IT技術者の派遣や各種情報システムの開発、ウェブサイト制作といったシステムコンサルティングサービスを提供しました。当連結会計年度より本格化している人材紹介事業では、取り扱い実績を大幅に伸長させることができました。その結果、売上高は49,211千円(前年同期比173.2%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は1,696,057千円と前連結会計年度末と比べ610,966千円の増加となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益602,120千円、減価償却費104,759千円、未払消費税等の増加183,228千円等の資金の増加要因と、売上債権の増加15,234千円、法人税等の支払額213,493千円等の資金の減少要因により、703,379千円の収入(前年同期は322,670千円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、無形固定資産の取得による支出62,206千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出58,889千円等の資金の減少要因により、71,386千円の支出(前年同期は450,977千円の収入)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入330,000千円、短期借入金の増加146,000千円等の資金の増加要因と、ファイナンス・リース債務の返済による支出17,883千円、長期借入金の返済による支出475,578千円等の資金の減少要因により、21,026千円の支出(前年同期は373,345千円の支出)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
ⅰ生産実績
当社グループはECソリューションサービス事業を中核とするサービス提供が主要な事業であるため、記載を省略しております。
ⅱ受注実績
当社グループはECソリューションサービス事業を中核とするサービス提供が主要な事業であるため、記載を省略しております。
ⅲ販売実績
当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
ECソリューションサービス(千円) | 12,902,049 | 121.5 |
その他(千円) | 49,211 | 273.2 |
合計(千円) | 12,951,260 | 121.7 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||
金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
アマゾンジャパン合同会社 | 6,945,549 | 65.3 | 9,056,989 | 69.9 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討な内容
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,451,573千円増加し、4,230,639千円となりました。これは主に現金及び預金が614,591千円増加したこと及び株式会社中央運輸の子会社化により車両運搬具が103,796千円、土地が287,999千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,040,440千円増加し、2,530,624千円となりました。これは主に未払費用が93,207千円増加したこと及び株式会社中央運輸の子会社化により1年以内返済予定の長期借入金が105,592千円、長期借入金が359,064千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ411,133千円増加し、1,700,014千円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加等によるものであります。
(売上高、営業利益)
当連結会計年度の売上高は、オペレーションサービス及びロジスティクスサービスにて主要顧客の通販関係荷量が伸長した結果、前連結会計年度に比べ21.7%増加し12,951,260千円となりました。
営業利益につきましては、管理体制の強化やガバナンス体制の強化に積極的に取り組むための人員増加による人件費の増加および翌連結会計年度以降のさらなる成長を見据え、従業員の採用及び教育について積極的に投資を行った結果、前連結会計年度に比べ70.6%増加し595,703千円となりました。
なお、セグメント別売上高の状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。
(営業外損益、経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は、助成金収入及び固定資産売却益等の計上により25,431千円となりました。また、営業外費用は、新型コロナ感染症による損失及び敷金解約損等の計上により36,750千円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ67.5%増加し584,383千円となりました。
(特別利益、税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度の特別利益は、株式会社中央運輸の子会社化にともなう負ののれん発生益の計上により17,736千円となりました。
以上の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ80.5%増加し602,120千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の法人税等は222,865千円となりました。この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ104.7%増加し376,499千円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、人件費及び外注費のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としております。M&A等により大型の投資資金が必要になった場合には、財務健全性を考慮しながら長期借入を行うことを検討してまいります。
なお、当連結会計年度末におけるリース債務を含む有利子負債の残高は604,522千円となっております。また、当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は1,696,057千円となっております。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じ合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っておりますが、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性が伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
連結財務諸表の作成で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、法的規制の変化、顧客の動向、競合との競争の激化、人材の確保及び育成、システム障害等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
そのため、当社グループは法令遵守の浸透、顧客ニーズへの対応、新たなサービス開発、優秀な人材の確保と育成、システム基盤の増強等により、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散し、リスクの発生を抑え、適切に対応していく所存であります。