有価証券報告書-第10期(平成30年10月1日-令和1年9月30日)

【提出】
2019/12/20 16:50
【資料】
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【項目】
106項目
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営成績
当事業年度における我が国の経済は、企業業績の改善や、雇用・所得環境が堅調であったこと等により、緩やかに回復しました。しかしながら、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、海外経済の不確実性、金融資本市場の変動の影響等には依然として留意する必要があります。当社の属する駐車場業界においては、慢性的な駐車場不足や都市部での建築需要、個人消費の持ち直しを背景に駐車場紹介依頼及び空き駐車場の収益化に対する需要が拡大しております。
このような状況の中で、当社は引き続き積極的な月極駐車場の新規受託を進め、オフィスビルやマンションに付随している駐車場のみならず個人宅などの限られたスペースを駐車場として運営する取組みをはじめ、「世の中の遊休不動産を活躍する不動産に」という経営理念のもと規模拡大に注力し、2019年9月末時点における月極駐車場マスターリース台数(受託台数)は9,615台となり前事業年度末に比べ2,006台増加しております。
また、当社の月極駐車場ポータルサイト「CarParking」及び東京23区内特化型の月極駐車場ポータルサイト「CarPark」(以下、総称して「カーパーキング」)の掲載月極駐車場件数やユーザー利便性を高め、メディア価値が向上したことで、駐車場問い合わせ件数は当事業年度において159,143件(前期比18.4%増)となり、月極駐車場紹介サービスにおける駐車場紹介手数料収入や月極駐車場サブリースサービスにおける賃料収入の増加へと寄与いたしました。なお、2019年9月末時点における月極駐車場サブリース台数(稼働台数)は8,361台となり前事業年度末に比べ1,685台増加しております。
増加している当社カーパーキングへの月極駐車場の問い合わせに対応するため、新規営業人員の採用や社内教育体制の整備を始めとした営業体制の強化を大幅に進めるとともに、システム開発やメディア価値向上のためのエンジニア人員の採用も更に進め、ベトナムでのシステム開発拠点の新設や貸し会議室運営サポートを行うWEB予約システム「スマート会議室」の事業譲受をはじめとした、より効果的かつ効率的な営業活動を行うための投資を積極的に行ってまいりました。
この結果、当事業年度の売上高は2,728,312千円(前期比47.9%増)、営業利益は93,877千円(前期比43.2%減)、経常利益は94,811千円(前期比36.8%減)、当期純利益は56,261千円(前期比48.8%減)となりました。
(売上高)
売上高は2,728,312千円となり、前事業年度と比べて883,087千円増加しました。サービス別の売上高の内訳は、月極駐車場紹介サービス336,595千円、月極駐車場サブリースサービス2,325,404千円、その他サービス66,313千円であります。
(売上総利益)
売上原価は1,559,411千円となり、前事業年度と比べて542,223千円増加しました。これは主に駐車場オーナーへ支払う賃借料1,521,811千円であります。この結果、売上総利益は1,168,901千円(前期比41.2%増)となりました。
(営業利益)
販売費及び一般管理費は1,075,023千円となり、前事業年度と比べて412,304千円増加しました。これは主に、給料手当416,037千円や地代家賃117,166千円であります。この結果、営業利益は93,877千円(前期比43.2%減)となりました。
(経常利益)
営業外収益は1,700千円、営業外費用は766千円となりました。営業外収益は主に受取手数料1,400千円であります。この結果、経常利益は94,811千円(前期比36.8%減)となりました。
(当期純利益)
当事業年度においては、法人税、住民税及び事業税28,915千円、法人税等調整額9,633千円(借方)を計上しました。この結果、当期純利益は56,261千円(前期比48.8%減)となりました。
なお、当社の事業は遊休不動産活用事業の単一セグメントのため、サービス別の業績の概要を以下に記載しております。
① 月極駐車場紹介サービス
当サービスにおきましては、ポータルサイトの強化を行い、メディア価値を向上させることで、利便性を高めて問い合わせ件数を増やすことに注力いたしました。その結果、売上高は336,595千円と前期と比べて140,725千円の増収となりました。
② 月極駐車場サブリースサービス
当サービスにおきましては、物件の新規獲得を積極的に行い、また既存車室についても周辺相場を調査したことにより適正価格にて提供できるよう賃料の見直しを行いました。その結果、売上高は2,325,404千円と前期と比べて721,095千円の増収となりました。
③ その他サービス
自動車保管場所使用承諾証明書の発行や賃料の回収サービスに係る手数料を継続して稼得しつつ、貸し会議室の運営を中心に更なる収益獲得の体制づくりに取り組んでまいりました。その結果、売上高は66,313千円と前期と比べて21,266千円の増収となりました。
当事業年度における生産、受注及び販売の実績は次のとおりであります。
a.生産実績
当社が営む遊休不動産活用事業は、提供するサービスの関係上、生産実績の記載になじまないため、記載しておりません。
b.受注実績
当社が営む遊休不動産活用事業は、提供するサービスの関係上、受注実績の記載になじまないため、記載しておりません。
c.販売実績
当社は遊休不動産活用事業の単一セグメントでありますが、販売実績をサービス区分ごとに示すと次のとおりであります。
サービスの内容売上高(千円)前期比(%)
月極駐車場紹介サービス336,595171.8
月極駐車場サブリースサービス2,325,404144.9
その他サービス66,313147.2
合計2,728,312147.9

(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、いずれの販売先についても当該割合が10%未満のため記載を省略しております。
(2) 財政状態
(資産)
当事業年度末における流動資産は1,037,209千円となり、前事業年度末に比べて118,403千円の減少となっております。その主な要因は、月極駐車場の受託台数の増加に伴い前払費用が83,258千円増加しているものの、本社の移転等により固定資産を新規に取得するとともに、敷金の差入を行ったことに加えて、スマート会議室事業を譲り受けたことにより現金及び預金が前事業年度末に比べて238,096千円減少したことによるものであります。一方で、これらの要因により、当事業年度末における固定資産は484,866千円となり、前事業年度末に比べて350,325千円増加しました。以上の結果、総資産は前事業年度末に比べて231,922千円増加し、1,522,076千円となっております。
(負債)
当事業年度末における流動負債は228,491千円となり、前事業年度末に比べて12,799千円減少しております。その主な要因は課税所得の減少により未払法人税等が46,522千円減少したことによるものであります。固定負債は400,198千円となり、稼働台数の増加に伴い月極駐車場サブリースユーザーからの預り保証金が68,161千円増加したとともに、新規借入に伴い長期借入金が87,478千円増加した影響により前事業年度末に比べて185,563千円増加しました。以上の結果、負債合計は前事業年度末に比べて172,764千円増加し、628,690千円となっております。
(純資産)
当事業年度末における純資産は893,385千円となり、前事業年度末に比べて59,158千円増加しております。その主な要因は当期純利益を56,261千円計上したことにより利益剰余金が同額増加したことによるものであり、総資産に占める自己資本比率は58.7%(前事業年度末は64.7%)となりました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当事業年度の期首から適用しており、財政状態については当該会計基準等を遡って適用した後の前事業年度末の数値で比較を行っております。
(3) キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ238,096千円減少し、769,016千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動により獲得した資金は16,826千円(前期は191,780千円の獲得)となりました。これは主に税引前当期純利益94,811千円を計上した一方で、法人税等の支払額72,170千円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動により使用した資金は352,820千円(前期は17,258千円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出49,033千円や敷金の差入による支出77,596千円、事業譲受による支出120,000千円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動により獲得した資金は97,897千円(前期は663,868千円の獲得)となりました。これは主に長期借入れによる収入150,000千円があったことによるものであります。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(5) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社は、安定した収益と成長性を確保するために必要な運転資金について、自己資金及び金融機関からの借入金を充当しております。また、余剰資金については、安全性の高い預金等に限定して運用を行っております。