有価証券報告書-第10期(令和2年9月1日-令和3年8月31日)

【提出】
2021/11/29 13:01
【資料】
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【項目】
148項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2020年9月1日から2021年8月31日まで)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の再拡大や変異ウイルスの発生により、4月に3度目の緊急事態宣言が発令されるなど、引続き経済活動の制限がなされております。各国において、ワクチンの接種が積極的に進められ、国内外ともに徐々に持ち直しの兆しが見えるものの、注視すべき状況が続いております。
当社グループの主たる事業領域である不動産市場においては、特にホテルや商業施設等のアセットタイプは今もなお大きな影響を受けている一方で、コロナ禍による影響が限定的又は追い風となった賃貸マンションや物流施設といったアセットを選好し投資する動きも見受けられます。
このような状況の下、物流関連市場においては、巣ごもり消費の増加やEC市場の拡大等を背景に、倉庫面積や拠点を拡充する企業が増えると見込まれております。当社グループでは、中小型、冷凍冷蔵倉庫をメインターゲットに物流施設開発を進めておりますが、当連結会計年度においては国内外の投資家に対し4件の開発用地を売却し、開発フェーズに移行させております。また、併せて開発用地の取得にも継続的に取り組むことで、9件の開発用地を取得し、順調にパイプラインを積み上げております。
ホテル関連市場においては、依然として世界的に移動制限が続いていることにより、国内・インバウンドともに本格的な需要の回復には時間を要する様相を呈しておりますが、ワクチン接種の進む諸外国においては、段階的に行動規制が緩和されるなど回復の兆しが見え始めており、我が国においても2021年2月にワクチンの接種が開始され、感染拡大の鎮静化が期待されております。このような環境の下、当社グループではコロナ禍でも安心してご宿泊いただけるホテルの開発を進めております。また、当社では従前より、フロント業務の省人化や、チェックアウトベースの清掃、飲食を提供しない宿泊特化のサービス等、固定費の削減により、同業他社と比べて低い稼働率でも損益分岐点を上回る運営を行っており、コロナ禍でも収益を生むビジネスモデル・運営体制を確立しております。
国内再生可能エネルギー市場においては、2020年10月に政府より「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」との宣言がなされ、同年12月には「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」が策定されるなど、「脱炭素社会」の実現に向けた機運が高まっております。当社グループは引続き、太陽光発電をはじめ、風力発電等、再生可能エネルギー発電施設の開発に取り組んでまいります。
当連結会計年度におきましては物流施設開発用地の売却・開発フェーズへの移行や、賃貸マンション・保育園の売却が収益に大きく寄与いたしました。また、ホテルについてもコロナ禍の厳しい投資環境下にも関わらず4件の開発ファンド組成を完了し、これら営業活動の結果、売上・利益ともに過去最高を達成いたしました。なお、2021年2月13日に福島県沖で発生した地震により当社保有のショッピングセンターフォルテに被害が発生しており、特別損失を計上しております。また、2021年4月に京都府のホテル「ホテル京都木屋町」を保有するメゾンドツーリズム京都株式会社を子会社化したことに伴う、負ののれん発生益526百万円を計上しております。
このような状況下、当社グループは引き続き社会的潮流に着目した成長性及び社会的意義のある事業分野への投
資及びコンサルティングに注力するとともに、投資機会の創出及び投資案件の収益最大化に努めてまいります。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は14,295,921千円(前年同期比78.5%増)、営業利益は1,328,755千円
(前年同期比306.9%増)、経常利益は1,037,185千円(前年同期比475.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利
益は793,532千円(前年同期比489.9%増)となりました。
セグメント別の業績を示すと、次のとおりであります。
イ.不動産コンサルティング事業
投資用不動産の売買及び投資家に対するコンサルティング受託による収入並びに保有しているショッピングセンターフォルテにおける、各テナントからの賃料収入により、売上高13,837,894千円(前年同期比119.2%
増)、セグメント利益2,886,732千円(前年同期比173.4%増)となりました。
ロ.自然エネルギー事業
太陽光発電案件の売却等により、売上高458,026千円(前年同期比73.0%減)、セグメント利益8,589千円
(前年同期比97.5%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,527,608千円増加し、3,603,584千
円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ収入が687,018千円増加し、972,441千円の収入と
なりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益が838,366千円増加したこと及び、預け金が前連結会計年度
に399,722千円の増加による支出であったのに対して当連結会計年度に100,650千円の減少による収入があったこと
によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ支出が1,194,685千円増加し、1,641,160千円の支出となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出が1,555,027千円増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ収入が527,087千円増加し、2,195,636千円の収入となりました。主な要因は、長期借入れによる収入が2,315,000千円増加したことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ.生産実績
当社は生産活動を行っていないため、該当事項はありません。
ロ.受注実績
当社は受注生産形態をとらないため、該当事項はありません。
ハ.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年9月1日
至 2021年8月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
不動産コンサルティング事業13,837,894219.2
自然エネルギー事業458,02626.9
合計14,295,921178.4

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間取引については、相殺消去しております。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
相手先前連結会計年度
(自 2019年9月1日
至 2020年8月31日)
当連結会計年度
(自 2020年9月1日
至 2021年8月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
JR西日本プロパティーズ株式会社3,304,15823.1
リベレステ株式会社2,464,81817.2
合同会社LOGI FLAG2号2,046,14114.3
合同会社オービーシー1,922,11824.0
合同会社NLI3号1,188,49414.8
合同会社NLI2号1,053,68313.2

4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
5.主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満の相手先につきましては記載を省略しております。
(2)財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを用いております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項4.会計方針に関する事項」に記載しております。
② 財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比較して6,599,633千円増加し、15,040,124千円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末と比較して3,579,884千円増加し、10,705,110千円となりました。これは主に現金及び預金が1,427,608千円、販売用不動産が1,233,633千円、前払金が938,645千円増加したことによります。
固定資産は、前連結会計年度末と比較して3,008,476千円増加し、4,321,387千円となりました。これは主に不
動産コンサルティング事業における販売用不動産について、保有目的を変更し、有形固定資産などへ振替えたこ
とにより1,016,684千円増加したことに加え、稼働済みアパートメントホテルの取得により923,168千円増加した
ことによるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比較して5,566,584千円増加し、10,133,999千円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末と比較して1,545,651千円増加し、4,139,502千円となりました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が535,640千円、未払金が369,234千円、未払法人税等が358,379千円増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末と比較して4,020,932千円増加し、5,994,496千円となりました。これは主に長期借入金が2,546,455千円、繰延税金負債が398,051千円増加したことによるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末と比較して1,033,049千円増加し、4,906,124千円となりました。これは主に利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益により793,532千円増加したことによります。
③ 経営成績の分析
経営成績の分析については「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
④ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要の主なものは、不動産コンサルティング事業における物流施設、ホテルの開発用地取得及び開発資金、再生可能エネルギー事業における自然エネルギー発電施設の開発資金であり、その調達手段は主として、金融機関からの借入金及び自己資金によっております。
⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑦ 経営戦略の現状と見通し
「第1 企業の概況 3 事業の内容」及び「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑧ 経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。