有価証券報告書-第10期(2023/04/01-2024/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、欧米を中心にインフレもピークアウトしたとみられ、長らく続いた金融引き締め政策の転換も予想される一方で、ウクライナを始めとする地政学リスクの継続など、世界経済の不確実性が高い状況は続いています。
当社グループの事業の中核市場であるニュージーランドや今後の成長市場と位置付けるオーストラリアにおいては、いずれにおいても、欧米同様にインフレの鈍化は見られるものの、物価高と金利高の共存状態が長期化しています。また、欧米等の主要国景気や最大輸出国である中国経済を巡る不透明感の高まりもあり、全体的に弱含みの様相です。そのような経済環境下において、ニュージーランドの中古自動車市場は、前年度の断続的な政策金利の上昇により生じた市中の在庫調整局面からの反動やコロナ禍後の移民流入増などの影響もあり、同期間での中古自動車輸入数量は、前連結会計年度を上回る水準で推移しました。
このような環境下、ニュージーランドにおける当社グループの事業では、近年の市場シェア拡大を背景に、中古自動車の需要を引き続き確りと捉えて成約台数は順調に推移しております。一方、前期から続くオセアニア向け中古自動車輸送の船腹不足や港湾荷混みは完全な解消には至っていませんが、当社グループでは輸送手段に工夫を重ねた結果、成約済み未船積み車両の船積みが相応に進み、貿易セグメントの㈱日貿における当連結会計年度輸出販売台数は前年同期比46.9%増の65,037台を記録しました。物流セグメントの中核事業子会社であるDolphin Shipping New Zealand Limited においては㈱日貿での輸出台数増加等の影響を受け、セグメント売上の大部分を占めるニュージーランド向けの輸送台数が54,002台と前年同期比51.9%増加しました。サービスセグメントにおいては、中古自動車卸売事業子会社であるTrade Cars Limitedで販売台数は前年同期比で10.0%増加したものの、販売単価は前年同期を下回ったため、同社の売上高は前年同期比で減収となりました。検査セグメントにおいては、ニュージーランド向けの船積前検査数量が83,295台と前年同期比36.0%増となり、他地域向けの検査数量増加とあわせて前年同期比で増収となりました。当連結会計年度より重要性が増したため新設したオーストラリアセグメントにおいては、Dolphin Shipping Australia Pty Ltdにおいて日本からの輸出台数が前年同期比で16.8%増加し、また、第3四半期連結会計期間末より連結子会社化したAutopact Pty Ltdの売上も寄与して前年同期比で大幅増収となりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
イ.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ863億75百万円増加し、1,375億78百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ805億36百万円増加し、1,144億53百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ58億38百万円増加し、231億25百万円となりました。
ロ.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高1,239億34百万円(前年同期比125.5%増)、営業利益68億89百万円(同132.5%増)、経常利益52億35百万円(同96.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益28億54百万円(同23.0%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
貿易では、売上高555億36百万円(前年同期比43.7%増)、セグメント利益21億56百万円(同62.9%増)となりました。
物流では、売上高125億57百万円(前年同期比67.3%増)、セグメント利益15億99百万円(同115.6%増)となりました。
サービスでは、売上高107億11百万円(前年同期比3.3%増)、セグメント利益7億87百万円(同90.2%増)となりました。
検査では、売上高61億99百万円(前年同期比48.2%増)、セグメント利益11億95百万円(同211.9%増)となりました。
オーストラリアでは、売上高499億40百万円(前年同期比1,914.0%増)、セグメント利益は12億75百万円(同1,137.4%増)となりました。
②キャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動の結果増加した資金は22億87百万円(前年同期は35億17百万円の減少)となりました。
また、投資活動の結果減少した資金は63億64百万円(前年同期は8億40百万円の減少)となり、財務活動の結果増加した資金は108億73百万円(前年同期は70億45百万円の増加)となりました。
この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、162億24百万円(前年同期比67億12百万円の増加)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
ロ.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.物流セグメントにおいては商品仕入活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
ハ.受注実績
役務又は商品等の受注から完了又は納品等までの所要時間が短いため、常に受注残高は僅少であり、期中の受注高と販売実績とがほぼ同額であるため、記載を省略しております。
ニ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.相手先別の販売実績につきましては、総販売実績に対して10%以上の相手先がありませんので、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、経営者の判断に基づく会計方針の選択と適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りにつきましては、過去の実績や現在の状況等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果につきましては、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表の作成に当たり用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営成績等
(イ)財政状態
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ105.9%増加し、907億11百万円となりました。これは主に現金及び預金が67億17百万円、売掛金及び契約資産が99億92百万円、棚卸資産が255億32百万円増加したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ555.7%増加し、468億67百万円となりました。これは主に有形固定資産が164億1百万円、のれんが211億41百万円増加したことによるものです。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ168.7%増加し、1,375億78百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べ253.7%増加し、991億5百万円となりました。これは主に短期借入金が598億93百万円、買掛金が23億41百万円、有給休暇引当金が16億90百万円増加したことによるものです。短期借入金増加の内、230億円は、Autopact Pty Ltd買収によるブリッジローンであり、追って財務諸表の健全化を考慮した調達に切り替えていくものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ160.2%増加し、153億47百万円となりました。これは主に長期リース債務が100億96百万円、その他固定負債が3億18百万円増加したことによるものです。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ237.5%増加し、1,144億53百万円となりました。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ33.8%増加し、231億25百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が20億8百万円、為替換算調整勘定が6億15百万円増加したことによるものです。
(ロ)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べて125.5%増加し、1,239億34百万円となりました。
当社グループの主力事業を担う貿易セグメントの中核事業会社である㈱日貿では、販売台数は増加した一方、仕入価格高騰の鎮静化にともない販売単価は低下し、貿易セグメントの売上高は555億36百万円(前年同期比43.7%増)となりました。
物流セグメントでは、前述のように中核事業子会社Dolphin Shipping New Zealand Limitedの輸送台数は増加し、輸送単価も上昇したため、売上高は125億57百万円(同67.3%増)となりました。
サービスセグメントでは、前述のように中古自動車卸売事業子会社であるTrade Cars Limitedの売上減少を、自動車ローン業務を担うAuto Finance Direct Limitedでの金利収入増加等でカバーし、売上高は107億11百万円(同3.3%増)となりました。
検査セグメントでは、前述のようにニュージーランド向けの船積前検査数量が増加し、他地域向け検査数量も増加したため、売上高は61億99百万円(同48.2%増)となりました。
オーストラリアセグメントでは、前述のようにDolphin Shipping Australia Pty Ltdにおいて輸送台数は前年同期比で増加し、また、第3四半期連結会計期間末より連結子会社化したAutopact Pty Ltdが売上の増加に寄与しました。その結果、売上高は499億40百万円(前年同期比1,914.0%増)となりました。
(営業損益)
当連結会計年度の売上原価、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べてそれぞれ、121.0%増、162.6%増となりましたが、これは主に中古自動車販売増加やこれに伴う中古自動車輸送等の売上増加に対応した売上原価の増加、M&A関連費用発生による販売費及び一般管理費の増加に加え、オーストラリアで新たに連結子会社化したAutopact Pty Ltdにおける売上原価・販売費及び一般管理費による増加並びに同社株式取得に伴い発生したのれん等の償却費によるものです。
この結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べて132.5%増加し、68億89百万円となりました。
(経常損益)
借入金増加による支払利息の増加、金融機関へ支払う借入関連手数料の増加及び為替差損の発生等による営業外費用が増加したため、営業外収益で受取利息の増加はあったものの、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べて96.1%増加し、52億35百万円となりました。
(特別損益及び税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度に発生していたオーストラリアで新たに連結子会社化したBlue Flag Pty Ltd株式の段階取得に係る差益が無くなり前連結会計年度に比べ5億61百万円減少し、固定資産売却益2百万円となりました。また、特別損失は固定資産除売却損によるものですが、前連結会計年度に比べて5百万円増加し、9百万円となりました。
この結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べて61.9%増加し、52億28百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の法人税等合計は、前連結会計年度比12億26百万円増加し21億21百万円となりました。これは、税金等調整前当期純利益の増加に連動したものであり、また、ニュージーランドでの税制改正に伴い繰延税金負債を計上したことによります。
この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて23.0%増加し、28億54百万円となりました。
(ハ)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比べて67億12百万円増加(前年同期比70.6%増加)し、162億24百万円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果増加した資金は22億87百万円(前年同期は35億17百万円の減少)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益52億28百万円、棚卸資産の減少31億73百万円、減価償却費15億7百万円等の増加要因があった一方で、事業活動の拡大に伴う売上債権の増加52億88百万円及び販売金融債権の増加18億84百万円や、法人税等の支払い10億92百万円等の減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果減少した資金は63億64百万円(前年同期は8億40百万円の減少)となりました。これは主に子会社株式の取得による支出55億21百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果増加した資金は108億73百万円(前年同期は70億45百万円の増加)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出50億92百万円等による減少要因があったものの、短期借入金の純増額126億60百万円、長期借入金による収入43億2百万円等の増加要因によるものであります。
ロ.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しており、それらのリスクが発生する可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
ハ.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要の主なものは、中古自動車の仕入れ、自動車ローンの貸付資金及びその他の売上原価であります。運転資金の財源は、自己資金及び金融機関からの借入金によっています。
投資を目的とした資金需要は、設備投資や事業買収等による投資であります。投資を目的とした資金は、自己資金を主たる財源としつつ、必要に応じて金融機関からの借入や社債及び株式の発行によって資金の調達を行う方針であります。
なお、当連結会計年度末における借入金、社債及びリース債務を含む有利子負債の残高は1,021億18百万円となっております。また、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は162億24百万円となっております。
ニ.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、収益性及び効率性の観点から、連結営業利益額、連結経常利益額及び自己資本当期純利益率(ROE)を重要な経営指標と考えております。
また、収益性の観点から、連結子会社である㈱日貿の中古自動車販売台数を重要業績評価指標(KPI)として考えております。その理由は、同社における販売のみならず、物流、サービス、検査等が直接的に影響を受けるためであります。
当連結会計年度における連結営業利益額は68億89百万円(前年同期比39億25百万円増)、連結経常利益額は52億35百万円(同25億66百万円増)及び自己資本当期純利益率(ROE)は15.7%(前年同期は14.7%)となりました。また、㈱日貿の中古自動車販売台数は65,037台(前年同期比46.9%増)となりました。
ホ.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(貿易)
貿易では、前述のように販売台数は増加した一方、仕入価格高騰の鎮静化にともない販売単価は低下しました。この結果、売上高555億36百万円(前年同期比43.7%増)、セグメント利益21億56百万円(同62.9%増)となりました。
(物流)
物流では、前述のように中核子会社であるDolphin Shipping New Zealand Limitedの輸送台数は増加し、輸送単価も上昇したため、売上高は125億57百万円(前年同期比67.3%増)、セグメント利益は15億99百万円(同115.6%増)となりました。
(サービス)
サービスでは、前述のように中古自動車卸売事業子会社であるTrade Cars Limitedの売上減少を、自動車ローン業務を担うAuto Finance Direct Limitedでの金利収入増加等でカバーし、売上高は107億11百万円(前年同期比3.3%増)、セグメント利益7億87百万円(同90.2%増)となりました。
(検査)
検査では、前述のようにニュージーランド向けの船積前検査数量が増加し、他地域向け検査数量も増加したため、売上高61億99百万円(前年同期比48.2%増)、セグメント利益11億95百万円(同211.9%増)となりました。
(オーストラリア)
オーストラリアでは、前述のようにDolphin Shipping Australia Pty Ltdにおいて輸送台数は前年同期比で増加し、また、第3四半期連結会計期間末より連結子会社化したAutopact Pty Ltdが売上の増加に寄与しました。一方で、のれん等の償却費負担が増加したため、売上高は499億40百万円(前年同期比1,914.0%増)、セグメント利益は12億75百万円(同1,137.4%増)となりました。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、欧米を中心にインフレもピークアウトしたとみられ、長らく続いた金融引き締め政策の転換も予想される一方で、ウクライナを始めとする地政学リスクの継続など、世界経済の不確実性が高い状況は続いています。
当社グループの事業の中核市場であるニュージーランドや今後の成長市場と位置付けるオーストラリアにおいては、いずれにおいても、欧米同様にインフレの鈍化は見られるものの、物価高と金利高の共存状態が長期化しています。また、欧米等の主要国景気や最大輸出国である中国経済を巡る不透明感の高まりもあり、全体的に弱含みの様相です。そのような経済環境下において、ニュージーランドの中古自動車市場は、前年度の断続的な政策金利の上昇により生じた市中の在庫調整局面からの反動やコロナ禍後の移民流入増などの影響もあり、同期間での中古自動車輸入数量は、前連結会計年度を上回る水準で推移しました。
このような環境下、ニュージーランドにおける当社グループの事業では、近年の市場シェア拡大を背景に、中古自動車の需要を引き続き確りと捉えて成約台数は順調に推移しております。一方、前期から続くオセアニア向け中古自動車輸送の船腹不足や港湾荷混みは完全な解消には至っていませんが、当社グループでは輸送手段に工夫を重ねた結果、成約済み未船積み車両の船積みが相応に進み、貿易セグメントの㈱日貿における当連結会計年度輸出販売台数は前年同期比46.9%増の65,037台を記録しました。物流セグメントの中核事業子会社であるDolphin Shipping New Zealand Limited においては㈱日貿での輸出台数増加等の影響を受け、セグメント売上の大部分を占めるニュージーランド向けの輸送台数が54,002台と前年同期比51.9%増加しました。サービスセグメントにおいては、中古自動車卸売事業子会社であるTrade Cars Limitedで販売台数は前年同期比で10.0%増加したものの、販売単価は前年同期を下回ったため、同社の売上高は前年同期比で減収となりました。検査セグメントにおいては、ニュージーランド向けの船積前検査数量が83,295台と前年同期比36.0%増となり、他地域向けの検査数量増加とあわせて前年同期比で増収となりました。当連結会計年度より重要性が増したため新設したオーストラリアセグメントにおいては、Dolphin Shipping Australia Pty Ltdにおいて日本からの輸出台数が前年同期比で16.8%増加し、また、第3四半期連結会計期間末より連結子会社化したAutopact Pty Ltdの売上も寄与して前年同期比で大幅増収となりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
イ.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ863億75百万円増加し、1,375億78百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ805億36百万円増加し、1,144億53百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ58億38百万円増加し、231億25百万円となりました。
ロ.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高1,239億34百万円(前年同期比125.5%増)、営業利益68億89百万円(同132.5%増)、経常利益52億35百万円(同96.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益28億54百万円(同23.0%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
貿易では、売上高555億36百万円(前年同期比43.7%増)、セグメント利益21億56百万円(同62.9%増)となりました。
物流では、売上高125億57百万円(前年同期比67.3%増)、セグメント利益15億99百万円(同115.6%増)となりました。
サービスでは、売上高107億11百万円(前年同期比3.3%増)、セグメント利益7億87百万円(同90.2%増)となりました。
検査では、売上高61億99百万円(前年同期比48.2%増)、セグメント利益11億95百万円(同211.9%増)となりました。
オーストラリアでは、売上高499億40百万円(前年同期比1,914.0%増)、セグメント利益は12億75百万円(同1,137.4%増)となりました。
②キャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動の結果増加した資金は22億87百万円(前年同期は35億17百万円の減少)となりました。
また、投資活動の結果減少した資金は63億64百万円(前年同期は8億40百万円の減少)となり、財務活動の結果増加した資金は108億73百万円(前年同期は70億45百万円の増加)となりました。
この結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、162億24百万円(前年同期比67億12百万円の増加)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
ロ.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | |
金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
貿易 | 47,570 | 125.7 |
サービス | 170 | 349.1 |
検査 | 8 | 223.6 |
オーストラリア | 37,642 | - |
合計 | 85,391 | 225.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.物流セグメントにおいては商品仕入活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
ハ.受注実績
役務又は商品等の受注から完了又は納品等までの所要時間が短いため、常に受注残高は僅少であり、期中の受注高と販売実績とがほぼ同額であるため、記載を省略しております。
ニ.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | |
金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
貿易 | 49,021 | 148.7 |
物流 | 10,061 | 156.8 |
サービス | 10,610 | 103.4 |
検査 | 4,300 | 151.6 |
オーストラリア | 49,940 | 2,014.0 |
合計 | 123,934 | 225.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.相手先別の販売実績につきましては、総販売実績に対して10%以上の相手先がありませんので、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、経営者の判断に基づく会計方針の選択と適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りにつきましては、過去の実績や現在の状況等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果につきましては、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表の作成に当たり用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営成績等
(イ)財政状態
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ105.9%増加し、907億11百万円となりました。これは主に現金及び預金が67億17百万円、売掛金及び契約資産が99億92百万円、棚卸資産が255億32百万円増加したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ555.7%増加し、468億67百万円となりました。これは主に有形固定資産が164億1百万円、のれんが211億41百万円増加したことによるものです。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ168.7%増加し、1,375億78百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べ253.7%増加し、991億5百万円となりました。これは主に短期借入金が598億93百万円、買掛金が23億41百万円、有給休暇引当金が16億90百万円増加したことによるものです。短期借入金増加の内、230億円は、Autopact Pty Ltd買収によるブリッジローンであり、追って財務諸表の健全化を考慮した調達に切り替えていくものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ160.2%増加し、153億47百万円となりました。これは主に長期リース債務が100億96百万円、その他固定負債が3億18百万円増加したことによるものです。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ237.5%増加し、1,144億53百万円となりました。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ33.8%増加し、231億25百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が20億8百万円、為替換算調整勘定が6億15百万円増加したことによるものです。
(ロ)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べて125.5%増加し、1,239億34百万円となりました。
当社グループの主力事業を担う貿易セグメントの中核事業会社である㈱日貿では、販売台数は増加した一方、仕入価格高騰の鎮静化にともない販売単価は低下し、貿易セグメントの売上高は555億36百万円(前年同期比43.7%増)となりました。
物流セグメントでは、前述のように中核事業子会社Dolphin Shipping New Zealand Limitedの輸送台数は増加し、輸送単価も上昇したため、売上高は125億57百万円(同67.3%増)となりました。
サービスセグメントでは、前述のように中古自動車卸売事業子会社であるTrade Cars Limitedの売上減少を、自動車ローン業務を担うAuto Finance Direct Limitedでの金利収入増加等でカバーし、売上高は107億11百万円(同3.3%増)となりました。
検査セグメントでは、前述のようにニュージーランド向けの船積前検査数量が増加し、他地域向け検査数量も増加したため、売上高は61億99百万円(同48.2%増)となりました。
オーストラリアセグメントでは、前述のようにDolphin Shipping Australia Pty Ltdにおいて輸送台数は前年同期比で増加し、また、第3四半期連結会計期間末より連結子会社化したAutopact Pty Ltdが売上の増加に寄与しました。その結果、売上高は499億40百万円(前年同期比1,914.0%増)となりました。
(営業損益)
当連結会計年度の売上原価、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べてそれぞれ、121.0%増、162.6%増となりましたが、これは主に中古自動車販売増加やこれに伴う中古自動車輸送等の売上増加に対応した売上原価の増加、M&A関連費用発生による販売費及び一般管理費の増加に加え、オーストラリアで新たに連結子会社化したAutopact Pty Ltdにおける売上原価・販売費及び一般管理費による増加並びに同社株式取得に伴い発生したのれん等の償却費によるものです。
この結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べて132.5%増加し、68億89百万円となりました。
(経常損益)
借入金増加による支払利息の増加、金融機関へ支払う借入関連手数料の増加及び為替差損の発生等による営業外費用が増加したため、営業外収益で受取利息の増加はあったものの、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べて96.1%増加し、52億35百万円となりました。
(特別損益及び税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度に発生していたオーストラリアで新たに連結子会社化したBlue Flag Pty Ltd株式の段階取得に係る差益が無くなり前連結会計年度に比べ5億61百万円減少し、固定資産売却益2百万円となりました。また、特別損失は固定資産除売却損によるものですが、前連結会計年度に比べて5百万円増加し、9百万円となりました。
この結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べて61.9%増加し、52億28百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の法人税等合計は、前連結会計年度比12億26百万円増加し21億21百万円となりました。これは、税金等調整前当期純利益の増加に連動したものであり、また、ニュージーランドでの税制改正に伴い繰延税金負債を計上したことによります。
この結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて23.0%増加し、28億54百万円となりました。
(ハ)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比べて67億12百万円増加(前年同期比70.6%増加)し、162億24百万円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果増加した資金は22億87百万円(前年同期は35億17百万円の減少)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益52億28百万円、棚卸資産の減少31億73百万円、減価償却費15億7百万円等の増加要因があった一方で、事業活動の拡大に伴う売上債権の増加52億88百万円及び販売金融債権の増加18億84百万円や、法人税等の支払い10億92百万円等の減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果減少した資金は63億64百万円(前年同期は8億40百万円の減少)となりました。これは主に子会社株式の取得による支出55億21百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果増加した資金は108億73百万円(前年同期は70億45百万円の増加)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出50億92百万円等による減少要因があったものの、短期借入金の純増額126億60百万円、長期借入金による収入43億2百万円等の増加要因によるものであります。
ロ.経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しており、それらのリスクが発生する可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
ハ.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要の主なものは、中古自動車の仕入れ、自動車ローンの貸付資金及びその他の売上原価であります。運転資金の財源は、自己資金及び金融機関からの借入金によっています。
投資を目的とした資金需要は、設備投資や事業買収等による投資であります。投資を目的とした資金は、自己資金を主たる財源としつつ、必要に応じて金融機関からの借入や社債及び株式の発行によって資金の調達を行う方針であります。
なお、当連結会計年度末における借入金、社債及びリース債務を含む有利子負債の残高は1,021億18百万円となっております。また、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は162億24百万円となっております。
ニ.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、収益性及び効率性の観点から、連結営業利益額、連結経常利益額及び自己資本当期純利益率(ROE)を重要な経営指標と考えております。
また、収益性の観点から、連結子会社である㈱日貿の中古自動車販売台数を重要業績評価指標(KPI)として考えております。その理由は、同社における販売のみならず、物流、サービス、検査等が直接的に影響を受けるためであります。
当連結会計年度における連結営業利益額は68億89百万円(前年同期比39億25百万円増)、連結経常利益額は52億35百万円(同25億66百万円増)及び自己資本当期純利益率(ROE)は15.7%(前年同期は14.7%)となりました。また、㈱日貿の中古自動車販売台数は65,037台(前年同期比46.9%増)となりました。
ホ.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(貿易)
貿易では、前述のように販売台数は増加した一方、仕入価格高騰の鎮静化にともない販売単価は低下しました。この結果、売上高555億36百万円(前年同期比43.7%増)、セグメント利益21億56百万円(同62.9%増)となりました。
(物流)
物流では、前述のように中核子会社であるDolphin Shipping New Zealand Limitedの輸送台数は増加し、輸送単価も上昇したため、売上高は125億57百万円(前年同期比67.3%増)、セグメント利益は15億99百万円(同115.6%増)となりました。
(サービス)
サービスでは、前述のように中古自動車卸売事業子会社であるTrade Cars Limitedの売上減少を、自動車ローン業務を担うAuto Finance Direct Limitedでの金利収入増加等でカバーし、売上高は107億11百万円(前年同期比3.3%増)、セグメント利益7億87百万円(同90.2%増)となりました。
(検査)
検査では、前述のようにニュージーランド向けの船積前検査数量が増加し、他地域向け検査数量も増加したため、売上高61億99百万円(前年同期比48.2%増)、セグメント利益11億95百万円(同211.9%増)となりました。
(オーストラリア)
オーストラリアでは、前述のようにDolphin Shipping Australia Pty Ltdにおいて輸送台数は前年同期比で増加し、また、第3四半期連結会計期間末より連結子会社化したAutopact Pty Ltdが売上の増加に寄与しました。一方で、のれん等の償却費負担が増加したため、売上高は499億40百万円(前年同期比1,914.0%増)、セグメント利益は12億75百万円(同1,137.4%増)となりました。