有価証券報告書-第30期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/27 16:14
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136項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、企業収益の改善や雇用・所得環境の改善、設備投資の増加などを背景に、緩やかな景気回復基調が続く一方、賃金の伸び悩みから個人消費には力強さは見られず、景気の回復を実感できない状況で推移いたしました。また、米中間の貿易摩擦の激化が世界経済に与える影響等もあり、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。
このような経済環境の中、人材紹介事業については、国内の雇用情勢は依然として企業の求人意欲が衰えず、厚生労働省が発表する有効求人倍率は、2019年3月時点で1.63倍という高水準を維持しております(「一般職業紹介状況(2019年3月分)について」厚生労働省調べ)。しかし一方で、2019年3月の日銀短観では、大企業・製造業の景況感が前回2018年12月の調査から大きく後退し、先行きへの注意を喚起する結果となりました。
一方、メンタルヘルスケア事業においては、各企業における改正労働安全衛生法に基づく3回目のストレスチェック実施を見据え、顧客基盤の一層の拡充に取り組むと同時に、企業側のメンタルヘルスへの関心の高まりとそれに伴うニーズの高度化等に対処すべく、「ストレスチェック」、「組織分析」及び各々のフォローアップサービスの高度化及び強化に注力いたしました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ646,612千円増加し、1,710,421千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ272,396千円増加し、659,237千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ374,216千円増加し、1,051,184千円となりました。
b.経営成績
当社グループの売上高は1,883,153千円(前連結会計年度比3.3%減)となりました。営業利益及び経常利益は売上減少による影響及びガバナンス強化のための全社費用の増加の影響により、それぞれ147,517千円(同42.3%減)、148,188千円(同42.5%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は人材紹介事業に係るのれんの減損損失を計上したものの、本社移転に係る移転補償金の計上等により、182,648千円(同3.7%増)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
人材紹介事業につきましては、事業基盤の強化を目指し、コンサルタントの積極的な採用を推し進め、当連結会計年度においては、コンサルタントが3社合計で11名増加し、2019年3月期末では人材紹介事業全体で69名の体制となりました。また、地域拡大を図るべく、株式会社A・ヒューマンの大阪支店を2019年3月に開設いたしました。しかし、いずれも当連結会計年度の業績には寄与せず、この結果、売上高は1,014,118千円(前連結会計年度比9.6%減)、セグメント利益は143,065千円(同34.6%減)となりました。
メンタルヘルスケア事業につきましては、EAP契約の安定的な維持・獲得に加え、ストレスチェックの法制化3年目におけるストレスチェック後のフォローアップサービスを含む当社グループの商品提供力が評価され、売上高は869,035千円(前連結会計年度比5.1%増)、セグメント利益は260,297千円(同6.1%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ231,627千円増加し、当連結会計年度末には808,602千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動において獲得した資金は184,359千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益370,508千円、減損損失66,068千円、減価償却費58,735千円、のれん償却額17,488千円、本社移転費用13,956千円、売上債権の減少額29,333千円及び法人税等の還付額21,751千円等があった一方、移転補償金302,346千円、及び法人税等の支払額88,272千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動において使用した資金は130,595千円となりました。これは主に、敷金の差入による支出104,399千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動において獲得した資金は177,854千円となりました。これは主に、配当金の支払額52,816千円があった一方、株式上場時の増資及び新株予約権の権利行使に伴う株式の発行による収入196,005千円、株式上場時の自己株式の処分による収入47,121千円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性質上、生産実績の記載に馴染まないため、省略しております。
b.受注実績
当社グループが提供するサービスの性質上、受注実績の記載に馴染まないため、省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
人材紹介事業1,014,11890.4
メンタルヘルスケア事業869,035105.1
合計1,883,15396.7

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の売上実績及び当該売上実績の総売上実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上の相手先が存在しないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっての会計基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における流動資産は1,310,370千円となり、前連結会計年度末に比べ557,969千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が231,627千円、未収入金が本社移転に係る移転補償金の計上等により360,298千円増加したことによるものであります。固定資産は400,051千円となり、前連結会計年度末に比べ88,642千円増加いたしました。これは主に、本社移転に伴い有形固定資産が125,999千円、敷金が46,907千円増加した一方、人材紹介事業に係るのれんの減損損失を計上した結果、のれんが83,557千円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は、1,710,421千円となり、前連結会計年度末に比べ646,612千円増加いたしました。
(負債合計)
当連結会計年度末における流動負債は593,809千円となり、前連結会計年度末に比べ242,168千円増加いたしました。これは主に、本社移転に伴う固定資産取得により未払金が171,761千円が増加し、また、未払法人税等が101,835千円増加した一方、未払消費税等が22,607千円減少したことによるものであります。固定負債は65,427千円となり、前連結会計年度末に比べ30,227千円増加いたしました。これは主に、本社移転に伴い資産除去債務が29,903千円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、659,237千円となり、前連結会計年度末に比べ272,396千円増加いたしました。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産合計は1,051,184千円となり、前連結会計年度末に比べ374,216千円増加いたしました。これは主に、株式上場時の増資と新株予約権の権利行使により資本金と資本準備金がそれぞれ98,528千円増加したこと、株式上場時の自己株式処分により資本剰余金が45,245千円増加したこと、及び親会社株主に帰属する当期純利益182,648千円の計上により利益剰余金が同額増加した一方、剰余金の配当52,816千円により、利益剰余金が同額減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は61.5%(前連結会計年度末は63.6%)となりました。
2)経営成績
(売上高)
売上高は前連結会計年度から64,989千円減収(前連結会計年度比3.3%減)の1,883,153千円となりました。人材紹介事業では、セグメント間の内部売上高又は振替高を含め、107,310千円の減収(同9.6%減)、メンタルヘルスケア事業では、42,426千円の増収(同5.1%増)となりました。人材紹介事業が減収となった主な要因は、求職者の入社時期のずれによる売上の減少、及び当連結会計年度において採用したコンサルタントの売上が、当連結会計年度以前に退職したコンサルタントの売上を補うほど、業績には寄与しなかったことによるものであります。また、メンタルヘルスケア事業が増収となった主な要因は、EAP契約の安定的な維持・獲得に加え、ストレスチェックの法制化3年目におけるストレスチェック後のフォローアップサービスを含む当社グループの商品提供力が評価されたことによるものです。
なお、各セグメントの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上原価)
売上原価は前連結会計年度比4,755千円増の344,324千円となり、売上原価率は前連結会計年度から0.9ポイント上昇して18.3%となりました。これは主に、人材紹介事業における外部媒体の利用割合の増加によるものであります。
(営業利益及び経常利益)
売上総利益は、人材紹介事業の売上減少に起因し、前連結会計年度比69,744千円減の1,538,829千円となりました。
販売費及び一般管理費は前連結会計年度と比べ、ガバナンス強化に伴う人件費の増加等により、38,423千円増の1,391,311千円となり、売上高販管費比率は4.5ポイント低下して73.9%となりました。
以上の結果、営業利益は前連結会計年度比108,167千円減の147,517千円と減益となりました。
営業外収益は、前連結会計年度比711千円減の2,429千円となりました。営業外費用は、前連結会計年度比874千円増の1,758千円となりました。
この結果、経常利益は前連結会計年度比109,753千円減の148,188千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度において、人材紹介事業に係るのれんの減損損失66,068千円を計上したものの、当社及び連結子会社の本社移転に係る移転補償金を302,346千円計上した結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度比112,567千円増の370,508千円となり、また、法人税等合計が前連結会計年度比106,013千円増加した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比6,553千円増の182,648千円となりました。
3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
(流動性と資金の源泉)
当社グループの所要資金は、経常の運転資金となっております。経常運転資金については、適宜、自己資金及び銀行からの借入により対応しております。
当連結会計年度中において実施いたしました当社グループの設備投資の総額は165,850千円であります。
その主なものは、当社の本社移転に係る設備等の取得(13,266千円)、人材紹介事業における本社移転に係る設備等の取得(64,380千円)、人材紹介事業における大阪支店新設に係る設備等の取得(3,296千円)、メンタルヘルスケア事業における本社移転に係る設備等の取得(63,544千円)、及びメンタルヘルスケア事業におけるシステム開発(19,870千円)であります。
本書提出日現在、当社グループでは必要な事業資金は十分に確保されていると認識しており、金融機関との間で当座貸越契約を締結すること等により、急な資金需要や不測の事態にも備えております。今後につきましても、事業拡大に伴い人件費や情報化投資の増加が見込まれることなどを考慮して、充分な流動性を維持していく考えであります。
(キャッシュ・フローの状況)
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③経営成績等に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因としては、次のとおりであります。
a.景気変動
人材紹介事業は景気変動に伴う、採用動向の変化により影響を大きく受ける業態であることから、景気が想定を超えて変動した場合には、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼすことが考えられます。一方でメンタルヘルスケア事業に係るメンタルヘルスビジネス市場は、一定の景気変動の影響を受けるものの、労働安全衛生法の改正に伴い、従業員50名以上の事業所で、労働者に対するストレスチェックが義務化されるなど、マーケットの拡大が期待されております。
社会全般で進行する人手不足感、働き方改革や健康経営への取り組みなど、あらゆる企業は共通の経営課題として従業員のエンゲージメント向上や健康管理への対応が強く求められています。当社グループはこのような社会経済動向を追い風に、総合人材サービス企業として、人材紹介事業・メンタルヘルスケア事業のこれら個々のサービスの提供だけでなく、人材紹介事業における求人企業の経営層からメンタルヘルスケア事業に係る需要機会を創出する、メンタルヘルスケア事業における組織分析を踏まえたサービス提案に際して必要な人材を紹介する等のシナジーを実現しつつ、人材紹介から採用後のメンタルヘルスケアまで、企業の経営戦略に適切な雇用形態・ポジション及び能力にあった総合人材サービスを提供することで、売上高の増加を目指してまいります。
b.人材の確保
当社グループは、未だ成長過程にあること及び今後想定される事業拡大や新規事業の展開に伴い、継続した人材の確保により、規模に応じた業務執行体制の整備や内部管理の強化を図る必要があります。
しかしながら、人材の確保が計画通りに進まない場合や、既存人材の社外流出等が生じた場合には、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼすことが考えられます。
c.個人情報の管理
当社グループは、人材紹介事業及びメンタルヘルスケア事業を行っているため、多数の求職者(職業紹介希望者、求人案件応募者等)及びメンタルヘルス契約企業の従業員等の個人情報を保有しております。また、その個人情報及び個人情報に係る全ての情報を事業運営上最も重要な資産だと考えております。そのため当社グループでは、人材関連事業に関わる企業の果たすべき責任として、「個人情報保護規程」を策定し、役員及び社員への徹底、技術面及び組織面における合理的な予防・是正措置を講じております。
また、当社コンプライアンス委員会が中心となって、会社関係者全員に対して定期的な教育・指導及び必要な対策を実施し、当社内部監査室が随時管理状況をチェック・監査しております。
このような当社グループの取り組みにもかかわらず、各規程等の遵守違反、不測の事態等により個人情報が外部に漏洩した場合、損害賠償請求や、社会的信用の失墜等により、当社グループの事業運営に大きな支障をきたすとともに、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼすことが考えられます。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、「人材紹介事業」、「メンタルヘルスケア事業」における各種サービスを多くの方に提供し、かつ、長期にわたって提供することを基本方針とし、事業規模の拡大と収益性の向上が当面の重要な課題と認識しております。従いまして、連結売上高と連結営業利益及び当該成長率が結果的に「株主資本利益率(ROE)」及び「総資産経常利益率(ROA)」を向上させる重要な経営指標になると認識し、これを最も重要な指標として位置づけております。
当連結会計年度における連結売上高は前連結会計年度と比べて64,989千円減少(成長率96.7%)し、1,883,153千円、連結営業利益は前連結会計年度と比べて108,167千円減少(成長率57.7%)し、147,517千円となりました。
この結果、当連結会計年度における「株主資本利益率(ROE)」は21.1%(前連結会計年度比8.0ポイント下落)、「総資産経常利益率(ROA)」は10.7%(前連結会計年度比14ポイント下落)となりました。引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。

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