有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2021/05/21 15:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
129項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
第20期事業年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
当事業年度におけるわが国経済は、雇用情勢や所得環境の改善が継続するも、米中間での貿易摩擦の長期化、インバウンド需要の頭打ちや消費税増税の影響などもあり景気に対する先行きは不透明な状況で推移しました。また、2019年末以来の新型コロナウイルス感染症の感染拡大が世界経済に及ぼす懸念も日に日に高まりを見せており、今後の先行きには予断を許さない状況となっております。
このような市場環境のもと、当社では、独自の技術を使って製造した卵殻膜を主原料とした化粧品・サプリメントの研究開発、企画、販売を展開してまいりました。また、事業の成長性に応じたリソース配分の適正化を進め、経営効率の改善に努めました。
卵殻膜は、人の肌や髪に近い18種類のアミノ酸、ヒアルロン酸とコラーゲンを含有している天然素材です。当社は大学や他企業等の外部の研究機関と共同研究を行い、そのメカニズムの科学的な解明に向けた取り組みを進めております。当社が企画・販売を行っている化粧品・健康食品など全ての商品には、卵殻膜が配合されており、数多い競合商品との間で差別化を図っております。
当事業年度においては、TV通販部門の売上が堅調に推移したことに加え、直販部門では電車広告等の積極的な広告宣伝活動が奏功し、定期会員数が増加したことで売上が前年同期比207.4%に増加、外販部門では広告宣伝等により卵殻膜の認知度が向上したことで、OEM販売の売上が前年同期比176.8%に増加するなど、増収を達成することができました。 この結果、当事業年度の経営成績は、売上高5,796,105千円(前年同期比53.0%増)、営業利益985,027千円(前年同期比114.4%増)、経常利益982,719千円(前年同期比115.2%増)、当期純利益651,660千円(前年同期比95.3%増)となりました。
なお、当社は卵殻膜ヘルスケア事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の開示は行っておりませんが、売上高の販売チャネル別の内訳は、以下のとおりであります。
区分第19期事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
第20期事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
増減額
(千円)
前年同期比
(%)
金額
(千円)
構成比
(%)
金額
(千円)
構成比
(%)
TV通販1,445,04738.11,542,18726.697,140106.7
外販
(一般流通)
194,0875.1227,2354.033,148117.1
外販
(OEM販売)※
1,410,80337.22,494,70043.01,083,897176.8
直販(EC)738,73719.51,531,98126.4793,244207.4
合計3,788,675100.05,796,105100.02,007,430153.0

※OEM販売額のうち、インターネット販売を主としているOEM先への売上高
第21期第3四半期累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年12月31日)
当第3四半期累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により企業収益や雇用情勢等の悪化が続いており、個人消費におきましても先行きが不透明な厳しい状況にあります。
当第3四半期累計期間においては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、商業施設の営業時間短縮・臨時休業、外出自粛等により実店舗で運営していた事業者がECの通信販売を展開する事例が散見され競合状態が高まりインターネット広告の単価が上昇する結果となりました。その結果ECの通信販売を主とする外販(OEM販売)は顧客の新規獲得が想定通りに進まず、当社への発注量も減少したため前年同期と比較して外販(OEM販売)向けの売上高は大幅な減少となりました。当社直販(EC)も同様にインターネット広告の単価上昇の影響を受け一時的に新規獲得が減少する局面を迎えましたが、インターネット広告の最適化を図ったことから獲得数は回復傾向にあり前年同期と同様の水準となりました。
その結果、当第3四半期累計期間の経営成績は、売上高3,351,580千円、営業利益427,428千円、経常利益
435,160千円、四半期純利益294,259千円となりました。
なお、当社は卵殻膜ヘルスケア事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の開示は行っておりませんが、売上高の販売チャネル別の内訳は、以下のとおりであります。
区分第21期
第3四半期累計期間
(自 2020年4月1日
至 2020年12月31日)
金額
(千円)
構成比
(%)
TV通販1,072,81932.0
外販
(一般流通)
186,5235.6
外販
(OEM販売)※
771,42123.0
直販(EC)1,320,81639.4
合計3,351,580100.0

※OEM販売額のうち、インターネット販売を主としているOEM先への売上高
②財政状態の状況
第20期事業年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
(資産)
当事業年度末の流動資産は2,636,193千円となり、前事業年度末と比較して757,160千円増加しました。これは主に、売上高が増加したことにより受取手形が481,659千円、商品が275,697千円増加し、借入金を返済したことで現金及び預金が46,016千円減少したことによるものです。固定資産は186,973千円となり、前事業年度末と比較して9,072千円増加しました。これは主に、本社の改修工事により建物が19,091千円増加した一方、繰延税金資産が11,100千円減少したことによるものです。
以上の結果、総資産は2,823,166千円となり、前事業年度末と比較して766,233千円増加しました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は851,394千円となり、前事業年度末と比較して391,602千円増加しました。これは主に、仕入の増加により買掛金が70,990千円、長期借入金からの借換えにより短期借入金が120,000千円、未払法人税等が164,723千円増加したことによるものです。固定負債は22,500千円となり、前事業年度末と比較して277,030千円減少しました。これは主に長期借入金が280,000千円減少したことによるものです。
以上の結果、負債合計は873,894千円となり、前事業年度末と比較して114,572千円増加しました。
(純資産)
当事業年度末における純資産は1,949,272千円となり、前事業年度末と比較して651,660千円増加しました。これは、当期純利益の計上により利益剰余金が651,660千円増加したことによるものです。
第21期第3四半期累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年12月31日)
(資産)
当第3四半期会計期間末の流動資産は2,782,629千円となり、前事業年度末と比較して146,435千円増加しました。これは主に、直販の販売量が増加したことにより現金及び預金が227,856千円、売掛金が518,851千円増加し、受取手形が523,650千円、貯蔵品が48,269千円減少したことによるものです。固定資産は166,649千円となり、前事業年度末と比較して20,323千円減少しました。これは主に、複合機のリースによりリース資産が3,441千円増加し、ソフトウエアが7,740千円、繰延税金資産が15,817千円減少したことによるものです。
以上の結果、総資産は2,949,279千円となり、前事業年度末と比較して126,112千円増加しました。
(負債)
当第3四半期会計期間末における流動負債は679,354千円となり、前事業年度末と比較して172,040千円減少しました。これは主に、仕入量の増加により買掛金が104,869千円増加し、短期借入金が50,000千円、未払金が72,722千円、未払法人税等が128,122千円減少したことによるものです。固定負債は26,392千円となり、前事業年度末と比較して3,892千円増加しました。これは主に、複合機のリースによりリース債務が3,012千円増加したことによるものです。
以上の結果、負債合計は705,747千円となり、前事業年度末と比較して168,147千円減少しました。
(純資産)
当第3四半期会計期間末における純資産は2,243,531千円となり、前事業年度末と比較して294,259千円増加しました。これは、四半期純利益の計上により利益剰余金が244,259千円増加したことによるものです。
③キャッシュ・フローの状況
第20期事業年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ46,016千円減少し、543,256千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益982,719千円、売上債権の増加額496,273千円、たな卸資産の増加額302,019千円等により223,856千円の収入となりました(前事業年度は117,166千円の収入)。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出29,428千円、無形固定資産の取得による支出14,353千円等により48,482千円の支出となりました(前事業年度は1,147千円の支出)。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入れによる収入499,803千円、短期借入金の返済による支出380,000千円、長期借入金の返済による支出340,000千円等により221,390千円の支出となりました(前事業年度は514,506千円の支出)。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.仕入実績
第20期事業年度及び第21期第3四半期累計期間における仕入実績は、次のとおりであります。
商品別第20期事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)第21期第3四半期累計期間
(自 2020年4月1日
至 2020年12月31日)
完成品(千円)1,734,119133.7812,908
部材(千円)821,463125.5375,956
合計(千円)2,555,582130.91,188,864

(注)1.当社は、卵殻膜ヘルスケア事業の単一セグメントであるため、仕入実績は、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。
2.金額は仕入価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
d.販売実績
第20期事業年度及び第21期第3四半期累計期間における販売実績は、次のとおりであります。
販売チャネル別第20期事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)第21期第3四半期累計期間
(自 2020年4月1日
至 2020年12月31日)
TV通販(千円)1,542,187106.71,072,819
外販(一般流通)
(千円)
227,235117.1186,523
外販(OEM販売)※
(千円)
2,494,700176.8771,421
直販(EC)(千円)1,531,981207.41,320,816
合計(千円)5,796,105153.03,351,580

※OEM販売額のうち、インターネット販売を主としているOEM先への売上高
(注)1.当社は、卵殻膜ヘルスケア事業の単一セグメントであるため、販売実績は、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。
2.最近2事業年度及び第21期第3四半期累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先第19期事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
第20期事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
第21期第3四半期累計期間
(自 2020年4月1日
至 2020年12月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
㈱オージオ1,285,33833.92,407,19941.5717,07121.4
㈱QVCジャパン1,445,04738.11,542,18726.61,072,81932.0

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。これら財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これら見積りと異なる場合があります。
当社は、特に以下の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定が重要であると考えております。
a.ポイント引当金
販売促進を目的としたポイント制度に基づき付与したポイントの利用に備えるため、当事業年度末において将来利用されると見込まれるポイントに対してその費用負担額をポイント引当金として計上しております。
b.たな卸資産の収益性の低下による簿価切下げ
当社は、たな卸資産の収益性の低下の有無に係る判断は個別品目ごとに行っており、収益性の低下が認められるたな卸資産については、製造時点から評価時点までの期間に応じ、規則的に帳簿価額を切下げております。
また、前期に計上した簿価切下額の戻入れに関しては、当期に戻入を行う方法(洗替法)を採用しております。
当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
第20期事業年度(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)
a 財政状態の分析
当事業年度末における財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載しております。
b 経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は、5,796,105千円となり、前事業年度に比べ2,007,430千円増加しました。外販部門における商材の拡販施策や直販部門における新規顧客獲得施策が奏功し、外販部門におけるOEM販売並びに直販部門が伸長することで全体を牽引、その他TV通販部門も堅調に業績を伸ばすことができたことで大幅な増収を達成することができました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、2,185,856千円となり、前事業年度に比べ541,732千円増加しました。売上高の増加に加え、粗利率の改善やコスト削減努力を推進した結果、売上総利益は、3,610,248千円となり、前事業年度に比べ1,465,698千円増加しました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、2,625,221千円となり、前事業年度に比べ940,159千円増加しました。これは主に、直販事業拡大のための広告宣伝費増加等の影響によるものであります。この結果、営業利益は985,027千円となり、前事業年度に比べ525,539千円増加しました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
営業外収益は368千円、営業外費用は支払利息1,867千円等により2,676千円となり、この結果、経常利益は982,719千円となり、前事業年度に比べ525,965千円増加しました。
(特別利益、特別損失及び当期純利益)
特別利益、特別損失の計上はありませんでした。この結果、税引前当期純利益は982,719千円となり、前事業年度に比べ524,785千円増加しました。
また、法人税等合計が331,059千円、当期純利益は651,660千円となり、当期純利益は前事業年度に比べ317,993千円増加しました。
c キャッシュ・フローの分析
当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
第21期第3四半期累計期間(自 2020年4月1日 至 2020年12月31日)
a 財政状態の分析
当第3四半期会計期間末における財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載しております。
b 経営成績の分析
(売上高)
当第3四半期累計期間の売上高は、3,351,580千円となりました。外販部門におけるOEM販売先が在庫調整局面に入ったこと等が影響し、減収となりました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、売上高の減少の影響により1,206,012千円となり、その結果、売上総利益は、2,145,568千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、1,718,139千円となりました。これは主に給与手当、広告宣伝費等の計上によるも
のであります。この結果、営業利益は427,428千円となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
営業外収益は助成金収入8,000千円等により8,211千円、営業外費用は支払利息443千円等により479千円となり、この結果、経常利益は435,160千円となりました。
(特別利益、特別損失及び四半期純利益)
特別利益、特別損失の発生はなく、この結果、税引前四半期純利益は435,160千円となりました。また、法人
税等合計が140,900千円となり、四半期純利益は294,259千円となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。また、今後の経営成績に影響を与える課題につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
④ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の運転資金需要のうち主なものは、従業員の給与手当の他、販売費及び一般管理費の営業費用であります。
当社は、事業運営上必要な資金を流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております、短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金につきましては、金融機関からの長期借入やリースによる調達を基本としております。
なお、第20期事業年度末における有利子負債の残高は120,000千円、有利子負債依存度は4.3%と低い水準にあり、事業運営上、必要な資金を安定的に確保していると認識しております。また、第20期事業年度末における現金及び現金同等物の残高は543,256千円となっており、事業運営上、必要な流動性を確保していると認識しております。
⑥経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、売上高、売上総利益及び営業利益を重要な経営指標として位置付けております。
第19期事業年度及び第20期事業年度並びに第21期第3四半期累計期間の経営指標は、次の通りであります。売上高、売上総利益及び営業利益はいずれも、第20期事業年度においては第19期事業年度を上回っております。今後も定期顧客会員数の拡大や新商品の開発、コスト削減等を図り、売上高、売上総利益及び営業利益の拡大に努めてまいります。
第19期事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
第20期事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
第21期第3四半期累計期間
(自 2020年4月1日
至 2020年12月31日)
金額(千円)金額(千円)前年同期比(%)金額(千円)
売上高3,788,6755,796,105153.03,351,580
売上総利益2,144,5503,610,248168.32,145,568
営業利益459,488985,027214.4427,428