四半期報告書-第97期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/02/09 11:15
【資料】
PDFをみる
【項目】
33項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当第3四半期連結累計期間におきまして、当社グループは、各社間の連携を推進し、引き続き既存事業の基盤強化と成長領域の事業拡大に取り組んでまいりました。しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めが掛からず、世界経済の先行き不透明感は依然として強く、当社グループにおきましても各社の販売状況への悪影響が続いております。
このような状況下、フードサイエンス事業の増益、中国関連会社(持分法適用)における販売量の増加による増益などの好要因もあった一方で、受取ロイヤリティーの減少、不動産事業における長田工場跡地の再開発工事の実施、サトウキビ不足によるタイ国関連会社(持分法適用)収益の回復遅れなどにより、グループ全体といたしましては、前年同期比で減収減益となりました。
(砂糖事業)
海外粗糖相場につきましては、4月に約13年ぶりの安値となる9セント台まで急落した後、新型コロナウイルスの感染動向と砂糖需給を巡る思惑が交錯しながら、一時は緩やかな上昇基調で推移いたしました。9月には世界的な金融緩和による投機資金の流入や、タイ国の干ばつによるアジア地域の現物需給の逼迫などにより、14セント前半から15セント半ばの狭いレンジにて小刻みに上下する展開を経て、15セント半ばで当第3四半期末を迎えました。
販売面では、経済活動との両立のための政府の各種施策などにより、一時的に業務用・家庭用の出荷が上向いたものの、その後の新型コロナウイルス感染再拡大による帰省自粛や飲食店への営業時間の短縮要請などにより、土産物や外食向けといった業務用需要が回復するまでには至らず、生産面で安定操業に努めたものの減収減益となりました。
連結子会社では、生和糖業㈱は、サトウキビ生産量の増加や原価率の大幅改善などにより増収増益となりました。北海道糖業㈱は、原料てん菜の豊作に伴い生産量が増加した一方、糖度の低下や製造コストアップに加え、世の中の自粛ムードに伴う販売減退の影響も受けた製品在庫コスト等の負担も増え減益となりました。SIS’88 Pte Ltdは、シンガポール国内の外出規制による家庭用需要の増加があったものの、収益回復までには至らず減収減益となりました。
以上の結果、砂糖事業全体で、売上高65,975百万円(前年同期比6.0%減)、営業利益2,032百万円(前年同期比43.8%減)となりました。
期中の砂糖市況
国内市中相場(日本経済新聞掲載、東京上白大袋1kg当たり)
期を通じて187円~188円で推移
海外粗糖相場(ニューヨーク砂糖当限、1ポンド当たり)
始値 10.39セント 高値 15.66セント 安値 9.05セント 終値 15.49セント
(フードサイエンス事業)
フードサイエンス事業につきましては、パラチノースの国内向け販売量が一部持ち直し、さとうきび抽出物の除菌用及び飼料用需要が国内外ともに伸長したことから、前年同期並の売上高を計上し、増益となりました。
連結子会社では、新型コロナウイルス感染拡大の影響は否定できず減収となりましたが、㈱タイショーテクノスは、前期に実施した生産集約に伴う原価率の改善などにより増益となりました。ニュートリー㈱におきましても、販売管理費の改善が奏功し増益となりました。
以上の結果、フードサイエンス事業全体で、売上高14,915百万円(前年同期比2.4%減)、営業利益873百万円(前年同期比34.5%増)となりました。
(不動産事業)
不動産事業につきましては、前年同期並の売上高を計上いたしましたが、賃貸施設の修繕工事の実施などにより減益となり、売上高1,471百万円(前年同期比0.7%増)、営業利益656百万円(前年同期比6.0%減)となりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は82,362百万円(前年同期比5.3%減)、営業利益は3,562百万円(前年同期比28.3%減)となりました。
営業外損益においては、フィンゴリモド「FTY720」の開発権及び販売権の許諾に基づく受取ロイヤリティーを450百万円計上いたしました。なお、当社の共同特許権者である田辺三菱製薬㈱とNovartis Pharma AG(以下「ノバルティス社」という。)との間で仲裁手続きが進行中であることを受け、ノバルティス社が契約の有効性に関し疑義を提起している部分につきましては、引き続き収益としては認識しておりません。また、持分法による投資損失を計上した他、当第3四半期連結会計期間に政策保有株式の一部を売却し、投資有価証券売却益を特別利益として計上いたしました。以上により、経常利益は3,460百万円(前年同期比27.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2,636百万円(前年同期比4.5%減)となりました。
なお、2020年3月25日に公表いたしました大日本明治製糖㈱との経営統合につきましては、協議・検討を重ねた結果、その実施について最終合意に達し、同年10月15日付で統合基本契約を締結いたしました。
②財政状態
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末比7,011百万円増加し148,716百万円となりました。連結貸借対照表の主要項目ごとの主な増減要因等は次の通りであります。
ⅰ)流動資産
流動資産は、前連結会計年度末比7,851百万円増加し65,008百万円となりました。これは主として、現金及び預金の増加5,374百万円、原材料及び貯蔵品の増加3,762百万円等があった一方で、商品及び製品の減少2,093百万円等があったことによるものであります。
ⅱ)固定資産
固定資産は、前連結会計年度末比840百万円減少し83,708百万円となりました。これは主として、繰延税金資産の増加738百万円、関係会社出資金の増加291百万円等があった一方で、機械装置及び運搬具の減少864百万円、投資有価証券の減少900百万円等があったことによるものであります。
ⅲ)負債
負債は、前連結会計年度末比5,900百万円増加し55,210百万円となりました。これは主として、その他固定負債の増加3,961百万円、支払手形及び買掛金の増加1,864百万円等があったことによるものであります。
ⅳ)純資産
純資産は、前連結会計年度末比1,110百万円増加し93,506百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する四半期純利益2,636百万円、剰余金の配当1,285百万円等があったことによるものであります。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は734百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループは、主力の砂糖事業において、原料となる粗糖が相場商品であること、また製品価格も競争や市場環境等により変動する場合があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このような事業環境下、当社では適切な原料糖調達と適正販売価格帯の維持に努めてまいりました。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原料糖の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、社債及び金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当第3四半期連結累計期間末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は21,726百万円となっております。