有価証券報告書-第8期(2023/03/01-2024/02/29)
1.経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当社グループは、「Empower Data, Innovate the Business, Shape the Future.情報に価値を、企業に変革を、社会に未来を。」というビジョンを掲げており、社会に存在する様々なデータを活用することで、多くの企業にイノベーションをもたらし、その結果として、より良い社会を実現することを目指しております。
当社グループは、「データエンパワーメント事業」を単一の報告セグメントとしておりますが、提供しているソフトウェア及びサービスの性質により、企業の基幹業務を支える「帳票・文書管理ソリューション」と、様々なデータを活用し、今までにない新たな価値を生み出す「データエンパワーメントソリューション」の2つに売上収益を区分しております。
(1)経営成績の状況
当連結会計年度(2023年3月1日~2024年2月29日)における我が国の経済環境は、好調な業績に支えられた企業の積極的な設備投資と賃上げによる所得環境の改善、また賃金上昇分のサービス価格への転嫁が進み、緩やかな回復が続いています。一方、不動産不況から波及した中国経済の低迷やロシアによるウクライナ侵攻の長期化、中東での武力衝突等地政学リスクは依然大きく、我が国経済に影響を与える可能性があります。
当社グループが属する企業向けIT市場は、クラウド化やサブスクリプションモデルの浸透といった外部環境の影響を受けにくい産業構造へ変化しており、これらに加え、リモートワーク、サプライチェーンの強化、業務のペーパーレス化、デジタルガバメントの推進等により、官民ともに積極的な投資は継続する見込みとなっております。また、海外の大手ベンダーを中心に生成系AIを用いたサービスが次々にリリースされ、実際に業績への貢献が進んでおり、我が国においても企業のAIへの取り組みは避けては通れないものとなっております。
2023年の企業向けIT市場は、上述のような様々な要因によって、前期比7.0%増と堅調に成長することが見込まれております(注1)。一方、クラウド市場は、コロナ禍以降の急成長は一服するものの、オンプレミス型からクラウド型へのマイグレーションの流れやクラウドネイティブ化、デジタルビジネスに対する投資の拡大等により、2023年は前期比25.8%増と高い成長を達成、2024年についても前期比19.8%増と引き続き高い成長が見込まれております(注2)。
(注)1 IDC Japan, 2023年10月「国内IT市場 産業分野別/従業員規模別/年商規模別予測アップデート、2023年~2027年」(JPJ50705123)TABLE2 国内IT市場 産業分野別 支出額予測、2021年~2027年、企業分野小計
2 IDC Japan, 2024年2月「国内パブリッククラウドサービス市場予測、2024年~2028年」(JPJ50706624)TABLE 1 国内パブリッククラウドサービス市場 サービスセグメント(大分類)別 売上額予測、2023年~2028年
このような事業環境のもと、当社グループは、帳票・文書管理ソリューション(BDS)、データエンパワーメントソリューション(DE)それぞれにおいて、積極的に投資を進めてまいりました。
◇帳票・文書管理ソリューション(BDS)
2023年10月にインボイス制度の導入、2024年1月に改正電子帳簿保存法の本格施行が開始し、企業は帳票の電子化をはじめ、電子的に受領した帳票の確認や保管等関連システムの整備が求められております。また、これらの帳票及び帳票に含まれるデータの活用はDXを進める上で欠かせないものであり、これらを活用するシステムも引き続き強い需要が見込まれております。
当社グループの電子帳票プラットフォームである「invoiceAgent」は、帳票の電子的な保管や運用が行えることに加え、紙帳票を介さない企業間の電子的な取引を実現するクラウドサービスで、企業の帳票活用に関する幅広いニーズに対応しています。本ソリューションでは、今後も強い需要が見込まれる「invoiceAgent」を中心に投資を進めてまいります。
(注) Peppol(Pan European Public Procurement Online)は、請求書(インボイス)などの電子文書をネットワーク上でやり取りするための「文書仕様」「運用ルール」「ネットワーク」のグローバルな標準仕様であり、OpenPeppol(ベルギーの国際的非営利組織)がその管理等を行っている。
◇データエンパワーメントソリューション(DE)
クラウドサービスの浸透により企業規模に関わらず、多くの企業が様々なデータを保有するようになっています。一方、専任者の不在やシステム運用に関する問題から、蓄積されたデータを競争力向上のために活用できている企業は多くはありません。
当社グループは、企業のデータ活用を促進させるため、当社グループのソフトウェア・クラウドサービスに、各業種の業務に精通しているスペシャリストのノウハウを組み合わせ、業種特有の業務を効率化する「業種・業務ソリューション」の提供を行っております。また、大企業向けのデータ分析基盤ソリューション「Dataring」は、単なるソリューションの提供ではなく、データ活用のスペシャリストとして、データの準備から分析、活用とデータ関連業務全体を担うサービスとなっております。今後も顧客の課題をより直接的に解決できるソリューションの提供を行ってまいります。
この結果、当連結会計年度の売上収益は25,752百万円(前期比15.2%増)、営業費用(その他の営業収益を控除後)は、人員の採用による人件費や採用費、販売促進費の増加などで18,443百万円(前期比12.4%増)、営業利益は7,309百万円(前期比22.9%増)、税引前利益は7,304百万円(前期比24.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は5,411百万円(前期比23.0%増)となりました。
また、当社グループは、上記のIFRSにより規定された財務指標以外に、以下のEBITDAを重要な経営指標と位置付けております。なお、これまで重要な経営指標として「調整後EBITDA」及び「調整後当期利益」(以下、「調整後指標」)を開示してまいりましたが、2022年2月期以降、投資判断にあたり調整を要すると思われる費用がほぼ発生していないことから、2024年2月期以降は「調整後指標」の開示は行いません。なお、今後「調整後指標」を比較に用いる場合はその旨明記いたします。
(単位:百万円)
(注)1.2020年2月期より、IFRS第16号の適用により、オフィスの賃借契約に係る使用権を使用権資産として認識しており、当該資産に係る減価償却費も併せて計上しておりますが、EBITDA算出におきましては、「減価償却費及び償却費」からは当該使用権資産に係る減価償却費を除いております。
2.EBITDA=営業利益+減価償却費及び償却費
EBITDAは、営業利益、減価償却費及び償却費の増加により8,597百万円(前期比20.0%増)と増加しました。
当社グループは、「データエンパワーメント事業」を単一の報告セグメントとしておりますが、提供しているソフトウェア及びサービスの性質により、企業の基幹業務を支える「帳票・文書管理ソリューション」と、様々なデータを活用し、今までにない新たな価値を生み出す「データエンパワーメントソリューション」の2つに売上収益を区分しております。
≪ソリューション別売上収益≫ (単位:百万円)
(帳票・文書管理ソリューション)
当ソリューションは、企業の基幹業務に必須である請求書や納品書等の帳票類を設計・運用を行うソフトウェア及びサービスである「SVF」及び企業間取引の電子化を実現する「invoiceAgent」が主な構成要素となっております。
「SVF」は、大企業や公共を中心としたDX推進のためのシステム投資が継続したことにより、ライセンス/サービスが前期比0.5%増と過去最高であった前年と同程度となりました。保守については、ライセンス/サービスの好調に伴い契約獲得も好調に推移したことから、前期比10.9%増と前年を上回りました。クラウドサービスについては、様々なアライアンスによりサービス提供範囲が拡大したことから、契約社数が順調に増加し、前期比32.1%増と好調な結果となりました。この結果、売上収益は14,146百万円(前期比8.1%増)となりました。
「invoiceAgent」は、大企業の全社的な文書管理ニーズの拡大により、ライセンス/サービスが前期比83.3%増と前年を大きく上回りました。保守については、好調なライセンス/サービスを背景に契約を順調に伸ばし、前期比37.8%増と前年を上回りました。クラウドサービスについては、2023年10月のインボイス制度導入や2024年1月の改正電子帳簿保存法の本格施行が介したため契約社数が大きく増加し、前期比112.0%増と大幅に増加しました。今後はさらなるDXの進展に伴い、企業内でのペーパーレス化のさらなる促進や電子文書活用が進むとみられることから底堅い需要が続くものと想定しております。この結果、売上収益は2,095百万円(前期比86.7%増)と前年から大きく成長しました。
この結果、当ソリューションの売上収益は16,494百万円(前期比14.9%増)となりました。
(データエンパワーメントソリューション)
当ソリューションは、企業が保有するデータを統合・処理・分析・可視化することにより、業務の効率化や生産性の向上を実現するソフトウェア及びサービスである「Dr.Sum」「MotionBoard」が主な構成要素となっております。
「Dr.Sum」は、コロナ禍からの回復が一服したことからライセンス/サービスが前期比12.8%減と減少しました。保守については、高い保守継続率を保っていることから前期比3.8%増と堅調に推移しております。クラウドサービスについては、大企業を中心に案件獲得を進めており、契約社数も順調に増加、前期比68.7%増と大きく成長しました。この結果、売上収益は3,063百万円(前期比4.6%増)となりました。
「MotionBoard」は、大型案件の獲得により、ライセンス/サービスが前期比35.6%増と大きく成長しました。保守については、ライセンス/サービスが好調であったことから、前期比11.2%増と好調に推移しております。クラウドサービスについては、業種別ソリューションを中心に着実に契約社数を積み上げた結果、前期比23.3%増と大きく成長しました。この結果、売上収益は3,652百万円(前期比22.5%増)となりました。
この結果、当ソリューションの売上収益は9,258百万円(前期比15.8%増)となりました。
また、当社グループが提供するソフトウェア及びサービスについては、ソフトウェアライセンスや導入時のサービス提供等継続的な契約を前提としない取引と、ソフトウェアの保守サポート契約、サブスクリプション契約やクラウドサービスの利用契約のような継続的な契約を前提とした取引により構成されています。継続的な契約を前提とした取引は、導入企業が増加するにつれて年々売上収益が積みあがるリカーリングビジネスと呼ばれる収益モデルであり、これらのビジネスから得られる収益(リカーリングレベニュー)は、当社グループの収益の安定化と継続的な拡大に大きく貢献しております。
≪契約区分別売上収益≫ (単位:百万円)
(注)より詳細な情報につきましては、当社IRサイト(https://ir.wingarc.com/)財務情報ページ内の最新の「FACT BOOK」をご参照下さい。
(2)財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産は、65,950百万円(前期末比3,399百万円増)となりました。流動資産は15,273百万円(前期末比2,035百万円増)、非流動資産は50,676百万円(前期末比1,364百万円増)となりました。流動資産の増加の主な要因は、現金及び現金同等物1,810百万円の増加によるものです。非流動資産の増加の主な要因は、顧客関係・技術関連資産の償却に伴うその他の無形資産557百万円の減少があったものの、投資有価証券などその他の金融資産の増加1,677百万円があったことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、26,853百万円(前期末比1,122百万円減)となりました。流動負債は13,348百万円(前期末比596百万円増)、非流動負債は13,504百万円(前期末比1,718百万円減)となりました。流動負債の増加の主な要因は、契約負債632百万円の増加があったことによるものです。非流動負債の減少の主な要因は、借入金返済に伴う長期借入金1,699百万円の減少があったことによるものであります。
(資本)
当連結会計年度末における資本は、39,096百万円(前期末比4,522百万円増)となりました。資本の増加の主な要因は、配当金の支払に伴う利益剰余金の減少1,901百万円があったものの、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上に伴う利益剰余金5,411百万円の増加、その他の資本の構成要素834百万円の増加によるものであります。
(3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、12,986百万円(前期末比1,810百万円増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、7,840百万円(前期は6,870百万円の獲得)となりました。これは主に、法人所得税の支払額1,791百万円の計上があったものの、税引前利益7,304百万円の計上、減価償却費及び償却費1,612百万円の計上、契約負債の増減額632百万円の計上があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,600百万円(前期は1,020百万円の使用)となりました。これは主に、基幹システム刷新や顧客管理システム改修に伴う無形資産の取得による支出585百万円、投資有価証券の取得による支出527百万円、新規技術設備工事などに伴う有形固定資産の取得による支出488百万円を計上したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、4,462百万円(前期は3,730百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入れによる収入10,000百万円があったものの、長期借入金の返済による支出12,250百万円、配当金の支払額1,900百万円を計上したことによるものであります。
2.生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当社グループは、ソフトウェアの販売及びサービスの提供が主体であり、生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
(2)受注実績
当社グループは、ソフトウェアの販売及びサービスの提供が主体であり、受注生産を行っていないため、該当事項はありません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
(注)1.当社グループの事業セグメントは、「データエンパワーメント事業」を単一の報告セグメントとしているため、ソリューション別の販売実績を記載しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。
3.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表はIFRSに基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性のある会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性のある会計方針」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。
(2)財政状態の分析
当連結会計年度における財政状態の分析につきましては、「1.経営成績等の状況の概要 (2)財政状態の状況」を参照ください。
(3)経営成績の分析
当連結会計年度における経営成績の分析につきましては、「1.経営成績等の状況の概要 (1)経営成績の状況」を参照下さい。
(4)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「1.経営成績等の状況の概要 (3)キャッシュ・フロー」に記載しております。
(5)資本の財源及び資金の流動性
当社グループにおける主な資金使途は人件費、研究開発費、外注・業務委託料等の営業費用、主に社内インフラ用のソフトウェア・サーバ等の設備投資、M&Aや出資に係る投資、借入金の返済、配当の支払となっております。これらの資金需要につきましては、営業キャッシュ・フローを源泉とする自己資金で賄っており、必要に応じて借入金等による資金調達を実施する方針としております。
(6)目標とする指標の分析
・EBITDA
(単位:百万円)
EBITDAは、売上収益の増加及びコストコントロールが奏功したことにより、8,597百万円(前期比20.0%増)と前年を大きく上回りました。
・契約継続率
契約継続率は、顧客企業でのシステム終了等の影響により、1.6ポイントの減少となりましたが引き続き高い水準を維持しております。
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当社グループは、「Empower Data, Innovate the Business, Shape the Future.情報に価値を、企業に変革を、社会に未来を。」というビジョンを掲げており、社会に存在する様々なデータを活用することで、多くの企業にイノベーションをもたらし、その結果として、より良い社会を実現することを目指しております。
当社グループは、「データエンパワーメント事業」を単一の報告セグメントとしておりますが、提供しているソフトウェア及びサービスの性質により、企業の基幹業務を支える「帳票・文書管理ソリューション」と、様々なデータを活用し、今までにない新たな価値を生み出す「データエンパワーメントソリューション」の2つに売上収益を区分しております。
(1)経営成績の状況
当連結会計年度(2023年3月1日~2024年2月29日)における我が国の経済環境は、好調な業績に支えられた企業の積極的な設備投資と賃上げによる所得環境の改善、また賃金上昇分のサービス価格への転嫁が進み、緩やかな回復が続いています。一方、不動産不況から波及した中国経済の低迷やロシアによるウクライナ侵攻の長期化、中東での武力衝突等地政学リスクは依然大きく、我が国経済に影響を与える可能性があります。
当社グループが属する企業向けIT市場は、クラウド化やサブスクリプションモデルの浸透といった外部環境の影響を受けにくい産業構造へ変化しており、これらに加え、リモートワーク、サプライチェーンの強化、業務のペーパーレス化、デジタルガバメントの推進等により、官民ともに積極的な投資は継続する見込みとなっております。また、海外の大手ベンダーを中心に生成系AIを用いたサービスが次々にリリースされ、実際に業績への貢献が進んでおり、我が国においても企業のAIへの取り組みは避けては通れないものとなっております。
2023年の企業向けIT市場は、上述のような様々な要因によって、前期比7.0%増と堅調に成長することが見込まれております(注1)。一方、クラウド市場は、コロナ禍以降の急成長は一服するものの、オンプレミス型からクラウド型へのマイグレーションの流れやクラウドネイティブ化、デジタルビジネスに対する投資の拡大等により、2023年は前期比25.8%増と高い成長を達成、2024年についても前期比19.8%増と引き続き高い成長が見込まれております(注2)。
(注)1 IDC Japan, 2023年10月「国内IT市場 産業分野別/従業員規模別/年商規模別予測アップデート、2023年~2027年」(JPJ50705123)TABLE2 国内IT市場 産業分野別 支出額予測、2021年~2027年、企業分野小計
2 IDC Japan, 2024年2月「国内パブリッククラウドサービス市場予測、2024年~2028年」(JPJ50706624)TABLE 1 国内パブリッククラウドサービス市場 サービスセグメント(大分類)別 売上額予測、2023年~2028年
このような事業環境のもと、当社グループは、帳票・文書管理ソリューション(BDS)、データエンパワーメントソリューション(DE)それぞれにおいて、積極的に投資を進めてまいりました。
◇帳票・文書管理ソリューション(BDS)
2023年10月にインボイス制度の導入、2024年1月に改正電子帳簿保存法の本格施行が開始し、企業は帳票の電子化をはじめ、電子的に受領した帳票の確認や保管等関連システムの整備が求められております。また、これらの帳票及び帳票に含まれるデータの活用はDXを進める上で欠かせないものであり、これらを活用するシステムも引き続き強い需要が見込まれております。
当社グループの電子帳票プラットフォームである「invoiceAgent」は、帳票の電子的な保管や運用が行えることに加え、紙帳票を介さない企業間の電子的な取引を実現するクラウドサービスで、企業の帳票活用に関する幅広いニーズに対応しています。本ソリューションでは、今後も強い需要が見込まれる「invoiceAgent」を中心に投資を進めてまいります。
2023年4月 | 「invoiceAgent」と株式会社NTTデータ・ビズインテグラルが提供する大企業向けERPパッケージ「Biz∫(ビズインテグラル)」が「Peppol(ペポル、注1)」をベースとした日本におけるデジタルインボイス標準仕様(JP PINT)へ対応した連携を開始。 |
2023年4月 | 「invoiceAgent」が、株式会社エイトレッドが開発提供するクラウド型ワークフロー「X-point Cloud」との連携アダプター「invoiceAgent Adapter for X-point 」の提供を開始。文書のワークフローにおける属性情報と合わせた文書の電子化から保管までを一元管理し、効率化を実現。 |
2023年6月 | 「SVF Cloud for Salesforce」と弁護士ドットコムが提供する契約マネジメントプラットフォーム「クラウドサイン」が連携。契約帳票の出力、契約起票、契約同意から契約ステータスの管理までを一気通貫でデジタル化し、Salesforce上の商談プロセスにおける業務効率化を実現。 |
2023年7月 | 「invoiceAgent」の機能強化リリースを実施。「invoiceAgent電子取引」においては、Peppol(注1)対応を実施し、Peppol IDの登録やPeppol形式での送受信に対応。「invoiceAgent文書管理」においては、2023年10月のインボイス制度の施行に伴う適格請求書関連の機能を拡充。 |
2023年10月 | 東京証券取引所が2023年10月に開設したカーボン・クレジット市場のインボイス制度対応にあたり「invoiceAgent」及び「SVFCloud」を採用。帳票市場での豊富な実績や他システムとの柔軟な連携機能を評価。同市場の決済において、市場参加者に対し、適格請求書及び精算書の交付を行う。 |
2023年11月 | 「invoiceAgent」がUiPath株式会社の自動化プラットフォーム「UiPath Business Automation Platform」と連携し、インボイス制度に関する業務自動化ソリューションの提供を開始。適格請求書の内容確認作業や事業者番号の照合、データ連携等を自動化することにより、業務の大幅な効率化を実現。 |
2023年11月 | 福岡県北九州市およびデジタル庁と連携し、北九州市におけるデジタルインボイス標準規格「Peppol(ペポル、注)」の請求書受領の実証実験を開始。北九州市における調達・請求に関する事務の効率化を実証し、効率化により北九州市が掲げる稼げるまちへの実現に寄与し地域利益に還元することを目指す。 |
(注) Peppol(Pan European Public Procurement Online)は、請求書(インボイス)などの電子文書をネットワーク上でやり取りするための「文書仕様」「運用ルール」「ネットワーク」のグローバルな標準仕様であり、OpenPeppol(ベルギーの国際的非営利組織)がその管理等を行っている。
◇データエンパワーメントソリューション(DE)
クラウドサービスの浸透により企業規模に関わらず、多くの企業が様々なデータを保有するようになっています。一方、専任者の不在やシステム運用に関する問題から、蓄積されたデータを競争力向上のために活用できている企業は多くはありません。
当社グループは、企業のデータ活用を促進させるため、当社グループのソフトウェア・クラウドサービスに、各業種の業務に精通しているスペシャリストのノウハウを組み合わせ、業種特有の業務を効率化する「業種・業務ソリューション」の提供を行っております。また、大企業向けのデータ分析基盤ソリューション「Dataring」は、単なるソリューションの提供ではなく、データ活用のスペシャリストとして、データの準備から分析、活用とデータ関連業務全体を担うサービスとなっております。今後も顧客の課題をより直接的に解決できるソリューションの提供を行ってまいります。
2023年4月 | 入力機能を強化したBIダッシュボード「MotionBoard Ver.6.4」の提供を開始。業務で発生したデータのフォームによるスムーズな入力やノーコードでの設計・運用可能なボタンアクションの強化等現場業務を強力にサポート。 |
2023年4月 | 住友電設株式会社、株式会社テクノ経営ウェブソリューションズ及び当社は共同で、工場経営のオンライン家庭教師、中小製造業向け企業成長支援ソリューション「グロサポ」の提供を開始。IoTで生産活動をデジタル化し、工場の状況を可視化することで改善につながるデータ活用を支援。 |
2023年5月 | 「Dr.Sum」が世界 100ヶ国以上、38,000 社以上の顧客を持つクリックテック・ジャパン株式会社BIツール「Qlik Sense」およびデータレプリケーションツール「Qlik Replicate」と連携。ユーザーに相互の強みを生かした体験を提供。 |
2023年5月 | スモールデータを簡単に収集する「Dataring SmallData Manager」の提供を開始。既に利用しているシステムや業務の運用を変更せずに、スモールデータを収集のプロセスを簡易化し、バリデーション処理やクレンジング処理の自動実行を実現。 |
2023年6月 | 「MotionBoard」向けデータ入力アプリケーション「Data-Jig(データジグ)」の提供を開始。シンプルな入力フォームをノンプログラミングで実装することが可能で、入力されたデータは、リアルタイムに「MotionBoard」で可視化され、現場と本社・管理部門間のスムーズなデータ連携を実現。 |
2023年9月 | 画像・映像解析のAI技術を持つ株式会社RUTILEAとの資本・業務提携契約を締結。「MotionBoard」及び「Dr.Sum」をRUTILEAのAIサービスと組み合わせ、映像内事象の数値データ化や、データの意味を解析し文書や画像で説明するなどの自動化と業務の高度化を目指す。 |
2023年10月 | 「MotionBoard Cloud」の操作方法等をエフォートレスに解決するAIチャットボット「AIアシスタント for MotionBoard Cloud」の試用版の提供を開始。操作方法や製品情報などを自然言語でスピーディーかつ容易に検索可能。本格提供は、来春を予定。 |
2023年12月 | "つなぐデータベース"へと強化したデータ分析基盤「Dr.Sum Ver.5.7」の提供を開始。CData Software社のアダプター採用により、Salesforceやkintone等のクラウドサービスとのシームレスなデータ連携が可能となる。 |
この結果、当連結会計年度の売上収益は25,752百万円(前期比15.2%増)、営業費用(その他の営業収益を控除後)は、人員の採用による人件費や採用費、販売促進費の増加などで18,443百万円(前期比12.4%増)、営業利益は7,309百万円(前期比22.9%増)、税引前利益は7,304百万円(前期比24.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は5,411百万円(前期比23.0%増)となりました。
また、当社グループは、上記のIFRSにより規定された財務指標以外に、以下のEBITDAを重要な経営指標と位置付けております。なお、これまで重要な経営指標として「調整後EBITDA」及び「調整後当期利益」(以下、「調整後指標」)を開示してまいりましたが、2022年2月期以降、投資判断にあたり調整を要すると思われる費用がほぼ発生していないことから、2024年2月期以降は「調整後指標」の開示は行いません。なお、今後「調整後指標」を比較に用いる場合はその旨明記いたします。
(単位:百万円)
決算期 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 増減 | 増減率 |
営業利益 | 5,945 | 7,309 | 1,363 | 22.9% |
減価償却費及び償却費 (注1) | 1,217 | 1,288 | 70 | 5.8% |
EBITDA(注2) | 7,163 | 8,597 | 1,434 | 20.0% |
(注)1.2020年2月期より、IFRS第16号の適用により、オフィスの賃借契約に係る使用権を使用権資産として認識しており、当該資産に係る減価償却費も併せて計上しておりますが、EBITDA算出におきましては、「減価償却費及び償却費」からは当該使用権資産に係る減価償却費を除いております。
2.EBITDA=営業利益+減価償却費及び償却費
EBITDAは、営業利益、減価償却費及び償却費の増加により8,597百万円(前期比20.0%増)と増加しました。
当社グループは、「データエンパワーメント事業」を単一の報告セグメントとしておりますが、提供しているソフトウェア及びサービスの性質により、企業の基幹業務を支える「帳票・文書管理ソリューション」と、様々なデータを活用し、今までにない新たな価値を生み出す「データエンパワーメントソリューション」の2つに売上収益を区分しております。
≪ソリューション別売上収益≫ (単位:百万円)
ソリューション区分 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 増減 | 増減率 | |
帳票・文書管理 ソリューション | SVF | 13,086 | 14,146 | 1,060 | 8.1% |
invoiceAgent | 1,122 | 2,095 | 972 | 86.7% | |
その他 | 145 | 251 | 106 | 73.3% | |
小計 | 14,354 | 16,494 | 2,139 | 14.9% | |
データエンパワーメント ソリューション | Dr.Sum | 2,929 | 3,063 | 134 | 4.6% |
MotionBoard | 2,982 | 3,652 | 670 | 22.5% | |
その他 | 2,082 | 2,541 | 459 | 22.1% | |
小計 | 7,994 | 9,258 | 1,264 | 15.8% | |
合計 | 22,349 | 25,752 | 3,403 | 15.2% |
(帳票・文書管理ソリューション)
当ソリューションは、企業の基幹業務に必須である請求書や納品書等の帳票類を設計・運用を行うソフトウェア及びサービスである「SVF」及び企業間取引の電子化を実現する「invoiceAgent」が主な構成要素となっております。
「SVF」は、大企業や公共を中心としたDX推進のためのシステム投資が継続したことにより、ライセンス/サービスが前期比0.5%増と過去最高であった前年と同程度となりました。保守については、ライセンス/サービスの好調に伴い契約獲得も好調に推移したことから、前期比10.9%増と前年を上回りました。クラウドサービスについては、様々なアライアンスによりサービス提供範囲が拡大したことから、契約社数が順調に増加し、前期比32.1%増と好調な結果となりました。この結果、売上収益は14,146百万円(前期比8.1%増)となりました。
「invoiceAgent」は、大企業の全社的な文書管理ニーズの拡大により、ライセンス/サービスが前期比83.3%増と前年を大きく上回りました。保守については、好調なライセンス/サービスを背景に契約を順調に伸ばし、前期比37.8%増と前年を上回りました。クラウドサービスについては、2023年10月のインボイス制度導入や2024年1月の改正電子帳簿保存法の本格施行が介したため契約社数が大きく増加し、前期比112.0%増と大幅に増加しました。今後はさらなるDXの進展に伴い、企業内でのペーパーレス化のさらなる促進や電子文書活用が進むとみられることから底堅い需要が続くものと想定しております。この結果、売上収益は2,095百万円(前期比86.7%増)と前年から大きく成長しました。
この結果、当ソリューションの売上収益は16,494百万円(前期比14.9%増)となりました。
(データエンパワーメントソリューション)
当ソリューションは、企業が保有するデータを統合・処理・分析・可視化することにより、業務の効率化や生産性の向上を実現するソフトウェア及びサービスである「Dr.Sum」「MotionBoard」が主な構成要素となっております。
「Dr.Sum」は、コロナ禍からの回復が一服したことからライセンス/サービスが前期比12.8%減と減少しました。保守については、高い保守継続率を保っていることから前期比3.8%増と堅調に推移しております。クラウドサービスについては、大企業を中心に案件獲得を進めており、契約社数も順調に増加、前期比68.7%増と大きく成長しました。この結果、売上収益は3,063百万円(前期比4.6%増)となりました。
「MotionBoard」は、大型案件の獲得により、ライセンス/サービスが前期比35.6%増と大きく成長しました。保守については、ライセンス/サービスが好調であったことから、前期比11.2%増と好調に推移しております。クラウドサービスについては、業種別ソリューションを中心に着実に契約社数を積み上げた結果、前期比23.3%増と大きく成長しました。この結果、売上収益は3,652百万円(前期比22.5%増)となりました。
この結果、当ソリューションの売上収益は9,258百万円(前期比15.8%増)となりました。
また、当社グループが提供するソフトウェア及びサービスについては、ソフトウェアライセンスや導入時のサービス提供等継続的な契約を前提としない取引と、ソフトウェアの保守サポート契約、サブスクリプション契約やクラウドサービスの利用契約のような継続的な契約を前提とした取引により構成されています。継続的な契約を前提とした取引は、導入企業が増加するにつれて年々売上収益が積みあがるリカーリングビジネスと呼ばれる収益モデルであり、これらのビジネスから得られる収益(リカーリングレベニュー)は、当社グループの収益の安定化と継続的な拡大に大きく貢献しております。
≪契約区分別売上収益≫ (単位:百万円)
契約区分 | 2023年2月期 | 2024年2月期 | 増減 | 増減率 | |
ライセンス/サービス | 8,884 | 9,844 | 960 | 10.8% | |
リカーリング | 保守 | 9,583 | 10,579 | 996 | 10.4% |
クラウド | 3,140 | 4,283 | 1,142 | 36.4% | |
サブスクリプション | 741 | 1,045 | 304 | 41.1% | |
小計 | 13,464 | 15,908 | 2,443 | 18.1% | |
合計 | 22,349 | 25,752 | 3,403 | 15.2% |
(注)より詳細な情報につきましては、当社IRサイト(https://ir.wingarc.com/)財務情報ページ内の最新の「FACT BOOK」をご参照下さい。
(2)財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産は、65,950百万円(前期末比3,399百万円増)となりました。流動資産は15,273百万円(前期末比2,035百万円増)、非流動資産は50,676百万円(前期末比1,364百万円増)となりました。流動資産の増加の主な要因は、現金及び現金同等物1,810百万円の増加によるものです。非流動資産の増加の主な要因は、顧客関係・技術関連資産の償却に伴うその他の無形資産557百万円の減少があったものの、投資有価証券などその他の金融資産の増加1,677百万円があったことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債は、26,853百万円(前期末比1,122百万円減)となりました。流動負債は13,348百万円(前期末比596百万円増)、非流動負債は13,504百万円(前期末比1,718百万円減)となりました。流動負債の増加の主な要因は、契約負債632百万円の増加があったことによるものです。非流動負債の減少の主な要因は、借入金返済に伴う長期借入金1,699百万円の減少があったことによるものであります。
(資本)
当連結会計年度末における資本は、39,096百万円(前期末比4,522百万円増)となりました。資本の増加の主な要因は、配当金の支払に伴う利益剰余金の減少1,901百万円があったものの、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上に伴う利益剰余金5,411百万円の増加、その他の資本の構成要素834百万円の増加によるものであります。
(3)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、12,986百万円(前期末比1,810百万円増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、7,840百万円(前期は6,870百万円の獲得)となりました。これは主に、法人所得税の支払額1,791百万円の計上があったものの、税引前利益7,304百万円の計上、減価償却費及び償却費1,612百万円の計上、契約負債の増減額632百万円の計上があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,600百万円(前期は1,020百万円の使用)となりました。これは主に、基幹システム刷新や顧客管理システム改修に伴う無形資産の取得による支出585百万円、投資有価証券の取得による支出527百万円、新規技術設備工事などに伴う有形固定資産の取得による支出488百万円を計上したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、4,462百万円(前期は3,730百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入れによる収入10,000百万円があったものの、長期借入金の返済による支出12,250百万円、配当金の支払額1,900百万円を計上したことによるものであります。
2.生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当社グループは、ソフトウェアの販売及びサービスの提供が主体であり、生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
(2)受注実績
当社グループは、ソフトウェアの販売及びサービスの提供が主体であり、受注生産を行っていないため、該当事項はありません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
ソリューションの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) | |
金額(百万円) | 前期比(%) | |
帳票・文書管理ソリューション | 16,494 | 14.9 |
データエンパワーメントソリューション | 9,258 | 15.8 |
合計 | 25,752 | 15.2 |
(注)1.当社グループの事業セグメントは、「データエンパワーメント事業」を単一の報告セグメントとしているため、ソリューション別の販売実績を記載しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 (自 2022年3月1日 至 2023年2月28日) | 当連結会計年度 (自 2023年3月1日 至 2024年2月29日) | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
日本電気株式会社 | 2,132 | 9.54 | 1,910 | 7.42 |
3.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表はIFRSに基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるために、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性のある会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性のある会計方針」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。
(2)財政状態の分析
当連結会計年度における財政状態の分析につきましては、「1.経営成績等の状況の概要 (2)財政状態の状況」を参照ください。
(3)経営成績の分析
当連結会計年度における経営成績の分析につきましては、「1.経営成績等の状況の概要 (1)経営成績の状況」を参照下さい。
(4)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「1.経営成績等の状況の概要 (3)キャッシュ・フロー」に記載しております。
(5)資本の財源及び資金の流動性
当社グループにおける主な資金使途は人件費、研究開発費、外注・業務委託料等の営業費用、主に社内インフラ用のソフトウェア・サーバ等の設備投資、M&Aや出資に係る投資、借入金の返済、配当の支払となっております。これらの資金需要につきましては、営業キャッシュ・フローを源泉とする自己資金で賄っており、必要に応じて借入金等による資金調達を実施する方針としております。
(6)目標とする指標の分析
・EBITDA
(単位:百万円)
2023年2月期 | 2024年2月期 | 増減 | 増減率 | |
EBITDA | 7,163 | 8,597 | 1,434 | 20.0% |
(参考)売上収益 | 22,349 | 25,752 | 3,403 | 15.2% |
EBITDAは、売上収益の増加及びコストコントロールが奏功したことにより、8,597百万円(前期比20.0%増)と前年を大きく上回りました。
・契約継続率
2023年2月期 | 2024年2月期 | 増減 | |
契約継続率 | 95.6% | 94.0% | △1.6ポイント |
契約継続率は、顧客企業でのシステム終了等の影響により、1.6ポイントの減少となりましたが引き続き高い水準を維持しております。