有価証券報告書-第112期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/27 14:46
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【項目】
129項目

対処すべき課題

当社は,10年後のあるべき姿を示す長期ビジョン「Smart Vision 2010」,5年間の方針を定める「中期経営方針2010」に基づき,向こう3ヶ年の経営戦略を示す「経営3ヶ年計画」を,毎年ローリング方式で策定している。
平成26年度を初年度とする現行の「経営3ヶ年計画」では,全国的な労務需給のひっ迫や原材料価格の上昇など,経営環境の変化に対応すべく「建設事業における収益力の向上」を第一の柱としながらも,新たな領域にも事業基盤を確立していくための施策を打ち出す内容となっている。
要旨は以下のとおりである。
なお,「中期経営方針2010」については,平成26年度で5年目を迎えるため,経営を取り巻く環境の変化を踏まえながら,新たな方針を検討している。
また,引き続き,品質・安全の確保,工程管理の徹底を図り,信頼性の向上に努めていく。
「経営3ヶ年計画(平成26~28年度)」(要旨)
〈経営方針〉
「社会の変化・市場の動向を的確に捉え,建設事業の収益力強化の徹底と事業領域拡大への挑戦を進め,シミズグループの安定的な成長を実現する」
〈重点施策〉
1.建設業における収益力の向上
・ プロジェクトの上流段階からの計画的な利益確保
・ 営業力,提案力,技術力の強化による受注拡大
・ 長期案件及び大型案件への取組み強化
・ プロセス管理の徹底と交渉力強化による施工段階での利益確保
2.「環境・エネルギー,防災・減災」等の社会ニーズに適応したソリューション活動の強化
・「環境」と「事業継続」を融合したecoBCP※ソリューション推進による案件の創出
※ecoBCP:非常時の事業継続機能(BCP)を考慮したうえで,平常時の
節電・省エネ(eco)を実現するという考え方。
・安全・安心な社会に向けた,防災・減災と社会インフラ再生への取組み強化
・ecoBCP並びに防災・減災技術を基軸とした震災復興・国土強靭化への貢献
3.新たな事業領域の拡大に向けた事業基盤の確立
・関係会社との連携の一層の強化によるBSP※事業の推進
※BSP:Building Service Providerの略。
竣工後の施設運営管理サービスを総合的に提供するもの。
・官民連携による,社会インフラ,再生可能エネルギー,農林水産関連分野等における
プロジェクトの創出・推進
・エネルギー事業分野における取組方針・役割の確立
・新規事業の円滑な推進に向けた外部ネットワークの構築と,専門性を備えた人材の
確保・育成
4.事業環境の変化を見据えた経営の効率化とCSR経営の実践
・事業量の変化や事業領域の拡大を見据えた,経営資源の最適配分の実践
・コンプライアンス順守と経営リスク管理の徹底
当社グループは,国内・海外で建設事業を営むだけでなく,様々な分野に事業展開を図っていく。
「投資開発」の分野においては,例えば,近年の通販・電子商取引市場の拡大や企業の物流効率化ニーズに対応して,当社の総合力を結集した「S.LOGi」というブランド名で物流施設の開発を手掛けている。
「環境・エネルギー・BCP」の分野においては,独自の技術の提供を行い,より安全・安心な社会の実現を目指し,「ecoBCP」によるエネルギーマネジメントサービス事業を推進し,太陽光,風力,地熱など再生可能エネルギーの分野にも積極的に取組んでいる。
また,「自然共生」の領域から新たな事業を創出すべく,温暖化対策を核に,農業,林業,水産業,再生可能エネルギーなどの分野においても,プロジェクトを進めていく。
以上のような取組みを通じ,コーポレート・メッセージ「子どもたちに誇れるしごとを。」に込めた想いを,役員・従業員全員が日常の諸活動の中で実践し,企業価値の更なる向上を図っていく。