有価証券報告書-第57期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/24 13:03
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、米中通商対立に端を発する世界経済の鈍化を国内需要が下支えする状況が期後半まで続いておりましたが、新型コロナウイルスの世界的な流行拡大を受け、設備投資、企業収益、個人消費、雇用情勢を含め、国内景気は一気に後退局面となりました。
建設業界においても、労働力不足の問題が持続しているところへ、コロナ禍が追い打ちとなったことで、工期の長期化や工事の中断などが発生し、企業の業績に影響を及ぼすといった兆候も見られました。
このような環境のもと、当社グループの当連結会計年度の事業状況を前期と比較してご報告いたします。 売上高につきましては、水力発電所更新工事などの大型工事案件が減少したことなどにより、前年同期比11,434百万円減少の21,022百万円(前年同期比 35.2%減)となりました。
損益面では、売上高の減少に伴い、営業利益は前年同期比2,046百万円減少の156百万円(前年同期比 92.9%減)となり、経常利益は前年同期比2,034百万円減少の261百万円(前年同期比 88.6%減)となりました。
法人税等を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比1,419百万円減少の170百万円(前年同期比 89.3%減)となりました。
なお、当連結会計年度は、新型コロナウイルスによる工事の中断や資機材の調達遅延等は、一部限定的であったため、連結財務諸表への影響は軽微であります。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(エンジニアリング事業)
水力発電所更新工事などの大型工事案件が減少したことなどにより、売上高は15,032百万円(前年同期比 40.2%減)となりました。
また、損益は経常利益401百万円(前年同期比 84.2%減)となりました。
(パイプ・素材事業)
埋設ガス配管工事などの進行基準による売上もありましたが、中小工事案件も含めた受注が伸び悩み、売上高は6,503百万円(前年同期比 13.1%減)となりました。
一方、損益は、パイプ製造原価及び工事原価の削減などの効果で、経常利益570百万円(前年同期比 1.5%増)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は17,577百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,599百万円減少しました。これは主に受取手形・完成工事未収入金等が1,341百万円減少したことによるものです。固定資産は2,306百万円となり、前連結会計年度末より15百万円減少しました。
この結果、総資産は19,883百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,615百万円減少しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は5,050百万円となり、前連結会計年度末に比べ864百万円減少しました。これは主にその他流動負債が893百万円減少したことによるものです。固定負債は1,100百万円となり、前連結会計年度末より12百万円増加しました。
この結果、負債合計は6,150百万円となり前連結会計年度末に比べ851百万円減少しました。
なお、借入金等の有利子負債はありません。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は13,732百万円となり、前連結会計年度末より764百万円減少しました。これは親会社株主に帰属する当期純利益170百万円の計上及び剰余金の配当842百万円の支払いにより、利益剰余金が672百万円減少したことが主たる要因であります。
この結果、自己資本比率は、69.1%(前連結会計年度 67.4%)となりました。

③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローが114百万円の資金の流出となり、投資活動によるキャッシュ・フロー、財務活動によるキャッシュ・フローは、それぞれ、265百万円、842百万円の資金の流出となりました。
これに、現金及び現金同等物に係る換算差額0百万円を加算した結果、資金は1,221百万円の減少となり、当連結会計年度末には、5,324百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、114百万円の資金の流出(前年同期 資金流入2,004百万円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益254百万円、売上債権の減少による流入増2,026百万円が資金の主な増加要因となる一方、未成工事支出金の増加による支出増712百万円、未成工事受入金の減少による支出増312百万円、その他流動負債の減少による支出増1,011百万円及び法人税等の支払額445百万円などの資金の減少要因があり、これらが相殺された結果によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は265百万円(前年同期比 40.0%支出減)となりました。これは主に定期預金の預入による支出274百万円及び有形固定資産の取得による支出82百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は842百万円(前年同期比 0.0%支出増)となりました。
これは配当金の支払842百万円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため、「生産実績」は記載しておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
エンジニアリング事業20,936,094120.011,579,851203.4
パイプ・素材事業6,642,70685.81,988,296107.5
セグメント間取引消去△710,096-△321,621-
合計26,868,704107.913,246,526178.6

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.売上実績
当連結会計年度の売上実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称売上実績(千円)前年同期比(%)
エンジニアリング事業15,032,35159.8%
パイプ・素材事業6,503,03586.9%
セグメント間取引消去△513,115-
合計21,022,27264.8%

(注)1.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は次のとおりであります。
前連結会計年度
神岡鉱業株式会社 6,588,851千円 20.3%
三井金属鉱業株式会社 3,397,561千円 10.5%
八戸製錬株式会社 3,342,712千円 10.3%
当連結会計年度
三井金属鉱業株式会社 3,632,497千円 17.3%
八戸製錬株式会社 2,114,856千円 10.1%
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。
その作成にあたっての重要な方針・見積りは、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとお
りですが、そのうち見積りの重要度が高いものは以下の通りであります。
1) 完成工事高および完成工事原価の計上基準
完成工事高および完成工事原価の計上基準は、当事業年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準を、その他の工事については工事完成基準を適用しておりますが、工事進行基準においては、工事原価総額の見積りが完成工事高の計上額に影響を与えます。工事原価総額の見積りは実行予算によって行いますが、実行予算作成時には作成時点で入手可能な情報に基づいた施工条件によって工事原価総額を見積り、受注・着工後完成に至るまで随時工事原価総額の検討・見直しを行っております。また、完成工事高計上においては原価比例法を採用しており、実際の工事の進捗率と累計発生原価率との乖離が疑われる場合には、その要因を調査・検討することで計上額の妥当性を検証しております。更に、企業会計基準第15号「工事契約に関する会計基準」に基づき、既契約総額を超える完成工事高は計上しておりません。このように、工事進行基準に基づく完成工事高計上の基礎となる工事原価総額の見積りは適時かつ適切に行っておりますが、将来の損益は見積り金額と異なる場合があります。
2) 工事損失引当金
手持工事のうち損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積ることができる工事について、将来の損失に備えるため、その損失見込み額を計上しております。損失見込み額の算定に際しては現在入手可能な情報に基づいた施工条件によって工事原価総額を適時かつ適切に見積っておりますが、将来の損益は見積り金額と異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(当社グループの当連結会計年度の経営成績等)
米中貿易摩擦の影響により経済的に不安定な状況が続いたうえ、2020年初頭より始まった新型コロナウイルスの世界的拡散によるリーマンショック以来の景気の大減速は、当社の経営環境に大きな影響を与えることが避けられない情勢にあります。そのような中、当連結会計年度においては、銅を始めとしたLME価格の低迷が続いている市場環境によって非鉄関連市場は好転しておらず、当社が関連する非鉄金属製造設備関連においての顧客の設備投資意欲は決して高くない状況が続いております。
これらの経営環境により、当連結会計年度における受注量は例年に比べ少なく、また近年業績の向上に寄与してきた小水力発電設備工事案件の顧客拡大の具体化が進まず、加えて設計・施工の各段階においての人員不足等の影響もあり、作業の効率が上がらず全体の収益を悪化させることとなりました。
これにより、売上高につきましては、国内非鉄金属関連の大型工事案件が前期より減少したことなどから、21,022百万円と前年同期比35.2%減と減収になりました。
損益面につきましては、売上高の減少に伴い、営業利益は前期より2,046百万円減少の156百万円(前年同期比 92.9%減)となり、経常利益は前期より2,034百万円減少の261百万円(前年同期比 88.6%減)と減益になりました。
法人税等を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は、前期より1,419百万円減少の170百万円(前年同期比89.3%減)となりました。
この結果、売上高営業利益率は、前年同期比6.1ポイント減の0.7%、総資産経常利益率は、前年同期比9.1ポイント減の1.3%、自己資本当期純利益率は、前年同期比10.0ポイント減の1.2%となりました。
当社グループの受注高につきましては、26,868百万円と前年同期比7.9%の増加となり、次期繰越受注高は、13,246百万円となり、前年同期比78.6%の増加となりました。
なお、当社グループは、連結売上高営業利益率5%以上を目標とする経営指標に掲げておりますが、当連結会計年度は、0.7%となり、目標を大きく下回る結果となりました。
(当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因)
三井金属グループからの受注高は、前連結会計年度より27百万円増加の14,687百万円(前年同期比 0.2%増)となり、同受注高が連結受注高に占める比率は、前年同期比4.2ポイント減の54.7%となりました。
このうち、三井金属鉱業㈱からの受注高は、前連結会計年度より2,572百万円増加の5,945百万円(前年同期比 76.3%増)となりました。
三井金属グループへの売上高は、前連結会計年度より9,492百万円減少の11,939百万円(前年同期比 44.3%減)となり、同売上高が連結売上高に占める比率は、56.8%となりました。
このうち、三井金属鉱業㈱への売上高は、前連結会計年度より234百万円増加の3,632百万円(前年同期比 6.9%増)となりました。
三井金属グループは、当社にとって主要な顧客でありますが、三井金属グループ以外の企業からの受注高を増やすことも重要な方針としております。
(当社グループの財務状況と資本効率)
新型コロナウイルスの世界的拡散による景気の大幅な後退とその長期化の可能性により、売上低下による業績悪化等が懸念され、短期的な資金繰りの不安が叫ばれつつある昨今、当社におきましては、かねてより健全な財務基盤を維持・安定させることを重要視しております。
当社の当連結会計年度を含む過去3連結会計年度の自己資本比率は、それぞれ60.6%、67.4%、69.1%、また同様に過去3連結会計年度の流動比率は、それぞれ263%、324%、348%であります。有利子負債比率においても、いずれの連結会計年度も0%であり、安定性と流動性という点においては強固な財務基盤を維持しております。
今後もこの財務基盤を安定的に維持することで、顧客からの信頼維持に努めてまいります。
また、自己資本利益率(ROE)については、一般的に8%以上を維持していくことが目安とされる考え方がある中、2018年3月期及び2019年3月期の連結会計年度のROEは、それぞれ、11.7%、11.2%と好調だったものの、当連結会計年度は1.2%と大幅に減少致しました。当社におきましては、健全な経営のためには経営資本効率が重要であることを認識しており、ROEの向上に向けて努力してまいります。
(当社グループの資本の財源及び資金の流動性)
当社グループでは、短期運転資金は内部資金及び金融機関からの短期借入、また、設備投資につきましても内部資金及び金融機関からの短期借入を基本としております。
当連結会計年度末における借入金等の有利子負債はありません。
なお、翌連結会計年度においては、有価証券報告書提出日現在で確定している重要な資本的支出の予定はありません。資本的支出の内容は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(エンジニアリング事業)
エンジニアリング事業は、国内非鉄金属関連の大型工事案件が減少したことなどにより、当連結会計年度の売上高は前年同期比40.2%減の15,032百万円となり、経常利益は前年同期比84.2%減の401百万円となりました。
セグメント資産は9,000百万円となり、前連結会計年度末に比べ934百万円増加しました。
当連結会計年度におきましては、新規海外顧客から銅製錬工程におけるハンドリングマシン類の受注、ガソリンエンジン用触媒プラント設備工事等の受注、また、新たな分野として全固体電池向け固体電解質の量産用試験設備の受注等、新たな顧客や新たな分野での受注を獲得致しました。
翌連結会計年度は、この新たな受注分野での事業展開を更に加速し、業績回復に向けて鋭意努力をしてまいる所存です。また、これに加え、これまで小水力発電設備の建設などの再生可能エネルギー分野での一貫したEPC(Engineering, Procurement and Construction:設計/調達/建設)業務にて経験を積んできた環境・エネルギー等の分野や、生産性を向上させるためのロボットを含めた省力化機械設備分野等においても、新たな事業分野のすそ野を広げるべく、更なる新規受注獲得に取り組むとともに、引き続き徹底したコスト削減の努力も重ねていく所存です。
(パイプ・素材事業)
パイプ・素材事業は、パイプ部門・素材部門とも競合他社との価格競争が厳しくなっている環境において、売上高は前年同期比13.1%減の6,503百万円となり、経常利益は前年同期比1.5%増の570百万円となりました。
セグメント資産は5,578百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,015百万円減少しました。
当連結会計年度におきましては、上下水道関連設備や橋梁添架分野を始めとした従来のパイプ配管設備分野に加え、鉄道関連設備や電力関連設備分野での用途を拡大し、更に今後広く展開が期待される新たな分野への事業展開に注力致しました。これらの新規分野への事業展開をもとに、翌連結会計年度は、業績回復に向けて売上・利益目標の達成とともに、新規用途・新規顧客の開拓、新製品の開発、品質管理の強化に注力致します。

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