四半期報告書-第95期第2四半期(平成30年7月1日-平成30年9月30日)

【提出】
2018/11/06 15:53
【資料】
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【項目】
30項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、堅調な雇用・所得環境を背景に、回復基調が持続しておりますが、米国の保護主義姿勢の強まり等により依然として先行き不透明な状況が続いております。一方、個人消費については、地震や台風等自然災害の影響や、将来不安を背景とした節約志向により、力強さに欠ける状況が続いております。
このような状況の中、当社グループは既存事業の収益力強化を図りつつ、成長分野へ経営資源の再配分を進めることにより、堅固な事業基盤を確保すべく、各施策の実行に鋭意取り組みました。
(砂糖事業)
海外粗糖相場は、期初は12セント前半でスタートしたのち、世界的な需給緩和観測の拡大を受け、一時10セント台まで下落しました。5月末にかけて12セント後半まで値を戻したものの、ブラジルの順調な生産状況や通貨安による輸出環境好転が弱材料となり、8月後半には、10年振りとなる9セント台に達しました。その後、投機資金の流入により、一時11セント後半まで上昇しましたが、軟調気配は依然として変わらず、10セント半ばで期末を迎えました。
一方、生産・販売面では、国際原油価格の高騰による製造変動費や物流費、安定操業のための設備更新による減価償却費等の製造固定費のコストが上昇しました。また、海外粗糖相場の下落を受け、7月下旬に出荷価格の引き下げを実施しました。西日本豪雨の影響により関西・中四国地区の出荷は低調に推移し、9月の台風21号では神戸工場が被害を受ける等、甚大ではないものの、その影響は免れず、結果的に当期の販売量は前年同期を下回りましたが、販売費、一般管理費の削減に努め、営業利益は計画通りの結果となりました。
連結子会社では、生和糖業㈱において原料サトウキビの記録的な低糖度の影響が生じた他、北海道糖業㈱では燃料価格の上昇によるコスト高等を受け、減収減益となりました。
以上の結果、砂糖事業全体では、売上高40,393百万円(前年同期比3.1%減)、営業利益793百万円(前年同期比69.8%減)で、販売費、一般管理費削減の効果もあり、概ね期初計画通りの推移となりました。
期中の砂糖市況
国内市中相場(日本経済新聞掲載、東京上白大袋1kg当たり)
始値189円~190円 高値189円~190円 安値187円~188円 終値187円~188円
海外粗糖相場(ニューヨーク砂糖当限、1ポンド当たり)
始値 12.33セント 高値 12.97セント 安値 9.83セント 終値 10.42セント
(フードサイエンス事業)
フードサイエンス事業は、パラチノース、パラチニットの販売は好調に推移しましたが、パラチノースの仕入単価上昇等により営業利益は前年同期を下回りました。
連結子会社では、ニュートリー㈱が前期に譲り受けた事業の売上減少の他、人件費の増加もあり減収減益となりました。
以上の結果、フードサイエンス事業全体では、売上高9,701百万円(前年同期比0.9%減)、営業利益370百万円(前年同期比29.7%減)となりました。
(不動産事業)
不動産事業は、契約更新を迎えた物件の賃料収入減等により売上高は前年同期を下回りましたが、既存賃貸物件に係る修繕工事や減価償却費の減少等により営業利益は前年同期を上回り、売上高925百万円(前年同期比2.3%減)、営業利益457百万円(前年同期比4.0%増)となりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は51,020百万円(前年同期比2.7%減)、営業利益は1,621百万円(前年同期比54.8%減)となりました。
営業外損益においては、受取ロイヤリティー3,934百万円がありましたが、タイ事業を主因とする持分法による投資損失485百万円を計上したこと等から、経常利益は4,971百万円(前年同期比38.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は3,143百万円(前年同期比41.0%減)となりました。
②財政状態
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末比5,290百万円減少し126,562百万円となりました。連結貸借対照表の主要項目ごとの主な増減要因等は次の通りであります。
ⅰ)流動資産
流動資産は、前連結会計年度末比9,062百万円減少し50,967百万円となりました。これは主として、現金及び預金の減少840百万円、商品及び製品の減少7,152百万円、原材料及び貯蔵品の減少491百万円、仕掛品の減少375百万円等があったことによるものであります。
ⅱ)固定資産
固定資産は、前連結会計年度末比3,772百万円増加し75,594百万円となりました。これは主として、建物及び構築物の増加433百万円、機械装置及び運搬具の増加528百万円、建設仮勘定の増加914百万円、投資有価証券の増加2,154百万円等があったことによるものであります。
ⅲ)負債
負債は、前連結会計年度末比6,775百万円減少し35,205百万円となりました。これは主として、支払手形及び買掛金の減少1,010百万円、借入金の減少3,574百万円、未払法人税等の減少1,266百万円等があったことによるものであります。
ⅳ)純資産
純資産は、前連結会計年度末比1,484百万円増加し91,356百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する四半期純利益3,143百万円、剰余金の配当1,602百万円等があったことによるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は23,822百万円となり、前連結会計年度末と比較して640百万円の減少となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は11,236百万円(前第2四半期連結累計期間は資金の増加14,757百万円)となりました。
これは主として、税金等調整前四半期純利益5,009百万円、減価償却費2,222百万円、たな卸資産の減少8,019百万円等により資金が増加した一方で、法人税等の支払2,924百万円等により資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は6,648百万円(前第2四半期連結累計期間は資金の減少1,035百万円)となりました。
これは主として、有形固定資産の取得による支出3,972百万円等により資金が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は5,228百万円(前第2四半期連結累計期間は資金の減少6,259百万円)となりました。
これは主として、借入金の純減少3,574百万円、配当金の支払1,597百万円等により資金が減少したことによるものであります。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は542百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループは、主力の砂糖事業において、原料となる粗糖が相場商品であること、また製品価格も競争や市場環境等により変動する場合があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このような事業環境下、当社では適切な原料糖調達と適正販売価格帯の維持に努めてまいりました。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原料糖の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、社債及び金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当第2四半期連結累計期間末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は13,324百万円となっております。