有価証券報告書-第31期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、10月の消費税増税の影響は各種政策の効果等もあり限定的で、企業収益の改善や雇用・所得環境の改善が堅調に推移いたしました。一方、米中の通商問題の長期化、英国のEU離脱問題、中東情勢の緊迫化、更に新型コロナウイルス感染症の拡大による景気低迷懸念から、内閣府発表の景気動向指数(2020年3月分)が「悪化」を示す等、先行きについては不透明な状況となっております。
このような経済状況のもとで、当社グループ(当社及び連結子会社)は、需要動向を捉えた新サービスの開発や新規顧客獲得に向けた営業努力を重ねるとともに、事業拡大のためのM&Aについても注力し、2019年7月1日に人材育成事業を展開するサイコム・ブレインズ㈱を完全子会社化いたしました。また、業務効率化を実現するためのシステム投資やガバナンス強化を目的とした人員の増強を行いました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ681,356千円増加し、2,391,778千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ541,929千円増加し、1,201,166千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ139,426千円増加し、1,190,611千円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度における当社グループの売上高は、サイコム・ブレインズ㈱の完全子会社化等の影響により2,643,917千円(前年同期比40.4%増)となりました。しかし、営業基盤及びガバナンスの強化に伴う人員増加を図った一方、当連結会計年度における営業強化に係る本格稼働には至らなかったこと等により、営業利益は20,017千円(同86.4%減)、経常利益は18,883千円(同87.3%減)と、各々前年同期比で減益となりました。また、親会社株主に帰属する当期純損失は、上記に加え、前連結会計年度は本社移転に係る移転補償金の計上等の要因により、25,273千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益182,648千円)と前年同期比で減益となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
メンタルヘルスケア事業
メンタルヘルスケア事業では、カウンセリングサービスを中心とするEAP契約企業の維持・拡大に取り組むとともに、ストレスチェックの結果を踏まえた組織分析に基づく職場環境改善や生産性向上に向けたフォローアップサービスの充実による拡販に注力しました。さらに、「健康経営」及び「働き方改革」を目指す各企業の取組を支援する事業領域の拡大を図りました。また、パワーハラスメント防止に関する法律が2020年度に施行されることを受け、ハラスメント防止研修の拡充に加え、ハラスメント相談(通報)窓口サービスを開始しました。これら諸施策推進のため人員の積極的な採用を継続しましたが、第4四半期における新型コロナウイルス感染拡大に伴い、対面による集合研修が中止や延期となったことから、セグメント売上高は864,545千円(前年同期比0.5%減)、セグメント利益は192,774千円(前年同期比25.9%減)となりました。
人材紹介事業
人材紹介事業では、国内の雇用情勢は依然として企業の求人意欲が衰えず、厚生労働省が発表する2019年度平均の有効求人倍率は1.55倍と依然として高水準を維持しております。このような中、事業基盤の強化を目指し、コンサルタントの積極的な採用を過年度より継続して推し進め、顧客企業の人材ニーズに合った人材紹介サービスを事業会社3社で提供し、顧客企業の採用活動をサポートいたしました。これにより、セグメント売上高は1,137,782千円(前年同期比12.2%増)となったものの、経験の浅いコンサルタントにおけるマーケット変化への対応の遅れや、前年度に開設した大阪支店の本格稼働の遅れ等により、一人当たりの生産性が低下し、セグメント利益は139,025千円(前年同期比2.8%減)となりました。
人材育成事業
人材育成事業では、企業毎のニーズを適切に把握の上、企画・立案を行うコンサルティング機能を活かし、法人向けの集合研修を主力商品としております。企業においては、政府による「働き方改革」の推進を受け、社員の能力開発に加え組織活性化のニーズが増大しており、今年度はこのような動きに合わせ付加価値の高い研修サービスを幅広く提供致しました。また、限られた業務時間の中での能力開発ニーズの増加を受け、短時間かつ持続的な受講を可能とすべくオンラインやモバイルツールを活用したサービスの強化を行いました。さらに、社員における能力向上・キャリア意識の高まりに対応すべく、個人のパーソナリティや行動特性のアセスメント(評価)を通じた自律学習の支援を行うことにより、人材育成効果の増大を図りました。こうした施策により、期を通じて既往顧客を中心に安定的な案件獲得が図られてきましたが、第4四半期においては、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、集合研修の中止や延期などの影響を受けました。
この結果、セグメント売上高642,039千円、セグメント利益6,206千円となりました。
なお、当連結会計年度において、サイコム・ブレインズ㈱の株式を取得したことに伴い、報告セグメントに「人材育成事業」が追加されております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、移転補償金の受取、長期借入れによる収入があったものの、サイコム・ブレインズ㈱の株式取得、本社移転に伴う固定資産の取得による支出が発生したこと等により前連結会計年度末に比べ18,817千円減少し、当連結会計年度末には789,785千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は182,770千円(同0.9%減)となりました。これは主に、減価償却費64,868千円、のれん償却費16,123千円、移転補償金の受取額302,346千円があった一方で、法人税等の支払額254,283千円等が生じたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は505,321千円(同286.9%増)となりました。これは主に、サイコム・ブレインズ㈱の株式取得による支出364,194千円、本社移転に伴う有形固定資産取得による支出153,761千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は303,739千円(同70.8%増)となりました。これは主に、長期借入れによる収入400,000千円、配当金の支払い54,797千円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性質上、生産実績の記載に馴染まないため、省略しております。
b.受注実績
当社グループが提供するサービスの性質上、受注実績の記載に馴染まないため、省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の売上実績及び当該売上実績の総売上実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上の相手先が存在しないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における流動資産は1,159,478千円となり、前連結会計年度末に比べ150,892千円減少いたしました。これは主に売掛金が109,954千円増加、未収還付法人税等が74,367千円増加した一方、未収入金が本社移転に係る移転補償金の回収等により359,362千円減少したことによるものであります。固定資産は1,232,300千円となり、前連結会計年度末に比べ832,249千円増加いたしました。これは主に、サイコム・ブレインズ㈱の株式を取得し、同社を連結の範囲に含めたことに伴い、のれん198,858千円、商標権176,339千円、顧客関連資産299,056千円がそれぞれ増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、2,391,778千円となり、前連結会計年度末に比べ681,356千円増加いたしました。
(負債合計)
当連結会計年度末における流動負債は543,444千円となり、前連結会計年度末に比べ50,365千円減少いたしました。これは主に、一年内返済予定長期借入金が53,661千円増加、未払消費税等が43,198千円増加した一方、本社移転に伴う固定資産取得に係る支払いにより未払金が101,651千円減少、また、未払法人税等が128,829千円減少したことによるものであります。固定負債は657,722千円となり、前連結会計年度末に比べ592,294千円増加いたしました。これは主に、長期借入金が322,219千円増加し、さらにサイコム・ブレインズ㈱の株式を取得し、同社を連結の範囲に含めたことに伴い、役員退職慰労引当金が78,716千円、繰延税金負債が144,403千円それぞれ増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、1,201,166千円となり、前連結会計年度末に比べ541,929千円増加いたしました。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産合計は1,190,611千円となり、前連結会計年度末に比べ139,426千円増加いたしました。これは主に、当社を株式交換完全親会社とし、サイコム・ブレインズ㈱を株式交換完全子会社とする株式交換を実施したこと等により資本剰余金が209,116千円増加した一方、剰余金の配当による減少54,797千円、親会社株主に帰属する当期純損失25,273千円の発生によるものであります。
この結果、自己資本比率は49.6%(前連結会計年度末は61.5%)となりました。
b.経営成績
(売上高)
当連結会計年度における当社グループの売上高は、サイコム・ブレインズ㈱の完全子会社化等の影響により760,764千円増収の2,643,917千円(前年同期比40.4%増)となりました。
各セグメント別の売上高及びセグメント利益の概況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上原価)
売上原価は前連結会計年度比207,286千円増の551,610千円となり、売上原価率は前連結会計年度から2.6ポイント上昇して20.9%となりました。これは主に、当連結会計年度における、売上原価率28.8%のサイコム・ブレインズ㈱完全子会社化によるものであります。
(営業利益及び経常利益)
売上総利益は、サイコム・ブレインズ㈱の完全子会社化等の影響により、前連結会計年度比553,478千円増の2,092,307千円となりました。
販売費及び一般管理費は前連結会計年度と比べ、ガバナンス強化に伴う人件費の増加等により、680,978千円増の2,072,289千円となり、売上高販管費比率は4.5ポイント上昇して78.4%となりました。
以上の結果、営業利益は前連結会計年度比127,500千円減の20,017千円と減益となりました。
営業外収益は、前連結会計年度比693千円減の1,735千円となりました。営業外費用は、前連結会計年度比1,110千円増の2,869千円となりました。
この結果、経常利益は前連結会計年度比129,304千円減の18,883千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損失)
前連結会計年度における本社移転に係る移転補償金を302,346千円計上等の要因により、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は前連結会計年度比370,380千円減の128千円となり、また、法人税等合計が前連結会計年度比162,458千円減少した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は25,273千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益182,648千円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況)
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの所要資金は、経常の運転資金となっております。経常運転資金については、適宜、自己資金及び金融機関からの借入により対応しております。また、資金調達の機動性及び安全性の確保を目的として、取引金融機関との間で当座貸越契約を締結しており、必要に応じて借入を実施しております。また、新型コロナウイルス感染症の拡大により先行きが不透明な状況を踏まえ、2020年4月以降、新たに複数の取引金融機関との間で当座貸越契約を締結しており、本書提出日現在、当社グループでは必要な事業資金は十分に確保されていると認識しております。
今後につきましても、事業拡大に伴い人件費や情報化投資の増加が見込まれることなどを考慮して、充分な流動性を維持していく考えであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっての会計基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。
連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。新型コロナウイルス感染症拡大の影響は、本書提出日現在も継続しており、これにより当社グループにおいては、メンタルヘルスケア事業及び人材育成事業で集合研修の中止または延期、人材紹介事業で各企業における採用活動の遅延等が発生しております。
新型コロナウイルス感染症は経済、企業活動に広範な影響を与える事象であり、また、今後の広がり方や収束時期等を予想することは困難であります。したがって、当社は外部の情報源に基づく情報等を踏まえて、2021年3月期にわたり新型コロナウイルス感染症拡大の影響が継続するとの仮定のもと、主に以下の項目について会計上の見積りを行っております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の事業計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、「メンタルヘルスケア事業」、「人材紹介事業」及び「人材育成事業」における各種サービスを多くの方に提供し、かつ、長期にわたって提供することを基本方針とし、事業規模の拡大と収益性の向上が当面の重要な課題と認識しております。従いまして、連結売上高と連結営業利益及び当該成長率が結果的に「株主資本利益率(ROE)」及び「総資産経常利益率(ROA)」を向上させる重要な経営指標になると認識し、これを最も重要な指標として位置づけております。
当連結会計年度における売上高は前連結会計年度と比べて760,764千円増の2,643,917千円(前年同期比40.4%増)、営業利益は前連結会計年度と比べて127,500千円減の20,017千円(同86.4%減)となりました。
この結果、当連結会計年度における「自己資本利益率(ROE)」は△2.3%(前連結会計年度比23.4ポイント下落)、「総資産経常利益率(ROA)」は0.9%(同9.8ポイント下落)となりました。引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。
⑤経営者の問題認識と今後の方針
新型コロナウイルス感染症の影響について、今後の拡大や終息時期等を予測し、2021年3月期以降の業績に与える影響を、提出日現在において定量的に把握することは困難と考えておりますが、今後の事業活動において見込まれる定性的なリスクとその対応については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境、中長期的な会社の経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、10月の消費税増税の影響は各種政策の効果等もあり限定的で、企業収益の改善や雇用・所得環境の改善が堅調に推移いたしました。一方、米中の通商問題の長期化、英国のEU離脱問題、中東情勢の緊迫化、更に新型コロナウイルス感染症の拡大による景気低迷懸念から、内閣府発表の景気動向指数(2020年3月分)が「悪化」を示す等、先行きについては不透明な状況となっております。
このような経済状況のもとで、当社グループ(当社及び連結子会社)は、需要動向を捉えた新サービスの開発や新規顧客獲得に向けた営業努力を重ねるとともに、事業拡大のためのM&Aについても注力し、2019年7月1日に人材育成事業を展開するサイコム・ブレインズ㈱を完全子会社化いたしました。また、業務効率化を実現するためのシステム投資やガバナンス強化を目的とした人員の増強を行いました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ681,356千円増加し、2,391,778千円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ541,929千円増加し、1,201,166千円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ139,426千円増加し、1,190,611千円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度における当社グループの売上高は、サイコム・ブレインズ㈱の完全子会社化等の影響により2,643,917千円(前年同期比40.4%増)となりました。しかし、営業基盤及びガバナンスの強化に伴う人員増加を図った一方、当連結会計年度における営業強化に係る本格稼働には至らなかったこと等により、営業利益は20,017千円(同86.4%減)、経常利益は18,883千円(同87.3%減)と、各々前年同期比で減益となりました。また、親会社株主に帰属する当期純損失は、上記に加え、前連結会計年度は本社移転に係る移転補償金の計上等の要因により、25,273千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益182,648千円)と前年同期比で減益となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
メンタルヘルスケア事業
メンタルヘルスケア事業では、カウンセリングサービスを中心とするEAP契約企業の維持・拡大に取り組むとともに、ストレスチェックの結果を踏まえた組織分析に基づく職場環境改善や生産性向上に向けたフォローアップサービスの充実による拡販に注力しました。さらに、「健康経営」及び「働き方改革」を目指す各企業の取組を支援する事業領域の拡大を図りました。また、パワーハラスメント防止に関する法律が2020年度に施行されることを受け、ハラスメント防止研修の拡充に加え、ハラスメント相談(通報)窓口サービスを開始しました。これら諸施策推進のため人員の積極的な採用を継続しましたが、第4四半期における新型コロナウイルス感染拡大に伴い、対面による集合研修が中止や延期となったことから、セグメント売上高は864,545千円(前年同期比0.5%減)、セグメント利益は192,774千円(前年同期比25.9%減)となりました。
人材紹介事業
人材紹介事業では、国内の雇用情勢は依然として企業の求人意欲が衰えず、厚生労働省が発表する2019年度平均の有効求人倍率は1.55倍と依然として高水準を維持しております。このような中、事業基盤の強化を目指し、コンサルタントの積極的な採用を過年度より継続して推し進め、顧客企業の人材ニーズに合った人材紹介サービスを事業会社3社で提供し、顧客企業の採用活動をサポートいたしました。これにより、セグメント売上高は1,137,782千円(前年同期比12.2%増)となったものの、経験の浅いコンサルタントにおけるマーケット変化への対応の遅れや、前年度に開設した大阪支店の本格稼働の遅れ等により、一人当たりの生産性が低下し、セグメント利益は139,025千円(前年同期比2.8%減)となりました。
人材育成事業
人材育成事業では、企業毎のニーズを適切に把握の上、企画・立案を行うコンサルティング機能を活かし、法人向けの集合研修を主力商品としております。企業においては、政府による「働き方改革」の推進を受け、社員の能力開発に加え組織活性化のニーズが増大しており、今年度はこのような動きに合わせ付加価値の高い研修サービスを幅広く提供致しました。また、限られた業務時間の中での能力開発ニーズの増加を受け、短時間かつ持続的な受講を可能とすべくオンラインやモバイルツールを活用したサービスの強化を行いました。さらに、社員における能力向上・キャリア意識の高まりに対応すべく、個人のパーソナリティや行動特性のアセスメント(評価)を通じた自律学習の支援を行うことにより、人材育成効果の増大を図りました。こうした施策により、期を通じて既往顧客を中心に安定的な案件獲得が図られてきましたが、第4四半期においては、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、集合研修の中止や延期などの影響を受けました。
この結果、セグメント売上高642,039千円、セグメント利益6,206千円となりました。
なお、当連結会計年度において、サイコム・ブレインズ㈱の株式を取得したことに伴い、報告セグメントに「人材育成事業」が追加されております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、移転補償金の受取、長期借入れによる収入があったものの、サイコム・ブレインズ㈱の株式取得、本社移転に伴う固定資産の取得による支出が発生したこと等により前連結会計年度末に比べ18,817千円減少し、当連結会計年度末には789,785千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は182,770千円(同0.9%減)となりました。これは主に、減価償却費64,868千円、のれん償却費16,123千円、移転補償金の受取額302,346千円があった一方で、法人税等の支払額254,283千円等が生じたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は505,321千円(同286.9%増)となりました。これは主に、サイコム・ブレインズ㈱の株式取得による支出364,194千円、本社移転に伴う有形固定資産取得による支出153,761千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は303,739千円(同70.8%増)となりました。これは主に、長期借入れによる収入400,000千円、配当金の支払い54,797千円によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性質上、生産実績の記載に馴染まないため、省略しております。
b.受注実績
当社グループが提供するサービスの性質上、受注実績の記載に馴染まないため、省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | |
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| メンタルヘルスケア事業 | 864,289 | 99.5 |
| 人材紹介事業 | 1,137,782 | 112.2 |
| 人材育成事業 | 641,846 | - |
| 合計 | 2,643,917 | 140.4 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の売上実績及び当該売上実績の総売上実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上の相手先が存在しないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における流動資産は1,159,478千円となり、前連結会計年度末に比べ150,892千円減少いたしました。これは主に売掛金が109,954千円増加、未収還付法人税等が74,367千円増加した一方、未収入金が本社移転に係る移転補償金の回収等により359,362千円減少したことによるものであります。固定資産は1,232,300千円となり、前連結会計年度末に比べ832,249千円増加いたしました。これは主に、サイコム・ブレインズ㈱の株式を取得し、同社を連結の範囲に含めたことに伴い、のれん198,858千円、商標権176,339千円、顧客関連資産299,056千円がそれぞれ増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、2,391,778千円となり、前連結会計年度末に比べ681,356千円増加いたしました。
(負債合計)
当連結会計年度末における流動負債は543,444千円となり、前連結会計年度末に比べ50,365千円減少いたしました。これは主に、一年内返済予定長期借入金が53,661千円増加、未払消費税等が43,198千円増加した一方、本社移転に伴う固定資産取得に係る支払いにより未払金が101,651千円減少、また、未払法人税等が128,829千円減少したことによるものであります。固定負債は657,722千円となり、前連結会計年度末に比べ592,294千円増加いたしました。これは主に、長期借入金が322,219千円増加し、さらにサイコム・ブレインズ㈱の株式を取得し、同社を連結の範囲に含めたことに伴い、役員退職慰労引当金が78,716千円、繰延税金負債が144,403千円それぞれ増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、1,201,166千円となり、前連結会計年度末に比べ541,929千円増加いたしました。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産合計は1,190,611千円となり、前連結会計年度末に比べ139,426千円増加いたしました。これは主に、当社を株式交換完全親会社とし、サイコム・ブレインズ㈱を株式交換完全子会社とする株式交換を実施したこと等により資本剰余金が209,116千円増加した一方、剰余金の配当による減少54,797千円、親会社株主に帰属する当期純損失25,273千円の発生によるものであります。
この結果、自己資本比率は49.6%(前連結会計年度末は61.5%)となりました。
b.経営成績
(売上高)
当連結会計年度における当社グループの売上高は、サイコム・ブレインズ㈱の完全子会社化等の影響により760,764千円増収の2,643,917千円(前年同期比40.4%増)となりました。
各セグメント別の売上高及びセグメント利益の概況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上原価)
売上原価は前連結会計年度比207,286千円増の551,610千円となり、売上原価率は前連結会計年度から2.6ポイント上昇して20.9%となりました。これは主に、当連結会計年度における、売上原価率28.8%のサイコム・ブレインズ㈱完全子会社化によるものであります。
(営業利益及び経常利益)
売上総利益は、サイコム・ブレインズ㈱の完全子会社化等の影響により、前連結会計年度比553,478千円増の2,092,307千円となりました。
販売費及び一般管理費は前連結会計年度と比べ、ガバナンス強化に伴う人件費の増加等により、680,978千円増の2,072,289千円となり、売上高販管費比率は4.5ポイント上昇して78.4%となりました。
以上の結果、営業利益は前連結会計年度比127,500千円減の20,017千円と減益となりました。
営業外収益は、前連結会計年度比693千円減の1,735千円となりました。営業外費用は、前連結会計年度比1,110千円増の2,869千円となりました。
この結果、経常利益は前連結会計年度比129,304千円減の18,883千円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損失)
前連結会計年度における本社移転に係る移転補償金を302,346千円計上等の要因により、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は前連結会計年度比370,380千円減の128千円となり、また、法人税等合計が前連結会計年度比162,458千円減少した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は25,273千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益182,648千円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況)
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの所要資金は、経常の運転資金となっております。経常運転資金については、適宜、自己資金及び金融機関からの借入により対応しております。また、資金調達の機動性及び安全性の確保を目的として、取引金融機関との間で当座貸越契約を締結しており、必要に応じて借入を実施しております。また、新型コロナウイルス感染症の拡大により先行きが不透明な状況を踏まえ、2020年4月以降、新たに複数の取引金融機関との間で当座貸越契約を締結しており、本書提出日現在、当社グループでは必要な事業資金は十分に確保されていると認識しております。
今後につきましても、事業拡大に伴い人件費や情報化投資の増加が見込まれることなどを考慮して、充分な流動性を維持していく考えであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっての会計基準は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。
連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。新型コロナウイルス感染症拡大の影響は、本書提出日現在も継続しており、これにより当社グループにおいては、メンタルヘルスケア事業及び人材育成事業で集合研修の中止または延期、人材紹介事業で各企業における採用活動の遅延等が発生しております。
新型コロナウイルス感染症は経済、企業活動に広範な影響を与える事象であり、また、今後の広がり方や収束時期等を予想することは困難であります。したがって、当社は外部の情報源に基づく情報等を踏まえて、2021年3月期にわたり新型コロナウイルス感染症拡大の影響が継続するとの仮定のもと、主に以下の項目について会計上の見積りを行っております。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の事業計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、「メンタルヘルスケア事業」、「人材紹介事業」及び「人材育成事業」における各種サービスを多くの方に提供し、かつ、長期にわたって提供することを基本方針とし、事業規模の拡大と収益性の向上が当面の重要な課題と認識しております。従いまして、連結売上高と連結営業利益及び当該成長率が結果的に「株主資本利益率(ROE)」及び「総資産経常利益率(ROA)」を向上させる重要な経営指標になると認識し、これを最も重要な指標として位置づけております。
当連結会計年度における売上高は前連結会計年度と比べて760,764千円増の2,643,917千円(前年同期比40.4%増)、営業利益は前連結会計年度と比べて127,500千円減の20,017千円(同86.4%減)となりました。
この結果、当連結会計年度における「自己資本利益率(ROE)」は△2.3%(前連結会計年度比23.4ポイント下落)、「総資産経常利益率(ROA)」は0.9%(同9.8ポイント下落)となりました。引き続きこれらの指標について、改善されるよう取り組んでまいります。
⑤経営者の問題認識と今後の方針
新型コロナウイルス感染症の影響について、今後の拡大や終息時期等を予測し、2021年3月期以降の業績に与える影響を、提出日現在において定量的に把握することは困難と考えておりますが、今後の事業活動において見込まれる定性的なリスクとその対応については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営環境、中長期的な会社の経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載しております。