訂正有価証券報告書-第32期(平成29年10月1日-平成30年9月30日)

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2018/12/27 15:13
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88項目
(1)業績等の概要
①業績
当事業年度におけるわが国経済は、世界経済をめぐる不確実性を背景とした景気の下振れリスクを有しながらも、企業収益の改善、設備投資の持ち直しや個人消費の増加がみられるなど、緩やかな回復基調で推移いたしました。
不動産業界におきましては、旺盛な不動産投資需要を背景に不動産売買が活発に行われたことや、オフィスの空室率の低下や外国人観光客の増加によるホテル・商業施設への需要増加などから、三大都市圏の商業地における地価上昇が特に顕著となっております。住宅地についても、分譲マンションをはじめとする住宅需要に加え、相続対策としての不動産投資需要、日本銀行により導入されたマイナス金利付き量的・質的金融緩和の影響、不動産業界に対する金融機関の緩和的な貸出態度の継続等により、不動産市場への資金流入が継続し、当社の主要業務である不動産賃貸市場においては、賃貸不動産価格の高止まりが認められ、新規賃貸不動産の投資利回りは低位で推移しております。
このような状況のもと、当社は保有賃貸不動産の入居率の維持向上によるストック収益を確保するとともに、償還期が近接した証券化商品の償還への対応として対象物件の売却を行いました。新規仕入れ物件については市況を踏まえた選別的な検討にとどめ、当事業年度においては当社保有不動産内の区分所有物件2件の仕入れにとどめました。また、金融環境等を踏まえ、資金調達構造の見直しを継続し、過年度調達資金の返済、過年度証券化商品の償還、社債の期限前償還による営業外費用の低減を図りました。
<不動産賃貸サービス>当事業年度における不動産賃貸サービス業務においては、利回り及び不動産市況リスクの状況を踏まえて、新規賃貸物件の取得については慎重対応を基本とし、保有物件の入居率の維持向上に注力することにより、安定収益の確保につとめました。
サブリース物件、受託物件についても、前事業年度の売却物件に係わる新規のサブリース物件の安定的な稼動につとめるとともに、既存物件の入居率の維持向上につとめました。
この結果、不動産賃貸サービスの当事業年度末現在の入居率は97.1%、当事業年度の収入率は100.5%となり、売上高として1,023百万円(前事業年度比109.7%)を計上いたしました。
<不動産証券化サービス>当事業年度における不動産証券化サービスにおいては、東京都港区南青山に保有するマリオン南青山物件を原資産とする証券化商品マリオンボンド23号及び24号について、市況を踏まえた物件売却による期限前償還を実施しました。新規物件の組成については、市況を踏まえ、選別的な検討を基本とし、当事業年度における新規物件の仕入れによる組成は実施を見送りました。
この結果、不動産証券化サービスの当事業年度末の入居率は94.1%、当事業年度の収入率は100.1%となり、売上高として451百万円(前事業年度比86.5%)を計上いたしました。
⦅不動産売買>当事業年度における不動産売買においては、物件売却について、東京都港区南青山に保有するマリオン南青山証券化対象物件他3件の売却による収益の実現を図りました。一方、新規物件については、市況を踏まえた選別的な検討にとどめた結果、新規の賃貸物件、証券化対象物件の取得は、東京都新宿区に保有するハイホーム本陣における区分所有物件2件の追加取得にとどめました。
この結果、不動産売買の売上高として1,259百万円(前事業年度比119.8%)を計上いたしました。
以上の結果、当事業年度の当社の業績は、売上高は2,736百万円(前事業年度比9.0%増加)、営業利益は726百万円(同4.8%減少)、経常利益は359百万円(同30.4%増加)、当期純利益は251百万円(同64.4%増加)となりました。また、当事業年度末の入居率は95.9%、当事業年度の収入率は100.5%となりました。
当社事業は、不動産賃貸関連サービスの単一セグメントであるため、セグメント別の記載は行っておりません。
②キャッシュ・フロー
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税引前当期純利益359百万円を計上したこと、自己株式の処分による収入444百万円、株式の発行による収入を167百万円計上する一方、長期借入金の返済による支出354百万円を計上したこと、社債の償還による支出380百万円を計上したこと等により、前事業年度末に比べ300百万円増加し、当事業年度末には921百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は1,308百万円(前事業年度は1,233百万円の獲得)となりました。収入の主な内訳は、税引前当期純利益359百万円、減価償却費238百万円、たな卸資産の減少額820百万円、匿名組合損益分配額253百万円であり、支出の主な内訳は匿名組合損益の分配額(支払額)246百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は122百万円(前事業年度は48百万円の支出)となりました。収入の主な内訳は、長期貸付金の回収による収入1百万円であり、支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出43百万円、無形固定資産の取得による支出77百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は885百万円(前事業年度は831百万円の支出)となりました。収入の主な内訳は、長期借入れによる収入180百万円、自己株式の処分による収入444百万円、株式の発行による収入167百万円であり、支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出354百万円、社債の償還による支出380百万円、匿名組合預り金の償還による支出994百万円であります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当社で行う事業は、提供する商品・サービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b. 受注実績
当社は受注に基づく生産もしくは商品・サービスの提供を行っておりませんので、当該記載を省略しております。
c. 販売実績
当事業年度の販売実績は次のとおりであります。
不動産賃貸関連サービスの単一セグメントであるため、事業内容別に区分した記載としております。
事業内容当事業年度
(自 平成29年10月1日
至 平成30年9月30日)
前年同期比(%)
不動産賃貸サービス(千円)1,023,826109.7
不動産証券化サービス(千円)451,31786.5
不動産売買(千円)1,259,058119.8
小計(千円)2,734,203109.1
その他(千円)2,13641.0
合計(千円)2,736,339109.0

(注)1.不動産証券化サービスの販売実績は、証券化商品の販売等に係わる手数料の他、証券化対象賃貸不動産に係わる賃料収入等の売上実績を記載しております。
2.不動産売買の販売実績は、不動産の売却によるものを別記したものであり、当事業年度については、不動産賃貸サービス対象不動産にかかるものが7,017千円、不動産証券化サービス対象不動産にかかるものが1,252,041千円であります。
3.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 平成28年10月1日
至 平成29年9月30日)
当事業年度
(自 平成29年10月1日
至 平成30年9月30日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
株式会社カリフォルニア1,051,03741.9--
KS商事株式会社--1,252,04145.8

4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたりまして、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。
当該見積りにつきましては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に関して適切な仮定設定、情報収集を行い、見積り金額を計算しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討結果
a. 財政状態の分析
(流動資産)
当事業年度末における流動資産は2,032百万円となり、前事業年度末に比べ428百万円減少いたしました。これは主に、現金及び預金が301百万円増加する一方、販売用不動産が746百万円減少したことによるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産は14,366百万円となり、前事業年度末に比べ、198百万円減少いたしました。これは主に、土地建物一体としての賃貸用不動産の販売用不動産勘定への振替等により有形固定資産が246百万円減少した一方、ソフトウェア等の増加により、無形固定資産が66百万円増加したことによるものであります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債は1,501百万円となり、前事業年度末に比べ629百万円増加いたしました。これは主に、1年内償還予定の匿名組合預り金が825百万円増加したことによるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債は11,457百万円となり、前事業年度末に比べ2,130百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金が182百万円、匿名組合預り金が1,577百万円、社債が380百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は3,441百万円となり、前事業年度末に比べ872百万円増加いたしました。これは主に、公募増資により資本金が83百万円、資本準備金が83百万円増加したこと、自己株式の処分により自己株式が227百万円減少、その他資本剰余金が217百万円増加したことに加え、当期純利益の計上により利益剰余金が251百万円増加したことによるものであります。
b. 経営成績の分析
(売上高)
当事業年度における売上高は2,736百万円となり、前事業年度に対し225百万円の増加(前事業年度比9.0%増)となりました。これは、主に賃料収入の増加および賃貸不動産の売却による売上高の増加によるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度における売上原価は1,560百万円となり、前事業年度に対し227百万円の増加となりました。これは、主に賃貸原価及び販売用不動産関連原価が増加したことによるものであります。
その結果、当事業年度の売上総利益は1,175百万円(前事業年度比2百万円減、0.2%減)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度における販売費及び一般管理費は449百万円となり、前事業年度に対し33百万円の増加となりました。これは主に、役員報酬が28百万円、広告宣伝費が12百万円、支払報酬が7百万円増加する一方、業務委託費が5百万円減少したことによるものであります。
その結果、当事業年度の営業利益は726百万円(前事業年度比36百万円減、4.8%減)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当事業年度における営業外収益は9百万円となり、前事業年度に対し2百万円の減少となりました。これは主に、受取利息が1百万円、貸倒引当金戻入額が2百万円減少したことによるものであります。
当事業年度における営業外費用は376百万円となり、前事業年度に対し123百万円の減少となりました。これは主に、支払利息が30百万円、匿名組合損益分配額が15百万円、支払手数料が90百万円減少したことによるものであります。
その結果、当事業年度の経常利益は359百万円(前事業年度比83百万円増、30.4%増)となりました。
(特別損益、当期純利益)
当事業年度における特別利益及び特別損失は、計上がありませんでした。
その結果、当事業年度の当期純利益は251百万円(前事業年度比98百万円増、64.4%増)となりました。
c. 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの事業に重要な影響を与える要因といたしましては、法的規制、景気や金利の変動などの経済状況の影響など様々な要因が挙げられます。詳細につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
d. 経営戦略の現状と見通し
株式会社野村総合研究所が総務省の住宅・土地統計調査に基づき作成した「日本の不動産投資市場2015」と題する資料によれば、賃貸マンションに居住する世帯は昭和63年には全世帯の9%であったところ、平成25年には約20%まで増加しており、転居世帯数が平成6年-10年の1,221万世帯から平成21年-25年には939万世帯に減少する中、賃貸マンションに転居する世帯の比率はむしろ46%から48%に増加し、賃貸マンション需要を底支えしているというデータも確認されております。また、同資料によれば、東京圏において中長期的に人口・世帯の減少が始まる見込みの中、当社が主に顧客層とする単身世帯については、少なくとも平成45年頃までは世帯増を牽引する見込みであるとしております。
一方、賃貸不動産の投資利回りは首都圏を中心に低下が著しく、日本銀行が公表する金融機関の貸出姿勢も改善が継続するなど、ポジティブな資金調達環境を受けて不動産市場への資金流入が継続しているほか、建築費も引き続き上昇傾向にあり、賃貸不動産についても価格が高値圏で推移していることから、賃貸不動産及び証券化対象不動産の仕入れにあたっては、収益性と不動産市況リスクの見極めが一層重要になる局面にあるものと考えられます。
当社が許可を有する不特法関連では、国土交通省が平成28年3月に取り纏めた「不動産投資市場の成長戦略~2020年に向けた成長目標と具体的取組」の中で、不特法の事業については、投資家保護とのバランスを斟酌しつつ、既存の枠組みについて必要な検討を行い、事業の充実を図る必要があるとされ、平成29年6月2日に公布された改正不特法において、クラウドファンディング対応に係る改正が盛り込まれ、平成29年12月1日に施行されております。法令対応を含め、監督当局の支援姿勢も明確であることから、銀行借入と並ぶ資金調達手段の選択肢として、引き続きポジティブな環境が見込まれております。
当社といたしましては、これらの状況を踏まえまして、以下のとおり考えております。
ⅰ)不動産賃貸サービス
当社事業の基盤を構成する不動産賃貸サービスについては、相対的に入居率変動リスクが少なく、底堅い需要が期待される居住者向け物件、中でも単身者向け物件を中心に事業を展開致します。
当事業年度末現在、首都圏における当社賃貸顧客の32.1%を占め当社の賃貸業務の比較優位性のひとつである地方公共団体等の安定的な賃貸顧客基盤の維持拡大など、既存保有物件の入居率の維持・安定・改善施策の着実な実施につとめることにより、ストック収益の安定的な確保を図って参ります。
投資利回りの低下、不動産市況リスクの増大を踏まえて、新規仕入れについては慎重検討を基本としつつ、利回りの低下は特に首都圏において顕著であることから、首都圏以外の主要都市における仕入れ機会を引き続き追求し、賃貸業務基盤の拡充と、新規証券化案件の組成につなげて参ります。
ⅱ)不動産証券化サービス
不特法に基づく当社の証券化商品は、当事業年度末現在当社総負債の41.5%、当事業年度売上高に占める対象賃貸不動産の賃貸売上比率が30.4%を構成するなど、当社事業において重要な位置づけにあるほか、不動産業界向けの金融機関の融資姿勢の後退時など金融環境が難しい状況下にあっても、投資家からの直接の資金調達に基づく物件の仕入れを可能とし、当社賃貸不動産ポートフォリオ構築において大きな役割を果たして参りました。
金融機関の融資姿勢の改善の継続を受けての代替資金調達手段としての間接金融の調達コストの低下、物件価格の高止まりによる新規証券化物件に係る仕入れリスクの高まりを受け、証券化商品の組成にあたっては、分配率水準の決定及び物件の選定等において、慎重且つ選別的な対応を基本としつつ、既存投資家との関係の維持発展に留意し案件の組成につとめて参ります。
改正不特法を受けた契約締結の電磁化などクラウドファンディング対応の推進等、監督当局の不特法への支援姿勢も明確であることから、業務機会の一段の拡大を展望し、サラリーマンボンドの名称のもといち早くクラウドファンディング型証券化商品を手がけた当社の優位性を維持強化すべく、システム対応を含めた商品性及び投資家サービスの一段の高度化を図っており、今後も継続的に注力して参ります。
ⅲ)不動産売買
当社は、賃貸・証券化業務のライフサイクルの一環として、含み益の実現益への転換による投資収益の確定の手段として不動産の売却を行います。また、新規賃貸物件、新規証券化物件の対象資産の仕入れ、既存ポートフォリオの入れ替え等の目的で、不動産の購入を実施致します。
不動産市況のリスク増大を踏まえ、物件の売却については、賃貸業務・証券化業務の総合的な取り組みの一環として時宜を捉えた対応を行う一方、物件の購入については、案件の選別、利回りの検討等において、慎重な対応を基本とする方針であります。
e. 資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)業績の概要 ②キャッシュ・フロー」をご参照ください。
当社の資金需要の主なものは、賃貸不動産の取得費用であり、その調達手段は主として、金融機関からの借入金及び不特法許可に基づく匿名組合預り金によっております。賃貸不動産取得費用以外の運転資金につきましては、自己資金で対応することを原則とし、一定程度の手元流動性を維持し、金融費用を低減するようつとめております。
f. 経営者の問題認識と今後の方針について
当社の経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するようつとめておりますが、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、当社の経営に関しては、不動産市況、金融市況をはじめとした種々のリスクが存在します。
一方、不特法に基づく証券化商品についての監督当局の支援姿勢等もあり事業機会の一段の拡大も展望できるところでありますが、今後のリスク・事業機会については、その規模、顕現化の時期等について確定的な経営判断を行うことについて限界が認められます。
当社としては、不動産賃貸サービス及び不動産証券化サービスにおける当社業務基盤の一段の安定化につとめるとともに、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載した対処すべき課題に的確に対処することにより、リスク制御のもとでの事業機会拡大に対応し、長期安定的な企業価値の向上につとめてまいります。

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