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有価証券報告書-第33期(2025/07/01-2026/06/30)

【提出】
2026/09/28 13:13
【資料】
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【項目】
158項目
(1) 経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、中東やウクライナでの地域紛争などによる地政学リスクや持続的なインフレ圧力などの影響を受け、楽観的な予測が修正を迫られる不確実性が高い転換期となり、緩やかな減速傾向にあります。
国内経済は、賃上げの広がりと円安傾向を背景に個人消費と一部輸出が持ち直し、緩やかな回復基調が継続しており、企業業績は自動車・ハイテク分野で底堅さが見られる一方、物価上昇や生活コスト増が実質所得の伸びを圧迫、原材料コスト増や中国経済減速による外需の不安定さも残り、外部環境と物価動向次第で先行きの変動幅が大きくなる可能性を秘めております。
このような経済環境のもと当社グループは、オプティカル事業、ライフサイエンス・機器開発事業及びその他事業(電子科学株式会社を含む)という独自の技術を利用した3つの事業によって、高品質な製品提供と研究開発活動の強化に取り組み、経営基盤拡充と企業価値向上に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ77,456千円減少し、3,610,675千円となりました。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ154,392千円減少し、758,212千円となりました。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ76,935千円増加し、2,852,462千円となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度における経営成績は、売上高1,955,936千円(前期比1.6%増)、営業利益72,876千円(前期比36.0%減)、経常利益84,381千円(前期比17.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益58,686千円(前期比2.8%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
オプティカル事業は、売上高は1,426,661千円(前期比15.6%増)、セグメント利益は641,733千円(前期比21.8%増)となりました。
ライフサイエンス・機器開発事業は、売上高は284,392千円(前期比28.9%増)、セグメント損失は36,679千円(前期はセグメント損失52,055千円)となりました。
その他事業は、売上高は244,882千円(前期比48.0%減)、セグメント損失は68,467千円(前期はセグメント利益41,111千円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ197,503千円減少し、当連結会計年度末には514,876千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果獲得した資金は119,975千円(前連結会計年度は286,478千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益85,890千円、減価償却費125,101千円及びのれん償却額42,382千円、売上債権の減少48,836千円による収入があった一方で、棚卸資産の増加80,483千円及び契約負債の減少63,509千円による支出があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は230,429千円(前連結会計年度は104,294千円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出169,219千円及び長期前払費用の取得による支出46,000千円に伴う資金減によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は87,776千円(前連結会計年度は79,911千円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出75,456千円による資金減によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年7月1日
至 2026年6月30日)
生産高(千円)前年同期比(%)
オプティカル事業1,468,780100.5
ライフサイエンス・機器開発事業162,464118.9
その他事業388,10990.7
合計2,019,35499.7

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
b. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年7月1日
至 2026年6月30日)
受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
オプティカル事業1,460,46376.81,354,369102.6
ライフサイエンス・機器開発事業697,162304.7451,7091,160.0
その他事業326,939101.987,3841,640.2
合計2,484,564101.31,893,462138.7

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年7月1日
至 2026年6月30日)
販売高(千円)前年同期比(%)
オプティカル事業1,426,661115.6
ライフサイエンス・機器開発事業284,392128.9
その他事業244,88252.0
合計1,955,936101.6

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2024年7月1日
至 2025年6月30日)
当連結会計年度
(自 2025年7月1日
至 2026年6月30日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
ANHUI TRIFORTUNE IMPORT AND EXPORT CO., LTD.--297,26015.2

(注)販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満のものについては記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,782,249千円となり、前連結会計年度末に比べ157,385千円減少いたしました。これは主に棚卸資産が80,483千円増加した一方で、現金及び預金が197,503千円、売掛金が48,836千円減少したことによるものであります。固定資産は1,828,425千円となり、前連結会計年度末に比べ79,928千円増加いたしました。これは主にのれんの償却が進んだことによる無形固定資産が43,021千円減少した一方で、有形固定資産が59,944千円、投資その他の資産が63,005千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は3,610,675千円となり、前連結会計年度末に比べ77,456千円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は415,810千円となり、前連結会計年度末に比べ77,228千円減少いたしました。これは主に流動負債その他に含まれる未払金が20,739千円増加した一方で、買掛金が28,692千円及び契約負債が63,509千円減少したことによるものであります。固定負債は342,402千円となり、前連結会計年度末に比べ77,163千円減少いたしました。これは主に約定返済が進んだことにより長期借入金が75,456千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は758,212千円となり、前連結会計年度末に比べ154,392千円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は2,852,462千円となり、前連結会計年度末に比べ76,935千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を58,686千円計上したことによるものであります。
b. 経営成績
(売上高及び営業利益)
当連結会計年度における売上高は、1,955,936千円(前連結会計年度比1.6%増)となりました。これは主に、オプティカル事業において、放射光施設及びⅩ線自由電子レーザー施設用のⅩ線ナノ集光ミラーの売上が牽引するとともに、ライフサイエンス・機器開発事業の売上が寄与したことによります。この結果、売上総利益は1,241,387千円(前連結会計年度比5.3%増)となりました。また、販売費及び一般管理費は1,168,510千円(前連結会計年度比9.7%増)となり、当連結会計年度における営業利益は72,876千円(前連結会計年度比36.0%減)となりました。
(経常利益)
営業外収益では、役員報酬返納額や受取出向料等を計上しました。また、営業外費用では、支払利息等を計上しました。これらの結果、当連結会計年度における経常利益は84,381千円(前連結会計年度比17.3%減)となりました。
(当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は58,686千円(前連結会計年度比2.8%減)となりました。
c. セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(オプティカル事業)
当連結会計年度は、国内市場ではSPring-8、SACLA、NanoTerasu、アジア市場では中国のSHINE(上海)、HALF(合肥)、HEPS(北京)、台湾のTPS、アメリカ市場ではLCLS、欧州市場ではESRF(フランス)、MAX-IV(スウェーデン)、HZB(ドイツ)への売上が中心となり経営成績を牽引しました。世界各国において多くのアップグレードや新設を控えるに伴い、特に高精度ミラーの需要がこれまで以上に増大しており、いずれの施設もより高い精度を実現するための綿密な設計検討を基に受注活動を行っておりますが、これら高額製品のいくつかにおいて契約後の設計変更が顧客都合で生じ、顧客了解のもと、期を跨いだ納期後倒しを余儀なくされました。また、ミラーの基板材料として主に単結晶シリコンを用いておりますが、材料由来の予期せぬ不具合が一部の案件で発生し、複数の製品において製造リードタイムが長期化することになりました。このような不測の事態の影響により、当初計画を下回る出荷数となりましたが、製造リードタイムを大幅に短縮する開発活動を進めたことで、事業としての収益は前期比増収増益を維持いたしました。
営業活動につきましては、国内外の主たる放射光分野の学会での発表を通じて、当社の研究・開発成果の進捗報告することによる当社技術のアピールに加え、光学全般を対象にした展示会においても当社の超精密加工・計測技術のアピールを継続的に展開しております。また、各国施設の研究者の訪日機会も増加し、商談のみならず共同研究の機会も確保され、売上向上を見据えた積極的な営業活動に努めてまいりました。
この結果、売上高は1,426,661千円(前期比15.6%増)、セグメント利益は641,733千円(前期比21.8%増)となりました。
(ライフサイエンス・機器開発事業)
当連結会計年度は、機器開発事業はその重点分野として、各半導体材料を主たる対象としたナノ表面加工技術の装置化及び受注・販売活動を推進してまいりました。従来から継続している「プラズマ化学気相加工法(PCVM)」、「プラズマ援用研磨法(PAP)」、「触媒表面基準エッチング法(CARE)」に「電気化学機械研磨法(ECMP)」を加えた4つの新しい研磨プロセスによる拡販活動、潜在顧客の掘り起こし活動に注力してまいりました。その結果、設備導入を前提にした試作機評価案件は大幅に増加し、その中からプラズマ援用研磨装置2台を受注し、売上に寄与いたしました。
一方、ライフサイエンス事業では「CELLFLOAT®」関連機器や受注生産型装置が売上に寄与しました。自動培養装置や大型の細胞培養システムは顧客の方針変更などにより、期初計画に沿った受注・売上には至らなかったものの、ユーザー用途に合わせたカスタマイズ品の受注生産型装置が売上に寄与いたしました。これらの成果によって、事業としての収益は前期比で増収となり、セグメント損失も縮小いたしました。
機器開発関連の重点新規事業分野として、各半導体材料を主たる対象としたナノ表面加工技術であるプラズマ化学気相加工法(PCVM)、プラズマ援用研磨法(PAP)、触媒基準エッチング法(CARE)、電気化学機械研磨法(ECMP)による表面加工装置の開発、製品化、販売活動を引き続き推進しております。 特に昨今の地政学的事情等によるSiCウェハの国内回帰、ダイヤモンド基板、デバイスの日米間コラボレーションを受けて、業界の再編やベンチャー企業の台頭が盛んになっており、これらを背景にしたPAPや ECMPに対する期待が高まっております。PAPとECMPはともに次世代のパワーデバイス用の基板、データセンター等の高出力デバイスの基板やヒートスプレッダー、量子デバイス用の基板として注目されており、今後大きな市場を形成するものと予想されることから、更なる技術力と販売体制の強化に努めてまいります。
ライフサイエンス関連の市場動向として、他社において再生医療等製品2製品が期限付きで承認されるなど、再生医療市場は活性化しつつあります。加えて創薬の研究開発現場の労働環境改善や動物実験禁止の世界的潮流は、自動細胞培養装置にとって追い風の環境となっております。汎用型の自動細胞培養装置による新規市場開拓だけでなく、市場ニーズが高まっている超大型・全自動の細胞培養システムの受注拡大にも注力してまいります。また、競争的資金活用により成果の出た“幹細胞分離装置”の実用化、事業化を加速してまいります。
この結果、売上高は284,392千円(前期比28.9%増)、セグメント損失は36,679千円(前期はセグメント損失52,055千円)となりました。
(その他事業)
その他事業は子会社の電子科学株式会社であり、同社の売上構成は、装置販売(TDS:昇温脱離分析装置)及び大型工事・装置のメンテナンス業務・受託分析業務の3つに分かれますが、装置メンテナンス業務が前期比71.5%増と堅調に推移したものの、受託測定は微減となり、受注金額が大きくなる主力事業の装置販売及び大型工事においては、高い確度で見込んでいた複数の案件が受注に至らず、最終的にTDSの販売は1台に止まりました。そのため売上高は前期比で約52%の水準に止まり、販管費を前期比88%の水準まで削減したものの、セグメント損失を計上する結果となりました。
今後も持続的な成長を実現する経営基盤の強化として、生産体制の最適化とリソースの集中を図り、現在の主力装置の販売を促進するとともに、次世代市場向け新機種を将来の収益の柱として早期に育成し、安定的な収益確保に努めてまいります。
重点施策の推進の効果が徐々に出始め、鉄鋼・部品メーカー各社からの製品仕様に関する問い合わせや引き合
いが増加しております。引き続き、ストックビジネス(メンテナンス・受託分析)を安定した収益基盤としつつ、新製品を含めた装置販売の受注獲得に努めてまいります。
この結果、売上高は244,882千円(前期比48.0%減)、セグメント損失は68,467千円(前期はセグメント利益41,111千円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造のための材料、外注加工費及び部品の購入費、人件費や研究開発費のほか、借入金の返済や法人税等の支払いです。このほか、会社の成長に必要な設備投資やM&A投資等を含め、収入と支出のバランスを考慮して資金運用を実施することを主たる方針としています。
一方、販売には季節的要因の影響は少ないものの、販売先の決算月に納期を指定されることや製品の受注から完成までに1年前後の期間が必要であるため、受注及び販売の状況によっては一時的な売上債権、仕入債務、棚卸資産等の増減があり、営業活動によるキャッシュ・フローの増減に影響を及ぼす可能性があります。
運転資金、設備投資資金及びM&A投資資金については、原則として自己資金で賄うこととしておりますが、多額の設備投資資金やM&A投資資金が必要となった場合は、必要資金の内容に応じて金融機関からの借り入れや資本市場からの直接調達を検討する方針であります。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務の有利子負債残高は420,160千円となっております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

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