有価証券報告書-第29期(2024/10/01-2025/09/30)
(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の業績、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等という。)の状況の概要は次のとおりであります。また、文中の将来に関する事項は、本書提出日時点において当社グループが判断したものであります。
① 経営成績の状況
当社グループの属するソフトウエア業界を含む情報通信サービス業界では、少子高齢化により日本の労働力人口が減少しているという課題に対処するための労働生産性向上の観点だけではなく、BCP(事業継続計画)対策、あるいはデジタルトランスフォーメーションの観点からもクラウドサービスに対する需要は一層拡大傾向となっております。
こうした経営環境の中で、当社グループは、クラウドサービスを導入して業務効率化を図る企業に対し、クラウドサービスの利便性を損なうことなく、セキュリティリスクを軽減させる「HENNGE One」を成長のドライバーと位置付け、事業を推進しております。
場所や端末を選ばずにいつでもどこからでも機動的にサービスを利用できるというクラウドサービスの特性は、業務に幅広い柔軟性をもたらします。しかしながらこの特性は、たとえば意図しない場所からアクセスが可能になってしまうかもしれないといったセキュリティ上の懸念にもつながります。また、業務の基盤となるメールシステムも含めたグループウエアをクラウドに移行する場合、メール誤送信やファイル共有設定ミスによる情報漏洩対策や、年々リスクが高まっている標的型攻撃などといった様々な脅威への対策もあわせて検討する必要があります。
「HENNGE One」は、様々なクラウドサービスに対する横断的なアクセスコントロールを実現するSaaS認証基盤に加えて、メール誤送信対策やファイル共有管理機能といった情報漏洩対策機能、さらにランサムウェアや標的型攻撃対策などのサイバーセキュリティにも対応した、クラウド型のワークスタイルに移行する企業をサポートするための総合的なサービスです。
当社グループは、より多くの企業がクラウドサービスを導入することで労働生産性向上を実現し、それによって日本経済がさらに活性化するよう貢献したいと考えております。
当社グループは、中長期的な株主価値及び企業価値の向上を目指すべく、主要サービスである「HENNGE One」のLTV(注1)及びARR(注2)を重要な経営指標としております。
当連結会計年度においても、時代と共に変容・拡大している企業のセキュリティ意識やニーズにより一層応えるべく、前連結会計年度にHENNGE Oneのリブランディングを行い、新機能を搭載した新しいプランを展開いたしました。これによって新規顧客の獲得を加速させ、既存顧客における新プラン移行を推し進めることが当連結会計年度においても継続することができ、それに加えSuite内最上位プランであるHENNGE One Proの獲得割合を上げることができたなど、ユーザへの付加価値拡大と収益性の向上につながる持続的な成長基盤を築いております。
さらに2025年4月には、さらなるARR成長の実現に向けた挑戦の一つとして、株式会社サンブリッジコーポレーションと共に米国に合弁会社(HENNGE Inc.)を設立し、HENNGE Oneの地域カバレッジの一層の拡大に向けた活動を開始いたしました。
また、将来のユーザへの付加価値拡大を見据え、2025年4月にはアプリケーションセキュリティ体制管理(ASPM)サービスを提供するIssueHunt株式会社へのリード投資家としての出資や、2025年8月にはメッシュ型ネットワークソフトウェアを開発・提供するRunetale株式会社への出資など、社内開発活動や新規事業開発に留まらず、事業投資や事業連携等も継続的に推進しております。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高10,924百万円(前連結会計年度比30.6%増)、営業利益1,793百万円(同76.7%増)、経常利益1,854百万円(同85.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,358百万円(同64.2%増)となりました。なお、売上高のうち10,837百万円(売上高全体のうち99.2%)は解約がされない限り翌期も継続的に売上高となる性質の売上で構成されており、当社グループの安定的な収益基盤を構築しております。また、為替変動やセキュリティ強化などによるHENNGE Oneのインフラコストの増加や開発人員の拡充等の要因はあるものの、HENNGE Oneの価格改定等の影響により、売上総利益率は前連結会計年度比2.4ポイント増の86.5%となりました。
当社グループの事業セグメントは単一セグメントでありますが、売上区分別の事業概況は、次のとおりであります。
1.HENNGE One事業
不正ログイン対策、スマートフォン紛失対策、メール・ファイルの情報漏洩対策や標的型攻撃対策などを一元的にクラウドサービス上で提供する「HENNGE One」については、営業面では、大手企業、販売パートナー、新規顧客、既存顧客など様々なアプローチ先に焦点を当てた各種イベントの開催など、多層的な顧客アプローチを実施いたしました。また、新規顧客獲得に向けた体制強化のため、より高付加価値を生み出すことのできる体制を意識した採用・教育を進めるとともに、引き続き販売パートナーとの連携強化を推進し、首都圏及びその他の地域での販売拡大のための体制強化にも注力いたしました。
運営面では、新規顧客獲得体制の充実を図るとともに、2024年4月からの新たなライセンス体系を基に、新規顧客の獲得のみならず既存顧客にも新ライセンス体系への移行を促しながら、ユーザあたり単価の向上に繋げつつも低い解約率を維持するための施策を進めてまいりました。
さらに開発面においては、今後の既存機能の改善や新機能の追加開発のため、引き続き日々研究開発を重ねております。
これらの活動の結果として、中小規模の企業を中心とした新規受注の獲得、ユーザあたり単価の上昇等により、ARRは前連結会計年度末比27.2%増と伸長いたしました。
この結果、HENNGE One事業の売上高は、10,259百万円(前連結会計年度比32.6%増)となりました。また、翌連結会計年度の収益見込みのベースとなるARRは11,135百万円(前連結会計年度末比27.2%増)、当連結会計年度末時点の契約企業数は3,427社(同16.1%増)、契約ユーザ数は2,799,960人(同12.2%増)、直近12ヶ月の平均月次解約率は0.33%(同0.21ポイント減)となりました。
2.プロフェッショナル・サービス及びその他事業
プロフェッショナル・サービス及びその他事業については、業績は2025年5月に開示した通期業績修正予想どおりに推移いたしました。クラウド型のメール配信システム「Customers Mail Cloud」につきましては、新規顧客獲得、既存顧客のアカウント追加等の受注、メール配信量の増加などに加え、企業のDMARC対応における需要も相まって、順調に推移いたしました。営業面ではAWSマーケットプレイスへの出品など販路拡大に向けた取り組みを継続し、開発面ではさらなる機能の向上施策を行いました。
この結果、プロフェッショナル・サービス及びその他事業の売上高の合計は、665百万円(前連結会計年度比5.9%増)となりました。
(注)
1.LTV (Life Time Value):顧客が顧客ライフサイクルの最初から最後までの間に当社の商品やサービスを購入した(する)金額の合計です。
2.ARR(Annual Recurring Revenue):対象月の月末時点における契約ユーザから獲得する、翌期以降も経常的に売上高に積み上げられる可能性の高い年間契約金額の総額です。当社グループでは、以下の計算式で算出しております。
対象月末のARR = 対象月のMRR(注3) × 12(12倍することで年額に換算)
3.MRR(Monthly Recurring Revenue):対象月の契約ユーザから獲得した月額利用料金の合計です。ここには一時的な売上高は含みません。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、10,742百万円(前連結会計年度末比2,457百万円の増加)となりました。主な要因としては、現金及び預金991百万円の増加、投資有価証券897百万円の増加、敷金及び保証金380百万円の増加によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、6,898百万円(前連結会計年度末比1,600百万円の増加)となりました。主な要因としては、契約負債978百万円の増加、未払法人税等203百万円の増加、賞与引当金153百万円の増加、転換社債型新株予約権付社債148百万円の増加によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、3,844百万円(前連結会計年度末比857百万円の増加)となりました。主な要因としては、利益剰余金1,262百万円の増加、自己株式451百万円の増加によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物等(以下「資金」という)は、7,319百万円と前連結会計年度末に比べ991百万円(15.7%)の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,726百万円(前連結会計年度は1,930百万円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益の計上1,854百万円、契約負債の増加978百万円、法人税等の支払額435百万円、賞与引当金の増加153百万円が主な要因となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は1,334百万円(前連結会計年度は35百万円の支出)となりました。これは、投資有価証券の取得による支出897百万円、敷金及び保証金の差入による支出386百万円が主な要因となっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は417百万円(前連結会計年度は151百万円の支出)となりました。これは、自己株式の取得による支出469百万円、社債の発行による収入148百万円、配当金の支払額96百万円が主な要因となっております。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループは新規案件について受注残が発生するものの、受注から販売までの期間が短いため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を売上区分ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該の総販売実績に対する割合
2.当社グループの事業セグメントは単一セグメントでありますので、セグメント別の記載は省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積りを行っております。経営者による会計上の見積りは、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、会計上の見積りには不確実性があるため、実際の結果と見積りとは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。
③ 経営戦略の現状と見通し
当社グループは、「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)」という経営理念のもと、独自の開発サービスの提供により業績を拡大してまいりました。今後、クラウドサービスに対する需要が一層拡大し、企業規模によらず積極的なIT投資が進み、ビジネスにおいてクラウドサービスを利用する場面は多くなると考えております。このような経営環境において、当社サービスは、より積極的な機能充実と販売活動を実行することで、事業の拡大が可能であると判断しております。
また、既存サービスの概念に捉われることなく、当社グループの強みである新技術への挑戦を継続することで、新サービスの開発をあわせて実行してまいります。
④ 経営者の問題意識と今後の方針について
今後、当社グループが更なる事業拡大を図るためには、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は最新のIT技術を探求し、あわせて事業環境も把握し、当社グループの強みであるスピード感あふれる実行力を発揮し、世界に新しい価値を創造し続ける方針であります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、人件費、業務委託費、広告宣伝費等であります。資金の源泉と流動性を安定的に確保することを目的とし、資金需要の額や使途に合わせて自己資金を投下する他、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。当連結会計年度末の現金及び現金同等物は7,319百万円であり、流動性を確保しております。
当社グループ(当社及び連結子会社)の業績、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等という。)の状況の概要は次のとおりであります。また、文中の将来に関する事項は、本書提出日時点において当社グループが判断したものであります。
① 経営成績の状況
当社グループの属するソフトウエア業界を含む情報通信サービス業界では、少子高齢化により日本の労働力人口が減少しているという課題に対処するための労働生産性向上の観点だけではなく、BCP(事業継続計画)対策、あるいはデジタルトランスフォーメーションの観点からもクラウドサービスに対する需要は一層拡大傾向となっております。
こうした経営環境の中で、当社グループは、クラウドサービスを導入して業務効率化を図る企業に対し、クラウドサービスの利便性を損なうことなく、セキュリティリスクを軽減させる「HENNGE One」を成長のドライバーと位置付け、事業を推進しております。
場所や端末を選ばずにいつでもどこからでも機動的にサービスを利用できるというクラウドサービスの特性は、業務に幅広い柔軟性をもたらします。しかしながらこの特性は、たとえば意図しない場所からアクセスが可能になってしまうかもしれないといったセキュリティ上の懸念にもつながります。また、業務の基盤となるメールシステムも含めたグループウエアをクラウドに移行する場合、メール誤送信やファイル共有設定ミスによる情報漏洩対策や、年々リスクが高まっている標的型攻撃などといった様々な脅威への対策もあわせて検討する必要があります。
「HENNGE One」は、様々なクラウドサービスに対する横断的なアクセスコントロールを実現するSaaS認証基盤に加えて、メール誤送信対策やファイル共有管理機能といった情報漏洩対策機能、さらにランサムウェアや標的型攻撃対策などのサイバーセキュリティにも対応した、クラウド型のワークスタイルに移行する企業をサポートするための総合的なサービスです。
当社グループは、より多くの企業がクラウドサービスを導入することで労働生産性向上を実現し、それによって日本経済がさらに活性化するよう貢献したいと考えております。
当社グループは、中長期的な株主価値及び企業価値の向上を目指すべく、主要サービスである「HENNGE One」のLTV(注1)及びARR(注2)を重要な経営指標としております。
当連結会計年度においても、時代と共に変容・拡大している企業のセキュリティ意識やニーズにより一層応えるべく、前連結会計年度にHENNGE Oneのリブランディングを行い、新機能を搭載した新しいプランを展開いたしました。これによって新規顧客の獲得を加速させ、既存顧客における新プラン移行を推し進めることが当連結会計年度においても継続することができ、それに加えSuite内最上位プランであるHENNGE One Proの獲得割合を上げることができたなど、ユーザへの付加価値拡大と収益性の向上につながる持続的な成長基盤を築いております。
さらに2025年4月には、さらなるARR成長の実現に向けた挑戦の一つとして、株式会社サンブリッジコーポレーションと共に米国に合弁会社(HENNGE Inc.)を設立し、HENNGE Oneの地域カバレッジの一層の拡大に向けた活動を開始いたしました。
また、将来のユーザへの付加価値拡大を見据え、2025年4月にはアプリケーションセキュリティ体制管理(ASPM)サービスを提供するIssueHunt株式会社へのリード投資家としての出資や、2025年8月にはメッシュ型ネットワークソフトウェアを開発・提供するRunetale株式会社への出資など、社内開発活動や新規事業開発に留まらず、事業投資や事業連携等も継続的に推進しております。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高10,924百万円(前連結会計年度比30.6%増)、営業利益1,793百万円(同76.7%増)、経常利益1,854百万円(同85.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,358百万円(同64.2%増)となりました。なお、売上高のうち10,837百万円(売上高全体のうち99.2%)は解約がされない限り翌期も継続的に売上高となる性質の売上で構成されており、当社グループの安定的な収益基盤を構築しております。また、為替変動やセキュリティ強化などによるHENNGE Oneのインフラコストの増加や開発人員の拡充等の要因はあるものの、HENNGE Oneの価格改定等の影響により、売上総利益率は前連結会計年度比2.4ポイント増の86.5%となりました。
当社グループの事業セグメントは単一セグメントでありますが、売上区分別の事業概況は、次のとおりであります。
1.HENNGE One事業
不正ログイン対策、スマートフォン紛失対策、メール・ファイルの情報漏洩対策や標的型攻撃対策などを一元的にクラウドサービス上で提供する「HENNGE One」については、営業面では、大手企業、販売パートナー、新規顧客、既存顧客など様々なアプローチ先に焦点を当てた各種イベントの開催など、多層的な顧客アプローチを実施いたしました。また、新規顧客獲得に向けた体制強化のため、より高付加価値を生み出すことのできる体制を意識した採用・教育を進めるとともに、引き続き販売パートナーとの連携強化を推進し、首都圏及びその他の地域での販売拡大のための体制強化にも注力いたしました。
運営面では、新規顧客獲得体制の充実を図るとともに、2024年4月からの新たなライセンス体系を基に、新規顧客の獲得のみならず既存顧客にも新ライセンス体系への移行を促しながら、ユーザあたり単価の向上に繋げつつも低い解約率を維持するための施策を進めてまいりました。
さらに開発面においては、今後の既存機能の改善や新機能の追加開発のため、引き続き日々研究開発を重ねております。
これらの活動の結果として、中小規模の企業を中心とした新規受注の獲得、ユーザあたり単価の上昇等により、ARRは前連結会計年度末比27.2%増と伸長いたしました。
この結果、HENNGE One事業の売上高は、10,259百万円(前連結会計年度比32.6%増)となりました。また、翌連結会計年度の収益見込みのベースとなるARRは11,135百万円(前連結会計年度末比27.2%増)、当連結会計年度末時点の契約企業数は3,427社(同16.1%増)、契約ユーザ数は2,799,960人(同12.2%増)、直近12ヶ月の平均月次解約率は0.33%(同0.21ポイント減)となりました。
2.プロフェッショナル・サービス及びその他事業
プロフェッショナル・サービス及びその他事業については、業績は2025年5月に開示した通期業績修正予想どおりに推移いたしました。クラウド型のメール配信システム「Customers Mail Cloud」につきましては、新規顧客獲得、既存顧客のアカウント追加等の受注、メール配信量の増加などに加え、企業のDMARC対応における需要も相まって、順調に推移いたしました。営業面ではAWSマーケットプレイスへの出品など販路拡大に向けた取り組みを継続し、開発面ではさらなる機能の向上施策を行いました。
この結果、プロフェッショナル・サービス及びその他事業の売上高の合計は、665百万円(前連結会計年度比5.9%増)となりました。
(注)
1.LTV (Life Time Value):顧客が顧客ライフサイクルの最初から最後までの間に当社の商品やサービスを購入した(する)金額の合計です。
2.ARR(Annual Recurring Revenue):対象月の月末時点における契約ユーザから獲得する、翌期以降も経常的に売上高に積み上げられる可能性の高い年間契約金額の総額です。当社グループでは、以下の計算式で算出しております。
対象月末のARR = 対象月のMRR(注3) × 12(12倍することで年額に換算)
3.MRR(Monthly Recurring Revenue):対象月の契約ユーザから獲得した月額利用料金の合計です。ここには一時的な売上高は含みません。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、10,742百万円(前連結会計年度末比2,457百万円の増加)となりました。主な要因としては、現金及び預金991百万円の増加、投資有価証券897百万円の増加、敷金及び保証金380百万円の増加によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、6,898百万円(前連結会計年度末比1,600百万円の増加)となりました。主な要因としては、契約負債978百万円の増加、未払法人税等203百万円の増加、賞与引当金153百万円の増加、転換社債型新株予約権付社債148百万円の増加によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、3,844百万円(前連結会計年度末比857百万円の増加)となりました。主な要因としては、利益剰余金1,262百万円の増加、自己株式451百万円の増加によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物等(以下「資金」という)は、7,319百万円と前連結会計年度末に比べ991百万円(15.7%)の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,726百万円(前連結会計年度は1,930百万円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益の計上1,854百万円、契約負債の増加978百万円、法人税等の支払額435百万円、賞与引当金の増加153百万円が主な要因となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は1,334百万円(前連結会計年度は35百万円の支出)となりました。これは、投資有価証券の取得による支出897百万円、敷金及び保証金の差入による支出386百万円が主な要因となっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は417百万円(前連結会計年度は151百万円の支出)となりました。これは、自己株式の取得による支出469百万円、社債の発行による収入148百万円、配当金の支払額96百万円が主な要因となっております。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社グループは新規案件について受注残が発生するものの、受注から販売までの期間が短いため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を売上区分ごとに示すと、次のとおりであります。
| 売上区分の名称 | 当連結会計年度 (自 2024年10月1日 至 2025年9月30日) | 前年同期比(%) |
| HENNGE One事業 (百万円) | 10,259 | 32.6 |
| プロフェッショナル・サービス 及びその他事業 (百万円) | 665 | 5.9 |
| 合計(百万円) | 10,924 | 30.6 |
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び当該の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2023年10月1日 至 2024年9月30日) | 当連結会計年度 (自 2024年10月1日 至 2025年9月30日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 株式会社大塚商会 | 1,140 | 13.7 | 1,754 | 16.1 |
| SB C&S株式会社 | 1,106 | 13.3 | 1,581 | 14.5 |
2.当社グループの事業セグメントは単一セグメントでありますので、セグメント別の記載は省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積りを行っております。経営者による会計上の見積りは、過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、会計上の見積りには不確実性があるため、実際の結果と見積りとは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要」に含めて記載しております。
③ 経営戦略の現状と見通し
当社グループは、「テクノロジーの解放 (Liberation of Technology)」という経営理念のもと、独自の開発サービスの提供により業績を拡大してまいりました。今後、クラウドサービスに対する需要が一層拡大し、企業規模によらず積極的なIT投資が進み、ビジネスにおいてクラウドサービスを利用する場面は多くなると考えております。このような経営環境において、当社サービスは、より積極的な機能充実と販売活動を実行することで、事業の拡大が可能であると判断しております。
また、既存サービスの概念に捉われることなく、当社グループの強みである新技術への挑戦を継続することで、新サービスの開発をあわせて実行してまいります。
④ 経営者の問題意識と今後の方針について
今後、当社グループが更なる事業拡大を図るためには、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するため、経営者は最新のIT技術を探求し、あわせて事業環境も把握し、当社グループの強みであるスピード感あふれる実行力を発揮し、世界に新しい価値を創造し続ける方針であります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、人件費、業務委託費、広告宣伝費等であります。資金の源泉と流動性を安定的に確保することを目的とし、資金需要の額や使途に合わせて自己資金を投下する他、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等に特段方針はなく、資金需要の額や使途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。当連結会計年度末の現金及び現金同等物は7,319百万円であり、流動性を確保しております。