有価証券報告書-第140期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益および雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調で推移しましたが、本年度終盤における新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、景気は急速かつ大幅に下押しされ厳しい状況となりました。
建設業界および当社関連の空調業界におきましては、大都市圏を中心とした大型再開発案件の進展に加え、製造業・非製造業ともに事業拡大に向けた投資が継続するなど、建設需要は総じて底堅い状況を維持する一方、施工従事者不足による労務費の上昇が顕著となるなど、事業運営には慎重な取り組み姿勢と生産性向上が求められる状況で推移いたしました。
このような経営環境のもと、当社は2017年度より開始した3か年グループ中期経営計画「iNnovate on 2019 just move on!」の最終年度において、「空調工事を核とした総合設備工事業への飛躍」に向けた体制構築を進めるとともに「新たな事業創出に向けた活動」と「更なる成長に向けた投資」を継続実施してまいりました。
その結果、当社グループの当期の売上高は、国内・海外ともに設備工事事業が順調に進捗したこともあり、320,893百万円(前期比+0.3%)となりました。
利益につきましては、主として国内における設備工事事業の採算性が向上したことにより、営業利益は17,900百万円(前期比+4.0%)、経常利益は19,286百万円(前期比+5.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益は13,231百万円(前期比+4.9%)となりました。
また、受注高につきましては、国内・海外ともに施工体制を考慮した計画的な受注活動を展開したことから、297,883百万円(前期比△10.8%)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。(セグメントごとの業績については、セグメント間の内部売上高等を含めて記載しております。)
(設備工事事業)
売上高は314,165百万円(前期比+0.4%)、セグメント利益(営業利益)は17,418百万円(前期比+5.7%)となりました。
(設備機器の製造・販売事業)
売上高は7,468百万円(前期比△11.3%)、セグメント利益(営業利益)は417百万円(前期比△37.3%)となりました。
(その他)
売上高は171百万円(前期比+3.5%)、セグメント利益(営業利益)は73百万円(前期比+14.7%)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
①受注高
②売上高
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 当社グループでは生産実績を定義することは困難であるため、「生産の状況」は記載しておりません。
なお、参考のため、提出会社の事業の状況は、次のとおりであります。
設備工事事業における受注工事高および完成工事高の状況
① 受注工事高、完成工事高および繰越工事高
(注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に変更あるものについては、当期受注工事高にその増減額を含んでいるため、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。
② 受注工事高
(注) 受注工事高のうち、主なものは次のとおりであります。
前事業年度
当事業年度
受注工事方法は、特命と競争に大別されます。これを受注金額比で示すと次のとおりであります。
③ 完成工事高
(注) 1 完成工事高のうち、主なものは次のとおりであります。
前事業年度
当事業年度
2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高およびその割合は、次のとおりであります。
④ 手持工事高(2020年3月31日現在)
(注) 手持工事高のうち、主なものは次のとおりであります。
(2) 財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は、現金預金が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて14,093百万円減少し、265,649百万円となりました。
負債合計は、支払手形・工事未払金等が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて13,747百万円減少し、139,787百万円となりました。
また、純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益を計上し利益剰余金が増加したものの、自己株式が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて346百万円減少し、125,861百万円となりました。
(3) キャッシュ・フロー
①キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ18,700百万円減少し、36,526百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、6,369百万円の支出(前連結会計年度は14,892百万円の収入)となりました。これは主に仕入債務の減少などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、8,187百万円の支出(前連結会計年度比△2,117百万円)となりました。これは主に有形及び無形固定資産の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、4,199百万円の支出(前連結会計年度比+3,728百万円)となりました。これは主に配当金の支払および自己株式の取得による支出によるものであります。
②資本の財源および資金の流動性に関する情報
当社グループの資金需要は、事業運営に必要な運転資金、設備投資・研究開発・新規事業開発等の成長投資のための資金および株主還元のための資金等であります。2019年度の実績は設備投資額126億69百万円、研究開発費13億56百万円、株主還元額78億25百万円(配当38億25百万円、自己株式取得40億円)でありました。設備投資の詳細については「第3 設備の状況」を、研究開発費の詳細については「第2 事業の状況 5 研究開発活動」を、株主還元の詳細については「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をそれぞれご参照ください。
当該資金需要に備えるための資金調達は、主に営業キャッシュ・フローの積み上がりによる自己資金、金融機関からの借入、社債の発行により行っております。
今般の新型コロナウイルス感染症拡大の事態が長期化または更なる感染症拡大やパンデミックにあたる状況が進行すれば、資金調達リスクが顕在化する可能性は高くなります。当社グループは、これらのリスクを回避するため、金融機関との対話および情報連携を常時行うよう努めるとともに、従来の短期融資枠に加え、コミットメントラインの導入の検討や追加の社債発行の検討により、資金調達の安定化・多様化に努めております。
(4) 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当該連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針および見積りは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
見積りにあたっては、過去の実績や見積り時点で入手可能な情報に基づき合理的に判断した上で、見積りが適正であるかについて継続して評価し、必要に応じて見直しを行っております。
しかしながら見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
以下の事項について、連結財務諸表に与える重要性が高いと判断しております。
① 売上高および売上原価の計上基準
売上高の計上は、当連結会計年度末までに進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の工事については工事完成基準を適用しております。工事進行基準の適用にあたっては、将来に発生する原価を合理的に見積った上で実行予算を作成しておりますが、市況の変動等により実行予算が変動した場合は、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 工事損失引当金の計上
当連結会計年度末手持ち工事のうち損失の発生が合理的に見込まれるものについて将来の損失に備えるため、その損失見込額を工事損失引当金として計上しております。損失見込額は、見積り時点で入手可能な情報をもとに算定した実行予算に基づき算定しておりますが、市況の変動等により実行予算が変動した場合は、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ のれんの評価
企業結合により発生したのれんは、金額が僅少なものを除き、その効果が発現されると見込まれる期間で償却するとともに、継続して減損の兆候の有無を検討しております。当該検討にあたっては、被取得企業の事業計画等をもとに、回収可能性について合理的に判断をしておりますが、被取得企業の業績が悪化した場合等には当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 繰延税金資産の回収可能性
当社グループの各社において、将来減算一時差異のうち回収が見込まれると判断する部分について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性について継続して検討を行っておりますが、業績が悪化した場合等にはすでに計上している繰延税金資産を取崩すことにより当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りについては「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」および「第5経理の状況 2財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(追加情報)」をご参照ください。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益および雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調で推移しましたが、本年度終盤における新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、景気は急速かつ大幅に下押しされ厳しい状況となりました。
建設業界および当社関連の空調業界におきましては、大都市圏を中心とした大型再開発案件の進展に加え、製造業・非製造業ともに事業拡大に向けた投資が継続するなど、建設需要は総じて底堅い状況を維持する一方、施工従事者不足による労務費の上昇が顕著となるなど、事業運営には慎重な取り組み姿勢と生産性向上が求められる状況で推移いたしました。
このような経営環境のもと、当社は2017年度より開始した3か年グループ中期経営計画「iNnovate on 2019 just move on!」の最終年度において、「空調工事を核とした総合設備工事業への飛躍」に向けた体制構築を進めるとともに「新たな事業創出に向けた活動」と「更なる成長に向けた投資」を継続実施してまいりました。
その結果、当社グループの当期の売上高は、国内・海外ともに設備工事事業が順調に進捗したこともあり、320,893百万円(前期比+0.3%)となりました。
利益につきましては、主として国内における設備工事事業の採算性が向上したことにより、営業利益は17,900百万円(前期比+4.0%)、経常利益は19,286百万円(前期比+5.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益は13,231百万円(前期比+4.9%)となりました。
また、受注高につきましては、国内・海外ともに施工体制を考慮した計画的な受注活動を展開したことから、297,883百万円(前期比△10.8%)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。(セグメントごとの業績については、セグメント間の内部売上高等を含めて記載しております。)
(設備工事事業)
売上高は314,165百万円(前期比+0.4%)、セグメント利益(営業利益)は17,418百万円(前期比+5.7%)となりました。
(設備機器の製造・販売事業)
売上高は7,468百万円(前期比△11.3%)、セグメント利益(営業利益)は417百万円(前期比△37.3%)となりました。
(その他)
売上高は171百万円(前期比+3.5%)、セグメント利益(営業利益)は73百万円(前期比+14.7%)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
①受注高
セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前連結会計年度比(%) |
(百万円) | (百万円) | ||
設備工事事業 | 327,272 | 290,600 | △11.2 |
設備機器の製造・販売事業 | 6,457 | 7,129 | 10.4 |
その他 | 156 | 153 | △2.2 |
合 計 | 333,887 | 297,883 | △10.8 |
(うち海外) | (50,871) | (47,460) | (△6.7) |
(うち保守・メンテナンス) | (22,956) | (24,638) | (7.3) |
②売上高
セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前連結会計年度比(%) |
(百万円) | (百万円) | ||
設備工事事業 | 312,964 | 314,151 | 0.4 |
設備機器の製造・販売事業 | 6,713 | 6,588 | △1.9 |
その他 | 156 | 153 | △2.2 |
合 計 | 319,834 | 320,893 | 0.3 |
(うち海外) | (47,360) | (47,749) | (0.8) |
(うち保守・メンテナンス) | (23,632) | (25,056) | (6.0) |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 当社グループでは生産実績を定義することは困難であるため、「生産の状況」は記載しておりません。
なお、参考のため、提出会社の事業の状況は、次のとおりであります。
設備工事事業における受注工事高および完成工事高の状況
① 受注工事高、完成工事高および繰越工事高
期別 | 区分 | 前期繰越 工事高 (百万円) | 当期受注 工事高 (百万円) | 計 (百万円) | 当期完成 工事高 (百万円) | 次期繰越 工事高 (百万円) |
前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 一般設備 | 168,763 | 170,058 | 338,821 | 173,935 | 164,885 |
産業設備 | 35,308 | 83,983 | 119,292 | 71,190 | 48,101 | |
計 | 204,071 | 254,042 | 458,113 | 245,126 | 212,987 | |
当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 一般設備 | 164,885 | 140,456 | 305,342 | 165,256 | 140,086 |
産業設備 | 48,101 | 82,069 | 130,171 | 77,695 | 52,476 | |
計 | 212,987 | 222,526 | 435,513 | 242,951 | 192,562 |
(注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に変更あるものについては、当期受注工事高にその増減額を含んでいるため、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2 次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。
② 受注工事高
期別 | 区分 | 官公庁(百万円) | 民間(百万円) | 計(百万円) |
前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 一般設備 | 12,176 | 157,882 | 170,058 |
産業設備 | 767 | 83,216 | 83,983 | |
計 | 12,944 | 241,098 | 254,042 | |
当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 一般設備 | 13,490 | 126,966 | 140,456 |
産業設備 | 37 | 82,032 | 82,069 | |
計 | 13,527 | 208,999 | 222,526 |
(注) 受注工事高のうち、主なものは次のとおりであります。
前事業年度
森ビル㈱ | 虎ノ門麻布台計画A街区 |
森ビル㈱ | 虎ノ門麻布台計画B-2街区 |
㈱竹中工務店 | 神奈川大学みなとみらいキャンパス新築工事 |
㈱大林組 | みらかHDあきる野プロジェクトラボ棟新築 |
㈱大林組 | 宝塚ホテル移転計画 |
当事業年度
清水建設㈱ | 新宿ミラノ座建替え |
鹿島建設㈱ | MM58街区 横浜ゲートタワー新築工事 |
㈱デンソー | デンソー善明1202工場新築 |
国立大学法人 東京医科歯科大学 | 東京医科歯科大学機能強化等 |
㈱大林組 | 平和不動産兜町7地区開発計画新築工事 |
受注工事方法は、特命と競争に大別されます。これを受注金額比で示すと次のとおりであります。
期別 | 区分 | 特命(%) | 競争(%) | 計(%) |
前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 一般設備 | 24.3 | 42.6 | 66.9 |
産業設備 | 11.6 | 21.5 | 33.1 | |
計 | 35.9 | 64.1 | 100.0 | |
当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 一般設備 | 27.1 | 36.0 | 63.1 |
産業設備 | 18.3 | 18.6 | 36.9 | |
計 | 45.4 | 54.6 | 100.0 |
③ 完成工事高
期別 | 区分 | 官公庁(百万円) | 民間(百万円) | 計(百万円) |
前事業年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 一般設備 | 23,613 | 150,322 | 173,935 |
産業設備 | 776 | 70,414 | 71,190 | |
計 | 24,389 | 220,736 | 245,126 | |
当事業年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 一般設備 | 12,920 | 152,335 | 165,256 |
産業設備 | 37 | 77,657 | 77,695 | |
計 | 12,958 | 229,992 | 242,951 |
(注) 1 完成工事高のうち、主なものは次のとおりであります。
前事業年度
㈱竹中工務店 | 大手町二丁目地区第一種市街地再開発事業A棟工区建設工事 |
東急建設㈱ | 渋谷駅南街区プロジェクト |
大成建設㈱ | 札幌創世1.1.1.区北1西1地区第1種市街地再開発事業施設建築物新築 |
㈱大林組 | 新南海会館プロジェクト空調設備工事 |
那覇空港ビルディング㈱ | 那覇空港際内連結ターミナル施設建設 |
当事業年度
㈱竹中工務店 | 虎ノ門四丁目プロジェクト |
東急建設㈱ | 渋谷駅街区東棟新築 |
清水建設㈱ | MM54街区横浜グランゲート |
㈱竹中工務店 | 渋谷パルコ建替計画(A工事) |
大成建設㈱ | ホテルオークラ東京本館建替 |
2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高およびその割合は、次のとおりであります。
前事業年度 | 該当事項はありません。 | ||
当事業年度 | ㈱竹中工務店 | 26,993百万円 | 11.1% |
④ 手持工事高(2020年3月31日現在)
区分 | 官公庁(百万円) | 民間(百万円) | 計(百万円) |
一般設備 | 16,479 | 123,606 | 140,086 |
産業設備 | - | 52,476 | 52,476 |
計 | 16,479 | 176,083 | 192,562 |
(注) 手持工事高のうち、主なものは次のとおりであります。
森ビル㈱ | 虎ノ門麻布台計画A街区 | 2023年3月完成予定 |
清水建設㈱ | 東京ガス田町再開発オフィス棟 | 2020年7月完成予定 |
森ビル㈱ | 虎ノ門麻布台計画B-2街区 | 2023年3月完成予定 |
東京都 | FS都庁第二本庁舎空調改修 | 2020年9月完成予定 |
大成建設㈱ | 東京メトロ銀座駅改修 | 2020年6月完成予定 |
(2) 財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は、現金預金が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて14,093百万円減少し、265,649百万円となりました。
負債合計は、支払手形・工事未払金等が減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて13,747百万円減少し、139,787百万円となりました。
また、純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益を計上し利益剰余金が増加したものの、自己株式が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて346百万円減少し、125,861百万円となりました。
(3) キャッシュ・フロー
①キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ18,700百万円減少し、36,526百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、6,369百万円の支出(前連結会計年度は14,892百万円の収入)となりました。これは主に仕入債務の減少などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、8,187百万円の支出(前連結会計年度比△2,117百万円)となりました。これは主に有形及び無形固定資産の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、4,199百万円の支出(前連結会計年度比+3,728百万円)となりました。これは主に配当金の支払および自己株式の取得による支出によるものであります。
②資本の財源および資金の流動性に関する情報
当社グループの資金需要は、事業運営に必要な運転資金、設備投資・研究開発・新規事業開発等の成長投資のための資金および株主還元のための資金等であります。2019年度の実績は設備投資額126億69百万円、研究開発費13億56百万円、株主還元額78億25百万円(配当38億25百万円、自己株式取得40億円)でありました。設備投資の詳細については「第3 設備の状況」を、研究開発費の詳細については「第2 事業の状況 5 研究開発活動」を、株主還元の詳細については「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をそれぞれご参照ください。
当該資金需要に備えるための資金調達は、主に営業キャッシュ・フローの積み上がりによる自己資金、金融機関からの借入、社債の発行により行っております。
今般の新型コロナウイルス感染症拡大の事態が長期化または更なる感染症拡大やパンデミックにあたる状況が進行すれば、資金調達リスクが顕在化する可能性は高くなります。当社グループは、これらのリスクを回避するため、金融機関との対話および情報連携を常時行うよう努めるとともに、従来の短期融資枠に加え、コミットメントラインの導入の検討や追加の社債発行の検討により、資金調達の安定化・多様化に努めております。
(4) 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当該連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針および見積りは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
見積りにあたっては、過去の実績や見積り時点で入手可能な情報に基づき合理的に判断した上で、見積りが適正であるかについて継続して評価し、必要に応じて見直しを行っております。
しかしながら見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
以下の事項について、連結財務諸表に与える重要性が高いと判断しております。
① 売上高および売上原価の計上基準
売上高の計上は、当連結会計年度末までに進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の工事については工事完成基準を適用しております。工事進行基準の適用にあたっては、将来に発生する原価を合理的に見積った上で実行予算を作成しておりますが、市況の変動等により実行予算が変動した場合は、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 工事損失引当金の計上
当連結会計年度末手持ち工事のうち損失の発生が合理的に見込まれるものについて将来の損失に備えるため、その損失見込額を工事損失引当金として計上しております。損失見込額は、見積り時点で入手可能な情報をもとに算定した実行予算に基づき算定しておりますが、市況の変動等により実行予算が変動した場合は、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ のれんの評価
企業結合により発生したのれんは、金額が僅少なものを除き、その効果が発現されると見込まれる期間で償却するとともに、継続して減損の兆候の有無を検討しております。当該検討にあたっては、被取得企業の事業計画等をもとに、回収可能性について合理的に判断をしておりますが、被取得企業の業績が悪化した場合等には当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 繰延税金資産の回収可能性
当社グループの各社において、将来減算一時差異のうち回収が見込まれると判断する部分について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性について継続して検討を行っておりますが、業績が悪化した場合等にはすでに計上している繰延税金資産を取崩すことにより当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りについては「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」および「第5経理の状況 2財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(追加情報)」をご参照ください。