半期報告書-第11期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2024/11/14 15:47
【資料】
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【項目】
49項目
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当中間連結会計期間の世界経済は、主要国・地域を中心に全体としては堅調を維持し、鈍化の見られるインフレも踏まえ政策金利の利下げの動きなどもある一方、政局動向を含む地政学リスクは経済環境に依然、不確実な影響をもたらしています。
2025年3月期上期のオーストラリアでは、金融引き締め政策は維持されている一方、底堅い雇用環境や前年度の好調な需要環境の余韻もあり、新車販売台数は前年同期比でほぼ同数となりました。一方、当社グループの事業の主力市場であるニュージーランドでは、主要国同様、インフレの鈍化を受け政策金利の利下げも行われた一方で、足元の景気は力強さを欠く状況にあります。ニュージーランドの中古自動車市場では、昨年10月に成立した新政権による環境規制緩和策により、消費者嗜好と異なる比較的低価格帯の中古自動車輸入が一時的に増加し、主たる出荷元である日本の中古自動車価格の上昇と相俟って現地ディーラーでは車両仕入を様子見し、現地在庫を削減する傾向もみられ、結果、上期の輸入数量は前年同期比減少いたしました。なお、10月に入り漸く市場回復の兆しが見えてきたところです。
上記の市場環境の中、輸出入セグメントの中核事業子会社である㈱日貿における当中間連結会計期間での輸出販売台数は、安易に低価格帯の中古自動車の価格競争に巻き込まれない営業政策を継続したこともあり、前年同期比44.2%減の19,715台に留まりました。物流セグメントの中核事業子会社であるDolphin Shipping New Zealand Limited においては㈱日貿での輸出台数減少等の影響を受け、ニュージーランド向けの輸送台数が18,876台と前年同期比41.1%減少しました。一方で、当中間連結会計期間に買収したオーストラリアのAutocare Service Pty Ltdが、物流セグメントの収益増加に貢献しました。サービスセグメントにおいては、前第3四半期連結会計期間末より連結子会社化したAuto Trader Media Group Ltdが同前年同期比増収に貢献し、更なる市場認知度向上のために広告宣伝を強化する先行投資を行いました。同様に、自動車ローン業務を扱うAuto Finance Direct Limitedでは貸出し残高増加に伴う金利収入増加がセグメントの増収に貢献した一方で、ニュージーランド経済の弱含みを受けて貸倒引当金を積み増したことから、セグメント利益では前年同期比減益となりました。検査セグメントにおいては、ニュージーランド向けの船積前検査数量が24,326台と前年同期比47.5%減となり、他地域向けの検査数量等が増加したものの、前年同期比で減収・減益となりました。当連結会計年度より新設した小売・卸売セグメントにおいては、オーストラリアの新車中古自動車の小売事業子会社で前第3四半期連結会計期間末より連結子会社化したAutopact Pty Ltdの収益が寄与して前年同期比で大幅増収・増益となりました。
この結果、当中間連結会計期間の経営成績は、売上高1,352億59百万円(前年同期比248.8%増)、営業利益39億64百万円(同41.8%増)、経常利益16億97百万円(同23.7%減)、親会社株主に帰属する中間純利益5億22百万円(同64.4%減)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
なお、当中間連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同中間期比較については、前年同中間期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
(輸出入)
輸出入では、前述のように中核子会社である㈱日貿の販売台数が減少したため、売上高は198億7百万円(前年同期比29.2%減)、セグメント利益は3億77百万円(同67.3%減)となりました。
(物流)
物流では、前述のように中核子会社であるDolphin Shipping New Zealand Limitedの輸送台数は減少により同社の売上は減少したものの、当中間連結会計期間に取得したAutocare Service Pty Ltdの収益が貢献した結果、売上高は141億68百万円(前年同期比96.3%増)、セグメント利益は12億12百万円(同23.4%増)となりました。
(サービス)
サービスでは、前述のように自動車ローン業務を担うAuto Finance Direct Limitedでの金利収入増加及び前第3四半期連結会計期間末より連結子会社化したAutotrader Media Group Limitedの収益が貢献したものの、貸倒引当金や広告宣伝費が増加し、売上高は20億25百万円(前年同期比39.1%増)、セグメント利益は1億9百万円(同63.7%減)となりました。
(検査)
検査では、前述のようにニュージーランド向けの船積前検査数量は減少し、他地域向け検査数量等は増加したものの、売上高は24億22百万円(前年同期比13.6%減)、セグメント損失は1億22百万円(前年同期は2億83百万円の利益)となりました。
(小売・卸売)
小売・卸売では、ニュージーランドの中古自動車卸売事業子会社であるTrade Cars Limitedの売上は減少しましたが、前第3四半期連結会計期間末より連結子会社化したAutopact Pty Ltdの収益が貢献した結果、売上高は997億22百万円(前年同期比2,199.2%増)、セグメント利益は26億6百万円(同2,607.6%増)となりました。
(2)財政状態の状況
(資産)
当中間連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ4.3%減少し、867億82百万円となりました。これは主に販売金融債権が5億80百万円、棚卸資産が5億95百万円増加した一方で、現金及び預金が22億81百万円、売掛金及び契約資産が30億16百万円減少したことによるものです。
当中間連結会計期間末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ43.9%増加し、674億26百万円となりました。これは主に有形固定資産が159億10百万円、無形固定資産が45億46百万円増加したことによるものです。
この結果、当中間連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ12.1%増加し、1,542億8百万円となりました。
(負債)
当中間連結会計期間末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ6.3%減少し、928億23百万円となりました。これは主にリース債務が19億22百万円増加したものの、短期借入金が72億68百万円、1年内返済予定の長期借入金が15億10百万円減少したことによるものです。
当中間連結会計期間末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ107.4%増加し、318億29百万円となりました。これは主にリース債務が127億73百万円、長期借入金が35億13百万円増加したことによるものです。
この結果、当中間連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ8.9%増加し、1,246億52百万円となりました。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べ27.8%増加し、295億56百万円となりました。これは主に配当金の支払及び親会社株主に帰属する中間純利益の計上等により利益剰余金が40百万円減少したものの、増資により資本金及び資本剰余金がそれぞれ35億86百万円増加したことによるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比べて22億76百万円減少し、139億48百万円となりました。
当中間連結会計期間におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において営業活動の結果増加した資金は86億41百万円(前年同期は16億79百万円の減少)となりました。これは主に仕入債務が6億72百万円の減少、その他流動負債が8億80百万円減少等の減少要因はあるものの、税金等調整前中間純利益17億5百万円、売上債権が58億30百万円減少したこと等による増加要因によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において投資活動の結果減少した資金は95億24百万円(前年同期は2億61百万円の減少)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出44億5百万円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出45億89百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間において財務活動の結果減少した資金は14億43百万円(前年同期は71億17百万円の増加)となりました。これは主に株式の発行による収入71億73百万円、長期借入れによる収入42億30百万円等の増加要因があったものの、短期借入金の純減額74億31百万円、長期借入金の返済による支出19億41百万円、リース債務の返済による支出18億44百万円等減少要因によるものです。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。