有価証券報告書-第10期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/24 15:32
【資料】
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【項目】
114項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における資産合計は、前事業年度末より1,848百万円増加し、34,908百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加4,510百万円、繰延税金資産の増加1,596百万円、商品の減少2,172百万円及びソフトウエア勘定を中心とする無形固定資産の減少2,077百万円によるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債合計は、前事業年度末より1,168百万円減少し、14,944百万円となりました。これは主に、前受金の減少1,206百万円によるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末より3,016百万円増加し、19,964百万円となりました。これは、利益剰余金が3,016百万円増加したことによるものであります。
②経営成績の状況
当事業年度における国内外の経済環境は、米国の通商政策変更に伴う関税リスクや地政学的な緊張の高まり、持続的な物価上昇、ならびに為替相場の不安定な推移など、先行き不透明感が一段と強まる一年となりました。
こうした環境下において、当社はミッションとして「つくろう。世界が愛するカルチャーを。」を掲げ、日本発のエンターテインメント・カルチャーを創出し、世界中のユーザーに届けることで、日本が持つアニメやゲームといったユニークな文化に関わるクリエイターの活躍の場を広げることを目指してまいりました。
当事業年度においては、ライブ/イベントやマーチャンダイジング、ライセンス/タイアップ各分野において事業規模の拡大が継続した一方で、タレント構成やコミュニティ環境の変化を背景に、配信収益ならびに自社EC売上においては短期的な調整局面が見られました。
こうした中、持続的な成長に向けた早期の資産適正化を図るべく、2023年から2024年のSKU拡大期に生産した商品を中心とする低回転在庫の除却および評価減を実施いたしました。あわせて「ホロアース」関連資産についても、開発方針の転換に伴い減損損失を計上しております。後者は、当該プロジェクトで得られた技術的成果を既存事業へ集約し、経営資源をタレント活動支援や表現技術の深化といったコア領域へ再配分するための戦略的決定であり、これら一連の構造改革に伴い当期において一時的な費用が発生いたしました。
当社はこうした足許の事業環境を、次の成長サイクルに向けた事業構造を再整備するための重要な局面と位置づけております。商品ポートフォリオの回転・供給・販売計画の整合性精査や、開発投資の規模・進め方・スケジュールの再整理を着実に進めながら、物流インフラの整備や表現技術に係る研究開発、海外事業の一層の強化など、中長期的な成長基盤の確立に向けた先行投資を推進しました。
サービス分野別の業績は、以下のとおりです。
配信/コンテンツ分野においては、前事業年度にデビューした新ユニット「FLOW GLOW」が1周年を迎え、2025年11月のオンライン3Dライブ「MAKE IT, BREAK IT」を通じて着実に成長軌道を描きました。また「ReGLOSS」においても楽曲の再生数拡大やファンコミュニティの成熟が進み、コンテンツ面での基盤強化が継続しました。一方、前述のタレント構成の変化に伴う配信トラフィックの短期的な変動が同分野の売上推移に影響しました。その結果、同分野の売上高は9,137百万円(前期比2.0%減)となりました。
ライブ/イベント分野においては、国内における大型会場でのソロライブやユニット・ライブが多数成功を収めるとともに、海外展開においても着実に実績を積み上げました。特に、前年に引き続き「hololive STAGE World Tour '25 -Synchronize!-」と題した第2回ワールドツアーを実施し、シドニー、香港、バンクーバー、ニューヨーク、ソウル、クアラルンプール、台北の7都市での公演を通じて、各地域のファンとの接点を拡大しました。国内においても、「ReGLOSS」が2025年12月に有明アリーナにて初の単独ライブ「Flashpoint」を開催するなど、新世代タレントによるリアルイベントを通じたファンエンゲージメントの強化が進展しました。年度末には、幕張メッセにて「hololive SUPER EXPO 2026」および「hololive 7th fes. Ridin' on Dreams」をシリーズ初となる3日間開催として実施し、過去最大規模のイベントを成功させました。その結果、同分野の売上高は9,247百万円(前期比18.7%増)となりました。
マーチャンダイジング分野においては、前事業年度より販売を開始したトレーディングカードゲーム『hololive OFFICIAL CARD GAME』が引き続き人気を拡大し、売上の主要な牽引役となりました。また、物流体制の最適化や自社ECの機能拡充、海外向け配送の改善(送料固定化・配送地域の拡充)を通じたユーザー利便性の向上に加え、小売店販路の拡充により、幅広いユーザー層へのリーチを強化しました。その結果、同分野の売上高は23,747百万円(前期比15.6%増)となりました。
ライセンス/タイアップ分野においては、国内外の取引代理店との連携強化や営業体制のさらなる整備を通じて、案件数および取引企業数が引き続き拡大しました。ゲーム・玩具・食品・日用品など多岐にわたる業種との取引が深化したほか、ブランドの認知度向上を背景に大型案件の獲得も進み、法人取引における事業規模の拡大が継続しました。その結果、同分野の売上高は7,198百万円(前期比25.3%増)となりました。
以上の結果、当事業年度における売上高は49,330百万円(前期比13.7%増)、営業利益は7,056百万円(前期比11.8%減)、経常利益は7,068百万円(前期比11.2%減)、当期純利益は3,016百万円(前期比45.7%減)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ4,510百万円増加し、16,008百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動により獲得した資金は7,204百万円(前事業年度は5,285百万円の獲得)となりました。これは主に、増加要因として、税引前当期純利益3,817百万円の計上、棚卸資産の減少2,172百万円、減価償却費1,517百万円の計上、減損損失3,199百万円の計上があった一方で、減少要因として、法人税等の支払による支出2,581百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動により支出した資金は2,701百万円(前事業年度は2,696百万円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出2,128百万円、有形固定資産の取得による支出407百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動による資金の増減はありませんでした(前事業年度は244百万円の収入)。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.仕入実績
当事業年度の仕入実績は、次のとおりであります。
サービスの名称金額(百万円)前期比(%)
マーチャンダイジング7,24590.1
合計7,24590.1

(注)当社はVTuber事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
c.受注実績
当社は概ね受注から役務提供までの期間が短いため、受注実績に関する記載を省略しております。
d.販売実績
当事業年度における販売実績を主要サービスごとに示すと次のとおりであります。
サービスの名称金額(百万円)前期比(%)
配信/コンテンツ9,13798.0
ライブ/イベント9,247118.7
マーチャンダイジング23,747115.6
ライセンス/タイアップ7,198125.3
合計49,330113.7

(注)1.当社はVTuber事業の単一セグメントであるため、上記ではサービス別の販売実績を記載しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
相手先前事業年度当事業年度
販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)
Google LLC7,27516.86,43613.0
株式会社ブシロード2,4465.65,27510.7

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
財務諸表の作成において適用する会計基準等につきましては、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項」の(重要な会計方針)、(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(売上高)
当事業年度の配信/コンテンツ分野におきましては、前事業年度にデビューした新ユニット「FLOW GLOW」が1周年を迎え、2025年11月のオンライン3Dライブ「MAKE IT, BREAK IT」を通じて着実に成長軌道を描きました。また「ReGLOSS」においても楽曲の再生数拡大やファンコミュニティの成熟が進み、コンテンツ面での基盤強化が継続しました。一方、タレント構成の変化に伴う配信トラフィックの短期的な変動が同分野の売上推移に影響しました。
ライブ/イベント分野におきましては、国内における大型会場でのソロライブやユニット・ライブが多数成功を収めるとともに、海外展開においても着実に実績を積み上げました。特に、前年に引き続き「hololive STAGE World Tour '25 -Synchronize!-」と題した第2回ワールドツアーを実施し、シドニー、香港、バンクーバー、ニューヨーク、ソウル、クアラルンプール、台北の7都市での公演を通じて、各地域のファンとの接点を拡大しました。国内においても、「ReGLOSS」が2025年12月に有明アリーナにて初の単独ライブ「Flashpoint」を開催するなど、新世代タレントによるリアルイベントを通じたファンエンゲージメントの強化が進展しました。年度末には、幕張メッセにて「hololive SUPER EXPO 2026」および「hololive 7th fes. Ridin' on Dreams」をシリーズ初となる3日間開催として実施し、過去最大規模のイベントを成功させました。
マーチャンダイジング分野におきましては、前事業年度より販売を開始したトレーディングカードゲーム『hololive OFFICIAL CARD GAME』が引き続き人気を拡大し、売上の主要な牽引役となりました。また、物流体制の最適化や自社ECの機能拡充、海外向け配送の改善(送料固定化・配送地域の拡充)を通じたユーザー利便性の向上に加え、小売店販路の拡充により、幅広いユーザー層へのリーチを強化しました。
ライセンス/タイアップ分野におきましては、国内外の取引代理店との連携強化や営業体制のさらなる整備を通じて、案件数および取引企業数が引き続き拡大しました。ゲーム・玩具・食品・日用品など多岐にわたる業種との取引が深化したほか、ブランドの認知度向上を背景に大型案件の獲得も進み、法人取引における事業規模の拡大が継続しました。
これらの結果、当事業年度の売上高は、49,330百万円(前期比13.7%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は、25,823百万円(前期比19.6%増)となりました。
主な要因は、マーチャンダイジング分野における販売拡大に伴う商品原価の増加、売上高の増加に伴う演者報酬の増加及びライブやイベントの開催に伴う費用の増加によるものであります。
この結果、売上総利益は23,507百万円(前期比7.8%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、16,450百万円(前期比19.2%増)となりました。
主な要因は、グッズ販売に関する諸経費の増加及び、事業規模拡大に伴う人件費や外注費の増加によるものであります。
この結果、営業利益は、7,056百万円(前期比11.8%減)となりました。
(営業外収益、営業外費用及び経常利益)
当事業年度の営業外収益は、69百万円(前期比8.1%減)となりました。これは主に、受取和解金28百万円及び受取利息26百万円を計上したことによるものであります。
当事業年度の営業外費用は、57百万円(前期比49.6%減)となりました。これは主に、支払和解金45百万円及び為替差損9百万円を計上したことによるものであります。
この結果、経常利益は、7,068百万円(前期比11.2%減)となりました。
(特別損益、当期純利益)
当事業年度の特別利益は50百万円となりました。これは主に、諸外国間接税引当金戻入益50百万円を計上したことによるものであります。
当事業年度の特別損失は3,301百万円となりました。これは主に、減損損失3,199百万円、固定資産除却損102百万円を計上したことによるものであります。
法人税等(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額)800百万円を計上した結果、当期純利益は3,016百万円(前期比45.7%減)となりました。
なお、財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」に、キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
事業年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の運転資金需要のうち主要なものは、所属VTuberへの報酬やグッズ制作原価等の売上原価の他、人件費や地代家賃、グッズ販売に伴う倉庫費用や決済手数料等の販売費及び一般管理費といった営業費用であります。
投資を目的とした資金需要は、配信用スタジオの設備更新や新規事業・新規サービスの開発費用等であります。
当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としており、短期運転資金及び設備投資資金共に自己資金での運用を基本としておりますが、資金繰りが悪化する傾向が見受けられる場合には、金融機関による借入やエクイティファイナンスによる外部からの資金調達についても資金需要の額や用途、当該タイミングにおける金利及び資本コストを比較したうえで実施することを想定しております。
なお、第10期事業年度末(2026年3月31日)における現金及び現金同等物の残高は16,008百万円となっております。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、当社の経営成績に影響を与えるおそれがあるリスクが存在していることを認識しております。
これらリスク要因の発生を回避するためにも、運営する事業の強化、人員増強、財務基盤の安定化等、継続的な経営基盤の強化が必要であるものと認識し、実行に努めております。
⑤経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
⑥経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標等」に記載のとおり、主な経営指標として売上高、営業利益、補足的な経営指標としてサービス別売上高を経営上重要な指標として位置付けております。
当社ではYouTube等の動画配信プラットフォームを通じて、所属VTuberによる高頻度なライブ配信、3Dモーション・キャプチャー・スタジオを用いたバーチャルライブ・コンサート、IPアセットを用いたアニメーション・コンテンツ等の供給を行うことに加え、二次創作ガイドラインを定めたうえでファンによる二次創作活動を幅広く奨励しております。
この結果、当社のVTuberは幅広いファンからの支持を得ていると認識しており、魅力的な演者や国内外の主要なクリエイターとの継続的な共創を可能としております。
サービス別売上の推移
(単位:百万円)
サービスの名称前事業年度当事業年度
配信/コンテンツ9,3239,137
ライブ/イベント7,7939,247
マーチャンダイジング20,53923,747
ライセンス/タイアップ5,7447,198
合計43,40149,330

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