四半期報告書-第6期第3四半期(令和3年9月1日-令和3年11月30日)

【提出】
2022/01/13 15:31
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【項目】
39項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当社グループは、「Empower Data, Innovate the Business, Shape the Future.情報に価値を、企業に変革を、社会に未来を。」というビジョンを掲げており、社会に存在する様々なデータを活用することで、多くの企業にイノベーションをもたらし、その結果として、より良い社会を実現することを目指しております。
当社グループは、「データエンパワーメント事業」を単一の報告セグメントとしておりますが、提供しているソフトウェア及びサービスの性質により、企業の基幹業務を支える「帳票・文書管理ソリューション」と、様々なデータを活用し、今までにない新たな価値を生み出す「データエンパワーメントソリューション」の2つに売上収益を区分しております。
当第3四半期連結累計期間(2021年3月1日~11月30日)における我が国の経済環境は、新型コロナウイルス感染症(コロナ禍)の感染者の大幅な減少により、飲食店や旅行業、イベント関連等営業制限を受けていた業界においても徐々に制限の緩和が進み、正常化への期待が高まっております。
一方、当社グループが属する企業向けIT市場は、前年度の投資抑制の影響もあり、2021年度は中堅・中小企業において、大きく増加する見通しとなっております(注1)。その中でも、特にクラウド市場については、コロナ禍で中断したプロジェクトの再開や企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組み拡大から高成長を続けると見られており、2025年まで年平均25.9%で成長すると想定されております(注2)。
(注1)日本銀行「第191回 全国企業短期経済観測調査(日銀短観)」ソフトウェア投資額
(注2)IDC Japan株式会社「国内クラウド市場予測、2021年~2025年」FIGURE 1 国内クラウド市場 売上額
このような状況の下、当社グループは、企業のDXを推し進めるソリューションの強化を行っており、クラウドサービスを中心に機能強化や新サービスのリリースを行いました。
2021年9月企業間DXプラットフォーム「invoiceAgent TransPrint」の最新バージョンをリリース。配信先のデータ化を促進する機能やグループ配信機能などを追加。
2021年10月経済産業省が定めるDX認定制度に基づき「DX認定取得事業者」としての認定を取得。
2021年10月データプレパレーションを統合したデータ分析基盤の新サービス「Dataring」をリリース。データ収集と整備にかかるコストや工数と期間が削減でき、データ分析の品質が格段に向上。
2021年10月運送会社向けのDXを支援するクラウドサービス「IKZO」の新機能「IKZO Web」をリリース。輸送依頼にあわせトラックとドライバーの割当をおこなう配車業務をデジタル化することにより業務の効率化を実現。
2021年11月「SPA」および「SPA Cloud」が電子取引と電子書類のJIIMA認証を同時取得。本サービスを導入する企業は、電子帳簿保存法およびその他の税法が電子保存に関して要求する要件の個々のチェックが不要。
2021年11月「MotionBoard Cloud」Entry Editionをリリース。集計表に特化し、簡便な操作性を追求。

また、当社グループでは、製造・物流・ヘルスケア・小売・外食・金融・公共等業界ごとのDX企画部門を組織しており、それぞれの分野での最適なソリューションの提供による顧客のDXを推進する活動を行っております。そして、これらの組織がDX推進に関する業界ごとの課題解決のノウハウを蓄積しており、それらをクラウドサービス化し、より広範な顧客に提供することを目的に活動しております。
上記のような取り組みにより、今後もクラウドを中心としたビジネスを成長の柱に企業のDXを推し進めてまいります。
当第3四半期連結累計期間(2021年3月1日~11月30日)における売上収益は14,836百万円(前年同期比10.2%増)、営業費用(その他の営業収益を控除後)は、人員の採用による人件費やDX関連ソリューション開発に伴う外注費の増加があったものの、前年同期に計上された本社オフィスの一部解約に伴う違約金の発生がなく、使用権資産償却費の減少などで10,177百万円(前年同期比9.6%減)、営業利益は4,658百万円(前年同期比111.3%増)、税引前四半期利益は4,585百万円(前年同期比112.6%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は3,381百万円(前年同期比113.3%増)となりました。
また、当社グループは、通常の営業活動の結果を示していると考えられない非経常的な費用項目の影響を除外することで、投資家が当社グループの業績評価を行い、当社グループの企業価値についての純粋な成長を把握する上で有用な情報を提供することを目的として、上記のIFRSにより規定された財務指標以外に、以下の調整後EBITDA及び調整後親会社の所有者に帰属する当期(四半期)利益を重要な経営指標と位置付けております。
≪調整後EBITDA及び調整後親会社の所有者に帰属する当期(四半期)利益の調整表≫
(単位:百万円)
決算期2021年2月期
第3四半期
2022年2月期
第3四半期
増減増減率
営業利益2,2044,6582,454111.3%
減価償却費及び償却費
(注1)
927950232.5%
EBITDA(注2)3,1315,6092,47779.1%
(調整額)
一過性の監査報酬費用1-△1△100.0%
上場関連費用1320752.1%
本社縮小費用1,840-△1,840△100.0%
調整後EBITDA(注3)4,9875,63064212.9%

決算期2021年2月期
第3四半期
2022年2月期
第3四半期
増減増減率
親会社の所有者に帰属する当期(四半期)利益1,5853,3811,796113.3%
(調整額)
一過性の監査報酬費用1-△1△100.0%
上場関連費用1320752.1%
本社縮小費用1,840-△1,840△100.0%
調整項目の税効果調整
(注4)
△491△548698.9%
調整後親会社の所有者に帰属する当期(四半期)利益(注5)2,9493,39644715.2%

(注)1.2020年2月期より、IFRS第16号の適用により、オフィスの賃借契約に係る使用権を使用権資産として認識しており、当該資産に係る減価償却費も併せて計上しておりますが、EBITDA算出におきましては、「減価償却費及び償却費」からは当該使用権資産に係る減価償却費を除いております。
2.EBITDA=営業利益+減価償却費及び償却費
3.調整後EBITDA=EBITDA+一過性の費用
4.調整項目の税効果調整は実効税率を用いて算出しております。
5.調整後親会社の所有者に帰属する当期(四半期)利益=親会社の所有者に帰属する当期(四半期)利益+一過性の費用-調整項目の税効果調整
EBITDAは、営業利益の増加により、5,609百万円(前年同期比79.1%増)と大きく増加しました。調整後EBITDAは、前年同期に計上された本社縮小費用の調整額の発生がないものの営業利益の増加により、5,630百万円(前年同期比12.9%増)となりました。調整後親会社の所有者に帰属する四半期利益は、前年同期に計上された本社縮小費用の調整額の発生がないものの親会社の所有者に帰属する四半期利益の増加により、3,396百万円(前年同期比15.2%増)となりました。
ソリューション別の売上収益につきましては、以下の通りとなりました。
(単位:百万円)
ソリューション区分2021年2月期
第3四半期
2022年2月期
第3四半期
増減増減率
帳票・文書管理
ソリューション
SVF8,1368,4903544.4%
SPA40866725963.5%
その他58923458.7%
小計8,6029,2506487.5%
データエンパワーメント
ソリューション
Dr.Sum1,9422,0501075.6%
MotionBoard2,0472,1911447.0%
その他8751,34346753.4%
小計4,8655,58571914.8%
合計13,46814,8361,36710.2%

(帳票・文書管理ソリューション)
当ソリューションは、企業の基幹業務に必須である請求書や納品書等の帳票類を設計・運用を行うソフトウェア及びサービスである「SVF」及び電子データの保管や紙文書の電子化を行う「SPA」が主な構成要素となっております。「SVF」は、ソフトウェアライセンス及びソフトウェア保守は堅調に推移し、前年を上回りました。クラウドサービスについては、企業のクラウド導入が進んでいることから、クラウドサービスから直接帳票を出力するニーズが高まっており、導入企業数が順調に増加した結果、前年を5割程度上回る好調な結果となりました。この結果、売上収益は8,490百万円(前年同期比4.4%増)となりました。一方、「SPA」は、リモートワークに伴うペーパーレス需要の拡大や電子帳簿保存法対応等により、ソフトウェアライセンス及び保守、クラウドサービス全て好調に推移し、667百万円(前年同期比63.5%増)と前年から大きく成長しました。
この結果、当ソリューションの売上収益は9,250百万円(前年同期比7.5%増)となりました。
(データエンパワーメントソリューション)
当ソリューションは、企業が保有するデータを統合・処理・分析・可視化する事により、業務の効率化や生産性の向上を実現するソフトウェア及びサービスである「Dr.Sum」「MotionBoard」が主な構成要素となっております。「Dr.Sum」は、ソフトウェアライセンスが前年を若干下回ったものの、ソフトウェア保守及びクラウドサービスが堅調に推移し、売上収益は2,050百万円(前年同期比5.6%増)となりました。「MotionBoard」は、ソフトウェアライセンスが前年を下回ったものの、ソフトウェア保守及びクラウドサービスがそれぞれ10%を超える成長となったことから、売上収益は2,191百万円(前年同期比7.0%増)となりました。「その他」につきましては、主にソフトウェアライセンス導入時に利用されるプロフェッショナルサービスが、前年はコロナ禍の影響により大幅に減少していたことから、その反動で大きく増加しております。この結果、売上収益は1,343百万円(前年同期比53.4%増)となりました。
この結果、当ソリューションの売上収益は5,585百万円(前年同期比14.8%増)となりました。
(2)財政状態の分析
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における資産は、58,172百万円(前期末比2,262百万円増)となりました。流動資産は10,287百万円(前期末比2,995百万円増)、非流動資産は47,885百万円(前期末比733百万円減)となりました。流動資産の増加の主な要因は、現金及び現金同等物2,615百万円の増加によるものです。非流動資産の減少の主な要因は、顧客関係・技術関連資産の償却などに伴うその他の無形資産486百万円の減少によるものであります。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における負債は、28,820百万円(前期末比1,411百万円減)となりました。流動負債は10,943百万円(前期末比232百万円減)、非流動負債は17,877百万円(前期末比1,179百万円減)となりました。流動負債の減少の主な要因は、契約負債の増加438百万円があったものの、賞与引当金の減少などに伴うその他の流動負債の減少571百万円があったことによるものです。非流動負債の減少の主な要因は、借入金返済に伴う長期借入金980百万円の減少によるものであります。
(資本)
当第3四半期連結会計期間末における資本は、29,351百万円(前期末比3,673百万円増)となりました。資本の増加の主な要因は、配当金の支払に伴う利益剰余金の減少1,428百万円があったものの、ストックオプション行使に伴う資本金の増加860百万円及び資本剰余金の増加860百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益の計上に伴う利益剰余金3,381百万円の増加があったことによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの分析
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、7,785百万円(前期末比2,615百万円増)となりました。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、4,046百万円(前年同期は3,300百万円の獲得)となりました。これは主に、法人所得税の支払額1,137百万円の計上があったものの、税引前四半期利益4,585百万円の計上、減価償却費及び償却費の計上1,149百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、408百万円(前年同期は353百万円の使用)となりました。これは主に、サーバールームにおける電源工事やサーバー、業務用パソコンなど有形固定資産の取得による支出97百万円、セキュリティ監視強化など社内インフラシステム構築、販売や契約管理システム拡張開発などに伴う無形資産の取得による支出276百万円を計上したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、1,033百万円(前年同期は2,293百万円の獲得)となりました。これは主に、ストックオプションの行使に伴う株式の発行による収入1,675百万円があったものの、借入の返済による支出1,000百万円、配当金の支払1,428百万円を計上したことによるものであります。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当社グループは、主に企業向けソフトウェア及びサービスの開発に係る研究開発を行っており、市場の拡大や技術の進歩により多様化、高度化し、広汎な範囲にわたる顧客ニーズに応える製品を研究、開発し、提供することを基本方針としております。当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、1,826百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況について重要な変更はありません。