有価証券報告書-第4期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/28 15:24
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113項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、投資と貿易の拡大が続き、緩やかに成長しております。一方で、米国新政権による通商問題などの政策動向、地政学リスクの上昇等から世界経済は先行き不透明な状況で推移しました。
規模が世界最大のアメリカ経済は、個人消費や設備投資の増加により、景気が着実に回復しております。中国経済は、成長率が上向き、景気が持ち直しており、貿易依存度の高いニュージーランド経済にも好影響を与えております。ニュージーランド経済は、乳製品価格の安定やニュージーランド準備銀行が2016年11月に実施した政策金利の過去最低水準である1.75%の据え置きが経済の下支えとなり、アジアを中心とする移民流入による人口増加等の要因により民間消費や住宅投資などの内需が堅調に推移いたしました。また、2017年9月の総選挙を経て労働党が主導する連立政権が発足いたしましたが、その後の現実的な政策運営により、政権交代に伴う政治的不透明感は後退いたしました。
このような経済状況のもとで、当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の中核事業会社である㈱日貿において、低価格帯の車両を扱っていた販売先の見直しを行いました。これにより、1台当たりの販売単価は上昇したものの販売台数は37,089台となり、前年同期比10.9%減少しました。また、2018年2月にニュージーランドのオークランドに入港した日本発の自動車運搬船において、カメムシ(害虫指定のクサギカメムシ)が発見され、車両の荷揚げが制限された(以下、「カメムシ問題」と称します。)影響等により、物流セグメントの中核事業子会社Dolphin Shipping Australia Pty Ltdにおいて、セグメント売上高の大部分を占めるニュージーランド向けの輸送台数が32,352台となり前年同期比14.9%減少しました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
イ.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ18億45百万円増加し、207億36百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ6億22百万円増加し、112億64百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ12億23百万円増加し、94億71百万円となりました。
ロ.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高261億32百万円(前年同期比3.5%減)、営業利益12億10百万円(同23.2%減)、経常利益13億30百万円(同31.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益9億9百万円(同33.5%減)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
貿易では、売上高146億71百万円(前年同期比7.3%減)、セグメント利益87百万円(同76.8%減)となりました。
物流では、売上高35億18百万円(前年同期比17.7%減)、セグメント利益6億11百万円(同22.8%減)となりました。
サービスでは、売上高46億84百万円(前年同期比26.7%増)、セグメント利益35百万円(前年同期は62百万円の損失)となりました。
検査では、売上高32億58百万円(前年同期比0.7%減)、セグメント利益5億74百万円(同8.3%減)となりました。
②キャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動の結果減少した資金は5億22百万円(前年同期は3億36百万円の増加)となりました。
また、投資活動の結果減少した資金は8億2百万円(前年同期は2億17百万円の減少)となり、財務活動の結果増加した資金は10億60百万円(前年同期は1億71百万円の増加)となりました。
この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、41億95百万円(前年同期比2億68百万円の減少)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
ロ.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
貿易14,927,16697.6
サービス143,88737.1
合計15,071,05496.1

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.物流セグメント及び検査セグメントにおいては商品仕入活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
ハ.受注実績
役務または商品等の受注から完了または納品等までの所要時間が短いため、常に受注残高は僅少であり、期中の受注高と販売実績とがほぼ同額であるため、記載を省略しております。
ニ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
貿易14,671,97192.7
物流3,518,01682.3
サービス4,684,644126.7
検査3,258,29499.3
合計26,132,92696.5

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2016年4月1日
至 2017年3月31日)
当連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
2 CHEAP CARS LIMITED2,959,49410.9--

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、経営者の判断に基づく会計方針の選択と適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りにつきましては、過去の実績や現在の状況等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果につきましては、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表の作成に当たり重要となる会計方針につきましては、「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営成績等
(イ)財政状態
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて7.9%増加し、165億7百万円となりました。これは、主に当連結会計年度末にかけての販売増加やサービスセグメント子会社でニュージーランドの一般消費者向け自動車ローン事業を営むAuto Finance Direct Limitedの貸出残高の増加により売掛金が8億60百万円増加したことや、たな卸資産が1億85百万円増加したことによります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて17.6%増加し、42億28百万円となりました。これは、主にレンタカー事業の車両等の取得により有形固定資産が6億30百万円増加したことによります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて9.8%増加し、207億36百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて30.0%増加し、107億3百万円となりました。これは、主に短期借入金が16億10百万円増加したことによります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて76.7%減少し、5億60百万円となりました。これは、主に長期借入金が18億12百万円減少したことによります。
この結果、負債は、前連結会計年度末に比べて5.9%増加し、112億64百万円となりました。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べて14.8%増加し、94億71百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものであります。
(ロ)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べて3.5%減少し、261億32百万円となりました。
当社グループの主力事業を担う貿易セグメントの中核事業子会社である㈱日貿において、低価格帯の車両を扱っていた販売先の見直しを行った結果、1台当たりの販売単価は前年同期比で上昇したものの販売台数は減少しました。その結果、当連結会計年度の中古自動車販売台数は37,089台と前年同期比10.9%減となり、貿易セグメントの売上高は146億71百万円(前年同期比7.3%減)となりました。
物流セグメントでは、中核事業子会社Dolphin Shipping Australia Pty Ltdの輸送台数が、「カメムシ問題」の影響等により、ニュージーランド向け輸送台数が減少したことを主因として32,352台となり、為替相場の影響等があったため、物流セグメントの売上高は35億18百万円(同17.7%減)となりました。
サービスセグメントでは、主に「SmartBuy」による販売が増加したため、売上高は46億84百万円(同26.7%増)となりました。
検査セグメントでは、「カメムシ問題」の影響等により、バイオ検査(検疫)件数は105,229件と前年同期比2.9%減となりました。その影響により、売上高は32億58百万円(同0.7%減)となりました。
(売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べて3.1%減少し、203億92百万円となりました。これは主に貿易セグメントにおける仕入台数の減少による仕入額の減少と、物流セグメントにおける輸送台数の減少等によるものであります。
この結果、当連結会計年度の売上総利益は、売上高の減少もあり、前連結会計年度に比べて4.9%減少し、57億40百万円となりました。
(営業損益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて1.5%増加し、45億29百万円となりました。これは主に当社グループの体制強化のための人員の増加やレンタカー事業のための広告宣伝費が増加したこと等によるものであります。
この結果、当連結会計年度の営業利益は、売上高の減少もあり、前連結会計年度に比べて23.2%減少し、12億10百万円となりました。
(経常損益)
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べて51.5%減少し、3億1百万円となりました。これは、主に海外子会社等で発生していた為替差益が減少したことによるものであります。
当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度に比べて28.1%減少し、1億81百万円となりました。これは、主に、利率の低下による支払利息の減少、前連結会計年度に発生した関係会社貸付金への貸倒引当金繰入額の計上がなくなったことによるものであります。
この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べて31.6%減少し、13億30百万円となりました。
(特別損益及び税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度に比べて91.0%減少し、8百万円となりました。これは、主に、JEVIC Aflica Limitedの清算益によるものであります。
この結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べて31.0%減少し、13億38百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の法人税等合計は4億28百万円となりました。
この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて33.5%減少し、9億9百万円となりました。
(ハ)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比べて2億68百万円減少し、41億95百万円(前年同期比6.0%減)となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果減少した資金は5億22百万円(前年同期は3億36百万円の増加)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益13億38万円、減価償却費2億56百万円等の増加要因と、売上債権の増加9億49百万円、たな卸資産の増加2億11百万円、法人税等の支払額8億61百万円等の減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果減少した資金は、8億2百万円(前年同期は2億17百万円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出5億85百万円等の減少要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果増加した資金は10億60百万円の増加(前年同期は1億71百万円の増加)となりました。これは主に短期借入金の純増10億円の増加要因によるものであります。
ロ.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載しており、それらのリスクが発生する可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
ハ.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要の主なものは、中古自動車の仕入れ、自動車ローンの貸付資金及びその他の売上原価であります。運転資金の財源は、自己資金及び金融機関からの短期借入金によっています。
投資を目的とした資金需要は、設備投資等による投資であります。投資を目的とした資金は、原則として自己資金を財源としますが、必要に応じて金融機関からの借入や社債及び株式の発行によって資金の調達を行っております。
なお、当連結会計年度末における借入金、社債及びリース債務を含む有利子負債の残高は93億18百万円となっております。また、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は41億95百万円となっております。
ニ.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、収益性及び効率性の観点から、連結営業利益額、連結経常利益額及び自己資本当期純利益率(ROE)を重要な経営指標と考えております。
また、収益性の観点から、連結子会社である㈱日貿の中古自動車販売台数を重要業績評価指標(KPI)として考えております。その理由は、同社における販売のみならず、物流、サービス、検査等が直接的に影響を受けるためであります。
当連結会計年度における連結営業利益額は12億10百万円(前年同期比3億65百万円減)、連結経常利益額は13億30百万円(同6億14百万円減)及び自己資本当期純利益率(ROE)は10.3%(前年同期は17.8%)となりました。また、㈱日貿の中古車販売台数は37,089台(前年同期比4,556台減)となりました。
ホ.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(貿易)
貿易では、販売先の見直し等により、販売単価は上昇したものの販売台数が減少いたしました。この結果、売上高146億71百万円(前年同期比7.3%減)、セグメント利益87百万円(同76.8%減)となりました。
セグメント資産は、売掛金の増加等により6億39百万円増加し、94億55百万円となりました。
(物流)
物流では、貿易セグメントにおける販売先の見直しの影響に加え、「カメムシ問題」の影響等により、ニュージーランド向けの輸送台数が減少いたしました。この結果、売上高35億18百万円(前年同期比17.7%減)、セグメント利益6億11百万円(同22.8%減)となりました。
セグメント資産は62百万円増加し、13億40百万円となりました。
(サービス)
サービスでは、主に「SmartBuy」(注)による販売が増加し、売上高は46億84百万円(前年同期比26.7%増)となりました。セグメント利益は、個人向け自動車ローンの貸出件数の増加を主因に、35百万円(前年同期は62百万円の損失)となりました。
セグメント資産は、売掛金の増加及び車両運搬具の増加等により18億77百万円増加し、77億52百万円となりました。
(検査)
検査では、「カメムシ問題」の影響等により、バイオ検査(検疫)件数は105,229件(前年同期比2.9%減)となりました。この結果、売上高32億58百万円(同0.7%減)、セグメント利益5億74百万円(同8.3%減)となりました。
セグメント資産は93百万円増加し、29億74百万円となりました。
(注)「SmartBuy」:当社子会社のTrade Cars Limitedが同じく当社子会社の㈱日貿から中古自動車を仕入れ、船舶輸送、輸入手続、コンプライアンスセンター(認証検査事業者)への配送、ニュージーランドにおける輸入車検等を組み合わせてパッケージとして販売する形態