有価証券報告書-第13期(令和1年10月1日-令和2年9月30日)

【提出】
2020/12/21 15:01
【資料】
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【項目】
145項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当社グループは「解き尽くす。未来を引きよせる。」をミッションとし、分散したデータを活用可能な形に整理・統合することで価値に変換するデータインテリジェンス能力をもとに複数産業の課題解決に注力しております。
具体的にはデータの利活用によって企業のマーケティングを高度化することを目指すMarTech事業、デジタル化が進んでこなかった市場において生活者(消費者)と事業者を、デジタル化を通じて最適な形でマッチングすることを目指すX-Tech事業を運営しております。
当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴う緊急事態宣言発令による外出自粛により、新規顧客開拓に対して一時的な影響が生じた一方、ビジネスにおけるオンライン活用の重要性が増したことでデジタル化の加速が生じ、当社グループの事業機会が拡大しております。
この結果、当連結会計年度における当社グループの経営成績は、売上高9,347,734千円(前年同期比26.0%増)、営業利益777,786千円(前年同期比291.8%増)、経常利益674,814千円(前年同期比255.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益407,714千円(前年同期比1,765.7%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。また、セグメントの売上高につきましては、外部顧客への売上高を記載しております。
①MarTech事業
MarTech事業は、顧客企業のデータ資産を利活用し、マーケティング活動を高度化することを目指しており、「コンサルティングサービス」「プロダクト」の2形態からなるサービスを提供しております。「コンサルティングサービス」においては、国内企業におけるWebマーケティングの強化及びデータ活用意欲の高まりにより、案件獲得が堅調に推移しました。「プロダクト」においては、ネイティブアド配信プラットフォーム「UZOU」のアルゴリズム開発に注力し、広告主の広告効果最大化及び媒体社の満足度向上に向け取り組みました。
この結果、売上高は5,775,650千円(前年同期比61.8%増)、セグメント利益は1,667,928千円(前年同期比20.4%増)となりました。
②X-Tech事業
X-Tech事業は、デジタル化が進んでこなかった市場において、生活者(消費者)と事業者を、デジタル化を通じて最適な形でマッチングすることを目指しており、主に「イエウール」「ヌリカエ」が属しております。
営業活動が堅調であることに加え、MarTech事業で培ったWebアナリティクス技術を「イエウール」及び「ヌリカエ」に活用した結果、売上獲得に対する広告宣伝費の割合を低減させることにより、利益率の向上を達成しました。また今後の持続的な成長のため、「イエウール」「ヌリカエ」ともに、新規事業の展開へ向けて、ソフトウエア開発に関する投資を強化しております。
この結果、売上高は3,544,608千円(前年同期比41.3%増)、セグメント利益は745,551千円(前年同期比123.9%増)となりました。
③その他
その他には、「Data Platform事業」「海外事業」「ヘルスケア事業」が属しており、サービス拡販に向けて取り組む一方、引き続きサービス開発に注力しました。
この結果、売上高は27,476千円(前年同期比31.1%減)、セグメント損失は428,410千円(前年同期は453,932千円のセグメント損失)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は6,590,437千円となり、前連結会計年度末に比べ3,826,454千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が3,403,173千円、受取手形及び売掛金が383,642千円増加したことによるものであります。固定資産は745,813千円となり、前連結会計年度末に比べ223,209千円増加いたしました。これは主に、ソフトウエアが68,677千円、繰延税金資産が75,017千円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、7,336,251千円となり、前連結会計年度末に比べ4,049,664千円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は2,445,170千円となり、前連結会計年度末に比べ928,802千円増加いたしました。これは主に、買掛金が132,076千円、短期借入金が300,000千円、1年内返済予定の長期借入金が106,682千円、未払金が122,104千円増加したことによるものであります。固定負債は893,608千円となり、前連結会計年度末に比べ42,131千円増加いたしました。これは、長期借入金が50,059千円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は、3,338,778千円となり、前連結会計年度末に比べ970,933千円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は3,997,472千円となり、前連結会計年度末に比べ3,078,730千円増加いたしました。これは主に、資本金が1,333,017千円、資本剰余金が1,333,017千円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が407,714千円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は54.5%(前連結会計年度末は27.9%)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は4,979,609千円となり、前連結会計年度末に比べ3,403,173千円増加いたしました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、638,293千円(前年同期は192,148円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益630,663千円の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、323,955千円(前年同期は152,238千円の使用)となりました。これは主に、敷金及び保証金の差入による支出226,961千円、無形固定資産の取得による支出89,991千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、3,089,993千円(前年同期は54,212千円の獲得)となりました。これは主に、株式の発行による収入2,653,923千円、長期借入れによる収入650,000千円、短期借入れによる収入300,000千円、長期借入金の返済による支出493,259千円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績及び受注実績
当社グループはインターネット上での各種サービスの提供を主たる事業としており、また、受注生産形態をとらない事業も多いため、生産実績及び受注実績の記載を省略しております。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自2019年10月1日
至2020年9月30日)
前年同期比(%)
MarTech事業(千円)5,775,650118.6
X-Tech事業(千円)3,544,608141.3
その他(千円)27,47668.9
合計(千円)9,347,734126.0

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対する割合が10%以上を占める相手先がいないため記載を省略しております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
また、連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
a.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変動が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
b.固定資産の減損
当社グループは、固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、使用価値等の前提条件に基づき算出しております。従って、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、減損処理を行う可能性があります。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上高
当連結会計年度における売上高は、9,347,734千円(前年同期比26.0%増)となりました。これはMarTech事業では取引社数等の増加により売上高が伸長し、X-Tech事業では加盟社数及び利用者数の増加に伴い売上高が伸長したことによるものであります。
b.売上原価
当連結会計年度における売上原価は、4,255,861千円(前年同期比17.7%増)となりました。これは主にMarTech事業による広告配信量の増加に伴う配信原価増加によるものであります。
c.販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、4,314,086千円(前年同期比19.6%増)となりました。これは主に人件費及び広告宣伝費の増加によるものであり、この結果、営業利益は777,786千円(前年同期比291.8%増)となりました。
d.営業外収益、営業外費用、経常利益
当連結会計年度における営業外収益は3,263千円となりました。これは主に助成金収入によるものであります。一方で、営業外費用は106,236千円となりました。これは主に貸倒引当金繰入額、為替差損、上場関連費用、株式交付費によるものであります。この結果、経常利益は674,814千円(前年同期比255.2%増)となりました。
e.特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度において、減損損失44,150千円の計上があったため、税金等調整前当期純利益は630,663千円(前年同期比194.2%増)となりました。法人税等合計222,949千円の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は407,714千円(前年同期比1,765.7%増)となりました。
③キャッシュ・フローの分析
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
④資本の財源及び資金の流動性について
当社グループは、中長期的に持続的な成長を図るため、従業員等の採用にかかる費用、人件費及び広告宣伝費等の販売費及び一般管理費等の営業費用への資金需要があります。
当社グループの運転資金及び設備資金等の財源については、自己資金及び金融機関からの借入により賄っております。当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、4,979,609千円であり、充分な流動性を確保しております。
⑤経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
具体的な指標として、売上高成長率、営業利益率を高い水準で確保していくことを目標としております。
当連結会計年度を含む、直近2連結会計年度の指標の推移は以下のとおりであります。
(単位:%)
2019年9月期2020年9月期
売上高成長率103.6126.0
営業利益率2.78.3

⑥経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの将来の財政状態及び経営成績に重要な影響を与えるリスク要因については、「2 事業等のリスク」に記載しております。
⑦経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。