有価証券報告書-第9期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

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2020/03/27 15:30
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当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(1) 経営成績
当事業年度における我が国経済は、企業収益及び雇用環境が踊り場を迎えるなか、消費増税に伴う個人消費の弱さなどによる景気後退懸念に加え、米国通商政策の動向や地政学的なリスクに対する警戒感が高まるなど、先行きの不透明感が高まる状況で推移いたしました。
主たる事業領域であるPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)関連業界におきましては、いわゆる「団塊の世代」がすべて75歳以上となり超高齢社会を迎える「2025年問題」を見据え、給付と負担のバランスを図りながら制度の持続可能性を確保するための医療制度改革が進む一方、高齢化に伴い慢性疾患罹患率が増加し、生活の中で生活の質(QOL)の維持・向上を図っていく必要性が高まるなど医療に対するニーズの変化が着実に進みました。
このような事業環境のもと、当社は引き続き「Empower the Patients」を事業ミッションのもと、医療関係者をはじめ、大手の製薬メーカー、医療機器メーカー等とともにPHRプラットフォームサービスの普及に取り組みました。この結果として、2019年12月末時点で各アプリの合計ダウンロード数は約68万回に達しております。
疾患ソリューションサービスにおいては、PHRプラットフォームサービスについてマルホ株式会社と皮膚領域においてニキビ患者向けの「ニキビログ」やアトピー性皮膚炎患者向けの「アトピーノート」、中外製薬株式会社と全身性エリテマトーデス(SLE)向け「LupusPRO」をリリースするなど、適用疾患領域を拡大しました。また、既存サービスからのランニング収益、改修改善のための追加受注なども着実に獲得しました。また、聖マリアンナ医科大学における胃がん領域での免疫チェックポイント阻害薬の臨床研究や、日本結節性硬化症学会と共同で全身性疾患である結節性硬化症(TSC)の患者の病態把握のレジストリ構築に参画するなど、PHRの臨床研究などのデータマネジメントでの活用が進展しました。加えて、新規開発のオンコロジー(がん)プラットフォーム(サービス名:WelbyマイカルテONC)を開発し、製薬会社からの利用の受注を獲得するなど事業基盤の強化に注力しました。
Welbyマイカルテサービスにおいては、各医療機器メーカー、検査会社等との営業連携、サービス連携も引続き強化を図り、Welbyマイカルテユーザーが登録したかかりつけ医療機関は2019年12月末時点で約11,900施設(無料利用施設を含み、重複を除く)となりました。機能や連携強化については、IHB(Irregular Heart Beat:不規則脈波)の管理機能を追加したほか、「Welbyマイカルテ」と株式会社エスアールエルの医師向け検査参照システム「PLANET NEXT」間で連携できる検査値項目を大幅に拡充するなど、医師と利用者の利用価値向上を図りました。また、大阪市立大学における非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)患者向けの研究で「Welbyマイカルテ」が採用されるなど、PHRデータの臨床研究における活用も進みました。加えて、株式会社ベネフィット・ワンとの間で、企業及び健保を対象とした健康経営・医療費の適正化を推進するための従業員健康管理サービスを提供するための提携を開始しました。また、株式会社スズケンとの間で、医療機関、保険薬局、患者、製薬企業向けに両社共同でのソリューション提供により新たな医療情報プラットフォームの構築を目指すため資本業務提携を締結しました。さらに、株式会社愛媛CATVとの提携や特定非営利活動法人日本高血圧学会との提携による普及戦略を推進しました。
一方、当社の通常の取引形態として、特に近年外資系製薬企業の決算が集中する第4四半期会計期間に売上が顕著に大きくなる傾向があるなか、当事業年度内に売上高を実現するために営業及び納品を進める中で、一部の開発案件について翌期への納品の期ずれが発生したほか、顧客都合による開発計画の翌期以降への後ろ倒しが発生しました。これらの結果、当事業年度の売上高は798,516千円(前年同期比1.2%減)となりました。
売上総利益につきましては、開発の効率化や利益率の高いストック案件の積上げ、ランニング収益の増加などによる原価率の減少もあり、618,904千円(前年同期比12.1%増)となりました。
販売費及び一般管理費につきましては、株式公開に伴う管理体制の強化や業容拡大のための人員採用の増加に加え品質管理や研究開発、セキュリティ強化などを強化した結果602,337千円(前年同期比52.1%増)となり、営業利益は16,567千円(前年同期比89.4%減)となりました。
営業外費用につきましては、一時的な上場関連費用や11月に実施した本社移転に係る費用を計上したことにより、経常損失は1,354千円(前事業年度は経常利益153,959千円)となりました。
当期純損失は11,303千円(前事業年度は当期純利益176,566千円)となりました。
なお、当社は、PHRプラットフォームサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント毎の記載はしておりません。
生産、受注及び販売の状況の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当社は、生産活動を行なっておりませんので、該当事項はありません。
② 受注実績
当社は、受注から売上高計上までの期間が短期であるため、当該記載を省略しております。
③ 販売実績
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
当事業年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
販売高(千円)前年同期比(%)
PHRプラットフォームサービス事業798,51698.8

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 2018年1月1日
至 2018年12月31日)
当事業年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
中外製薬株式会社49,9306.2128,50916.1
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社119,80015.0
マルホ株式会社89,17811.038,8214.9
大日本住友製薬株式会社122,73215.214,6001.8

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
① 資産
当事業年度末における流動資産の残高は、前事業年度末に比べて374,487千円増加し、1,679,355千円となりました。この主な要因は、現金及び預金が176,894千円、売掛金が164,327千円、未収入金が30,751千円増加したことによるものであります。
当事業年度末における固定資産の残高は、前事業年度末に比べ48,213千円増加し、149,826千円となりました。この主な要因は、有形固定資産が18,249千円、無形固定資産が37,848千円増加したことによるものです。
以上の結果、当事業年度末における資産の合計は、前事業年度末に比べ422,701千円増加し、1,829,182千円となりました。
② 負債
当事業年度末における流動負債の残高は、前事業年度末に比べて4,843千円増加し、138,224千円となりました。この主な要因は、買掛金が26,388千円、未払費用が7,084千円増加し、未払金が10,747千円、未払消費税等が24,934千円減少したことによるものであります。
当事業年度末における固定負債の残高は、前事業年度末に比べ7,140千円減少し、22,630千円となりました。この主な要因は、長期借入金が7,140千円減少したことによるものであります。
以上の結果、当事業年度末における負債の合計は、前事業年度末に比べ2,296千円減少し、160,854千円となりました。
③ 純資産
当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べて424,997千円増加し、1,668,327千円となりました。この主な要因は、当社普通株式の東京証券取引所マザーズへの上場に伴う公募増資とオーバーアロットメントによる第三者割当増資による株式の発行による収入436,300千円によるものであります。
(3) キャッシュ・フロー
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度に比べて176,894千円減少し、1,208,821千円となりました。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果使用した資金は、168,321千円(前事業年度は1,689千円の支出)となりました。この主な要因は、税引前当期純損失4,648千円に対し、仕入債務が29,718千円、未払費用が9,401千円、前受金が10,800千円、前受収益が12,077千円増加し、売上債権が7,822千円、未払金が26,816千円、未払消費税等が42,399千円減少したことによるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は、83,944千円(前事業年度は50,712千円の支出)となりました。この主な要因は、投資有価証券の売却により32,700千円の収入、有形固定資産の取得により24,271千円、無形固定資産の取得により37,650千円、敷金及び保証金の差入により50,088千円を支出したことによるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果得た資金は、429,160千円(前事業年度は7,140千円の支出)となりました。この主な要因は、株式の発行による収入436,300千円によるものであります。
(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度において当社が判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。財務諸表の作成にあたり、経営者による会計方針の選択適用のほか、資産及び負債または損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 売上高
当事業年度の売上高は、前事業年度に比べて9,488千円減少し798,516千円(前年同期比98.8%)となりました。売上高の分析につきましては、「第3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績」をご参照ください。
b. 売上原価、売上総利益
売上原価は、前事業年度に比べて76,355千円減少し179,612千円(前年同期比70.2%)となりました。売上原価の主たる減少要因は、外注費が46,551千円、労務費が13,143千円減少したためであります。
以上の結果、売上総利益は前事業年度に比べて66,867千円増加し618,904千円(前年同期比112.1%)となりました。
c. 販売費及び一般管理費、営業利益
販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べて206,381千円増加し602,337千円(前年同期比152.1%)となりました。主たる要因としては、業務委託費が80,928千円、給与手当が63,982千円、役員報酬が11,770千円増加したためであります。
以上の結果、営業利益は前事業年度に比べて139,514千円減少し16,567千円(前年同期比10.6%)となりました。
d. 営業外損益、経常利益
営業外収益は、前事業年度に比べ1,615千円増加し1,821千円(前事業年度は205千円)となりました。営業外費用は、前事業年度に比べ17,414千円増加し19,742千円(前事業年度は2,328千円)となり、主たる要因は、上場関連費用が11,432千円増加し、本社移転費用が6,097千円発生したためであります。
以上の結果、経常損失は1,354千円(前事業年度は経常利益153,959千円)となりました。
e. 当期純利益
当事業年度の法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む。)は6,654千円となりました。
以上の結果、当期純損失は11,303千円(前事業年度は当期純利益176,566千円)となりました。
③ 財政状態の状況
「第3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 財政状態」に記載のとおりです。
④ 資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金につきましては、自己資金、金融機関からの借入金、新株発行による調達資金により充当することとしております。
なお、当社の資金の流動性につきましては、「第3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) キャッシュ・フロー」に記載のとおりです。現時点において重要な資本的支出の予定はございません。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、事業内容、事業運営・組織体制等、様々なリスク要因が経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社は常に市場動向や業界動向を注視しつつ、優秀な人材の確保と適切な教育を実施するとともに、事業運営体制の強化と整備を進めることで、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因に適切な対応を図ってまいります。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について
当社の経営者は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通り、当社が今後更なる成長と発展のためには、厳しい環境の中で、様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。
そのために、PHRプラットフォームサービスにおける対象疾患領域の拡大とサービスメニューの強化、及び患者PROデータ活用分野の拡大等を行ってまいります。
⑦ 経営戦略の現状と見通し
当社は設立以来「Empower the Patients」を事業ミッションに掲げ、当社のPHRプラットフォームサービスの利活用を通じて、患者及び医療者の治療継続への支援、及びアウトカムの改善に努めてまいりたいと考えております。
「患者の治療アウトカムの改善」をコアコンセプトとして、様々の医療機関及び企業と連携して、患者及び医療者により良いサービスを提供していきます。

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