有価証券報告書-第17期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/03/30 9:15
【資料】
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【項目】
141項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は1,251,044千円となり、前連結会計年度末に比べ735,921千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が705,064千円、繰延税金資産が18,493千円、ソフトウエア(ソフトウエア仮勘定含む)が14,719千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は533,888千円となり、前連結会計年度末に比べ73,395千円増加いたしました。これは主に、前受収益が59,096千円、未払法人税等が14,412千円増加した一方、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)が20,449千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は717,155千円となり、前連結会計年度末に比べ662,525千円増加いたしました。これは主に、当社普通株式の東京証券取引所マザーズへの上場に伴う新株発行、オーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資等により、資本金及び資本準備金が270,121千円ずつ増加したこと、親会社株主に帰属する当期純利益の計上125,222千円による利益剰余金の増加によるものであります。この結果、自己資本比率は57.3%(前連結会計年度末は10.6%)となりました。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、企業収益は大幅な減少が続き、設備投資も減少するなど、依然として厳しい状況が続いております。先行きについては、感染拡大の防止策を講じる中で、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、持ち直しの動きが続くことが期待されますが、内外の感染拡大による下振れリスクの高まりや、金融資本市場の変動等の影響を注視する必要があります。
当社グループが事業展開するソフトウェア業界におきましては、政府が推進する「働き方改革」への取り組みに加え、新型コロナウイルス感染症の影響によるテレワークや在宅勤務の実施などを背景に、企業の生産性向上や業務効率化、テレワークに関連したシステム投資需要は引き続き拡大が見込まれます。
このような状況の中、当社グループは、「仕事をラクに。オモシロく。」というビジョンのもと、オフィスの生産性向上に貢献すべく、企業向けグループウェア製品「rakumo」の機能強化及び更なる拡販に注力しました。
販売面においては、新型コロナウイルス感染症への対応による国内企業のテレワーク移行や在宅勤務環境整備が継続的に進んだこともあり、大企業も含めた新規案件の獲得や、既存顧客の他サービス追加契約(クロスセル)、ライセンス追加契約等により、収益の拡大に繋がりました。2020年12月末における当社グループSaaSサービスのユニークユーザー数は416千人、クライアント数は2,005社となりました。
開発面においては、顧客の継続的な満足度向上を目指し、2019年7月にリリースしたクラウド型勤怠管理システム「rakumoキンタイ」も含めた製品の機能追加や改善等を通年にわたり実施した他、オンラインで閲覧可能なヘルプ・導入サポートコンテンツの拡充や、リモートでのサポート体制構築・提供を行うなど、継続的な顧客サポートの構築・提供に尽力しました。
費用面では、上場に伴う各種費用が増加した一方、コスト削減施策による費用の減少や、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた取り組みの中で、売上原価や営業活動にかかる費用が想定を下回って推移いたしました。
この結果、当連結会計年度の売上高は822,422千円(前連結会計年度比23.7%増)、営業利益は134,317千円(同446.3%増)、経常利益は113,084千円(同460.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は125,222千円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失38,394千円)となりました。
なお、当社グループはITビジネスソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりませんが、サービス別の経営成績は、以下の通りであります。
(SaaSサービス)
当サービスにおいては、新型コロナウイルス感染症の影響により、上期においては大企業を中心に一時的に商談が進捗しなかった案件があったものの、国内企業のテレワーク移行や在宅勤務環境整備に伴い、中小規模顧客からの新規案件獲得が進んだことに加え、既存顧客からの他サービス追加契約(クロスセル)やライセンス追加契約が継続的に発生しました。
また、下期においては大手クライアントへ営業リソースを集中させたこともあり、継続商談となっていた大企業案件も成約に至り、ユニークユーザー数や収益の増加に繋がりました。
この結果、SaaSサービスの売上高は679,811千円(前連結会計年度比28.4%増)となりました。
(ソリューションサービス)
当サービスにおいては、ライセンスサービスに関する導入支援案件の受注・提供の他、業務支援案件等の受注・提供を行っておりますが、売上高は45,359千円(前連結会計年度比10.5%減)となりました。
なお、当社グループの製品は、直感的に理解でき、幅広いお客様に利用しやすい操作画面やプロセスのデザインにより、原則として導入作業から運用段階まで、導入クライアント様自らが実施していただけるように設計することを主眼に置きながらプロダクト開発をしていることもあり、ライセンスサービスに関する導入支援案件の売上高減少は、当社として目指している方向性と概ね一致しております。
(ITオフショア開発サービス)
当サービスにおいては、既存顧客からのラボ型開発案件が継続的に推移したことに加え、新規顧客からの案件受注により、売上高は97,251千円(前連結会計年度比14.8%増)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ705,089千円増加し、当連結会計年度末には987,414千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は258,897千円(前年同期比124.1%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上113,084千円、前受収益の増加額59,103千円、減価償却費の計上41,592千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は52,496千円(同21.3%減)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出50,452千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は501,121千円(前年同期は36,665千円の取得)となりました。これは主に、株式の発行による収入521,570千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をサービス別に示すと、次のとおりであります。
サービスの名称前連結会計年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
当連結会計年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
金額(千円)前年同期比(%)金額(千円)前年同期比(%)
SaaSサービス529,461121.4679,811128.4
ソリューションサービス50,690162.045,35989.5
ITオフショア開発サービス84,693127.297,251114.8
合計664,845124.5822,422123.7

(注)1.当社グループは、ITビジネスソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。上記ではサービス別の販売実績を記載しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
当連結会計年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
ソフトバンク株式会社99,37114.9147,61617.9
株式会社電算システム91,10213.7107,09513.0
株式会社USEN Smart Works73,99111.187,67810.7
株式会社オープンハウス66,80910.067,4468.2

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.株式会社USEN Smart Worksは、株式会社USEN ICT Solutionsの分社化によりクラウド事業を継承し、2019年5月より事業を開始しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態に関する状況は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載しております。
また、経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。
(売上高)
当社グループの主要サービスは、料金を顧客企業の使用期間及びユーザー数に応じて定期定額契約(サブスクリプション)として課金することで、継続的な収益(リカーリングレベニュー)を得ることができる「サブスクリプション型リカーリングレベニューモデル」であるため、売上高及び営業利益を特に重視しております。
当連結会計年度における売上高は、822,422千円(前年同期比23.7%増)となりました。サービス別の売上高につきましては「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載しております。
(売上原価及び売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、341,745千円(前年同期比9.4%増)となりましたが、売上原価率は前連結会計年度の47.0%から5.4ポイント改善し、41.6%となりました。これは、当社グループの主要サービスである「SaaSサービス」において、売上高の成長に加え、変動費率((Google社向けサーバー費用+salesforce.com社のプラットフォーム利用料)÷SaaSサービス売上高)が当連結会計年度末時点で11.5%となり、高い限界利益率(88.5%)を実現できたことによるものであります。
この結果、売上総利益は480,677千円(前年同期比36.4%増)となりました。
(販売費及び一般管理費並びに営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、346,359千円(前年同期比5.6%増)となりましたが、売上高販管費率は前連結会計年度の49.3%から7.2ポイント改善し、42.1%となりました。これは、売上高の成長に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた取り組みの中で、各種費用を抑制できたことによるものであります。
この結果、営業利益は134,317千円(前年同期比446.3%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、51千円(前連結会計年度は67千円)となりました。これは、受取利息、その他によるものであります。
また、営業外費用は21,284千円(前連結会計年度は4,456千円)となりました。これは主に、株式交付費及び上場関連費用によるものであります。
この結果、経常利益は113,084千円(前年同期比460.0%増)となりました。
(特別利益、特別損失及び親会社株主に帰属する当期純損失)
当連結会計年度における特別利益は発生しておりません(前連結会計年度も発生しておりません)。
また、特別損失は発生しておりません(前連結会計年度は57,376千円)。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は125,222千円(前連結会計年度は38,394千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきまして、当社グループの主な資金需要は、労務費、サービス提供のためのライセンス原価やプラットフォーム利用料、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。これらにつきましては、基本的に営業活動によるキャッシュ・フローや自己資金を充当し、投資が必要な場合には状況に応じて金融機関からの借入や各種資本政策等による資金調達で対応していくこととしております。
なお、当連結会計年度末時点において、現金及び預金が1,037,860千円、有利子負債控除後のネット・キャッシュも952,874千円あるため、当社グループにおきましては、当面の資金流動性に影響は与えないものと考えております。
また、当社グループのビジネス特性上、新型コロナウイルス感染症による資金繰りへの影響は限定的と考えております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
なお、当連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、直近では顧客のテレワーク環境整備のためのインフラ投資が見込まれる一方、顧客の業績悪化に伴う投資抑制の動きなど不透明な状況が予想されますが、現時点では業績等への影響は限定的であると判断しております。
重要な会計方針のうち、見積りや仮定等により連結財務諸表に重要な影響を与えると考えている項目は次のとおりであります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは、「仕事をラクに。オモシロく。」というビジョンのもと、企業の業務の生産性向上に貢献するサービスを提供すべく、事業を展開しており、主な経営指標として売上高及び営業利益を特に重視しております。
当連結会計年度における売上高は、SaaSサービスを中心とした売上高の継続的な拡大により822,422千円(前年同期比23.7%増)となりました。
営業利益においては、前連結会計年度より利益創出フェーズに入り、24,584千円の営業利益を計上できました。当連結会計年度においては売上高が伸長したことに加え、営業費用(売上原価及び販売管理費)は変動費が少なく固定費が中心であることから、売上原価率及び販管費率が改善し、134,317千円の営業利益(前年同期比446.3%増)となりました。
なお、2020年12月末のクライアント数は2,005社(2019年12月末比201社増)、ユニークユーザー数は416千人(同43千人増)となりました。また、当連結会計年度におけるストック収益であるSaaSサービスの成長率は28.4%(前年同期間は21.4%)、解約率は0.93%(同1.13%)となりました。
今後におきましても引き続き、企業向けグループウェア製品「rakumo」の機能強化及び更なる拡販に注力してまいります。販売パートナー及びプラットフォームパートナー(Google社、salesforce.com社)とのリレーション強化や、マーケティングを含む自社販売体制の更なる強化により、ユニークユーザー数の増加(新規販売先の増加含む)に繋げてまいります。
また、継続的な既存製品の強化・改善やサポート体制のさらなる充実・改善により、お客様のニーズを汲み取ったサービスを提供することで、お客様満足度の向上に繋げ、契約継続率の維持・向上、クロスセル(複数製品販売)の拡大によるユーザー1人当たりの単価増加にも取り組んでまいります。
なお、当社グループが今後の業容を拡大し、より良いサービスを継続的に展開していくために、経営者は「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するために、経営者は、常に外部環境の構造やその変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を確認し、その間の課題を認識すると同時に最適な解決策を実施していく方針であります。

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