有価証券報告書-第20期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/03/25 15:08
【資料】
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【項目】
134項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
また、当社グループは、当連結会計年度が連結初年度であるため、前連結会計年度との比較は行っておりません。
なお、当社グループは、「ネット型リユース事業」を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の記載を省略しております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、当初は雇用及び所得の改善傾向が続き、個人消費も緩やかな改善がみられたものの、新型コロナウィルス感染症の世界的な感染拡大により景気の悪化が急速に進みました。国内外において、渡航制限や外出自粛による事業環境の悪化が見られ、現在においても感染拡大が収束しておらず、景気の先行きについては依然として不透明な状況が続いております。
このような環境の中、当社グループにおける状況は以下の通りとなりました。
買取においては、当社の主要サービスである「バイセル」の認知向上のために、リスティング等のオンラインメディアのみならず、テレビCMやポスティングチラシなどのオフラインメディアを組み合わせたクロスメディアマーケティング施策を実施してまいりました。2020年10月には当社サービスの主要顧客に合わせたタレント変更などを行いました。また、買取店舗(3店舗)のトライアル出店に加え、2020年4月にはアプリ買取事業「CASH」の事業譲受を行うなど、買取チャネルの拡大を図ってまいりました。
販売においては、業者への販売や古物市場への出品などのtoB向け販売とECや催事などのtoC向け販売の傾向分析を進め、商品毎に適切な販売方法を選択するなどにより、在庫回転期間の短縮化とともに、収益性の改善を図ってまいりました。外出自粛などを背景に消費者の購買環境の変化もあり、toC向け販売では、自社ECサイト「バイセルオンライン」やECモール(「楽天市場」や「ヤフオク!」)など)での販売が大幅に成長したことに加え、ライブコマースによる販売などの海外販路等、新たな販路開拓を進めてまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高14,764百万円、営業利益968百万円、経常利益は922百万円、当期純利益は565百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、3,642百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、425百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益881百万円の計上、法人税等の支払307百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、2,285百万円の支出となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,727百万円、無形固定資産の取得による支出209百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、2,304百万円の収入となりました。
これは主に、2020年10月に子会社化した株式会社タイムレスの株式取得資金を充当するシンジケートローン1,650百万円を含む長期借入れによる収入2,616百万円、長期借入金の返済による支出395百万円によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
イ 生産実績
該当事項はありません。
ロ 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績は、次の通りであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
前期比(%)
ネット型リユース事業(千円)5,394,532-

(注)1.金額は、仕入価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ハ 受注実績
該当事項はありません。
ニ 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次の通りであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
前期比(%)
ネット型リユース事業(千円)14,764,844-

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は以下のとおりです。
相手先当連結会計年度
金額(千円)割合(%)
株式会社ネットジャパン4,590,72331.1

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確定性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。
この財務諸表の作成にあたる重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。
② 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の流動資産は、5,822百万円となりました。これは主に、現金及び預金3,640百万円、商品1,862百万円等であります。
当連結会計年度末の固定資産は、3,014百万円となりました。これは主に、株式会社タイムレスの子会社化に伴うのれん1,803百万円、社内業務システムの開発等によるソフトウエア414百万円等であります。
(負債)
当連結会計年度末の流動負債は、3,084百万円となりました。これは主に、広告宣伝費等の未払金629百万円、1年内返済予定の長期借入金789百万円、1年内償還予定の社債120百万円、短期借入金150百万円等であります。
当連結会計年度末の固定負債は、2,501百万円となりました。これは主に、2020年10月に子会社化した株式会社タイムレスの株式取得資金を充当するシンジケートローン1,650百万円を含む長期借入金2,195百万円、社債300百万円等であります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、3,251百万円となりました。これは主に、資本金631百万円、資本剰余金1,006百万円、利益剰余金1,595百万円等であります。
③ 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、14,764百万円となりました。新型コロナウィルス感染症の感染拡大に伴い、2020年4月から5月にかけて一時的に買取及び販売が減少したものの、その後は当初想定したいた水準まで回復し、買取数量の増加に伴う業者への販売や古物市場への出品量が増加しました。また、自社ECサイト「バイセルオンライン」やECモール(「楽天市場」や「ヤフオク!)など)などのECでの販売が好調に推移したことに加え、とライブコマースによる販売などの新たな販路開拓により、toC販売が増加したことによるものです。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、5,099百万円となりました。これは主に、査定員の採用及び教育体制の強化による買取数量の増加によるものです。この結果、売上総利益は、9,664百万円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益、売上高営業利益率)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、8,696百万円となりました。これは主に、認知度向上に向けた積極的な広告投資による広告宣伝費の増加、及び事業規模拡大に伴う人件費の増加によるものです。この結果、営業利益は、968百万円となり、売上高営業利益率は、6.6%となりました。
(営業外損益、経常利益、特別損益、当期純利益)
当連結会計年度の営業外収益は、3百万円となりました。また、当連結会計年度の営業外費用は、支払利息やシンジケートローン契約締結に伴う支払手数料の計上などにより、48百万円となりました。この結果、経常利益は、922百万円となり、売上高経常利益率は、6.2%となりました。
その他、当連結会計年度の特別損失は、投資有価証券評価損の計上などにより、41百万円となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は565百万円となりました。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社事業の資金需要の主なものは、商品買取に係る仕入資金のほか、テレビCMを中心とした広告宣伝費用や当社従業員等に支払う給与手当などの販売費及び一般管理費等の営業資金によるものです。投資を目的とした資金需要は、主に、社内の業務システムの構築及び改修などのシステム投資や倉庫やセンターの移転・開設等によるものです。これらの資金需要については、内部資金で不足する場合には、長期借入金又は社債等による調達を行う方針です。
なお、キャッシュ・フローの状況の分析については、「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。