四半期報告書-第98期第3四半期(令和3年10月1日-令和3年12月31日)

【提出】
2022/02/09 13:08
【資料】
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【項目】
43項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
なお、第1四半期連結会計期間の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しており、かつ2021年4月1日付で大日本明治製糖㈱と経営統合したことも踏まえ、経営成績に関する説明は、前第3四半期連結累計期間と比較しての増減額及び前年同期比(%)を記載せずに説明しております。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当第3四半期連結累計期間におきましては、緊急事態宣言の全面解除等により、行動制限が徐々に緩和され、景気持ち直しの動きがみられましたが、新たな変異株の発生に伴う感染再拡大が懸念される状況が続いております。このような状況下、当社グループは、販売状況に応じた生産体制の最適化や各種経費の節減を行うとともに、各社間の連携を一層強めてまいりました。
(砂糖事業)
海外粗糖相場につきましては、1ポンド当たり14セント後半でスタートし、新型コロナウイルスワクチン接種の普及に伴う景気回復に対する期待感などから上昇基調となりました。8月に入ると、ブラジルの天候不順によるサトウキビの減産懸念や、原油価格などの国際商品市況全般の上昇の影響を受け、約4年半ぶりとなる20セント台に達するに至り、その後は、新型コロナウイルスの新たな変異株を巡る各国の反応などを材料として、18~20セント台で上下を繰り返しつつ、18セント後半で当第3四半期末を迎えました。
国内市中相場につきましては、192円~193円で始まったものの、前期から続く海外粗糖相場の高騰及び高止まりや円安、コロナ禍における世界的な海上輸送コスト増などを受けた期中の出荷価格引き上げ等が反映された結果、198円~199円にて当第3四半期末を迎えました。なお、当社の出荷価格につきましては、各種コストの増加を吸収するため、7月と12月にそれぞれ6円引き上げております。
国内の精製糖販売面では、緊急事態宣言が全面解除されたものの、政府による経済回復施策などの支援材料がなく、受注は低調に推移いたしましたが、年末に向けて人流が増加した影響により、土産物や外食向けの需要が徐々に回復するに至りました。生産面においては、原油高に伴う燃料費の上昇を受けながらも引き続き安定操業に努め、コストダウンを図ってまいりました。
また、シンガポールでは、行動制限の緩和による販売量増により増収となったものの、新型コロナウイルスの影響等を受け、人件費や輸送コストが高騰したため原価率が悪化し、前年同期並みの営業利益となりました。
以上の結果、砂糖事業は、売上高93,151百万円(前年同四半期は65,975百万円)、営業利益2,679百万円(前年同四半期は2,032百万円)となりました。
期中の砂糖市況
国内市中相場(日本経済新聞掲載、東京上白大袋1kg当たり)
始値 192円~193円 終値 198円~199円
海外粗糖相場(ニューヨーク砂糖当限、1ポンド当たり)
始値 14.71セント 高値 20.69セント 安値 14.68セント 終値 18.88セント
(ライフ・エナジー事業) ※2021年4月1日付でフードサイエンス事業から名称変更
ライフ・エナジー事業につきましては、パラチノースは、冬場を迎えて清涼飲料向けでやや鈍化傾向にあったものの、海外向け需要が好調となりました。パラチニットは得意とするキャンディ用途での新規採用等があり、さとうきび抽出物は食品用、消臭用及び飼料用の各用途で販売が好調で、海外向け需要も堅調に推移いたしました。
また、食品色素、健康食品素材や工業用抗菌剤などの販売の増加も売上に貢献いたしました。その一方で、コスト面では介護・栄養分野において、経腸栄養剤の営業活動強化を目的とした販売間接費が増加いたしました。
以上の結果、ライフ・エナジー事業は、売上高17,146百万円(前年同四半期は14,915百万円)、営業利益316百万円(前年同四半期は873百万円)となりました。
(不動産事業)
不動産事業につきましては、販売管理費の減少等により、売上高1,963百万円(前年同四半期は1,471百万円)、営業利益777百万円(前年同四半期は656百万円)となりました。なお、岡山工場跡地の再開発計画も順調に進捗しております。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は112,260百万円(前年同四半期は82,362百万円)、営業利益は3,773百万円(前年同四半期は3,562百万円)となりました。
営業外損益においては、フィンゴリモド「FTY720」の開発権及び販売権の許諾に基づく受取ロイヤリティーを447百万円計上いたしました。なお、当社の共同特許権者である田辺三菱製薬㈱とNovartis Pharma AG(以下「ノバルティス社」という。)との間で仲裁手続きが進行中であることを受け、ノバルティス社が契約の有効性に関し疑義を提起している部分につきましては、引き続き収益としては認識しておりません。
持分法投資損益においては、中国の関連会社事業は原価率の改善もあり、順調に推移している一方で、タイ事業損益は新工場の償却費負担の増加等により悪化し、経常利益は3,648百万円(前年同四半期は3,460百万円)となりました。なお、連結子会社である北海道糖業㈱において、2023年3月をもって同社の本別製糖所の生産を終了する方針を決定したことで固定資産の減損損失1,071百万円を計上したこと等により、親会社株主に帰属する四半期純利益は766百万円(前年同四半期は2,636百万円)となりました。
なお、当社は、㈱東京証券取引所が2022年4月4日に予定している市場区分の見直しに関し、「プライム市場」に移行することを決定し公表いたしました。
②財政状態
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末比41,716百万円増加し188,427百万円となりました。連結貸借対照表の主要項目ごとの主な増減要因等は次の通りであります。
ⅰ)流動資産
流動資産は、前連結会計年度末比27,798百万円増加し88,727百万円となりました。これは主として、現金及び預金の増加13,699百万円、原材料及び貯蔵品の増加5,714百万円、受取手形及び売掛金の増加4,513百万円等があったことによるものであります。
ⅱ)固定資産
固定資産は、前連結会計年度末比13,918百万円増加し99,699百万円となりました。これは主として、投資有価証券の増加6,817百万円、土地の増加2,586百万円等があったことによるものであります。
ⅲ)負債
負債は、前連結会計年度末比26,994百万円増加し82,025百万円となりました。これは主として、社債の増加10,000百万円、支払手形及び買掛金の増加6,853百万円、短期借入金の増加3,560百万円等があったことによるものであります。
ⅳ)純資産
純資産は、前連結会計年度末比14,721百万円増加し106,402百万円となりました。これは主として、新株の発行による資本剰余金の増加8,070百万円、自己株式の処分による自己株式の減少4,819百万円等があったことによるものであります。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は786百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループは、主力の砂糖事業において、原料となる粗糖が相場商品であること、また製品価格も競争や市場環境等により変動する場合があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このような事業環境下、当社では適切な原料糖調達と適正販売価格帯の維持に努めてまいりました。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原料糖の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、社債及び金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当第3四半期連結累計期間末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は32,449百万円となっております。