有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/03/04 15:00
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【項目】
129項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
第19期事業年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費に持ち直しの兆しが見えるなど、景気は緩やかな回復基調が続きました。
国内化粧品市場も国内景気の緩やかな回復基調が継続したことに加え、訪日外国人によるインバウンド需要もあり、堅調に推移しました。また、健康食品市場につきましても、中高年齢層を中心とした健康の維持、増進、美容への意識の高まりを背景に、化粧品市場同様に堅調に推移しました。
こうした市場環境のなか、当社は独自の技術を活かした卵殻膜を主原料とした化粧品・健康食品の研究開発、企画、販売を展開してまいりました。
卵殻膜は、人の肌や髪に近い18種類のアミノ酸、ヒアルロン酸とコラーゲンを含有している天然素材です。当社は大学や他企業等の外部の研究機関と共同研究を行い、そのメカニズムの科学的な解明に向けた取り組みを進めております。当社が企画・販売を行っている化粧品・健康食品など全ての商品には、卵殻膜が配合されており、数多い競合商品との間で差別化を図っております。
当事業年度においては、TV通販部門の売上が堅調に推移したことに加え、直販部門の売上が前年同期比339.4%、外販部門におけるOEM販売の売上が前年同期比149.8%に増加するなど、増収を達成することができました。一方で直販部門における新規顧客の獲得増加に向けた広告宣伝費の先行投資を実施した結果、営業利益及び経常利益については減少する結果になりました。
この結果、当事業年度の経営成績は、売上高3,788,675千円(前年同期比37.6%増)、営業利益459,488千円(前年同期比19.6%減)、経常利益456,754千円(前年同期比18.8%減)、当期純利益333,667千円(前年同期比62.7%増)となりました。
なお、当社は卵殻膜ヘルスケア事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の開示は行っておりませんが、売上高の販売チャネル別の内訳は、以下のとおりであります。
区分第18期事業年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
第19期事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
増減額
(千円)
前年同期比
(%)
金額
(千円)
構成比
(%)
金額
(千円)
構成比
(%)
TV通販1,434,81252.11,445,04738.110,235100.7
外販(一般流通)159,3995.8194,0875.134,687121.8
外販(OEM販売)※942,07134.21,410,80337.2468,731149.8
直販(EC)217,6377.9738,73719.5521,099339.4
合計2,753,920100.03,788,675100.01,034,755137.6

※OEM販売額のうち、インターネット販売を主としているOEM先への売上高
第20期第3四半期累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年12月31日)
当第3四半期累計期間における国内経済は緩やかな景気回復基調で推移したものの、10月に実施された消費税率引き上げによる消費者心理への影響もあり、個人消費におきましては先行き不透明な状況が続きました。
国内化粧品市場は、国内景気が緩やかな回復基調が継続したことに加え訪日外国人によるインバウンド需要もあり、堅調に推移いたしました。また、健康食品市場につきましても、中高年齢層を中心とした健康の維持、増進、美容への意識の高まりを背景に、化粧品市場同様に堅調に推移いたしました。
こうした市場環境の中、当社は、独自の技術を使って製造した卵殻膜を主原料とした化粧品・サプリメントの研究開発、企画、販売を展開してまいりました。また、事業の成長性に応じたリソース配分の適正化や社内体制の再構築を進め、経営効率の改善に努めました。
この結果、当第3四半期累計期間の経営成績は、売上高4,506,914千円、営業利益865,639千円、経常利益863,543千円、四半期純利益564,850千円となりました。
なお、当社は卵殻膜ヘルスケア事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の開示は行っておりませんが、売上高の販売チャネル別の内訳は、以下のとおりであります。
区分第20期
第3四半期累計期間
(自 2019年4月1日
至 2019年12月31日)
金額
(千円)
構成比
(%)
TV通販1,198,33826.6
外販(一般流通)172,5243.8
外販(OEM販売)※2,015,19044.7
直販(EC)1,120,86024.9
合計4,506,914100.0

※OEM販売額のうち、インターネット販売を主としているOEM先への売上高
②財政状態の状況
第19期事業年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(資産)
当事業年度末の流動資産は1,879,033千円となり、前事業年度末と比較して253,531千円減少しました。これは主に、たな卸資産(商品および貯蔵品)が230,648千円、売掛金が84,757千円増加する一方で、現金及び預金が420,987千円、受取手形が181,595千円減少したことによるものです。たな卸資産(商品および貯蔵品)は売上高増加による在庫確保施策により増加、現金及び預金は配当金の支払いにより減少しました。固定資産は177,900千円となり、前事業年度末と比較して1,455千円増加しました。これは主に、繰延税金資産が15,421千円増加する一方で、車両運搬具の売却で7,043千円、建物の減価償却により4,826千円減少したことによるものです。
以上の結果、総資産は2,056,933千円となり、前事業年度末と比較して252,076千円減少しました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は459,792千円となり、前事業年度末と比較して66,628千円減少しました。これは主に、未払消費税等が52,672千円減少したことによるものです。固定負債は299,530千円となり、前事業年度末と比較して65,758千円減少しました。これは主に長期借入金が60,000千円減少したことによるものです。
以上の結果、負債合計は759,322千円となり、前事業年度末と比較して132,387千円減少しました。
(純資産)
当事業年度末における純資産は1,297,611千円となり、前事業年度末と比較して119,688千円減少しました。これは剰余金の配当により利益剰余金が453,356千円減少する一方で、当期純利益を333,667千円計上したことによるものです。
第20期第3四半期累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年12月31日)
(資産)
当第3四半期会計期間末の流動資産は2,772,502千円となり、前事業年度末と比較して893,469千円増加しました。これは主に、売掛金が643,913千円、受取手形が133,327千円、商品が234,131千円増加し、現金及び預金が216,745千円減少したことによるものです。売掛金及び受取手形は直販部門等の売上好調により増加、現金及び預金は、売上好調に伴い仕入が増加した一方で、入金サイトが比較的長い得意先に対する売掛金が増加したことにより、減少しました。固定資産は195,648千円となり、前事業年度末と比較して17,748千円増加しました。これは主に、建物が19,569千円増加し、繰延税金資産が2,933千円減少したことによるものです。
以上の結果、総資産は2,968,150千円となり、前事業年度末と比較して911,217千円増加しました。
(負債)
当第3四半期会計期間末における流動負債は983,931千円となり、前事業年度末と比較して524,139千円増加しました。これは主に、買掛金が193,403千円、短期借入金が120,000千円、未払法人税等が140,525千円増加したことによるものです。固定負債は121,757千円となり、前事業年度末と比較して177,772千円減少しました。これは主に長期借入金が180,000千円減少したことによるものです。
以上の結果、負債合計は1,105,689千円となり、前事業年度末と比較して346,367千円増加しました。
(純資産)
当第3四半期会計期間末における純資産は1,862,461千円となり、前事業年度末と比較して564,850千円増加しました。これは、四半期純利益の計上により利益剰余金が564,850千円増加したことによるものです。
③キャッシュ・フローの状況
第19期事業年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ398,487千円減少し、589,273千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益457,934千円、たな卸資産の増加額230,648千円、法人税等の支払額135,388千円等により117,166千円の収入となり、前事業年度と比較して125,254千円増加しました。これは主に直販部門等の売上が好調に推移したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入45,000千円、定期預金の預入による支出22,500千円、有形固定資産の取得による支出19,258千円等により1,147千円の支出となり、前事業年度と比較して32,938千円増加しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出60,000千円、配当金の支払額453,356千円等により、514,506千円の支出となり、前事業年度と比較して1,270,328千円減少しました。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.仕入実績
第19期事業年度及び第20期第3四半期累計期間における仕入実績は、次のとおりであります。
商品別第19期事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)第20期第3四半期累計期間
(自 2019年4月1日
至 2019年12月31日)
完成品(千円)1,297,316160.11,355,055
部材(千円)654,501153.7713,422
合計(千円)1,951,817157.92,068,478

(注)1.当社は、卵殻膜ヘルスケア事業の単一セグメントであるため、仕入実績は、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。
2.金額は仕入価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当社が提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
d.販売実績
第19期事業年度及び第20期第3四半期累計期間における販売実績は、次のとおりであります。
販売チャネル別第19期事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)第20期第3四半期累計期間
(自 2019年4月1日
至 2019年12月31日)
TV通販(千円)1,445,047100.71,198,338
外販(一般流通)
(千円)
194,087121.8172,524
外販(OEM販売)※
(千円)
1,410,803149.82,015,190
直販(EC)(千円)738,737339.41,120,860
合計(千円)3,788,675137.64,506,914

※OEM販売額のうち、インターネット販売を主としているOEM先への売上高
(注)1.当社は、卵殻膜ヘルスケア事業の単一セグメントであるため、販売実績は、セグメント情報に関連付けた記載を省略しております。
2.最近2事業年度及び第20期第3四半期累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先第18期事業年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
第19期事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
第20期第3四半期累計期間
(自 2019年4月1日
至 2019年12月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
㈱QVCジャパン1,434,81252.11,445,04738.11,198,33826.6
㈱オージオ819,73629.81,285,33833.91,945,54443.2

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。これら財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これら見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
第19期事業年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
a 財政状態の分析
当事業年度における財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載しております。
b 経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高は、3,788,675千円となり、前事業年度に比べ1,034,755千円増加しました。外販部門における商材の拡販施策や直販部門における新規顧客獲得施策が奏功し、外販部門におけるOEM販売並びに直販部門が伸長することで全体を牽引、その他TV通販部門も堅調に業績を伸ばすことが出来たことで大幅な増収を達成することができました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、1,644,124千円となり、前事業年度に比べ339,186千円増加しました。売上高の増加に加え、粗利率の改善やコスト削減努力を推進した結果、売上総利益は、2,144,550千円となり、前事業年度に比べ695,568千円増加しました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、1,685,062千円となり、前事業年度に比べ807,906千円増加しました。これは主に、人員体制強化に伴う給与手当の増加、直販事業拡大のための広告宣伝費増加等の影響によるものであります。この結果、営業利益は459,488千円となり、前事業年度に比べ112,338千円減少しました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
営業外収益は21千円、営業外費用は支払利息2,659千円等により2,755千円となり、この結果、経常利益は456,754千円となりました。
(特別利益、特別損失及び当期純利益)
特別利益は社有車の売却により1,180千円となり、この結果、税引前当期純利益は457,934千円となりました。また、法人税等合計が124,267千円となり、当期純利益は333,667千円となりました。
c キャッシュ・フローの分析
当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
第20期第3四半期累計期間(自 2019年4月1日 至 2019年12月31日)
a 財政状態の分析
当第3四半期会計期間における財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載しております。
b 経営成績の分析
(売上高)
当第3四半期累計期間の売上高は、4,506,914千円となりました。外販部門における商材の拡販施策や直販部門における新規顧客獲得施策が奏功し、外販部門におけるOEM販売並びに直販部門が伸長することで全体を牽引、その他TV通販部門も堅調に業績を伸ばすことが出来たことで大幅な増収を達成することができました。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は、1,693,277千円となりました。売上高の増加に加え、粗利率の改善やコスト削減努力を推進した結果、売上総利益は、2,813,637千円となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、1,947,998千円となりました。これは主に給与手当、広告宣伝費等の計上によるものであります。この結果、営業利益は865,639千円となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
営業外収益は362千円、営業外費用は支払利息1,655千円等により2,457千円となり、この結果、経常利益は863,543千円となりました。
(特別利益、特別損失及び四半期純利益)
特別利益、特別損失の発生はなく、この結果、税引前四半期純利益は863,543千円となりました。また、法人税等合計が298,693千円となり、四半期純利益は564,850千円となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。また、今後の経営成績に影響を与える課題につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
④ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の運転資金需要のうち主なものは、従業員の給与手当の他、販売費及び一般管理費の営業費用であります。
当社は、事業運営上必要な資金を流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております、短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資や長期運転資金につきましては、金融機関からの長期借入やリースによる調達を基本としております。
なお、第19期事業年度末における有利子負債の残高(リース債務含む)は341,193千円、有利子負債依存度(リース債務を含む)は16.6%と低い水準にあり、事業運営上、必要な資金を安定的に確保していると認識しております。また、第19期事業年度末における現金及び現金同等物の残高は589,273千円となっており、事業運営上、必要な流動性を確保していると認識しております。