有価証券報告書-第20期(2023/01/01-2023/12/31)

【提出】
2024/03/27 9:29
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【項目】
141項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は2,670,417千円となり、前連結会計年度末に比べ893,813千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が453,411千円、のれんが205,255千円、顧客関連資産が201,163千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は1,305,227千円となり、前連結会計年度末に比べ681,113千円増加いたしました。これは主に、転換社債型新株予約権付社債が500,000千円、契約負債が90,184千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は1,365,189千円となり、前連結会計年度末に比べ212,700千円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益196,434千円を計上したことにより、利益剰余金が増加したことによるものであります。なお、純資産は堅調に増加したものの、転換社債型新株予約権付社債の調達及び株式会社アイヴィジョンを連結子会社としたことにより、自己資本比率は50.9%(前連結会計年度末は64.9%)となりました。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が5類へ移行し、社会経済活動の正常化が進む中、設備投資等一部に足踏みがみられるものの、企業収益や雇用情勢に改善の動きが見られる等、緩やかに回復しました。先行きについては、雇用・所得環境が改善するもとで、各種政策の効果もあり、緩やかな回復が続くことが期待されます。一方、世界的な金融引締めに伴う影響や中国経済の先行き懸念等、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇や中東地域をめぐる情勢、金融資本市場での変動等の影響に十分注意する必要があり、依然として不透明な状況にあります。
当社グループが事業展開するソフトウェア業界におきましては、企業の生産性向上や業務効率化、テレワーク、DX等に関連したシステムへの投資需要拡大が引き続き見込まれます。ポストコロナでの「新しい働き方」の定着として政府は、テレワークの環境整備や活用、デジタル人材の育成、DXの加速等を進めております。
かかる状況のもと、当社は2023年5月にアドバンテッジアドバイザーズ株式会社との間において、事業提携契約を締結するとともに、同社親会社及び同社を含むアドバンテッジパートナーズグループの役職員が間接的に出資するファンドに対して、第8回新株予約権及び第1回無担保転換社債型新株予約権付社債を発行いたしました。
本事業提携及びファイナンスにより、当社の自己資本充実と財務基盤の健全化・強化を図りながら、同社から得られる経営戦略、事業戦略、人事戦略及びM&A戦略等に関するアドバイスにより経営改革を推し進めております。
また、2023年7月3日付で、企業の決算説明会等におけるIR動画や、会社紹介・サービス紹介動画を中心とした映像制作・配信事業を提供している株式会社アイヴィジョンの全株式を取得し、連結子会社といたしました。本連結子会社化により、当社グループ及び当社グループのパートナー網を活用し、同社サービスの利用社数拡大に取り組んでおります。加えて、同社が有する動画領域の特許技術や各種ノウハウを共有・吸収することで、当社グループのサービス開発・運営にも活かしてまいる所存です。
このような状況の中、当社グループは、『仕事をラクに。オモシロく。』というビジョンのもと、『次のいつもの働き方へ。』をミッションに掲げ、オフィスの生産性向上に貢献すべく、企業向けグループウェア製品「rakumo」、社内SNS型日報アプリ「gamba!」、IR動画配信システム「SmartVision IR」等の機能強化及び更なる拡販に注力しました。
販売面においては、各種展示会への出展や販売パートナーとのセミナー実施等、売上増加に向けた関係強化に取り組みました。また、インサイドセールス(電話やメール等を活用したリード獲得)の内製化や、各種マーケティング施策にも積極的に取り組むことで、新たな案件創出に尽力しました。
加えて、クライアントニーズを勘案した既存製品の機能追加・改善や、製品の活用を促すための能動的なオンボーディング施策を実施する等、お客様満足度の向上や解約率の低減にも努めました。
費用面では、為替変動による影響や、子会社買収に伴うのれん償却額(顧客関連資産の償却費含む)の増加等があったものの、継続的な費用低減施策や、売上高の順調な成長により、売上原価率及び販管費率は改善いたしました。
なお、足元の為替相場における円安の著しい進行やインフレに伴い、サーバー費用や人件費を含む開発コスト、サービス提供費用等、各種費用の増加による事業環境の変化を受け、2024年4月1日より、一部rakumo製品の利用料金改定を行うことといたしました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は1,295,450千円(前連結会計年度比18.1%増)、営業利益は303,978千円(同30.9%増)、経常利益は296,851千円(同31.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は196,434千円(同6.4%増)となりました。
なお、当社グループはITビジネスソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりませんが、サービス別の経営成績は、以下の通りであります。
(SaaSサービス)
rakumo関連サービスにおいては、2023年12月末のクライアント数は2,442社(2022年12月末比108社増)、ユニークユーザー数は563千人(同61千人増)となりました。
売上増加に向け、自社セミナーの開催、Google社や販売パートナー主催セミナーへの参加、展示会・カンファレンスイベント等への出展を行いました。また、パートナーの特徴に応じた顧客アプローチを行うことで、販売パートナーとの関係強化に取り組みました。インサイドセールスの内製化による柔軟・迅速な顧客対応の実施や、各種マーケティング施策にも積極的に取り組むことで、新たな案件創出に尽力しました。
加えて、クライアントニーズを勘案した既存製品の機能追加・改善や、製品間連携を訴求したパック製品の販売強化、顧客属性に応じた能動的なサポート・オンボーディング(活用促進)施策を実施することで、新規クライアントの獲得や、ユニークユーザー数及びユーザー1人当たり単価の増加に取り組みました。
また、社内SNS型日報アプリ「gamba!」、IR動画配信システム「SmartVision IR」等においても同様に、拡販に努めました。
この結果、SaaSサービスの売上高は1,173,587千円(前連結会計年度比22.1%増)となりました。
(ソリューションサービス)
当サ―ビスにおいては、既存顧客への業務支援案件が安定的に推移したことに加え、SaaSサービスに関する導入支援案件等も継続的に受注できたことから、売上高は51,901千円(前連結会計年度比6.4%増)となりました。
(ITオフショア開発サービス)
当サービスにおいては、SaaSサービスに注力したこと、また、本サービスの縮小も図ったことから、前期比で減少いたしました。
この結果、売上高は69,961千円(前連結会計年度比19.7%減)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ453,885千円増加し、当連結会計年度末には1,837,942千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は351,732千円(前連結会計年度比27.9%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上297,840千円、減価償却費の計上52,015千円、未払金の減少額37,659千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は357,872千円(同287.9%増)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出287,533千円、無形固定資産の取得による支出53,119千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は455,610千円(前連結会計年度は47,290千円の使用)となりました。これは主に、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入491,512千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループは新規案件について受注残が発生するものの、受注から販売までの期間が短いため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をサービス別に示すと、次のとおりであります。
サービスの名称前連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
当連結会計年度
(自 2023年1月1日
至 2023年12月31日)
金額(千円)前連結会計年度比(%)金額(千円)前連結会計年度比(%)
SaaSサービス960,894117.01,173,587122.1
ソリューションサービス48,775107.751,901106.4
ITオフショア開発サービス87,16189.969,96180.3
合計1,096,831113.81,295,450118.1

(注)1.当社グループは、ITビジネスソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。上記ではサービス別の販売実績を記載しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
当連結会計年度
(自 2023年1月1日
至 2023年12月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
ソフトバンク株式会社204,63618.7222,44117.2
株式会社電算システム147,36713.4178,64213.8
株式会社USEN Smart Works115,20010.5124,7129.6

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態に関する状況は、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載しております。
また、経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。
(売上高)
当社グループの主要サービスは、料金を顧客企業の使用期間及びユーザー数に応じて定期定額契約(サブスクリプション)として課金することで、継続的な収益(リカーリングレベニュー)を得ることができる「サブスクリプション型リカーリングレベニューモデル」であるため、売上高及び営業利益を特に重視しております。
当連結会計年度における売上高は、1,295,450千円(前連結会計年度比18.1%増)となりました。サービス別の売上高につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載しております。
(売上原価及び売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、463,663千円(前連結会計年度比16.0%増)となりましたが、売上原価率は前連結会計年度の36.5%から0.7ポイント改善し、35.8%となりました。これは、当社グループの主要サービスである「SaaSサービス」において、売上高の成長に加え、変動費率((Google社向けサーバー費用+セールスフォース社のプラットフォーム利用料+連結子会社サーバー費用)÷SaaSサービス売上高)が当連結会計年度において引き続き低水準となり、高い限界利益率(約90%)を実現できたことによるものであります。
この結果、売上総利益は831,786千円(前連結会計年度比19.3%増)となりました。
(販売費及び一般管理費並びに営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、527,807千円(前連結会計年度比13.6%増)となりましたが、売上高販管費率は前連結会計年度の42.4%から1.7ポイント改善し、40.7%となりました。これは、売上高の増加(子会社の取得による売上高の増加分含む)によるものであります。この結果、営業利益は303,978千円(前連結会計年度比30.9%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、226千円(前連結会計年度は48千円)となりました。これは主に、受取利息によるものであります。
また、営業外費用は7,354千円(前連結会計年度は6,845千円)となりました。これは主に、為替差損、新株予約権発行費償却、社債発行費償却、投資事業組合運用損によるものであります。
この結果、経常利益は296,851千円(前連結会計年度比31.6%増)となりました。
(特別利益、特別損失及び親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は989千円となりました(前連結会計年度は発生しておりません)。これは、受取和解金によるものであります。
また、特別損失は発生しておりません(前連結会計年度は3,670千円)。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は196,434千円(前連結会計年度比6.4%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきまして、当社グループの主な資金需要は、労務費、サービス提供のためのライセンス原価やプラットフォーム利用料、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。これらの営業費用及び成長に向けた投融資等の必要資金に関しては、営業活動によるキャッシュ・フロー、自己資金及び各種資本政策等による資金調達等、財務状況のバランスを見ながら対応していくこととしております。
なお、当連結会計年度末時点において、現金及び預金が1,888,966千円、有利子負債控除後のネット・キャッシュも1,378,966千円あるため、当社グループにおきましては、当面の資金流動性に影響は与えないものと考えております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っておりますが、実際の結果は、特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。
重要な会計方針のうち、見積りや仮定等により連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があると考えている項目は次のとおりであります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(無形固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
なお、詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループが今後の業容を拡大し、より良いサービスを継続的に展開していくために、経営者は「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対処していくことが必要であると認識しております。それらの課題に対応するために、経営者は、常に外部環境の構造やその変化に関する情報の入手及び分析を行い、現在及び将来における事業環境を確認し、その間の課題を認識すると同時に最適な解決策を実施していく方針であります。

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