有価証券報告書-第81期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当期における我が国経済は、持ち直しの動きが続いているものの新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況が続いており、先行きも依然として不透明であります。
このような環境の中、情報ネットワークソリューションサービス事業においては、働き方変革に対応するためのリモートワーク需要、GIGAスクール構想案件、クラウド型コンタクトセンターソリューションが伸長し、第3四半期以降受注は堅調に推移しました。しかしながら、当期にわたりコロナ禍による営業活動への制約や一部のお客さまのICT投資縮小又は延期の影響を受けました。また、前期のマイクロソフト製品のサポート終了に伴うサーバ・PCの更新需要の反動により、受注高、売上高、営業利益とも前年を下回りました。
なお、当年度は中期経営計画の初年度にあたり、お客さまのDX対応や競争力強化を実現するイノベーション・サービス・プロバイダーを目指した施策を開始いたしました。具体的にはニューノーマル時代を迎えて加速するお客さまのDXを支援するデータ利活用サービスや、電子契約サービスの開発に注力いたしました。また、中期経営計画の重点施策である「サービス化による事業構造の変革」として、2020年9月30日に子会社化した㈱コムデザインが第3四半期連結会計期間より業績に寄与しました。
電子デバイス事業においては、車載情報機器向け液晶パネルやSSD販売が伸長し受注高は前期を上回ったものの、新型コロナウイルス感染症の拡大によるHDDや組込みサーバビジネスの減少及び部品供給の逼迫によるFA産業機器の生産調整の影響を受け売上高は減少いたしました。一方、経費が減少したことにより営業利益は増加いたしました。
当期における当社グループの業績は、売上高120,004百万円(前期比4.3%減)、営業利益3,202百万円(同28.2%減)、経常利益3,361百万円(同26.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,346百万円(同25.6%減)となりました。
当連結会計年度におけるセグメント別の状況は次のとおりです。
機器につきましては、第4四半期連結会計期間においてはリモートワークに適した軽量PCの大規模導入商談、GIGAスクール構想案件により、受注高、売上高が堅調に推移しました。通期では金融保険業向けの営業職員用スマートフォン大規模導入商談、行政機関向けのサーバ・ストレージ導入商談が寄与しましたが、前期のマイクロソフト製品サポート終了に伴うサーバ・PCの更新需要の反動により、受注高、売上高、受注残高とも前年を下回りました。
開発・構築につきましては、第3四半期連結会計期間においてコロナ禍で延伸していた商談の受注が進んだ一方、引き続き医療、旅行業、アパレル業、鉄道業のお客さまを中心に商談の延伸及び開発、構築作業の遅延があり、受注高、売上高、受注残高とも前年を下回りました。
サービスにつきましては、新たに販売した機器の保守・運用が引き続き増加したことに加え、第3四半期連結会計期間より㈱コムデザインのクラウド型コンタクトセンターソリューションがコロナ禍による新設及び増席需要により伸長したため、受注高、売上高とも前年を上回りました。
利益面につきましては、減収の影響に加え、大規模な機器導入商談及び開発・構築の延伸に伴う技術者の稼働減少により、原価率が上昇したため前年を下回りました。
この結果、情報ネットワークソリューションサービスは売上高97,848百万円(前期比4.2%減)、営業利益2,960百万円(同31.0%減)となりました。
デバイスビジネスにつきましては、FA機器市場、自動車市場等の需要回復により受注高が増加するものの、市場における部品供給が逼迫し売上高は減少しました。
システムビジネスにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による民生機器向けHDDや流通市場向け組込みサーバの減少に加え、部品供給の逼迫によるFA産業機器の生産調整による影響を受けました。一方、車載情報機器向け液晶パネルやSSD、GIGAスクール構想向けアプライアンスサーバの販売が大幅に伸長したため受注高、売上高ともに堅調に推移しました。
利益面につきましては、車載情報機器ビジネスが堅調に推移したことに加え、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う営業活動の制約により経費が減少したため増益となりました。
また、連結子会社であった㈱三築ツヅキシステムを2020年3月31日に株式譲渡したことにより、売上高が減少いたしました。
この結果、電子デバイスは売上高22,155百万円(前期比4.8%減)、営業利益242百万円(同48.2%増)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末と比較して1,247百万円減少し、76,200百万円となりました。この主な減少要因は、現金及び預金の減少2,528百万円によるものであり、主な増加要因は受取手形及び売掛金の増加1,410百万円によるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末と比較して2,666百万円減少し、45,029百万円となりました。この主な減少要因は、支払手形及び買掛金の減少1,987百万円及びリース債務の減少919百万円によるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末と比較して1,418百万円増加し、31,171百万円となり、自己資本比率は40.6%(前連結会計年度末は38.4%)となりました。この主な増加要因は、親会社株主に帰属する当期純利益2,346百万円の計上によるものであり、主な減少要因は、退職給付に係る調整累計額の減少1,097百万円によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが749百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが1,271百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが2,029百万円の支出となりました。
この結果、現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比較し2,528百万円減少し、15,927百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは749百万円の収入(前期は8,025百万円の収入、前期比90.7%減)となりました。この主な減少要因は、売上債権の増加額1,653百万円(前期は2,438百万円の減少)、仕入債務の減少額2,057百万円(前期は74百万円の減少)等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは1,271百万円の支出(前期は8百万円の支出)となりました。この主な増加要因は、有形固定資産の売却による収入791百万円(前期は1,297百万円の収入)、投資有価証券の売却による収入113百万円(前期は413百万円)等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは2,029百万円の支出(前期は4,950百万円の支出、前期比59.0%減)となりました。この主な減少要因は、短期借入金の純増減額87百万円(前期は2,810百万円の減少)等であります。
④ 仕入、受注及び販売の状況
当社グループは、事業実態をより正確に把握するために子会社を含め経営管理区分を見直し、当連結会計年度より、情報ネットワークソリューションサービスセグメント内の区分を従来のネットワークインテグレーション、システムインテグレーション、サービスビジネスから以下のとおり変更しております。
<変更後の区分>機器 :情報・通信機器の販売
開発・構築:コンサルティング、設計、開発、構築の技術提供
サービス :情報・通信機器、ソフトウエア等の運用・保守、クラウド等の月額サービスの提供
ⅰ) 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、仕入価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ⅱ) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ⅲ) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 主要な販売先につきましては、全ての相手先について、販売実績が合計の100分の10未満のため記載を省略しております。
(2) 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収入・費用に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。経営陣は見積り及び判断に対して、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき継続して評価を行っております。しかし、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。
また、当社グループでは、特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響が先行き不透明のため、正確な見積りが困難でありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証を行っております。
ⅰ) 貸倒引当金
当社グループは、お客さまの支払不能時及び貸付金等の回収懸念時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しております。お客さま及び貸付先の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
ⅱ) たな卸資産
当社グループは、仕掛品については個別法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を、商品及び製品・原材料及び貯蔵品については先入先出法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しております。
ⅲ) 受注損失引当金
システム開発の請負等に係る受注案件については、仕様確定に関する不備、プロジェクト体制の問題、技術的な検証不足等の様々な想定外の事象が発生し、プロジェクトが予定された範囲、予算、納期及び品質で実施できなかった場合は、損失等のリスク発生の可能性があります。当事業年度末で将来に損失が発生する可能性が高いと見込まれ、かつ当該損失額を合理的に見積ることが可能なものについては、受注損失に備えるため、将来の損失見積額を計上しております。なお、実際の損失額は見積と異なることがあり、受注損失引当金の計上額は大きく修正される可能性があります。
ⅳ) 投資の減損
当社グループは、長期的な取引関係の維持のために、特定の取引先及び金融機関の株式を所有しております。これらの株式には市場性のある株式と時価の無い株式及び関係会社株式が含まれます。当社グループは投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、投資の減損を計上しております。市場性のある株式の場合、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には全て減損処理を行い、30%以上50%未満下落した場合には、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。時価の無い株式についてはそれらの会社の「1株当たりの簿価純資産額」が50%以上下落した場合、合理的な判断のもと減損しております。
ⅴ) 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、実現(回収)可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性を評価するに当たっては、将来の課税所得及び、慎重かつ実現可能性の高い継続的な税務計画を検討しますが、繰延税金資産の全部又は一部を将来実現(回収)できないと判断した場合、その判断を行った会計年度に繰延税金資産の調整額を費用として計上いたします。
ⅵ) 退職給付制度
確定給付型退職給付制度の退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
② 当連結会計年度の経営成績の分析
ⅰ) 売上高
売上高は、コロナ禍のテレワーク需要が堅調に推移した一方で、開発・構築案件の延伸や電子デバイスのサプライチェーン停滞等の影響を受けたことに加えて、情報ネットワークソリューションサービス事業において、前期のマイクロソフト製品サポート終了に伴うサーバ・PCの更新需要の反動が影響したことにより、前期比5,362百万円減(4.3%減)の120,004百万円となりました。
ⅱ) 売上総利益
売上総利益は、不採算案件が減少した一方で、減収に加えて、大規模な機器導入商談及び開発・構築の延伸に伴う技術者の稼働減少により、原価率が上昇したことにより、前期比1,609百万円減(7.0%減)の21,465百万円となりました。
ⅲ) 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は、コロナ禍での外出自粛等による営業活動を制約したことにより、前期比354百万円減(1.9%減)の18,263百万円となりました。
ⅳ) 営業利益
営業利益は、上記要因により、前期比1,254百万円減(28.2%減)の3,202百万円となりました。
ⅴ) 経常利益
経常利益は、営業利益の減益により、前期比1,216百万円減(26.6%減)の3,361百万円となりました。
ⅵ) 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の減益により、前期比809百万円減(25.6%減)の2,346百万円となりました。
③ 当連結会計年度の財政状態の分析
ⅰ) 資産
資産は、売上債権及び投資有価証券等が増加する一方で、現金及び預金及びたな卸資産等が減少したことにより、前連結会計年度末と比較して1,247百万円減少し、76,200百万円となりました。
ⅱ) 負債
負債は、退職給付に係る負債等が増加する一方で、仕入債務及びリース債務等が減少したことにより、前連結会計年度末と比較して2,666百万円減少し、45,029百万円となりました。
ⅲ) 純資産
純資産は、自己株式の処分等により、前連結会計年度末と比較して1,418百万円増加し、31,171百万円となり、自己資本比率は40.6%(前連結会計年度末は38.4%)となりました。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
ⅰ) キャッシュ・フロー
キャッシュ・フロー関連指標の推移
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※ いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※ キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを使用しております。
※ 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。
ⅱ) 財務政策
当社グループの運転資金は、自己資金及び借入により調達しております。このうち借入による資金調達につきましては全て金融機関からの借入によっており、当連結会計年度末の残高は、短期借入金が4,894百万円、1年内返済予定の長期借入金が161百万円及び長期借入金が4,443百万円となっております。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
第2[事業の状況] 2[事業等のリスク] ② 事業環境についてをご参照願います。
⑥ 今後の見通し
今後の我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染状況が引き続き消費・企業活動へ影響を及ぼし、先行きの不透明な状況が続くと予想しております。
こうした中、業種によってはICT投資を縮小する動きがある一方、ニューノーマル時代の到来によってデジタル技術による事業革新が進展し、特にリモートワークをはじめとした働き方の変革が多くの企業で求められております。
このような環境において、当社グループは最先端の技術を着実に吸収し「イノベーション」を実現することで、お客さまから信頼されるパートナーであり続けるため、当期より新たな中期経営計画「Innovation 2023」を開始いたしました。中期経営計画では重点施策として「サービス化による事業構造の変革」、「データドリブンビジネス※1の推進」、「経営基盤の強化」に取り組み、顧客価値の最大化を目指してまいります。
具体的にはお客さまの働き方変革を支援するサービスとして、リモートワークの環境整備、ゼロトラスト・セキュリティの構築、電子契約サービスの導入に注力いたします。また、コロナ禍において重要性が高まるコンタクトセンター向けにクラウドサービスの高度化を図ります。さらに、電子デバイス事業の収益力強化の取組みを加速いたします。
※1 データドリブンビジネス…戦略立案や意思決定に役立てるため、あらゆるデータを総合的に分析し、利活用を図ることで、新たなデータ起点のビジネスを創出すること。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当期における我が国経済は、持ち直しの動きが続いているものの新型コロナウイルス感染症の影響により厳しい状況が続いており、先行きも依然として不透明であります。
このような環境の中、情報ネットワークソリューションサービス事業においては、働き方変革に対応するためのリモートワーク需要、GIGAスクール構想案件、クラウド型コンタクトセンターソリューションが伸長し、第3四半期以降受注は堅調に推移しました。しかしながら、当期にわたりコロナ禍による営業活動への制約や一部のお客さまのICT投資縮小又は延期の影響を受けました。また、前期のマイクロソフト製品のサポート終了に伴うサーバ・PCの更新需要の反動により、受注高、売上高、営業利益とも前年を下回りました。
なお、当年度は中期経営計画の初年度にあたり、お客さまのDX対応や競争力強化を実現するイノベーション・サービス・プロバイダーを目指した施策を開始いたしました。具体的にはニューノーマル時代を迎えて加速するお客さまのDXを支援するデータ利活用サービスや、電子契約サービスの開発に注力いたしました。また、中期経営計画の重点施策である「サービス化による事業構造の変革」として、2020年9月30日に子会社化した㈱コムデザインが第3四半期連結会計期間より業績に寄与しました。
電子デバイス事業においては、車載情報機器向け液晶パネルやSSD販売が伸長し受注高は前期を上回ったものの、新型コロナウイルス感染症の拡大によるHDDや組込みサーバビジネスの減少及び部品供給の逼迫によるFA産業機器の生産調整の影響を受け売上高は減少いたしました。一方、経費が減少したことにより営業利益は増加いたしました。
当期における当社グループの業績は、売上高120,004百万円(前期比4.3%減)、営業利益3,202百万円(同28.2%減)、経常利益3,361百万円(同26.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,346百万円(同25.6%減)となりました。
当連結会計年度におけるセグメント別の状況は次のとおりです。
| 情報ネットワークソリューションサービス |
機器につきましては、第4四半期連結会計期間においてはリモートワークに適した軽量PCの大規模導入商談、GIGAスクール構想案件により、受注高、売上高が堅調に推移しました。通期では金融保険業向けの営業職員用スマートフォン大規模導入商談、行政機関向けのサーバ・ストレージ導入商談が寄与しましたが、前期のマイクロソフト製品サポート終了に伴うサーバ・PCの更新需要の反動により、受注高、売上高、受注残高とも前年を下回りました。
開発・構築につきましては、第3四半期連結会計期間においてコロナ禍で延伸していた商談の受注が進んだ一方、引き続き医療、旅行業、アパレル業、鉄道業のお客さまを中心に商談の延伸及び開発、構築作業の遅延があり、受注高、売上高、受注残高とも前年を下回りました。
サービスにつきましては、新たに販売した機器の保守・運用が引き続き増加したことに加え、第3四半期連結会計期間より㈱コムデザインのクラウド型コンタクトセンターソリューションがコロナ禍による新設及び増席需要により伸長したため、受注高、売上高とも前年を上回りました。
利益面につきましては、減収の影響に加え、大規模な機器導入商談及び開発・構築の延伸に伴う技術者の稼働減少により、原価率が上昇したため前年を下回りました。
この結果、情報ネットワークソリューションサービスは売上高97,848百万円(前期比4.2%減)、営業利益2,960百万円(同31.0%減)となりました。
| 電子デバイス |
デバイスビジネスにつきましては、FA機器市場、自動車市場等の需要回復により受注高が増加するものの、市場における部品供給が逼迫し売上高は減少しました。
システムビジネスにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による民生機器向けHDDや流通市場向け組込みサーバの減少に加え、部品供給の逼迫によるFA産業機器の生産調整による影響を受けました。一方、車載情報機器向け液晶パネルやSSD、GIGAスクール構想向けアプライアンスサーバの販売が大幅に伸長したため受注高、売上高ともに堅調に推移しました。
利益面につきましては、車載情報機器ビジネスが堅調に推移したことに加え、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う営業活動の制約により経費が減少したため増益となりました。
また、連結子会社であった㈱三築ツヅキシステムを2020年3月31日に株式譲渡したことにより、売上高が減少いたしました。
この結果、電子デバイスは売上高22,155百万円(前期比4.8%減)、営業利益242百万円(同48.2%増)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末と比較して1,247百万円減少し、76,200百万円となりました。この主な減少要因は、現金及び預金の減少2,528百万円によるものであり、主な増加要因は受取手形及び売掛金の増加1,410百万円によるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末と比較して2,666百万円減少し、45,029百万円となりました。この主な減少要因は、支払手形及び買掛金の減少1,987百万円及びリース債務の減少919百万円によるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末と比較して1,418百万円増加し、31,171百万円となり、自己資本比率は40.6%(前連結会計年度末は38.4%)となりました。この主な増加要因は、親会社株主に帰属する当期純利益2,346百万円の計上によるものであり、主な減少要因は、退職給付に係る調整累計額の減少1,097百万円によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが749百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが1,271百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが2,029百万円の支出となりました。
この結果、現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比較し2,528百万円減少し、15,927百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは749百万円の収入(前期は8,025百万円の収入、前期比90.7%減)となりました。この主な減少要因は、売上債権の増加額1,653百万円(前期は2,438百万円の減少)、仕入債務の減少額2,057百万円(前期は74百万円の減少)等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは1,271百万円の支出(前期は8百万円の支出)となりました。この主な増加要因は、有形固定資産の売却による収入791百万円(前期は1,297百万円の収入)、投資有価証券の売却による収入113百万円(前期は413百万円)等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは2,029百万円の支出(前期は4,950百万円の支出、前期比59.0%減)となりました。この主な減少要因は、短期借入金の純増減額87百万円(前期は2,810百万円の減少)等であります。
④ 仕入、受注及び販売の状況
当社グループは、事業実態をより正確に把握するために子会社を含め経営管理区分を見直し、当連結会計年度より、情報ネットワークソリューションサービスセグメント内の区分を従来のネットワークインテグレーション、システムインテグレーション、サービスビジネスから以下のとおり変更しております。
<変更後の区分>機器 :情報・通信機器の販売
開発・構築:コンサルティング、設計、開発、構築の技術提供
サービス :情報・通信機器、ソフトウエア等の運用・保守、クラウド等の月額サービスの提供
ⅰ) 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメント | 仕入高(百万円) | 前期比(%) |
| 情報ネットワークソリューションサービス | 35,313 | 88.1 |
| 電子デバイス | 19,816 | 98.7 |
| 合計 | 55,130 | 91.6 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、仕入価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ⅱ) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメント | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) | |
| 情報ネットワークソリューションサービス | 97,134 | 97.4 | 14,584 | 95.3 | |
| 機器 | 43,733 | 98.2 | 8,825 | 94.9 | |
| 開発・構築 | 14,296 | 79.4 | 3,630 | 94.2 | |
| サービス | 39,104 | 105.3 | 2,128 | 99.2 | |
| 電子デバイス | 24,521 | 113.9 | 7,882 | 142.9 | |
| 合計 | 121,655 | 100.4 | 22,467 | 107.9 | |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ⅲ) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメント | 販売高(百万円) | 前期比(%) | |
| 情報ネットワークソリューションサービス | 97,848 | 95.8 | |
| 機器 | 44,207 | 98.7 | |
| 開発・構築 | 14,518 | 73.8 | |
| サービス | 39,122 | 103.9 | |
| 電子デバイス | 22,155 | 95.2 | |
| 合計 | 120,004 | 95.7 | |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 主要な販売先につきましては、全ての相手先について、販売実績が合計の100分の10未満のため記載を省略しております。
(2) 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収入・費用に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。経営陣は見積り及び判断に対して、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき継続して評価を行っております。しかし、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。
また、当社グループでは、特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響が先行き不透明のため、正確な見積りが困難でありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証を行っております。
ⅰ) 貸倒引当金
当社グループは、お客さまの支払不能時及び貸付金等の回収懸念時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しております。お客さま及び貸付先の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
ⅱ) たな卸資産
当社グループは、仕掛品については個別法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を、商品及び製品・原材料及び貯蔵品については先入先出法による原価法(貸借対照表価額については収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しております。
ⅲ) 受注損失引当金
システム開発の請負等に係る受注案件については、仕様確定に関する不備、プロジェクト体制の問題、技術的な検証不足等の様々な想定外の事象が発生し、プロジェクトが予定された範囲、予算、納期及び品質で実施できなかった場合は、損失等のリスク発生の可能性があります。当事業年度末で将来に損失が発生する可能性が高いと見込まれ、かつ当該損失額を合理的に見積ることが可能なものについては、受注損失に備えるため、将来の損失見積額を計上しております。なお、実際の損失額は見積と異なることがあり、受注損失引当金の計上額は大きく修正される可能性があります。
ⅳ) 投資の減損
当社グループは、長期的な取引関係の維持のために、特定の取引先及び金融機関の株式を所有しております。これらの株式には市場性のある株式と時価の無い株式及び関係会社株式が含まれます。当社グループは投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、投資の減損を計上しております。市場性のある株式の場合、期末における時価が取得原価に比べ50%以上下落した場合には全て減損処理を行い、30%以上50%未満下落した場合には、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。時価の無い株式についてはそれらの会社の「1株当たりの簿価純資産額」が50%以上下落した場合、合理的な判断のもと減損しております。
ⅴ) 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、実現(回収)可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性を評価するに当たっては、将来の課税所得及び、慎重かつ実現可能性の高い継続的な税務計画を検討しますが、繰延税金資産の全部又は一部を将来実現(回収)できないと判断した場合、その判断を行った会計年度に繰延税金資産の調整額を費用として計上いたします。
ⅵ) 退職給付制度
確定給付型退職給付制度の退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
② 当連結会計年度の経営成績の分析
ⅰ) 売上高
売上高は、コロナ禍のテレワーク需要が堅調に推移した一方で、開発・構築案件の延伸や電子デバイスのサプライチェーン停滞等の影響を受けたことに加えて、情報ネットワークソリューションサービス事業において、前期のマイクロソフト製品サポート終了に伴うサーバ・PCの更新需要の反動が影響したことにより、前期比5,362百万円減(4.3%減)の120,004百万円となりました。
ⅱ) 売上総利益
売上総利益は、不採算案件が減少した一方で、減収に加えて、大規模な機器導入商談及び開発・構築の延伸に伴う技術者の稼働減少により、原価率が上昇したことにより、前期比1,609百万円減(7.0%減)の21,465百万円となりました。
ⅲ) 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は、コロナ禍での外出自粛等による営業活動を制約したことにより、前期比354百万円減(1.9%減)の18,263百万円となりました。
ⅳ) 営業利益
営業利益は、上記要因により、前期比1,254百万円減(28.2%減)の3,202百万円となりました。
ⅴ) 経常利益
経常利益は、営業利益の減益により、前期比1,216百万円減(26.6%減)の3,361百万円となりました。
ⅵ) 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の減益により、前期比809百万円減(25.6%減)の2,346百万円となりました。
③ 当連結会計年度の財政状態の分析
ⅰ) 資産
資産は、売上債権及び投資有価証券等が増加する一方で、現金及び預金及びたな卸資産等が減少したことにより、前連結会計年度末と比較して1,247百万円減少し、76,200百万円となりました。
ⅱ) 負債
負債は、退職給付に係る負債等が増加する一方で、仕入債務及びリース債務等が減少したことにより、前連結会計年度末と比較して2,666百万円減少し、45,029百万円となりました。
ⅲ) 純資産
純資産は、自己株式の処分等により、前連結会計年度末と比較して1,418百万円増加し、31,171百万円となり、自己資本比率は40.6%(前連結会計年度末は38.4%)となりました。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
ⅰ) キャッシュ・フロー
キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 36.2 | 36.4 | 38.4 | 40.6 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 19.6 | 18.6 | 24.8 | 38.2 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 8.4 | 19.8 | 1.7 | 17.1 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 12.8 | 5.3 | 56.6 | 6.1 |
(注) 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※ いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※ キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを使用しております。
※ 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。
ⅱ) 財務政策
当社グループの運転資金は、自己資金及び借入により調達しております。このうち借入による資金調達につきましては全て金融機関からの借入によっており、当連結会計年度末の残高は、短期借入金が4,894百万円、1年内返済予定の長期借入金が161百万円及び長期借入金が4,443百万円となっております。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
第2[事業の状況] 2[事業等のリスク] ② 事業環境についてをご参照願います。
⑥ 今後の見通し
今後の我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染状況が引き続き消費・企業活動へ影響を及ぼし、先行きの不透明な状況が続くと予想しております。
こうした中、業種によってはICT投資を縮小する動きがある一方、ニューノーマル時代の到来によってデジタル技術による事業革新が進展し、特にリモートワークをはじめとした働き方の変革が多くの企業で求められております。
このような環境において、当社グループは最先端の技術を着実に吸収し「イノベーション」を実現することで、お客さまから信頼されるパートナーであり続けるため、当期より新たな中期経営計画「Innovation 2023」を開始いたしました。中期経営計画では重点施策として「サービス化による事業構造の変革」、「データドリブンビジネス※1の推進」、「経営基盤の強化」に取り組み、顧客価値の最大化を目指してまいります。
具体的にはお客さまの働き方変革を支援するサービスとして、リモートワークの環境整備、ゼロトラスト・セキュリティの構築、電子契約サービスの導入に注力いたします。また、コロナ禍において重要性が高まるコンタクトセンター向けにクラウドサービスの高度化を図ります。さらに、電子デバイス事業の収益力強化の取組みを加速いたします。
※1 データドリブンビジネス…戦略立案や意思決定に役立てるため、あらゆるデータを総合的に分析し、利活用を図ることで、新たなデータ起点のビジネスを創出すること。