有価証券報告書-第23期(平成30年10月1日-令和1年9月30日)

【提出】
2019/12/26 12:05
【資料】
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【項目】
129項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の業績、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等という。)の状況の概要は次のとおりであります。また、文中の将来に関する事項は、本書提出日時点において当社グループが判断したものであります。
① 経営成績の分析
当社グループは、創業以来「テクノロジーの解放(Liberation of Technology)で世の中を変えていく。」というビジョンを掲げ、私たちの技術や先端技術を法人企業がその恩恵を受けやすい形に整え、新しい価値として提供することにより、世界の発展に貢献するべく事業を展開しております。
当連結会計年度におけるわが国経済は、堅調な企業収益や雇用情勢の改善が続くなど緩やかな回復基調で推移しておりますが、長期化する通商摩擦等を要因とした世界経済の不確実性や金融資本市場の変動、そして自然災害など、先行きに対する不透明感は強まっております。
当社グループの属するソフトウエア業界を含む情報通信サービス業界においては、クラウドサービスの利用が前年に引き続き拡大をみせています。総務省「平成30年通信利用動向調査」によれば、2019年時点でのクラウドサービスを全社的に利用する企業の割合は前年から3.7ポイント増の33.1%となり、一部の事業所又は部門で利用している企業やこれから利用を検討している企業を合わせると7割を超えるまでに拡大しております。また同調査によれば、実際にクラウドサービスを利用する企業の83.2%がクラウドサービスの効果について「非常に効果があった 又は ある程度効果があった」と回答しております。これらのことから、少子高齢化による日本の労働力人口減少が進むなかで労働生産性向上に取り組むことが不可欠となる経営環境において、クラウドサービスを導入して業務効率化を図る企業がますます増加しており、実際にも効果的であったと考えられます。
このような環境の中で、当社グループは、現在、企業が利用する様々なクラウドサービスに対して横断的に、セキュアなアクセスとシングルサインオンを実現する「IDaaS (Identity as a Service)(注1)」である「HENNGE One」を主軸に事業を推進しております。クラウドサービスの場所や端末を選ばすにいつでもどこからでも機動的にサービスを利用できるという利点が業務に幅広い柔軟性をもたらす一方で、たとえば意図しない場所からアクセスが可能になってしまうかもしれない、といったセキュリティ上の懸念があります。また、クラウドサービスを社内で複数利用しようとすると、従業員はクラウドサービス毎にIDとパスワードを用いてログインする煩雑さに、また、会社は従業員毎に複数保有するクラウドサービスのID管理の煩雑さに直面することになります。このような企業における懸念を解決する手段を提供することで、より多くの企業がクラウドサービスを導入し、クラウドサービスの利点を最大限に活かして労働生産性向上を果たせるようになり、ひいては日本経済の活性化に繋がることを目指しております。
当社グループは、中長期的な株主価値及び企業価値の向上を目指すべく、主要サービスである「HENNGE One」のARR(注2)を重要な経営指標としております。当連結会計年度においてもこのARRの最大化を目指すため、契約社数、契約数を増加させるとともに、低解約率、低原価率の維持を図っております。また、2019年2月には商号変更に伴い知名度向上のための大規模な交通広告の実施、2019年下半期からは将来の人員増を見越した東京本社の増床の実施など、将来の事業成長のための先行投資に取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高3,427百万円(前連結会計年度比20.9%増)、営業利益187百万円(同7.3%減)、経常利益178百万円(同19.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益110百万円(同10.9%減)となりました。なお、売上高のうち3,292百万円(売上高全体のうち96.1%)は解約がされない限り翌期も継続的に売上高となる性質の売上で構成されており、当社グループの安定的な収益基盤を構築しております。また、当社グループの研究開発部門において基盤システムの効率化を継続的に実施した結果、売上総利益率は前連結会計年度比4.6ポイント増の82.3%となりました。
当社グループの事業セグメントは単一セグメントでありますが、売上区分別の事業概況は、次のとおりであります。
1.HENNGE One事業
不正ログイン対策、スマートフォン紛失対策、メールの情報漏洩対策などを一元的にクラウドサービス上で提供する「HENNGE One」については、前連結会計年度に引き続き、営業面ではターゲット市場の拡大を進める施策を継続いたしました。また運営面では、既存ユーザの声を事業反映しやすい体制を作り、よりよいサービスを目指すとともに、解約につながる相関性を調査し解約率を低減するための施策を進めております。
これら活動の結果として、首都圏、名阪地域を中心とした大口顧客を含む新規受注や、解約率の抑制、これらに加えて、ネガティブチャーン(解約に伴う減収を、既存契約からの追加発注に伴う増収が上回ること)を実現しております。さらに開発面においては、特に既存ユーザに対して様々な働き方に対応するためのクラウドサービスの提供を実現すべく、研究開発を重ねております。
この結果、HENNGE One事業の売上高は、2,916百万円(前連結会計年度比27.4%増)となりました。また、翌連結会計年度の収益見込みのベースとなるARRは3,240百万円(前連結会計年度末比27.0%増)、当連結会計年度末時点の契約企業数は1,428社(同21.4%増)、契約ユーザ数は1,672,160人(同22.0%増)、直近12ヶ月の平均月次解約率(注3)は0.12%(同0.03ポイント減)となりました。
2.プロフェッショナル・サービス及びその他事業
プロフェッショナル・サービス及びその他事業のうち、「HDE Mail Application Server #Delivery」とそれに付帯するサービス及びクラウド型のメール配信システム「Customers Mail Cloud」につきましては、既存顧客からのサポート契約の継続に加えて、新規案件やユーザ追加等の受注も、前連結会計年度に引き続き堅調に推移いたしました。
しかしながら、既にサポート終了を予定していた既存製品のサポート売上高が想定通りに減少いたしました。
この結果、プロフェッショナル・サービス及びその他事業の売上高の合計は、511百万円(前連結会計年度比6.5%減)となりました。
(注1)IDaaS (Identity as a Service) IDなどログイン情報の管理をクラウドで行えるようにしたSaaSです。(注2)ARR (Annual Recurring Revenue) 対象月の月末時点における契約ユーザから獲得する、翌期以降も経常的に売上高に積み上げられる可能性の高い年間契約金額の総額です。当社グループでは、以下の計算式で算出しております。 対象月末のARR = 対象月のMRR(注3) × 12(12倍することで年額に換算)(注3)MRR (Monthly Recurring Revenue) 対象月の契約ユーザから獲得した月額利用料金の合計です。ここには一時的な売上高は含みません。(注4)解約率 既存の契約金額に占める、解約や減アカウント・減機能に伴い減少した契約金額の割合です。当社グループの「HENNGE One」は原則年間契約でありますが、ここでは月次ベースで記載しております。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、2,603百万円(前連結会計年度末比288百万円の増加)となりました。主な要因としては、現金及び預金の増加70百万円、建物の増加88百万円、敷金及び保証金の増加89百万円によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、1,912百万円(前連結会計年度末比180百万円の増加)となりました。主な要因としては、前受収益の増加185百万円、買掛金の減少68百万円によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、691百万円(前連結会計年度末比108百万円の増加)となりました。主な要因としては、親会社株主に帰属する当期純利益110百万円の計上による利益剰余金の増加によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物等(以下「資金」という)は、1,874百万円と前連結会計年度末に比べ70百万円(3.9%)の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、227百万円の増加となりました。これは、税金等調整前当期純利益の計上178百万円や前受収益の増加185百万円、法人税等の支払119百万円が主な要因となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、157百万円の減少となりました。これは、敷金及び保証金の差入による支出90百万円や有形固定資産取得による支出37百万円、投資有価証券取得による支出30百万円が主な要因となっております。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループは新規案件について受注残が発生するものの、受注から販売までの期間が短いため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を売上区分ごとに示すと、次のとおりであります。
売上区分の名称当連結会計年度
(自 2018年10月1日
至 2019年9月30日)
前年同期比(%)
HENNGE One事業
(百万円)
2,91627.4
プロフェッショナル・サービス
及びその他事業 (百万円)
511△6.5
合計(百万円)3,42720.9

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上の相手先が存在しないため、主な相手先別の販売実績等の記載は省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積りを行っております。経営者による会計上の見積りは、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、会計上の見積りには不確実性があるため、実際の結果と見積りとは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。
③ 経営戦略の現状と見通し
当社グループは、「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)で世の中を変えていく。」というビジョンのもと、クラウド方式による独自開発サービスの提供により業績を拡大してまいりました。今後、インターネット環境がより発達し、中小企業においても積極的なIT投資が進み、ビジネスにおけるクラウドサービスの活躍する場面は多くなると考えております。このような経営環境において、当社サービスは、より積極的な販売活動を実行することで、事業の拡大が可能であると判断しております。
また、既存サービスの概念に捉われることなく、当社グループの強みである新技術への挑戦を継続することで、新サービスの開発をあわせて実行してまいります。
④ 経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループは、「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)で世の中を変えていく。」をビジョンとして、事業を拡大してきました。今後、当社グループが更なる事業拡大を図るためには、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は最新のIT技術を探求し、あわせて事業環境も把握し、当社グループの強みであるスピード感あふれる実行力を発揮し、世界に新しい価値を創造し続ける方針であります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、人件費、広告宣伝費、業務委託費等であります。資金の源泉と流動性を安定的に確保することを目的とし、資金需要の額や使途に合わせて自己資金、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。当連結会計年度末の現金及び現金同等物は1,874百万円であり、流動性を確保しております。

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